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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはタンドスピロンクエン酸塩として1日30mgを3回に分け経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、1日60mgまでとする。
本剤の作用が強くあらわれるおそれがある。
症状が悪化するおそれがある。
悪性症候群が起こりやすい。
高い血中濃度が持続するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
SD系ラット(雄、雌)に8、20、50、80mg/kg/日連続経口投与した試験で、50mg/kg/日以上で性周期の異常、受胎率の低下、着床率の低下、胎児体重の低値が認められた1)。
SD系ラットに13、32、80、200mg/kg/日連続経口投与した催奇形性試験で、80mg/kg/日以上で胎児体重の低値が、200mg/kg/日で生後修復するといわれている波状肋骨の増加が認められた。同じく、SD系ラットに8、20、50、80mg/kg/日連続経口投与した器官形成期投与試験で、80mg/kg/日で胎児及び出生児体重の低値が認められた。また、ウサギに38、75、150mg/kg/日連続経口投与した試験では、150mg/kg/日で胎児体重の低値が認められた1)。
SD系ラットに8、20、50mg/kg/日連続経口投与した試験で、50mg/kg/日で出生児の生後発育の抑制が認められた1)。
妊娠ラットに14C-タンドスピロンを20、100mg/kg1回経口投与した場合、胎児に母体血漿と同程度の放射能が認められた2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。哺育中のラットに14C-タンドスピロンを20、100mg/kg1回経口投与した場合、乳汁中に血漿中濃度の2.1~2.6倍の放射能の移行が認められた2)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量(例えば1日15mg)から投与を開始するなど注意すること。外国における高用量(90mg/日)注)を用いた体内薬物動態試験で若年者に比べ高い血中濃度を示した。注)本剤の承認された1日最大用量は60mgである。
ブチロフェノン系薬剤
錐体外路症状を増強することがある。
本剤の弱い抗ドパミン作用が、ブチロフェノン系薬剤の作用を増強する。
カルシウム拮抗剤
降圧作用を増強することがある。
本剤のセロトニン受容体を介した中枢性の血圧降下作用が降圧作用を増強する。
セロトニン再取り込み阻害作用を有する薬剤
セロトニン症候群があらわれることがある。
併用により、セロトニン作用が増強するおそれがある。
AST、ALT、ALP、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
興奮、ミオクロヌス、発汗、振戦、発熱等を主症状とするセロトニン症候群があらわれることがあるので、これらの症状が出現した場合には、投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
抗精神病薬、抗うつ薬等との併用、あるいは本剤の急激な減量・中止により、悪性症候群があらわれることがある。発熱、意識障害、強度の筋強剛、不随意運動、発汗、頻脈等があらわれた場合には、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。注)発現頻度は使用成績調査を含む。
1%以上
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
眠気
めまい、ふらつき、頭痛、頭重、不眠
振戦、パーキンソン様症状
悪夢
肝臓
AST、ALT、γ-GTPの上昇
ALPの上昇
循環器系
動悸
頻脈、胸内苦悶
消化器系
悪心、食欲不振、口渇、腹部不快感、便秘
嘔吐、胃痛、胃のもたれ、腹部膨満感、下痢
過敏症
発疹、じん麻疹、そう痒感
その他
倦怠感、脱力感、気分不快、四肢のしびれ、目のかすみ
悪寒、ほてり(顔面紅潮、灼熱感等)、多汗(発汗、寝汗等)、BUNの上昇、尿中NAGの上昇、好酸球増加、CKの上昇
浮腫
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人6例に20mgを食後あるいは絶食時に単回経口投与した場合、未変化体の血清中濃度は投与0.8~1.4時間後に最高値に達し、血清中半減期は1.2~1.4時間であった3)。
投与量
投与条件
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
AUC(ng・hr/mL)
T1/2(hr)
20mg
絶食
0.8±0.1
3.2±0.6
8.2±2.1
1.2
食後
1.4±0.3
2.9±0.7
11.5±3.1
1.4
健康成人6例に1回10mg、1日3回、5日間連続経口投与した場合、投与開始後5日目の血清中未変化体濃度は単回投与時と同様の推移を示し、投与休止により速やかに消失し、蓄積性は認められなかった3)。また、心身症患者及び神経症患者10例に30又は60mg/日を連続経口投与した場合、血清中未変化体濃度は健康成人と同様の推移を示し、蓄積性はないと考えられた4)。
タンドスピロンクエン酸塩錠5mg「サワイ」とセディール錠5mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(タンドスピロンクエン酸塩として5mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中タンドスピロン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された5)。
Cmax(pg/mL)
AUC0-10hr(pg・hr/mL)
タンドスピロンクエン酸塩錠5mg「サワイ」
152.9±112.8
1.0±0.5
4.0±2.2
527.3±396.3
セディール錠5mg
168.0±173.8
0.9±0.4
3.9±2.2
505.6±398.3
(Mean±S.D.)
タンドスピロンクエン酸塩錠10mg「サワイ」とセディール錠10mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(タンドスピロンクエン酸塩として10mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中タンドスピロン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された5)。
タンドスピロンクエン酸塩錠10mg「サワイ」
347.5±249.6
0.9±0.3
3.6±1.1
1026.4±697.2
セディール錠10mg
316.6±225.4
3.8±1.5
1024.5±702.4
健康成人6例に20mgを食後あるいは絶食時に単回経口投与した場合、食事による影響はほとんど認められなかった3)。
タンドスピロンクエン酸塩錠20mg「サワイ」は溶出挙動に基づき、タンドスピロンクエン酸塩錠10mg「サワイ」と生物学的に同等とみなされた6)。
ジアゼパムを対照とした二重盲検比較試験において、各種依存性調査票を用いた詳細な検討で、タンドスピロンクエン酸塩は薬物依存性を示す訴えがジアゼパムに比べ有意に少なかった7),8)。
脳内セロトニン受容体のサブタイプの1つである5-HT1A受容体に選択的に作用することにより、抗不安作用や心身症モデルにおける改善効果を示すと考えられる9)。
臨床における抗不安作用の指標となるコンフリクト試験で、ジアゼパムと同等の効力を示す10),11)(ラット)。
従来の三環系抗うつ薬が有する生体アミンの神経終末への再取り込み阻害作用は示さないが(ラット)、臨床における抗うつ作用の指標となる嗅覚球摘出ラットのマウス攻撃行動(ムリサイド)の抑制、オペラント試験における強化数の増加(ラット)、また、強制水泳試験での無動時間の短縮(ラット)等の作用が認められている10),12),13)。
視床下部刺激による昇圧反応(ネコ)、電撃ショックストレス負荷による血漿中レニン活性の上昇(ラット)を抑制する10),14)。また、心理的ストレス負荷による胃潰瘍の発生(マウス)、水浸拘束ストレス負荷による摂食低下(ラット)を抑制する10),15)。
臨床における眠気、ふらつき、過度の鎮静に結びつく筋弛緩作用(マウス、ラット)、麻酔増強作用(マウス)、自発運動抑制作用(マウス)、協調運動抑制作用(マウス、ラット)をほとんど示さず、また抗けいれん作用(マウス)もほとんど認められていない16)。
タンドスピロンクエン酸塩(Tandospirone Citrate)
(1R*,2S*,3R*,4S*)-N-[4-[4-(2-Pyrimidinyl)-1-piperazinyl]butyl]-2,3-bicyclo[2.2.1]heptanedicarboximide dihydrogen citrate
C21H29N5O2・C6H8O7
575.61
白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、水又はメタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくい。
PTP:100錠(10錠×10)
PTP:100錠(10錠×10)バラ:500錠
1) 河南昇他:基礎と臨床, 1992;26:1803-1823
2) 水野佳子他:基礎と臨床, 1992;26:1903-1945
3) 中島光好他:基礎と臨床, 1992;26:4143-4165
4) 筒井末春他:基礎と臨床, 1992;26:4252-4263
5) 陶易王他:診療と新薬, 2008;45(5):482-492
6) 社内資料:生物学的同等性試験(錠20mg)
7) 木村政資他:臨床評価, 1992;20:225-257
8) 村崎光邦他:臨床評価, 1992;20:295-329
9) Shimizu, H. et al.:Jap. J. Pharmacol., 1988;46:311-314
10) 清水宏志他:基礎と臨床, 1992;26:1681-1695
11) Shimizu, H. et al.:Jap. J. Pharmacol., 1992;58:283-289
12) Tatsuno, T. et al.:Pharmacol. Biochem. Behav., 1989;32:1049-1055
13) Wieland, S. et al.:Psychopharmacol., 1990;101:497-504
14) Tsuji, R. et al.:Arch. int. Pharmacodyn., 1991;311:131-143
15) 原千高他:薬物・精神・行動, 1989;9:110
16) Shimizu, H. et al.:Jap. J. Pharmacol., 1987;45:493-500
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