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日本薬局方
ニコモール錠
重症低血圧症、出血が持続している患者[末梢血管拡張作用により、低血圧症の悪化や出血を助長させるおそれがある。]
○高脂血症
○下記疾患に伴う末梢血行障害の改善凍瘡、四肢動脈閉塞症(血栓閉塞性動脈炎・動脈硬化性閉塞症)、レイノー症候群
通常、成人にはニコモールとして1回200~400mgを1日3回食後に経口投与する。なお、年齢、症状により、適宜増減する。
末梢血管拡張作用により、網膜血管の血流量を増し、眼内圧を上昇させるおそれがある。
類薬(ニコチン酸)で消化性潰瘍を増悪させたとの報告がある。
類薬(ニコチン酸)の過量投与で、肝機能の異常が起こるとの報告がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
HMG-CoA還元酵素阻害剤
類薬(ニコチン酸)で併用により筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。
機序は不明である。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
過敏症
発疹、発赤、そう痒感
消化器
胃部不快感、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢
口渇
精神神経系
頭痛、感覚異常
眩暈
その他
顔面潮紅・熱感(6.0%)
動悸、発汗亢進、悪寒
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
空腹時に服用すると潮紅、発赤等の発現が多くなるので、食後すぐに服用することが望ましい。
類薬(ニコチン酸)の過量投与により肝機能の異常が、また、糖尿病及び消化性潰瘍を増悪させたとの報告がある。,
健康成人10例にニコモール400mgを食後30分に単回経口投与したときの遊離ニコチン酸の薬物速度論的パラメータは下表のとおりであった1)。
Tmax
(hr)
Cmax
(μg/mL)
AUC0→8
(μg・hr/mL)
遊離ニコチン酸
2.2
0.25
0.49
ニコモールはニコチン酸のエステル化合物であり、生体内で加水分解され、ニコチン酸と2,2,6,6-テトラキスハイドロオキシメチルシクロヘキサノール(THC)として代謝される1)。
健康成人にニコモール400mgを食後30分に単回経口投与したところ、投与24時間までにTHCとして投与量の49%が尿中に排泄された1)。
二重盲検比較試験を含む本剤投与前血清総コレステロール値が220mg/dL以上の高血圧症、動脈硬化症を対象とした臨床試験で血清総コレステロール値が10%以上低下した症例は、62.6%(159/254例)、5%以上低下した症例は77.6%(197/254例)であった。また、二重盲検比較試験において本剤の有用性が確認された。
二重盲検比較試験を含めた有効率は、凍瘡63.2%(24/38例)、血栓閉塞性動脈炎50.6%(80/158例)、動脈硬化性閉塞症61.5%(40/65例)、レイノー症候群87.2%(41/47例)であった。やや有効以上の症例は、凍瘡76.3%(29/38例)、血栓閉塞性動脈炎69.0%(109/158例)、動脈硬化性閉塞症78.5%(51/65例)、レイノー症候群87.2%(41/47例)であった。また、二重盲検比較試験において本剤の有用性が確認された。
高脂血症患者の総コレステロールを減少させる2)。高脂血症患者のHDL-コレステロールを増加させ、VLDL及びLDL-コレステロールを減少させて、動脈硬化指数を改善する3)。また、HDL-コレステロールについては、抗動脈硬化作用が強いとされるHDL2-コレステロールの増加が著明であった2)。マウスにおいて消化管からのコレステロール吸収を抑制し、体組織のコレステロールを減少させる4)。ラットにおいて利胆作用を有し、コレステロールの異化排泄を促進する5)。
高脂血症患者の中性脂肪を減少させる2)。ラットにおいて消化管からの中性脂肪吸収を抑制する6)。ラットにおいて血中リポ蛋白リパーゼ値を上昇させ、中性脂肪の分解及び組織への転送を促進する6)。
ウサギにおいてアドレナリンによる血清遊離脂肪酸の上昇を抑制する7)。
高脂血症患者の過酸化脂質を減少させる8)。
高脂血症患者の血小板凝集能の亢進を抑制する9)。血小板のトロンボキサンA2生合成を抑制し、血管内皮細胞のプロスタグランジンI2生合成を促進することにより血小板の凝集を抑制する10)(in vitro)。
ウサギにおいて緩和なプラスミン活性化作用を有し、血栓形成や凝血を予防する7)。
血栓閉塞性動脈炎患者の患部血流量を増加させる11)。血管内皮細胞のプロスタグランジンI2生合成を促進し、血管を弛緩させる10)(in vitro)。また、ウシ大動脈筋ミクロゾームのCa2+、Mg2+-ATPase活性を高め、血管筋収縮線維からCa2+を除くことにより弛緩を増す可能性が示唆されている12)(in vitro)。
ニコモール(Nicomol)[JAN]
(2-Hydroxycyclohexane-1,1,3,3-tetrayl)tetramethyl tetranicotinate
C34H32N4O9
640.64
本品は白色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。本品はクロロホルムにやや溶けやすく、水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品は希塩酸又は希硝酸に溶ける。
181~185℃
クロロホルム/水系において水相に分配しなかった。(pH3~13、24℃)
100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]
500錠[ポリ瓶、バラ]
1) 社内資料 :ニコモールの体内動態
2) 中村治雄, 他. :老年医学. 1980 ;18(8) :1141-1144
3) 中村保子, 他. :老年医学. 1981 ;19(2) :261-267
4) 中村治雄, 他. :応用薬理. 1974 ;8(9) :1423-1437
5) 入倉勉, 他. :応用薬理. 1968 ;2(3) :259-264
6) 藤井節郎, 他. :基礎と臨床. 1974 ;8(9) :2694-2698
7) 入倉勉, 他. :応用薬理. 1968 ;2(3) :237-246
8) 石垣健一. :診療と新薬. 1976 ;13(4) :691-698
9) 平山亮夫, 他. :診療と新薬. 1981 ;18(8) :1735-1737
10) 関谷敬三, 他. :動脈硬化. 1982 ;10(2) :229-234
11) 伊東治武, 他. :診療と新薬. 1978 ;15(8) :2063-2068
12) 澄田道博, 他. :基礎と臨床. 1984 ;18(1) :189-196
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