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処方箋医薬品注)
皮膚糸状菌(トリコフィトン属)
爪白癬
通常、成人には1日1回1カプセル(ラブコナゾールとして100mg)を12週間経口投与する。
肝機能障害を悪化させるおそれがある。,,
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後3カ月間は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験(ラット又はウサギ)で、臨床曝露量(ラブコナゾールとして)を下回る曝露量から胚・胎児に骨格形成への影響(骨格変異、骨化遅延、骨化不全等)1),2) 、出生児に水晶体混濁、外表異常(短尾、鎖肛等)及び生存率の低下が3) 、ラットにおいて臨床曝露量を上回る曝露量で奇形(口蓋裂、小眼球症等)が認められている1) 。また、ラットにおいて胎盤通過が報告されている4) 。,
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている4) 。また、動物実験(ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験)で、哺乳期間において出生児の体重増加抑制が認められている3) 。
小児等に対する臨床試験は実施していない。
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。
ラブコナゾールのCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇があらわれることがある。
アゾール系抗真菌剤でINR上昇が報告されている。
,,
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
消化器
腹部不快感、便秘
消化不良、腹部膨満、上腹部痛、びらん性胃炎
悪心、嘔吐、下痢、食欲不振、口渇
肝臓
γ-GTP増加
ALT増加、AST増加、血中Al-P増加
血中LDH増加
腎臓
血中クレアチニン増加
*皮膚
円形脱毛症、皮脂欠乏性湿疹、痒疹
発疹、湿疹、紅斑、そう痒
*臨床検査
白血球数減少、白血球数増加、赤血球数減少、ヘモグロビン減少
CK増加
*その他
口角口唇炎
膀胱炎、高尿酸血症
倦怠感、めまい、頭痛
患者に対し、次の点に注意するよう指導すること。
健康成人男性(各用量6例)にホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして100mg~600mg注1) )を空腹時単回経口投与したとき、ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物は血漿中にはほとんど検出されず、活性本体であるラブコナゾールが検出された。ラブコナゾールのTmaxは2.50~3.33時間、t1/2は71~101時間であった。なお、100mg~600mg注1) の投与量の範囲でCmax及びAUC0-tに用量比例性が認められた7) 。
用量(ラブコナゾール換算量)
統計量
Cmax(μg/mL)
Tmax(h)
AUC0-t(μg・h/mL)
t1/2(h)
100mg
平均値標準偏差
2.170.43
2.501.22
10921
71.1735.02
200mg
4.380.40
2.500.84
268105
94.4432.64
400mg
7.491.29
3.331.51
542141
80.1815.41
600mg
10.881.29
2.670.52
946216
100.8755.14
爪白癬患者(29例)に本剤(ラブコナゾールとして100mg)を1日1回12週間反復経口投与後の血漿中ラブコナゾール濃度は投与終了時の第12週で10.84μg/mLに達した5) 。
健康成人男性(20例)への本剤(ラブコナゾールとして100mg)の空腹時単回経口投与に対する食後投与時のCmax及びAUC0-tの比[90%信頼区間]は0.601[0.509, 0.709]及び0.977[0.895, 1.066]であり、食後投与のCmaxは空腹時投与と比較して約40%低下したが、AUC0-tは同等であった8) 。
外国人健康成人男性におけるホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして200mg注1) または400mg注1) )を空腹時単回経口投与後のラブコナゾールの生物学的利用率(幾何平均の比)は106%(解析対象例数はAUC0-∞が算出可能であった計9例)であった9) (外国人データ)。
爪白癬患者(29例)に本剤(ラブコナゾールとして100mg)を1日1回12週間反復経口投与後の趾爪中ラブコナゾール濃度は100.70ng/gに達し、本剤投与終了後も上昇が認められた。本剤投与開始後20週で趾爪中ラブコナゾール濃度は最高値(120.16ng/g)を示した5) 。
ラブコナゾールのヒト血漿蛋白結合率は98.5%~99.0%であった10) (in vitro試験)。
ラブコナゾールのヒト血液/血漿中濃度比(RB)は0.529~0.532であった11) (in vitro試験)。
ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物は経口投与後、体内で速やかにラブコナゾールに代謝される7) 。その代謝には、アルカリホスファターゼが関与している12) (in vitro試験)。ヒト凍結肝細胞を用いた試験では、ラブコナゾールの水酸化体のグルクロン酸抱合体やラブコナゾールのグルクロン酸抱合体の生成が認められた13) (in vitro試験)。
健康成人男性(6例)にホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして100mg)を単回経口投与したとき、ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物の尿中濃度は、いずれの測定時点においても、定量下限(25ng/mL)未満であった。この時の投与後840時間までのラブコナゾールの平均尿中累積排泄率は0.0621%であった7) 。また、健康成人男性(各用量6例)にホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして200mg/日、又は400mg/日)を7日間反復経口投与注1) したとき、最終投与後192時間までのラブコナゾールの平均尿中累積排泄率は、いずれの投与量においても、0.033%であった14) 。
軽度肝機能障害者(Child-Pugh分類Grade A)6例及び対応する健康成人6例、また中等度肝機能障害者(Child-Pugh分類Grade B)4例及び対応する健康成人4例に本剤(ラブコナゾールとして100mg)を空腹時単回経口投与した。軽度肝機能障害者、中等度肝機能障害者及び健康成人ともにいずれの時点においてもホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物の血漿中濃度は定量下限(25ng/mL)未満であった。血漿中ラブコナゾール濃度のAUC0-∞の健康成人に対する軽度肝機能障害者及び中等度肝機能障害者の幾何平均の比[90%信頼区間]はそれぞれ0.942[0.633, 1.400]及び1.984[1.234, 3.190]であった15) 。,,
ラブコナゾールは、CYP1A2、2B6及び2D6は阻害しなかったが、CYP2C8、2C9、2C19、3A(基質:テストステロン)及び3A(基質:ミダゾラム)を阻害し、IC50は、それぞれ2.69、1.51、7.49、2.28及び1.07μmol/Lであった16) 。ラブコナゾールは、CYP1A2、2B6及び3A4のmRNAレベルをコントロールに対して平均で0.5μmol/Lでは1.37~1.49倍、2μmol/Lでは2.71~3.49倍上昇させた17) 。ラブコナゾールはOATP1B1、OATP1B3、P-gp及びBCRPの基質ではなかった18) 。ラブコナゾールは、OCT2、P-gp及びBCRPに対して阻害作用を示し、IC50は、それぞれ2.80、7.12及び1.14μmol/Lであった。OAT1、OAT3、OATP1B1、OATP1B3、MATE1、MATE2-K及びBSEPに対する阻害作用は認められなかった19) 。,
健康成人に本薬と各種薬剤を併用投与したときの薬物動態パラメータへの影響は以下のとおりであった20),21) 。
薬剤a)
用法・用量
例数
併用薬の薬物動態パラメータの比併用時/単独投与時[90%信頼区間]
併用薬
投与薬剤注1)
Cmax
AUC
トルブタミド
500mg単回
負荷投与:400mg BID3日間、維持投与:200mg QD6日間b)
28
1.004[0.966, 1.043]
0.879e)[0.840, 0.921]
オメプラゾール
40mg単回
0.780[0.698, 0.872]
0.745e)[0.685, 0.810]
デキストロメトルファン
60mg単回
0.763[0.670, 0.869]
0.719e)[0.658, 0.786]
カフェイン
200mg単回
0.946[0.899, 0.997]
0.920e)[0.861, 0.982]
ミダゾラム
2mg単回(経口)
2.384[2.152, 2.641]
3.010e)[2.667, 3.398]
2mg単回(静脈内)
1.201[1.094, 1.318]
1.405e)[1.292, 1.529]
シンバスタチン
400mg QD1日間c)
20
1.79[1.52, 2.12]
2.06e)[1.70, 2.50]
400mg QD14日間c)
4.34[3.68, 5.13]
3.98e)[3.28, 4.84]
レパグリニド
0.25mg単回
400mg QD7日間d)
12
1.065[0.878, 1.292]
1.012f)[0.903, 1.134]
ジゴキシン
1.132[0.827, 1.551]
1.179f)[1.074, 1.293]
ロスバスタチン
5mg単回
1.138[1.000, 1.296]
1.139f)[1.016, 1.277]
QD:1日1回、BID:1日2回a)トルブタミド、オメプラゾール、デキストロメトルファン、カフェイン及びミダゾラム(経口)はカクテルとして同時投与、ジゴキシン及びロスバスタチンはカクテルとして同時投与b)ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールに換算した1回投与量)を投与(外国人データ)c)ラブコナゾールを投与(外国人データ)d)本剤(ラブコナゾールに換算した1回投与量)を投与e)AUC0-∞f)AUC0-t
日本人爪白癬患者(爪甲混濁部面積比が25%以上)153例に本剤(ラブコナゾールとして100mg)又はプラセボを1日1回12週間経口投与時の有効性及び安全性を検討することを目的とした無作為化二重盲検並行群間比較試験の結果は下表のとおりであった6) 。
投与群
爪白癬治癒率(爪白癬治癒症例数/有効性解析対象症例数)
Fisherの直接確率計算法
本剤群
59.4%(60/101例)
P<0.001
プラセボ群
5.8%(3/52例)
中止例は非治癒例として取り扱った。治癒の定義:臨床的治癒(爪甲混濁部が完全に消失)、かつ真菌学的治癒(直接鏡検にて白癬菌が陰性化)したもの。
副作用発現率は、本剤群で23.8%(24/101例)であった。主な副作用は、γ-GTP増加15.8%(16/101例)、ALT増加8.9%(9/101例)、AST増加7.9%(8/101例)、腹部不快感4.0%(4/101例)及び血中Al-P増加2.0%(2/101例)などであった。
外国人健康成人(合計152例)にホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(ラブコナゾールとして300mg又は500mg)又はプラセボを1日2回計6回負荷用量として静脈内投与後、負荷用量の1/2量を維持用量として1日1回4日間静脈内投与を行った注2) 。ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物反復静脈内投与後のQTcF間隔の平均値はベースラインと比較して短縮し、平均変化量のプラセボとの差は投与後1.5時間で最大となり、-15.1msecであった。QTcF間隔は投与後4時間にベースラインの水準に戻った22) (外国人データ)。
本剤は、ラブコナゾールのプロドラッグ(ホスホノキシメチル化合物:ホスラブコナゾール)であり、動物及びヒトに投与すると速やかにラブコナゾールに代謝される。ラブコナゾールは、真菌細胞の膜成分であるエルゴステロール生合成を阻害することにより、抗真菌作用を示す23) 。
本剤の活性本体であるラブコナゾールは、爪白癬の主要原因菌であるTrichophyton rubrum及びTrichophyton mentagrophytesの新鮮臨床分離株に対し、強い抗真菌活性を示した24) (in vitro試験)。
菌種(株数)
MIC(μg/mL)
範囲
MIC50
MIC90
T. rubrum(51)
≤0.03-0.12
≤0.03
0.06
T. mentagrophytes(20)
≤0.03-0.06
モルモットTrichophyton mentagrophytes皮膚糸状菌症モデルにおいて、ラブコナゾールの経口投与により、感染局所の臨床症状の改善及び用量依存的な感染局所体毛の菌陰性化率の増加が認められた25) (in vivo試験)。
ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物(Fosravuconazole L-Lysine Ethanolate)
({(2R,3R)-3-[4-(4-Cyanophenyl)thiazol-2-yl]-2-(2,4-difluorophenyl)-1-(1H-1,2,4-triazol-1-yl)butan-2-yl}oxy)methyl dihydrogen phosphate mono[(2S)-2,6-diaminohexanoic acid] monoethanolate
C23H20F2N5O5PS・C6H14N2O2・C2H6O
739.73
本品は、白色~黄色の粉末である。水に溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
148~156℃(分解)
+6.6°(50mg、水、5mL、100mm)
湿気を避けて室温保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
ネイリンカプセル 100mg 84カプセル(PTP 14カプセル×6)
1) 社内資料:ラット胚・胎児発生に関する試験(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.6.6.2.1及び2.6.7.11)
2) 社内資料:ウサギ胚・胎児発生に関する試験(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.6.6.2.3)
3) 社内資料:ラットを用いたBFE1224の経口投与による出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.6.6.3.1及び2.6.7.14.1)
4) 社内資料:14C-BFE1224のラット単回経口投与におけるラブコナゾールの胎盤通過及び乳汁排泄(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.4.4.4.1及び2.6.4.6.3.1)
5) 渡辺晋一ほか:西日皮膚. 2018;80:470-478
6) Watanabe S, et al.:J. Dermatol. 2018;45:1151-1159
7) 社内資料:日本人健康成人男子を対象とした単回経口投与試験(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.7.6.2.4)
8) 社内資料:日本人健康成人男性を対象とした食事の影響試験(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.7.6.2.2)
9) 社内資料:外国人健康被験者を対象とした単回投与及び反復-維持用量投与試験(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.7.6.2.6)
10) 社内資料:14C-ラブコナゾールのin vitroヒト血漿タンパク結合率(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.4.4.2.1)
11) 社内資料:14C-ラブコナゾールのin vitroヒト血球移行性(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.4.4.3.1)
12) Ueda Y, et al.:Bioorg. Med. Chem. Lett. 2003;13:3669-3672
13) 社内資料:14C-ラブコナゾールの凍結肝細胞を用いた比較代謝(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.4.5.1.3)
14) 社内資料:日本人健康成人男子を対象とした反復経口投与試験(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.7.6.2.5)
15) 内田英二ほか:臨床医薬. 2018;34:605-619
16) 社内資料:ラブコナゾールのCYP代謝酵素阻害(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.4.5.4.1)
17) 社内資料:ラブコナゾールのCYP代謝酵素誘導(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.4.5.4.2)
18) 社内資料:14C-ラブコナゾールの薬物トランスポーターに対する基質認識性(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.4.8.1.1)
19) 社内資料:ラブコナゾールの薬物トランスポーターに対する阻害作用(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.4.8.2.1)
20) Ishii Y, et al.:Clin. Transl. Sci. 2018;11:477-486
21) 社内資料:外国人健康被験者男性を対象とした薬物相互作用試験(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.7.6.2.11)
22) 社内資料:外国人健康被験者を対象としたQTc間隔検討試験(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.7.6.2.12)
23) 社内資料:ラブコナゾールのC. albicans及びC. kruseiのエルゴステロール生合成阻害作用(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.2.2.2.1)
24) Yamaguchi H, et al.:Med. Mycol. J. 2014;55:J157-163
25) 社内資料:ラブコナゾールのモルモットT. mentagrophytes皮膚糸状菌症モデルにおける作用(承認年月日:2018年1月19日、CTD2.6.2.2.3.1)
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