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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の臨床試験において、頭蓋内出血(脳内出血、硬膜外血腫、硬膜下血腫、脳室内出血、頭皮下血腫、くも膜下出血)の発現が認められている。本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において行うこと。また、本剤の投与に際しては、臨床症状及びコンピューター断層撮影による観察を十分に行い、出血が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,,,
くも膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善
通常、成人には、塩酸ファスジルとして1回30mgを50~100mLの電解質液または糖液で希釈し、1日2~3回、約30分間かけて点滴静注する。本剤の投与は、くも膜下出血術後早期に開始し、2週間投与することが望ましい。
本剤の投与は、2週間を目安とし、漫然と投与しないこと。
頭蓋内出血を起こした例がある。
低血圧が観察された場合には減量(例えば1回10mg)すること。排泄が遅延して、血中濃度が持続する可能性があり、低血圧が認められることがある。
代謝が遅延して、血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれる可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。24時間持続静脈内投与によりラットに12日間投与した器官形成期投与試験で、奇形(腹部閉鎖障害)を有する仔がみられたとの報告がある。また、24時間持続静脈内投与によりウサギに14日間投与した器官形成期投与試験で、奇形(頭部神経管障害、腹部閉鎖障害)を有する仔が認められたとの報告がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤の乳汁移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
腎機能が低下している可能性があるので、減量する(例えば1回10mg)など注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。なお、臨床試験及び市販後調査では、65歳以上の高齢者での副作用発現率は11.96%(1,798例中215例)であった。
機能予後の改善がみられない可能性があり、有効性が確立されていない。
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観察を十分に行い、著しい便秘、腹部膨満感等の症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
循環器
低血圧
顔面潮紅
血液
貧血、白血球減少、血小板減少
肝臓
肝機能異常(AST、ALT、ALP、LDHの上昇等)
黄疸
泌尿器
腎機能異常(BUN、クレアチニンの上昇等)、多尿
排尿困難
過敏症
発疹等の過敏症状
消化器
膨満感、嘔気、嘔吐
その他
発熱
頭痛、意識レベル低下、呼吸抑制
ラット及びサルに静脈内投与した実験で腎障害が認められたとの報告がある。
健康成人に塩酸ファスジル0.4mg/kgを単回30分間静脈内持続投与したときの血漿中未変化体濃度は、投与終了時に最高値に達し、速やかに減衰した。消失半減期は、約16分であった1)。
くも膜下出血術後患者に、塩酸ファスジル30mgを1日3回、14日間反復点滴静注したときの血漿中濃度推移は、健康成人に類似していた2)。
健康成人における塩酸ファスジルの主代謝物は、イソキノリン骨格の1位の水酸化体及びその抱合体であった1)。
健康成人における未変化体及び代謝物を合わせた投与後24時間までの尿中累積排泄率は、投与量の60%以上であった1)。
塩酸ファスジルにおいて、国内延べ190施設で総計666例について実施された二重盲検比較試験を含む臨床試験の概要は、次のとおりである。
塩酸ファスジルの使用成績調査及び特定使用成績調査において、総症例4,903例中、623例(12.71%)に副作用が認められた。その主なものは、AST、ALT、ALP、LDHの上昇等の肝機能異常、頭蓋内出血、低血圧等であった6) 。
蛋白リン酸化酵素であるRhoキナーゼの阻害作用によるものと考えられている。Rhoキナーゼは、ミオシンホスファターゼの不活化(リン酸化)を促進することで、それに続くミオシン軽鎖の不活化(脱リン酸化)を阻害する。Rhoキナーゼは、血管の収縮、炎症性細胞の活性化、血管内皮細胞の損傷など、くも膜下出血に伴う脳血管攣縮及び脳虚血障害発生の原因となっている生体内での諸反応に関与している。
イヌ遅発性脳血管攣縮モデルにおいて、攣縮を予防13)及び緩解14)した。
イヌ遅発性脳血管攣縮モデルにおいて、くも膜下腔への好中球浸潤を抑制した18)。
ファスジル塩酸塩水和物(Fasudil Hydrochloride Hydrate)(JAN)
hexahydro-1-(5-isoquinolinesulfonyl)-1H-1, 4-diazepine monohydrochloride hemihydrate (IUPAC)
C14H17N3O2S・HCl・1/2H2O
336.84
白色の結晶性の粉末又は塊で、においはない。水、ギ酸又は酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約220℃(分解)
2mL×10管
1) 中島光好ほか:薬理と治療. 1992; 20(Suppl. 6): 1559-1585
2) 高倉公朋ほか:薬理と治療. 1992; 20(Suppl. 6): 1587-1607
3) 高倉公朋ほか:薬理と治療. 1992; 20(Suppl. 6): 1627-1658
4) 高倉公朋ほか:薬理と治療. 1992; 20(Suppl. 6): 1609-1626
5) 高倉公朋ほか:薬理と治療. 1992; 20(Suppl. 6): 1659-1676
6) 製造販売後調査(エリル点滴静注液:2010年3月24日、再審査報告書)
7) Ito K, et al.:J Physiol. 2003; 546. 3: 823-836
8) Nagumo H, et al.:Am J Physiol. 2000; 278: C57-65
9) 瀬戸実ほか:薬理と治療. 1992; 20(Suppl. 6): 1551-1555
10) Satoh S, et al.:Jpn J Pharmacol. 1999; 80: 41-48
11) Satoh S, et al.:Eur J Pharmacol. 2002; 455: 169-174
12) Arai M, et al.:Biochem Pharmacol. 1993; 46: 1487-1490
13) 佐藤真一ほか:薬理と治療. 1992; 20(Suppl. 6): 1521-1524
14) 生垣一郎ほか:薬理と治療. 1992; 20(Suppl. 6): 1515-1519
15) Satoh S, et al.:Acta Neurochir. 1991; 110: 185-188
16) Hitomi A, et al.:Life Sci. 2000; 67: 1929-1939
17) Takemoto M, et al.:Circulation. 2002; 106: 57-62
18) Satoh S, et al.:J Clin Neurosci. 1999; 6: 394-399
19) Asano T, et al.:Br J Pharmacol. 1991; 103: 1935-1938
20) Satoh S, et al.:Br J Pharmacol. 1996; 118: 1592-1596
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