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HM散

添付文書番号

2339178B1040_1_02

企業コード

270147

作成又は改訂年月

2024年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872339

薬効分類名

健胃消化剤

承認等

HM散

販売名コード

YJコード

2339178B1040

販売名英語表記

HM Powder

販売名ひらがな

HMさん

承認番号等

承認番号

21000AMZ00248000

販売開始年月

1999年5月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

ジアスターゼ・生薬配合剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 透析療法を受けている患者
  3. 2.3 ナトリウム摂取制限を必要とする患者(高ナトリウム血症、浮腫、妊娠中毒症等)[ナトリウムの貯留増加により症状が悪化するおそれがある。]
  4. 2.4 高カルシウム血症、甲状腺機能低下症又は副甲状腺機能亢進症の患者[血中カルシウム濃度の上昇により病態に悪影響を及ぼすおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

HM散

有効成分1包(1.3g)中  
ジアスターゼ   100mg
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム   400mg
炭酸水素ナトリウム   300mg
沈降炭酸カルシウム   200mg
チョウジ末   10mg
ウイキョウ末   20mg
ケイヒ末   74.5mg
ショウキョウ末   24.5mg
オウレン末   50mg
サンショウ末   1mg
カンゾウ末   118mg
添加剤l-メントール

3.2 製剤の性状

HM散

剤形粉末
色調灰褐色
におい特異なにおいを有する。

4. 効能又は効果

下記消化器症状の改善

食欲不振、胃部不快感、胃もたれ、嘔気・嘔吐

6. 用法及び用量

通常成人1回1.3g、7才~14才は1/2量、4~6才は1/3量を1日3回食後服用する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 重篤な消化管潰瘍のある患者

    炭酸水素ナトリウムを配合しているため、症状が悪化するおそれがある。

  2. 9.1.2 心機能障害のある患者

    症状が悪化するおそれがある。

  3. 9.1.3 肺機能障害のある患者

    症状が悪化するおそれがある。

  4. 9.1.4 リン酸塩低下のある患者

    アルミニウムにより無機リンの吸収が阻害される。

  5. 9.1.5 低クロル性アルカローシス等の電解質失調の患者

    症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 透析療法を受けている患者

    長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれるおそれがある。

  2. 9.2.2 腎不全の患者

    排泄障害により副作用があらわれるおそれがある。

9.5 妊婦

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    テトラサイクリン系抗生物質

    • テトラサイクリン
    • ドキシサイクリン 等

    本剤との併用により、これらの薬剤の効果が減弱することがあるので、同時に服用させない等注意すること。
    この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより弱まるとの報告がある。

    本剤中のAl3+、Mg2+、Ca2+と不溶性のキレートを形成して、これらの薬剤の吸収が阻害される。

    ニューキノロン系抗菌剤

    • エノキサシン
    • ノルフロキサシン
    • オフロキサシン 等

    本剤との併用により、これらの薬剤の効果が減弱することがあるので、同時に服用させない等注意すること。
    この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより弱まるとの報告がある。

    本剤中のAl3+、Mg2+、Ca2+と不溶性のキレートを形成して、これらの薬剤の吸収が阻害される。

    活性型ビタミンD

    • カルシトリオール
    • アルファカルシドール

    高カルシウム血症があらわれやすくなる。

    活性型ビタミンDのカルシウム吸収促進作用により、本剤中のカルシウムが吸収されるおそれがある。

    大量の牛乳・カルシウム製剤

    Milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがある。観察を十分に行い、症状が発現した場合には投与を中止すること。

    尿細管でのカルシウム再吸収が増加する。

    その他の併用薬剤

    併用薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがある。
    この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより弱まるとの報告がある。

    本剤中のAl3+、Mg2+、Ca2+の吸着作用や消化管内・体液のpH上昇による。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    長期・大量投与

    腎結石、尿路結石

    代謝異常1)

    高マグネシウム血症

    消化器

    便秘等

    過敏症

    発疹等

    その他2)

    低カリウム血症、血圧上昇、体重増加、浮腫等

    1) 長期投与時。
    2) カンゾウを配合しているため、長期投与によりあらわれることがある。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    1. 18.1.1 ジアスターゼ

      ジアスターゼはでんぷんを分解する酵素アミラーゼの俗称であるが、本薬は麦芽を原料とする植物アミラーゼに属し、α、βの両アミラーゼがあり、両者共にでんぷんに作用する。麦芽アミラーゼの至適pHは弱酸性(pH4.5~5.5)であり、強酸、強アルカリで失活する1)

    2. 18.1.2 炭酸水素ナトリウム

      速効性、全身性の制酸作用を示す。ただし、胃液のアルカリ化によるペプシンの失活及び発生したCO2により胃粘膜を刺激して二次的に胃液分泌を促す。
      胃酸とは次式のように反応する。
       NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2
      炭酸水素ナトリウムは消化管から吸収されやすいため、過剰に用いるとアルカローシスを生じる。また、粘液をアルカリ化することにより局所性の粘液溶解作用を示す2)

    3. 18.1.3 沈降炭酸カルシウム

      不溶性カルシウム剤の1種で制酸作用を呈し、また吸着作用も現すので胃潰瘍及び胃酸過多症に制酸薬として用いる。
      胃酸とは次式のように反応する。
       CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2
      生じた塩化物は腸へ移行して腸液のアルカリとの反応により再び炭酸塩に変化した後、排泄される。大量投与により吸収性制酸薬となり、アルカローシスを生じる。また便秘を起こす傾向がある。本薬1gは0.1mol/L塩酸約200mLを中和する効力がある3)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    19.1 ジアスターゼ

    性状

    淡黄色~淡褐色の粉末である。吸湿性である。

    19.2 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム

    性状

    白色の粉末又は粒である。
    水又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
    1gを希塩酸10mLと加熱するとき、大部分溶ける。

    19.3 炭酸水素ナトリウム

    分子式

    NaHCO3

    分子量

    84.01

    性状

    白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、特異な塩味がある。
    水にやや溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
    湿った空気中で徐々に分解する。

    19.4 沈降炭酸カルシウム

    分子式

    CaCO3

    分子量

    100.09

    性状

    白色の微細な結晶性の粉末で、におい及び味はない。
    水にほとんど溶けないが、二酸化炭素が存在すると溶解性を増す。
    エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
    希酢酸、希塩酸又は希硝酸に泡立って溶ける。

    19.5 チョウジ末

    性状

    暗褐色を呈し、強い特異なにおいがあり、味は舌をやくようで、後に僅かに舌を麻痺させる。

    19.6 ウイキョウ末

    性状

    帯緑淡褐色~帯緑褐色を呈し、特異なにおい及び味がある。

    19.7 ケイヒ末

    性状

    赤褐色~褐色を呈し、特異な芳香があり、味は甘く、辛く、後にやや粘液性で、僅かに収れん性である。

    19.8 ショウキョウ末

    性状

    淡灰褐色~淡灰黄色を呈し、特異なにおいがあり、味は極めて辛い。

    19.9 オウレン末

    性状

    黄褐色~灰黄褐色を呈し、弱いにおいがあり、味は極めて苦く、残留性で、唾液を黄色に染める。

    19.10 サンショウ末

    性状

    暗黄褐色を呈し、強い特異な芳香があり、味は辛く舌を麻痺させる。

    19.11 カンゾウ末

    性状

    淡黄褐色又は淡黄色~灰黄色(皮去りカンゾウの粉末)を呈し、弱いにおいがあり、味は甘い。

    20. 取扱い上の注意

    直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管すること。

    22. 包装

    500g[袋、脱酸素剤入、箱入]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    小西製薬株式会社

    〒579-8012 大阪府東大阪市上石切町2-33-11

    TEL:072-981-2429 FAX:072-982-8857

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    小西製薬株式会社

    大阪府東大阪市上石切町2-33-11

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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