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塩化カリウム徐放錠600mg「St」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
6.用法・用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.5排泄
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

塩化カリウム徐放錠600mg「St」

添付文書番号

3229002G1082_1_02

企業コード

300094

作成又は改訂年月

2023年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873229

薬効分類名

徐放性カリウム剤

承認等

塩化カリウム徐放錠600mg「St」

販売名コード

YJコード

3229002G1082

販売名英語表記

POTASSIUM CHLORIDE SR Tablets 600mg 「St」

販売名ひらがな

えんかかりうむじょほうじょう600㎎「えすてぃー」

承認番号等

承認番号

30100AMX00301000

販売開始年月

1990年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

(塩化カリウム錠)

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 乏尿・無尿(前日の尿量が500mL以下あるいは投与直前の排尿が1時間当り20mL以下)又は高窒素血症がみられる高度の腎機能障害のある患者
  2. 2.2 未治療のアジソン病患者[高カリウム血症が悪化する。]
  3. 2.3 高カリウム血症の患者[不整脈や心停止を引き起こすおそれがある。]
  4. 2.4 消化管通過障害のある患者[塩化カリウムの局所的な粘膜刺激作用により潰瘍、狭窄、穿孔をきたすことがある。]
    1. 2.4.1 食道狭窄のある患者(心肥大、食道癌、胸部大動脈瘤、逆流性食道炎、心臓手術等による食道圧迫)
    2. 2.4.2 消化管狭窄又は消化管運動機能不全のある患者
  5. 2.5 高カリウム血性周期性四肢麻痺の患者[発作と高カリウム血症が誘発される。]
  6. 2.6 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  7. 2.7 *エプレレノン(高血圧症)、エサキセレノンを投与中の患者

3. 組成・性状

3.1 組成

塩化カリウム徐放錠600mg「St」

有効成分1錠中「日本薬局方」塩化カリウム600mg
(カリウムとして8mEq)  
添加剤乳糖水和物、ヒプロメロースフタル酸エステル、エチルセルロース、硬化油、ヒプロメロース、モノステアリン酸グリセリン、酸化チタン

3.2 製剤の性状

塩化カリウム徐放錠600mg「St」

性状白色のフィルムコーティング錠(徐放錠)
外形
(表)
外形
(裏)
外形
(側面)
大きさ直径:11.0mm
厚さ:6.4mm
質量約715mg
識別コードSt 108(PTPシートに表示)

4. 効能・効果

  • 低カリウム血症の改善

6. 用法・用量

  • 通常成人には、1回2錠(塩化カリウムとして1200mg)を1日2回食後経口投与する。
    年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  • 本剤の投与に際しては、患者の血清電解質及び心電図の変化に注意すること。特に、長期投与する場合には、血清又は尿中カリウム値、腎機能、心電図等を定期的に検査することが望ましい。また、高カリウム血症があらわれた場合には投与を中止すること。
    なお、血清カリウムの測定に際しては溶血等によるカリウム値の人為的上昇に注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 急性脱水症、広範囲の組織損傷(熱傷、外傷等)のある患者

    高カリウム血症があらわれることがある。

  2. 9.1.2 高カリウム血症があらわれやすい疾患(低レニン性低アルドステロン症等)を有する患者

    高カリウム血症があらわれることがある。

  3. 9.1.3 心疾患のある患者

    過剰に投与した場合、症状を悪化させることがある。

  4. 9.1.4 消化性潰瘍の既往歴のある患者

    塩化カリウムの刺激により再発させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 乏尿・無尿(前日の尿量が500mL以下あるいは投与直前の排尿が1時間当り20mL以下)又は高窒素血症がみられる高度の腎機能障害のある患者

    投与しないこと。高カリウム血症が悪化する。

  2. 9.2.2 腎機能低下あるいは腎機能障害のある患者(乏尿・無尿又は高窒素血症がみられる高度の腎機能障害のある患者を除く)

    高カリウム血症があらわれやすい。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。消化管運動が低下していることが多く、塩化カリウムの消化管粘膜刺激作用があらわれやすい。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    エプレレノン

    • セララ(高血圧症)

    *エサキセレノン

    • ミネブロ

    高カリウム血症があらわれることがある。

    これらの薬剤は血中のカリウムを上昇させる可能性があり、併用により高カリウム血症があらわれやすくなると考えられる。
    危険因子:腎障害患者

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    エプレレノン(慢性心不全)

    *フィネレノン

    血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること。

    カリウム貯留作用が増強するおそれがある。

    抗アルドステロン剤

    • スピロノラクトン等

    カリウム保持性利尿剤

    • トリアムテレン等

    直接的レニン阻害剤

    • アリスキレンフマル酸塩

    アンジオテンシン変換酵素阻害剤

    • ベナゼプリル塩酸塩
      エナラプリルマレイン酸塩
      カプトプリル等

    アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤

    • バルサルタン
      ロサルタンカリウム
      カンデサルタン シレキセチル
      テルミサルタン等

    β‐遮断剤

    • プロプラノロール塩酸塩等

    非ステロイド性消炎鎮痛剤

    • インドメタシン等

    シクロスポリン
    ヘパリン
    ジゴキシン
    ドロスピレノン・エチニルエストラジオール

    *トルバプタン

    高カリウム血症があらわれることがある。

    これらの薬剤は血中のカリウムを上昇させる可能性があり、併用により高カリウム血症があらわれやすくなると考えられる。
    危険因子:腎障害患者

    抗コリン作動薬

    • ブチルスコポラミン臭化物等

    本剤の消化管粘膜刺激があらわれやすい。症状があらわれた場合には、本剤の減量又はカリウムの液剤の使用を考慮する。

    抗コリン剤の消化管運動の抑制による。

    筋弛緩剤

    • *ロクロニウム臭化物等

    筋弛緩剤の作用が減弱することがある。

    カリウムイオンは骨格筋の収縮に関与している。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 消化管の閉塞、潰瘍又は穿孔(いずれも頻度不明)

      嚥下時の疼痛、激しい嘔吐・腹痛・腹部膨満、消化管出血等があらわれた場合には、直ちに投与を中止する。

    2. 11.1.2 心臓伝導障害(頻度不明)

      一時に大量投与した場合にあらわれやすい。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    消化器

    悪心・嘔吐、腹部不快感、下痢

    過敏症

    蕁麻疹、発疹、そう痒感

    13. 過量投与

    1. 13.1 症状

      通常経口投与では重篤な高カリウム血症があらわれることは少ないが、排泄機能の異常等がある場合には起こることがある。一般に高カリウム血症は初期には無症状のことが多いので、血清カリウム値及び特有な心電図変化(T波の尖鋭化、QRS幅の延長、ST部の短縮、P波の平坦化ないしは消失)に十分注意すること。なお、筋肉及び中枢神経系の症状として、錯感覚、痙攣、反射消失があらわれ、横紋筋の弛緩性麻痺は、呼吸麻痺に至るおそれがある。
      また、大幅な過量投与で本剤が胃石を形成した事例が報告されている。本剤による胃石は薬剤摂取から数時間に渡り、継続的な塩化カリウム放出の原因となる。

    2. 13.2 処置

      高カリウム血症が認められた場合には血清カリウム値、臨床症状に応じて以下を参考に適切な処置を行う。

      • カリウムを含む食物や薬剤の制限又は排除。カリウム保持性利尿剤の投与が行われている場合にはその投与中止。
      • インスリンをブドウ糖3~4gに対し1単位(もし糖尿病があれば2gに対し1単位)加えた20~50%高張ブドウ糖液200~300mLを30分くらいで静脈内投与。
      • アシドーシスのある場合には、乳酸ナトリウムあるいは炭酸水素ナトリウムを5%ブドウ糖液200mL程度に溶解し静脈内投与。
      • グルコン酸カルシウムの静脈内投与。
      • 陽イオン交換樹脂(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等)の経口投与又は注腸。
      • 血液透析又は腹膜透析。

      本剤による胃石が認められた場合には胃洗浄等の適切な処置を行う。胃石の大きさ及び摂取錠剤の数に応じて内視鏡的又は外科的処置も考慮に入れる。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
    2. 14.1.2 本剤は噛み砕かずに、多めの水で服用するよう指導すること。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 代謝性アシドーシスの場合、低カリウム血症の治療は塩基性塩によって行われることが望ましい。
    2. 15.1.2 服用後、錠剤がX線で造影されることがある。
    3. 15.1.3 各種の消化管吻合術後の患者では吸収されないまま消化管を通過することがあるので吸収率が著しく低下するおそれがある。このような患者に対しては、内用液剤、顆粒剤等を投与することが望ましい。
    4. 15.1.4 本剤のゴーストタブレット(有効成分放出後の殻錠)が糞中に排泄されることがある。

    16. 薬物動態

    16.5 排泄

    1. 16.5.1 生物学的同等性試験1)

      塩化カリウム徐放錠600mg「St」とスローケー錠600mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ4錠(塩化カリウムとして2400mg)を健康成人男子に空腹時単回経口投与して尿中カリウム排泄量を測定し、得られた薬物動態パラメータ(平均滞留時間(MRT)及び体内滞留時間の分散(VRT))について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。

      尿中排泄量は、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    カリウムイオン及びクロルイオンは広く生体内に分布し重要な生体活動に関与している。カリウムイオンの成人体内総量は約3000mEqで体内最多イオンである。カリウムイオンは主として細胞内で細胞浸透圧維持に役立ち、細胞外液中のナトリウムイオンと拮抗的に作用する。グリコーゲン、タンパク質の生合成及び分解機構に不可欠な要素であり、骨格筋、心筋及び胃腸平滑筋等の筋肉活動の生理に影響する。また、酵素作用の増強、細胞の代謝調整及び機能調整に関与する。カルシウムイオンと拮抗し神経系統の興奮と緊張に大きく影響する。ステロイドホルモン、チアジド系利尿薬及びジギタリス製剤などの長期投与でカリウム欠乏が起こるが、低カリウム性アルカローシスでは同時に低クロル血症を伴うことが多く、クロルをカリウムと同時補給することにより速やかに低カリウム血症を是正することができる。2)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    塩化カリウム(Potassium Chloride)

    分子式

    KCl

    分子量

    74.55

    性状

    無色又は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は塩辛い。
    水に溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
    水溶液(1→10)は中性である。

    22. 包装

    100錠[10錠(PTP)×10]
    1000錠[10錠(PTP)×100]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    アルフレッサファーマ株式会社 製品情報部

    〒540-8575 大阪市中央区石町二丁目2番9号

    TEL 06‐6941‐0306 FAX 06‐6943‐8212

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    佐藤薬品工業株式会社

    奈良県橿原市観音寺町9番地の2

    26.2 販売元

    アルフレッサ ファーマ株式会社

    大阪市中央区石町二丁目2番9号

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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