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日本薬局方
アスコルビン酸注射液
処方箋医薬品注)
通常成人はアスコルビン酸として、1日50〜2,000mgを1〜数回に分けて皮下、筋肉内又は静脈内注射する。なお、年令・症状により適宜増減する。
通常成人はアスコルビン酸として、1日50〜2,000mgを1〜数回に分けて静脈内注射する。なお、年令・症状により適宜増減する。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
経口投与が困難な場合や緊急の場合、また、経口投与で効果が不十分と考えられる場合にのみ使用すること。また、投与経路は静脈内注射を原則とすること。なお、経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には、速やかに経口投与にきりかえること。
血管痛があらわれることがあるので、注射速度はできるだけ遅くすること。
組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に注意すること。
注射部位に疼痛があらわれることがある。
アスコルビン酸(AsA)は平面的なγ-ラクトン環をもつアシ-レダクトンの一つであり、この化合物のもつ還元力(抗酸化力)は炭素2位および3位のエンジオール基[-C(OH)=C(OH)-]に起因している。AsAの生理機能の発現には、AsA、モノデヒドロアスコルビン酸(MDAsA)、およびデヒドロアスコルビン酸(DAsA)からなる酸化還元系が重要な鍵となる。AsAが効率的に機能するために、その酸化生成物を再還元する必要がある1)。
アスコルビン酸は、結合織の主成分であるコラーゲンの生成に関与しており、アスコルビン酸の欠乏は、皮膚、骨、歯、血管等の脆弱化をもたらす。すなわち、アスコルビン酸はコラーゲン中のprolineからhydroxyprolineへの水酸化過程に関与し2)(in vitro)、アスコルビン酸の投与によりコラーゲンの増加がみられる3)(モルモット)。また、アスコルビン酸は骨形成を進行させ、モルモット実験的骨折の修復機転において治癒的に作用する4),5)。
アスコルビン酸は毛細血管抵抗を増強し6)(マウス)、出血傾向を改善する7)(モルモット)。
アルコール中毒患者では、血中アスコルビン酸濃度が低値を示すものが多く、アスコルビン酸の欠乏が起こるとされている8)。アルコール中毒患者へのアスコルビン酸投与は、低下した尿中アスコルビン酸排泄量を回復させ9)、血中アルコール濃度の上昇を一時的に抑制する10)。また、ニコチンは副腎皮質を刺激し、副腎皮質ホルモンの分泌を促してアスコルビン酸の消費を増大させる8)。
ラットにエピネフリン注射によるストレスを負荷すると、好酸球の減少とともに組織学的には副腎の警告反応を示唆する像が得られるが、アスコルビン酸を前投与しておいた動物では有意の好酸球増加が認められ、また組織学的に副腎は正常で、副腎防禦作用を有することが示されている11) 。
アスコルビン酸は、チロシンからのメラニン生成過程の中で、DOPAからDOPAキノンへの酸化過程を阻害し、メラニン色素の生成を抑制する12)(in vitro)。
アスコルビン酸(Ascorbic Acid)
L-threo-Hex-2-enono-1,4-lactone
C6H8O6
176.12
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、酸味がある。水に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約190℃(分解)
1mL×50管
2mL×50管
1) 日本ビタミン学会編:ビタミンの事典. 朝倉書店;1996:366-367
2) Levene C.I. et al.:Biochim.Biophys.Acta. 1972;257:384-388
3) Gould B.S. et al.:Ann.New York Acad.Sci. 1960;85:385-398
4) Fullmer H.M. et al.:Ann.New York Acad.Sci. 1961;92:286-294
5) 梶原 章:最新医学. 1962;17:1429-1446
6) 藤田和典 他:日本皮膚科学会雑誌. 1963;73:580-589
7) Lee R.E.:J.Nutr. 1960;72:203-209
8) 田多井吉之介:日本医事新報. 1966;No.2190:161-162
9) Lester D. et al.:J.Nutr. 1960;70:278-282
10) 飯島泰彦:精神神経学雑誌. 1960;62:862-875
11) Bacchus H. et al.:Science. 1951;113:269-270
12) 竹内 勝 他:ビタミン. 1963;28:501-507
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