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エサンブトール錠125mg/エサンブトール錠250mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗菌作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

エサンブトール錠125mg/エサンブトール錠250mg

添付文書番号

6225001F1044_2_17

企業コード

270428

作成又は改訂年月

2023年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

876225

薬効分類名

エタンブトール製剤

承認等

エサンブトール錠125mg

販売名コード

YJコード

6225001F1044

販売名英語表記

Esanbutol Tablets 125mg

販売名ひらがな

えさんぶとーるじょう125mg

承認番号等

承認番号

21600AMY00071000

販売開始年月

1967年2月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

エサンブトール錠250mg

販売名コード

YJコード

6225001F2040

販売名英語表記

Esanbutol Tablets 250mg

販売名ひらがな

えさんぶとーるじょう250mg

承認番号等

承認番号

21600AMY00072000

販売開始年月

1967年2月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

一般的名称

エタンブトール塩酸塩

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

エサンブトール錠125mg

有効成分1錠中エタンブトール塩酸塩(日局)   125mg
添加剤トウモロコシデンプン、結晶セルロース、乳糖水和物、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化チタン、乾燥乳状白ラック、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、サッカリンナトリウム水和物、リボフラビン

エサンブトール錠250mg

有効成分1錠中エタンブトール塩酸塩(日局)   250mg
添加剤トウモロコシデンプン、結晶セルロース、乳糖水和物、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化チタン、乾燥乳状白ラック、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、サッカリンナトリウム水和物、リボフラビン

3.2 製剤の性状

エサンブトール錠125mg

外形表面
裏面
側面
大きさ直径約8.7mm
厚さ約4.1mm
質量約209mg
識別コードE125
性状黄色のフィルムコーティング錠

エサンブトール錠250mg

外形表面
裏面
側面
大きさ直径約10.5mm
厚さ約5.5mm
質量約418mg
識別コードE250
性状黄色のフィルムコーティング錠

4. 効能又は効果

  • 〈適応菌種〉

    本剤に感性のマイコバクテリウム属

  • 〈適応症〉

    肺結核及びその他の結核症、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症

6. 用法及び用量

  • 〈肺結核及びその他の結核症〉

    通常成人は、エタンブトール塩酸塩として1日量0.75~1gを1~2回に分けて経口投与する。
    年齢、体重により適宜減量する。
    なお、他の抗結核薬と併用することが望ましい。

  • 〈MAC症を含む非結核性抗酸菌症〉

    通常成人は、エタンブトール塩酸塩として0.5~0.75gを1日1回経口投与する。
    年齢、体重、症状により適宜増減するが1日量として1gを超えない。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈肺結核及びその他の結核症〉
    1. 7.1 本剤の体重別1日投与量の目安は次表のとおりである。

      体重

      1日投与量

      投与方法

      mg

      250mg錠のみを用いる場合

      250mg錠と125mg錠を用いる場合

      125mg錠のみを用いる場合

      250mg錠

      125mg錠

      60kg以上

      1,000

      4錠

      8錠

      1日1回朝食後経口投与、あるいは朝夕2回に分けて経口投与する。

      50kg以上

      875

      3錠

      1錠

      7錠

      40kg以上

      750

      3錠

      6錠

      35kg以上

      625

      2錠

      1錠

      5錠

      30kg以上

      500

      2錠

      4錠

      注)体重別の1日量はエタンブトール塩酸塩15~20mg/kgの範囲内で算出している。

  • 〈MAC症を含む非結核性抗酸菌症〉
    1. 7.2 投与開始時期、投与期間、併用薬等について国内外の各種学会ガイドライン1),2),3) 等、最新の情報を参考にし、投与すること。
    2. 7.3 本剤の体重別1日投与量の目安は次表のとおりである。

      体重

      1日投与量

      投与方法

      mg

      250mg錠のみを用いる場合

      250mg錠と125mg錠を用いる場合

      125mg錠のみを用いる場合

      250mg錠

      125mg錠

      50kg以上

      750

      3錠

      6錠

      1日1回朝食後に経口投与する。

      40kg以上

      625

      2錠

      1錠

      5錠

      30kg以上

      500

      2錠

      4錠

      注)体重別の1日量はエタンブトール塩酸塩約15mg/kgで算出している。

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 視力障害があらわれることがあるので、視力検査等を定期的に行い、投与すること。,,
    2. 8.2 本剤の投与にあたっては、視力障害について患者に十分に説明すること。投与中は常に患者の観察、服薬指導を十分に行うこと。
    3. 8.3 重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。,
    4. 8.4 血小板減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  • 〈肺結核及びその他の結核症〉
    1. 8.5 耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
    2. 8.6 本剤を含む抗結核薬による治療で、薬剤逆説反応を認めることがある。治療開始後に、既存の結核の悪化又は結核症状の新規発現を認めた場合は、薬剤感受性試験等に基づき投与継続の可否を判断すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 視神経炎のある患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。視力障害が増強されるおそれがある。,

  2. 9.1.2 糖尿病患者、アルコール中毒患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。既に視神経障害を起こしている場合があり、症状が増悪するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

蓄積を起こすことが報告されている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている4)

9.7 小児等

  1. 9.7.1 乳・幼児

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。視力障害の早期発見が極めて困難である。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1 少量から投与を開始するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
  2. 9.8.2 定期的に視力検査を行い、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。視力障害があらわれやすい。,,

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
    • リファンピシン

    視力障害が増強されるおそれがある。

    機序は不明であるが、動物実験(ラット)において、併用した場合に本剤の視力障害を増強したとの報告がある。

    • 他の抗結核薬
      • イソニアジド
      • リファンピシン等
    • ,

    重篤な肝障害があらわれることがある。

    機序は不明である。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 視力障害(頻度不明)

      視神経障害による視力低下、中心暗点、視野狭窄、色覚異常等の視力障害があらわれ、発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止すること。,,,,,,

    2. 11.1.2 重篤な肝障害(頻度不明)

      劇症肝炎等の重篤な肝障害があらわれることがある。,

    3. 11.1.3 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

      呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    4. 11.1.4 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)

      発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

    5. 11.1.5 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)
    6. 11.1.6 血小板減少(頻度不明)

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    中枢・末梢神経系

    四肢のしびれ感

    精神神経系

    幻覚、不安、不眠

    過敏症

    発熱、発疹、そう痒

    血液

    白血球減少、好中球減少、好酸球増多

    肝臓

    一過性のAST、ALTの上昇

    消化器

    食欲不振、悪心、嘔吐、胃部不快感、胃痛

    その他

    頭痛、めまい感、倦怠感、高尿酸血症

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    本剤による視力障害は主として視神経炎によるとされており、初期症状として霧視、注視している対象物が何となく見えにくい、黒ずんで見える、色調が変わって見えるなどの訴えが多い5)
    一般に視力障害は早期に発見し、速やかに投与を中止すれば比較的短期間のうちに回復するとされているが、発見の遅れた重症の視力障害例では回復の遷延化、又は未回復も報告されている6),7)
    本剤による視力障害例を追跡調査した報告では、高齢者で体重当たりの投与量の多い患者、腎機能の低下した患者や糖尿病患者において、副作用が発現しやすい傾向にあるとされている8),9),10),,,,,

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    健康成人男子20名にエタンブトール塩酸塩として25mg/kgを空腹時1回経口投与したとき、最高血中濃度は2時間後に5.7μg/mLである11)

    16.3 分布

    エタンブトール塩酸塩0.5gを1回経口投与したとき、肺組織内濃度は血中濃度より高い(肺結核患者)12)

    16.5 排泄

    エタンブトール塩酸塩25mg/kg1) を1回経口投与後の尿糞中への累積排泄率は24時間で54~67%、48時間で72~86%及び144時間で79~94%である。尿中へは、24時間までに54%が排泄される。尿中排泄物は未変化体と代謝物(アルデヒド体、酪酸誘導体)で、その比率はおよそ2:1である(肺結核患者、米国)13)

    1) 承認最大用量は1日1gである。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内臨床試験(初回治療)

      肺結核に対する化学療法として、初回治療における本剤と他の抗結核剤の併用療法により、喀痰中の結核菌の陰性化率や胸部レ線像所見による改善率を高め、治療期間を短縮することが報告されている。主な副作用は、発疹およびそう痒疹17.6%(15/85例)、胃腸障害10.6%(9/85例)、GPT及びGOTの上昇7.1%(6/85例)及び聴神経障害5.9%(5/85例)であった14)

    2. 17.1.2 国内臨床試験(再治療)

      肺結核に対する化学療法として、再治療における本剤と他の抗結核剤の併用療法により、喀痰中の結核菌の陰性化率の比較による治療効果を高めることが報告されている。主な副作用は、エチオナミドとの併用の場合で、胃腸障害35.5%(33/93例)及び肝機能障害10.6%(13/93例)、リファンピシンとの併用の場合で、胃腸障害21.6%(21/97例)及び視力障害7.2%(7/97例)であった15)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    エタンブトール塩酸塩は、結核菌に対して強い抗菌力を示し、増殖期に静菌的に作用する。ミコール酸の細胞壁への取込みを阻害するという報告がある16) 。電子顕微鏡による観察では結核菌の核酸合成経路を阻害し、細胞分裂を抑制することが認められている17)

    18.2 抗菌作用

    人型結核菌H37Rv株に対し、1%小川培地、Dubos液体培地では2.5~5μg/mLで発育を阻止する18)
    既存の他の抗結核薬との間に交差耐性を示さない19)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    エタンブトール塩酸塩(Ethambutol Hydrochloride)

    化学名

    (2S,2'S)-2,2'-(Ethylenediimino)bis(butan-1-ol)dihydrochloride

    分子式

    C10H24N2O2・2HCl

    分子量

    277.23

    性状

    白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。
    水に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
    本品1.0gを水20mLに溶かした液のpHは3.4~4.0である。

    化学構造式

    融点

    200~204℃

    20. 取扱い上の注意

    アルミピロー又はボトル開封後は湿気を避けて保存すること。

    22. 包装

    • 〈エサンブトール錠125mg〉

      100錠[10錠(PTP)×10]

    • 〈エサンブトール錠250mg〉

      100錠[10錠(PTP)×10]
      500錠[10錠(PTP)×50]
      500錠[バラ、乾燥剤入り]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    サンド株式会社 カスタマーケアグループ

    〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1

    TEL 0120-982-001
    FAX 03-6257-3633

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売

    サンド株式会社

    東京都港区虎ノ門1-23-1
    URL:https://www.sandoz.jp/



    ――――― 眼障害予防の具体的方法 ―――――

    本剤の投与により、視力障害があらわれることがあるので、次のような注意をはらい、視力障害の早期発見に努めること。
    なお、本剤による視力障害は、早期に発見し投与を中止すれば可逆的であるが、発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがある。

    • (1)本剤の投与に際しては、次の点を患者に十分徹底すること。
      • 1)本剤の投与により、ときに視力障害があらわれること。
      • 2)この視力障害は、早期に発見し、投与を中止すれば可逆的であること。
      • 3)この視力障害は、新聞を片眼ずつ一定の距離で毎朝読むことによって、早期に発見できること。
      • 4)視力の異常に気づいたときは、直ちに主治医に申し出ること。
    • (2)本剤の投与開始前に、あらかじめ少なくとも視力検査及び外眼検査を実施すること。
      開始前の検査で白内障、視神経炎等の異常が認められた場合には、適当な処置を講じてから、本剤を投与すること。
      投与中は定期的に眼の検査を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、精密な検査を行うこと。
      なお、簡便な眼の検査としては、次のような方法がある。
      • 1)視力検査表による検査
      • 2)指を用いる視野狭窄検査
      • 3)中心暗点計による検査
      • 4)眼底検査
      • 5)色覚検査表による検査
    • (3)本剤を高齢者に投与する場合には、視力検査を特に慎重に行うこと。

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