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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
アレルギー性鼻炎
通常、成人にはラマトロバンとして1回75mgを1日2回、朝食後及び夕食後(又は就寝前)に経口投与する。
高齢者には低用量(100mg/日)から投与を開始するなど注意すること。
季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。
出血を助長するおそれがある。
肝機能異常を起こすことがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている 1) 。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。薬物動態スクリーニングによる検討結果より、高齢者(65歳以上)では本剤の血中濃度が非高齢者に比し高くなることが推定されている。また、国内で実施された臨床試験において、副作用は高齢者では192例中22例(11.5%)に、非高齢者では1048例中64例(6.1%)に認められた。
抗血小板剤
血栓溶解剤
抗凝血剤
これらの薬剤と併用することにより出血傾向の増強をきたすおそれがある。
観察を十分に行い、用量を調節するなど注意すること。
本剤は血小板凝集能を抑制するため、類似の作用を持つ薬剤と併用することにより作用が増強する可能性がある。
サリチル酸系製剤
ヒト血漿タンパク結合に対する相互作用の検討(in vitro)において、サリチル酸により本剤の非結合型分率が1.3~1.9倍上昇することがある。
本剤がサリチル酸と血漿タンパク結合部位で置換し、遊離型血中濃度が上昇すると考えられる。
テオフィリン
テオフィリンとの併用により、本剤の血中濃度が上昇することがある。
機序不明
肝炎、AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDHの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
過敏症
発疹、そう痒
肝臓
AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇
出血傾向
APTT延長、尿潜血、紫斑、プロトロンビン時間延長
歯肉出血、鼻出血、皮下出血、月経延長
腎臓
BUN上昇
クレアチニン上昇
循環器
動悸
浮腫
消化器
嘔気、下痢、腹痛、便秘、胃不快感、消化不良、食欲不振、口内炎
嘔吐
血液
好酸球増多、白血球減少
赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少
精神神経系
眠気、頭痛・頭重、めまい
舌しびれ、手足のこわばり
その他
倦怠感、味覚異常
鼻乾燥、関節痛、ほてり、胸部圧迫感、胸部異常感
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
変異原性については、培養細胞を用いた染色体異常試験の非代謝活性化法で陽性の結果が得られた。しかし、同試験の代謝活性化法で陰性であり、また別の培養細胞を用いた染色体異常試験及び他の変異原性試験(細菌を用いる復帰突然変異試験、マウスを用いた小核試験、哺乳類の培養細胞を用いた前進突然変異試験、ラット初代培養肝細胞を用いた不定期DNA試験)のいずれにおいても陰性であり、生体内で変異原性が発現する可能性は低い。
健康成人にラマトロバン製剤1回75mgを空腹時単回経口投与した際のCmax及びAUCは以下のとおりである2) 。
Cmax(ng/mL)
AUC(ng・h/mL)
469.5±285.9
1688.4±881.6
平均値±標準偏差、n=20
また、健康成人にラマトロバン製剤1回25mg、50mg、100mg注1) を空腹時単回経口投与した際の薬物動態パラメータは下表のとおりである。血漿中ラマトロバン濃度は、いずれの投与量においても投与後約2~3時間でCmaxに達した後、t1/2約2時間で消失した3) 。
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-t
(ng・h/mL)
t1/2
25mg
103.7(1.64)
2.7(1.85)
440.8(1.79)
2.21(1.19)*
50mg
211.1(1.35)
2.3(1.59)
953.7(1.53)
2.03(1.24)
100mg
237.2(1.83)
2.2(1.67)
1258.3(1.72)
2.33(1.20)
幾何平均値(幾何標準偏差)、n=6、*:n=3
健康成人(非高齢者)に1日2回朝・夕食後ラマトロバン製剤75、100mg注1) を9日間反復経口投与した場合、又は高齢者(65~72歳、平均67.8歳)に1日2回朝・夕食後ラマトロバン製剤50mgを9日間反復経口投与した場合、いずれにおいても反復投与による薬物動態パラメータの変動及び蓄積性は認められていない3), 4),5) 。
ラマトロバン錠50mg「KO」とバイナス錠50mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ラマトロバンとして50mg)健康成人男子に絶食及び食後単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUCt、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された6) 。
〈絶食投与〉
判定パラメータ
参考パラメータ
AUCt
(ng・hr/mL)
ラマトロバン錠
50mg「KO」
1234±408
330±152
2.3±1.0
2.8±1.4
バイナス錠
1259±455
347±169
2.1±0.9
2.3±0.8
(Mean±S.D.,n=16)
〈食後投与〉
1156±320
428±194
4.1±1.2
1.8±0.3
1189±352
430±152
3.9±1.1
1.9±0.6
(Mean±S.D.,n=15)
血漿中濃度並びにAUCt、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
ラマトロバン錠75mg「KO」とバイナス錠75mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ラマトロバンとして75mg)健康成人男子に絶食及び食後単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUCt、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された7) 。
75mg「KO」
1722±887
467±244
75mg
1579±700
456±193
1.7±0.7
2.4±1.1
(Mean±S.D.,n=16)
1722±477
644±259
3.2±0.9
2.1±0.4
1705±418
672±184
3.1±1.0
2.6±1.1
健康成人にラマトロバン製剤1回50mg注1) を空腹時又は食後に単回投与した場合、食後投与によりAUCが空腹時投与時の88.8%(90%信頼区間:81.4~96.9%)と低下したが、臨床的には問題とならない程度であると考えられる3) 。
血漿タンパクと高い結合能を示しヒト血漿タンパクでは97~98%である。主にアルブミンと結合し、その結合は可逆的である1) 。
雄ラットに14C標識ラマトロバン4.2mg/kgを経口投与すると、肝臓及び腎臓に高濃度に移行した。また、妊娠ラットに14C標識ラマトロバン5mg/kgを経口投与すると、胎児組織中に放射能の移行が認められたが、母体血中濃度と同程度かそれ以下であり、投与後24時間には最高値の約1/50に低下した1) 。
健康成人に経口投与した場合の主代謝経路はグルクロン酸抱合化であった。血中の主代謝物は未変化体のアシル型グルクロン酸抱合体であり、尿中にはその他にテトラヒドロカルバゾール環の1位又は6位水酸化、及びカルバゾール体が認められた8) 。
健康成人に単回経口投与した場合、尿中への未変化体、代謝物の排泄は少なく、あわせて約8%である。したがって主な排泄経路は胆汁を介した糞中排泄と考えられる8) 。
薬物動態スクリーニングにより検討した結果、高齢者の全身クリアランスは非高齢者の78.9%(95%信頼区間:56.4~101.4%)と、非高齢者に比し低い傾向がみられた9) 。
健康成人における検討の結果、ラマトロバンにジゴキシン及びマーロックス®を併用投与した場合、相互作用は認められなかった。テオフォリンを併用した場合は、テオフォリンの薬物動態は変動しなかったが、ラマトロバンの血中濃度が上昇した例もあった10) 。また、ラマトロバンの非結合型分率は臨床血中濃度のサリチル酸により1.3~1.9倍上昇した(in vitro)11) 。
アレルギー性鼻炎を対象としたテルフェナジンとの二重盲検比較試験において、ラマトロバン製剤150mg/日(分2)及びテルフェナジン120mg/日(分2)をそれぞれ4週間投与した際の中等度改善以上の改善率はラマトロバン群で67.4%(60/89例)、テルフェナジン群で43.0%(34/79例)となり、ラマトロバン群で有意に高値であった(Fisher:p=0.002)。
副作用は95例中5例(5.3%)に認められ、主な副作用は眠気3件、動悸、胃のもたれ感、めまい感(ふらつき)及び軟便が各1件であった12) 。
ラマトロバンは、鼻粘膜血管や血小板のトロンボキサンA2(TXA2)受容体に結合し、血管透過性亢進作用及び炎症性細胞浸潤に対して抑制作用を示す13),14),15) 。また、好酸球などの炎症細胞上のプロスタグランジンD2(PGD2)受容体に結合することにより、炎症細胞の遊走や脱顆粒の抑制作用を示す16),17),18) 。ラマトロバンは、これらTXA2及びPGD2の2つの受容体に結合することにより、抗アレルギー性鼻炎作用を示す。
能動感作モルモットの抗原誘発鼻粘膜血管透過性亢進モデルに対して、経口投与により血管透過性の亢進を有意に抑制する13) 。
能動感作モルモットの抗原誘発鼻腔抵抗上昇モデルに対して、経口投与により鼻腔抵抗の上昇を有意に抑制する19),20) 。
能動感作モルモットの抗原誘発鼻症状(くしゃみ、鼻かき)モデルに対して、経口投与によりくしゃみ、鼻かきの回数が減少する20) 。
ラマトロバン(Ramatroban)
(+)-(3R)-3-(4-Fluorobenzenesulfonamido)-1,2,3,4-tetrahydrocarbazole-9-propionic acid
C21H21FN2O4S
416.47
本品は白色~微帯黄白色の粉末である。本品はアセトニトリル、メタノール、エタノール(99.5)又は酢酸エチルに溶けやすく、2-プロパノールにやや溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水、ヘプタン又はヘキサンにほとんど溶けない。
100錠[10錠(PTP)×10]
1) Steinke W,et al.:Arzneim-Forsch/Drug Res.1997;47:939-948.
2) 25mg錠と75mg錠の同等性の検証(バイナス錠:2000年3月10日承認、申請資料概要へ-4.(2))
3) 安永幸二郎他:臨床医薬.1996;12:2523-2539.
4) 東純一他:臨床医薬.1997;13:511-524.
5) 東純一他:臨床医薬.1997;13:525-535.
6) 蓮沼智子他:新薬と臨牀.2018;67:1466-1479.
7) 沖守他:新薬と臨牀.2018;67:1480-1492.
8) ヒト代謝物の検討(バイナス錠:2000年3月10日承認、申請資料概要へ-3.(1))
9) 谷河賞彦他:薬物動態.1997;12:121-129.
10) 薬物相互作用の検討(バイナス錠:2000年3月10日承認、申請資料概要へ-3.(5))
11) 血漿蛋白との結合性(バイナス錠:2000年3月10日承認、申請資料概要へ-2.(2).4))
12) 馬場駿吉他:耳鼻臨床.1996;補87:1-32.
13) ラマトロバンの抗アレルギー性鼻炎作用(バイナス錠:2000年3月10日承認、申請資料概要ホ-1.(1))
14) Theis JGW,et al.:Biochem Pharmacol.1992;44:495-503.
15) Perzborn E,et al.:Arzneim-Forsch/Drug Res.1989;39:1522-1525.
16) Sugimoto H,et al.:J Pharmacol Exp Ther.2003;305:347-352.
17) Shichijo M,et al.:J Pharmacol Exp Ther.2003;307:518-525.
18) Yoshimura-Uchiyama C,et al.:Clin Exp Allergy.2004;34:1283-1290.
19) 広中隆他:薬理と治療.1996;24:159-165.
20) Narita S:Int Arch Allergy Immunol.1996;109:161-166.
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