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リドメックスコーワ軟膏0.3%/リドメックスコーワクリーム0.3%/リドメックスコーワローション0.3%

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.3その他
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2局所抗炎症作用
18.3血管収縮作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

リドメックスコーワ軟膏0.3%/リドメックスコーワクリーム0.3%/リドメックスコーワローション0.3%

添付文書番号

2646720M1080_1_08

企業コード

270072

作成又は改訂年月

2024年10月改訂(第2版)
2020年5月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872646

薬効分類名

外用副腎皮質ホルモン剤

承認等

リドメックスコーワ軟膏0.3%

販売名コード

YJコード

2646720M1080

販売名英語表記

LIDOMEX KOWA Ointment 0.3%

販売名ひらがな

りどめっくすこーわなんこう0.3%

承認番号等

承認番号

22100AMX01632

販売開始年月

1982年8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

リドメックスコーワクリーム0.3%

販売名コード

YJコード

2646720N1093

販売名英語表記

LIDOMEX KOWA Cream 0.3%

販売名ひらがな

りどめっくすこーわくりーむ0.3%

承認番号等

承認番号

22100AMX01633

販売開始年月

1982年8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

リドメックスコーワローション0.3%

販売名コード

YJコード

2646720Q1065

販売名英語表記

LIDOMEX KOWA Lotion 0.3%

販売名ひらがな

りどめっくすこーわろーしょん0.3%

承認番号等

承認番号

22100AMX01634

販売開始年月

1987年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

一般的名称

プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)[感染を悪化させるおそれがある。]
  2. 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  3. 2.3 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがある。]
  4. 2.4 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が遅延するおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

リドメックスコーワ軟膏0.3%

有効成分1g中
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル   3mg
添加剤パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、白色ワセリン  
流動パラフィン  

リドメックスコーワクリーム0.3%

有効成分1g中
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル   3mg
添加剤パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、白色ワセリン  
軽質流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリソルベート60、エデト酸Na水和物、クエン酸水和物、水酸化Na  
モノステアリン酸ソルビタン  

リドメックスコーワローション0.3%

有効成分1g中
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル   3mg
添加剤パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、白色ワセリン  
軽質流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリソルベート60、エデト酸Na水和物、クエン酸水和物、水酸化Na  
カルボキシビニルポリマー、ソルビタンセスキオレイン酸エステル  

3.2 製剤の性状

リドメックスコーワ軟膏0.3%

性状白色の油脂性軟膏剤である。

リドメックスコーワクリーム0.3%

性状白色のo/w型クリーム剤である。

リドメックスコーワローション0.3%

性状白色の乳剤性ローション剤である。

4. 効能又は効果

湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬を含む)、痒疹群(固定じん麻疹、ストロフルスを含む)、虫さされ、乾癬、掌蹠膿疱症

5. 効能又は効果に関連する注意

皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

6. 用法及び用量

通常1日1~数回、適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。また、症状により密封法を行う。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがある。,,,
  2. 8.2 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。

9.7 小児等

長期・大量使用又は密封法(ODT)は避けること。発育障害をきたすおそれがある。また、おむつは密封法と同様の作用があるので注意すること。

9.8 高齢者

大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 眼圧亢進、緑内障、白内障(いずれも頻度不明)

    眼瞼皮膚への使用に際しては、眼圧亢進、緑内障、白内障を起こすことがある。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、緑内障、白内障等があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

頻度不明

皮膚の感染症1)

皮膚の真菌症(カンジダ症、白癬症等)、細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛のう炎等)、ウイルス感染症

その他の皮膚症状

魚鱗癬様皮膚変化、一過性の刺激感、乾燥

ざ瘡様発疹2)、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎(ほほ、口囲等に潮紅、丘疹、膿疱、毛細血管拡張を生じる)2)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑)2)、多毛2)、色素脱失等2)

過敏症

紅斑等の過敏症状

下垂体・副腎皮質系機能3)

下垂体・副腎皮質系機能の抑制

1) 密封法(ODT)の場合、起こり易い。このような症状があらわれた場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、使用を中止すること。
2) 長期連用した場合。このような症状があらわれた場合には使用を中止し、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り替えること。
3) 大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)の場合。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  • 〈製剤共通〉
    1. 14.1.1 化粧下、ひげそり後等に使用することのないよう指導すること。
  • 〈ローション〉
    1. 14.1.2 よく振ってから使用すること。

14.2 薬剤投与時の注意

眼科用として使用しないこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回塗布

    0.3%[3H]プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル軟膏又はクリームをラット正常皮膚に塗布した結果、軟膏では塗布後8時間で、クリームでは塗布後4時間でそれぞれ血中濃度がピークに達し、以後漸減した。また軟膏をラット損傷皮膚に塗布した結果、塗布後1~2時間で血中濃度がピークに達し、以後速やかに減少した1)

16.4 代謝

0.3%[3H]プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル軟膏をラット損傷皮膚に塗布し、経皮吸収時の代謝を検討した結果、ラットにおける代謝経路はエステルの加水分解、6β位の水酸化及び20位カルボニルの還元であることが示唆された2)

16.5 排泄

0.3%[3H]プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル軟膏又はクリームをラット正常皮膚に塗布した結果、軟膏では塗布後4日間で投与量の0.5%が尿中、5%が糞中に、クリームでは塗布後4日間で投与量の1%が尿中、8%が糞中にそれぞれ排泄された。また軟膏をラット損傷皮膚に塗布した結果、塗布後4日間で投与量の4%が尿中、32%が糞中に排泄された1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    湿疹・皮膚炎群、痒疹群、虫刺症(虫さされ)、尋常性乾癬及び掌蹠膿疱症患者1,408例を対象に、リドメックスコーワ軟膏・クリーム・ローションのそれぞれ適量を1日1~数回、7~36日間塗布した臨床試験(二重盲検比較試験を含む)の成績は以下のとおりである。

    表 対象疾患別の改善率4)

    剤形
    疾患名

    リドメックス
    コーワ軟膏

    リドメックス
    コーワクリーム

    リドメックス
    コーワローション

    湿疹・
    皮膚炎群

    91.1%
    (460/505例)

    89.1%
    (328/368例)

    85.5%
    (47/55例)

    痒疹群

    92.6%
    (25/27例)

    85.2%
    (23/27例)

    虫刺症
    (虫さされ)

    100.0%
    (26/26例)

    100.0%
    (26/26例)

    尋常性乾癬

    88.5%
    (162/183例)

    88.8%
    (79/89例)

    掌蹠膿疱症

    80.0%
    (24/30例)

    77.8%
    (21/27例)

    4) リドメックスコーワ軟膏・クリーム:全般改善度を5~6段階で評価し、「かなり軽快」以上を集計、リドメックスコーワローション:全般改善度を5段階で評価し、「かなり軽快」以上を集計

  2. 17.1.2 国内二重盲検比較試験

    尋常性乾癬、苔癬化型及び湿潤型湿疹・皮膚炎患者を対象に二重盲検比較試験を行った結果、リドメックスコーワ軟膏・クリームの有用性が認められた3),4)

  3. 17.1.3 国内長期投与試験

    苔癬化型のアトピー皮膚炎、尋常性乾癬及び局面状類乾癬患者17例を対象にリドメックスコーワ軟膏又はクリームを1日2~3回、2~6.5ヵ月間塗布した結果、局所的あるいは全身的な副作用は認められなかった5)

  4. 17.1.4 国内小児臨床試験

    痒疹群、虫刺症、湿潤型及び苔癬化型湿疹・皮膚炎の乳児、幼児及び小児患者67例を対象にリドメックスコーワ軟膏を1日2~3回、3日~4週間塗布した結果、全身的影響は認められなかった。副作用は2/67例(3.0%)に認められ、いずれも毛のう炎であった6)

17.3 その他

  1. 17.3.1 全身における影響

    成人尋常性乾癬患者18例にリドメックスコーワ軟膏(10g/日又は30g/日)を5日間密封法にて塗布した二重盲検比較試験の結果、リドメックスコーワ軟膏による血漿コルチゾール値の低下は一過性であり、また末梢血好酸球数及び血糖値等には変化を認めなかった7)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

一般にグルココルチコイドの作用機序として、グルココルチコイドが細胞質の受容体と結合後、ステロイド-受容体結合体が核に移行して、特定のタンパクを合成させ、その合成タンパクにより各種作用が発現するといわれている。

18.2 局所抗炎症作用

  1. 18.2.1 カラゲニン足浮腫抑制作用

    軟膏・クリーム製剤による実験(ラット)で、浮腫抑制率はベタメタゾン吉草酸エステル製剤と同程度で、ヒドロコルチゾン酪酸エステル製剤より大きかった8)

  2. 18.2.2 クロトン油耳浮腫抑制作用

    軟膏製剤による実験(ラット)で、浮腫抑制率はベタメタゾン吉草酸エステル製剤あるいはヒドロコルチゾン酪酸エステル製剤より大きかった8)

  3. 18.2.3 その他の局所抗炎症作用

    肉芽腫増殖(ラット)、PCA(ラット)及び遅延型アレルギー性皮膚炎(モルモット)等の実験的炎症モデルに軟膏を塗布した結果、局所抗炎症作用が認められた8)

18.3 血管収縮作用

  1. 18.3.1 健康成人男性において二重盲検比較試験を行った結果、リドメックスコーワ軟膏・クリームの血管収縮作用が認められた9)
  2. 18.3.2 健康成人男性においてリドメックスコーワローションの血管収縮作用をリドメックスコーワローション基剤及びリドメックスコーワクリームを対照に比較した結果、基剤に比し、有意な血管収縮反応を示した。また、リドメックスコーワクリームとは同等の血管収縮作用を示した10)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(Prednisolone Valerate Acetate)

化学名

11β,17α,21-Trihydroxy-1,4-pregnadiene-3,20-dione 21-acetate 17-valerate

分子式

C28H38O7

分子量

486.60

性状

白色の結晶性の粉末で、においはない。アセトン又は1,4-ジオキサンに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水又はヘキサンにほとんど溶けない。

化学構造式

融点

約186℃(分解)

22. 包装

  • *〈リドメックスコーワ軟膏0.3%〉

    アルミチューブ:5g×10、10g×10
    プラスチック容器:100g、500g

  • *〈リドメックスコーワクリーム0.3%〉

    アルミチューブ:5g×10、10g×10
    プラスチック容器:100g、600g

  • *〈リドメックスコーワローション0.3%〉

    プラスチック容器:10g×10、15g×10

24. 文献請求先及び問い合わせ先

興和株式会社 くすり相談センター

〒103-8433 東京都中央区日本橋本町三丁目4-14

電話 0120-508-514
03-3279-7587
受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

興和株式会社

東京都中央区日本橋本町三丁目4-14

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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