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エトドラク錠100mg「SW」/エトドラク錠200mg「SW」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
13.過量投与
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2急性炎症モデル動物における作用
18.3慢性炎症モデル動物における作用
18.4鎮痛作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

エトドラク錠100mg「SW」/エトドラク錠200mg「SW」

添付文書番号

1149032F1132_1_05

企業コード

300119

作成又は改訂年月

**2024年10月改訂(第2版)
2023年7月改訂

日本標準商品分類番号

871149

薬効分類名

非ステロイド性鎮痛・抗炎症剤

承認等

エトドラク錠100mg「SW」

販売名コード

YJコード

1149032F1132

販売名英語表記

ETODOLAC Tablets [SW]

販売名ひらがな

えとどらくじょう

承認番号等

承認番号

22500AMX01945000

販売開始年月

2010年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

規制区分

劇薬

エトドラク錠200mg「SW」

販売名コード

YJコード

1149032F2171

販売名英語表記

ETODOLAC Tablets [SW]

販売名ひらがな

えとどらくじょう

承認番号等

承認番号

22600AMX00040000

販売開始年月

2002年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

規制区分

劇薬

一般的名称

エトドラク

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させることがある。],
  2. 2.2 重篤な血液の異常のある患者,
  3. 2.3 重篤な肝障害のある患者,
  4. 2.4 重篤な腎障害のある患者,
  5. 2.5 重篤な心機能不全のある患者,
  6. 2.6 重篤な高血圧症のある患者
  7. 2.7 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  8. 2.8 アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[シクロオキシゲナーゼの活性を阻害するので、喘息を誘発することがある。]
  9. 2.9 妊娠後期の女性

3. 組成・性状

3.1 組成

エトドラク錠100mg「SW」

1錠中
有効成分日局エトドラク   100mg
添加剤カルナウバロウ、クロスカルメロースNa、結晶セルロース、酸化チタン、三二酸化鉄、ステアリン酸Mg、タルク、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、マクロゴール6000

エトドラク錠200mg「SW」

1錠中
有効成分日局エトドラク   200mg
添加剤カルナウバロウ、クロスカルメロースNa、酸化チタン、三二酸化鉄、ステアリン酸Mg、タルク、トウモロコシデンプン、乳糖、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、マクロゴール6000

3.2 製剤の性状

エトドラク錠100mg「SW」

剤形フィルムコーティング錠
外形

大きさ直径7.1mm
厚さ3.9mm
質量約128mg
識別コードSW 447
性状淡黄色

エトドラク錠200mg「SW」

剤形フィルムコーティング錠
外形

大きさ直径9.1mm
厚さ4.8mm
質量約258mg
識別コードSW 448
性状淡黄色

4. 効能又は効果

  • 下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
    関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸腕症候群、腱鞘炎
  • 手術後並びに外傷後の消炎・鎮痛

6. 用法及び用量

通常、成人にはエトドラクとして1日量400mgを朝・夕食後の2回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
  2. 7.2 高齢者では、少量(例えば200mg/日)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
  2. 8.2 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
    • 長期投与する場合には定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
    • 薬物療法以外の療法も考慮すること。
  3. 8.3 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
    • 急性炎症及び疼痛の程度を考慮し、投与すること。
    • 原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
    • 原因療法があればこれを行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 消化性潰瘍の既往歴のある患者

    プロスタグランジン生合成阻害作用に基づき胃の血流量が減少するため、消化性潰瘍を再発させることがある。,

  2. 9.1.2 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者

    本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある。

  3. 9.1.3 血液の異常又はその既往歴のある患者(重篤な血液の異常のある患者を除く)

    白血球・赤血球・血小板減少が報告されているため、血液の異常を悪化あるいは再発させることがある。,

  4. 9.1.4 心機能障害のある患者(重篤な心機能不全のある患者を除く)

    プロスタグランジン生合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため、心機能障害を悪化させることがある。,

  5. 9.1.5 高血圧症のある患者(重篤な高血圧症のある患者を除く)

    プロスタグランジン生合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため、血圧を上昇させることがある。

  6. 9.1.6 気管支喘息のある患者(アスピリン喘息又はその既往歴のある患者を除く)

    病態を悪化させることがある。

  7. 9.1.7 SLE(全身性エリテマトーデス)の患者

    SLE症状(腎障害等)を悪化させることがある。

  8. 9.1.8 潰瘍性大腸炎の患者

    病態を悪化させることがある。

  9. 9.1.9 クローン病の患者

    病態を悪化させることがある。

  10. 9.1.10 感染症を合併している患者

    必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重篤な腎障害のある患者

    投与しないこと。プロスタグランジン生合成阻害作用に基づく腎血流量低下作用があるため、腎障害を悪化させることがある。,

  2. 9.2.2 腎障害又はその既往歴のある患者(重篤な腎障害のある患者を除く)

    プロスタグランジン生合成阻害作用に基づく腎血流量低下作用があるため、腎障害を悪化あるいは再発させることがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

    投与しないこと。副作用として肝障害が報告されており、悪化するおそれがある。,

  2. 9.3.2 肝障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)

    副作用として肝障害が報告されており、悪化あるいは再発させることがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1 妊娠後期の女性

    投与しないこと。動物実験(ラット)で分娩障害が報告されている。また、妊娠後期のラットに投与した実験で、胎児の動脈管収縮が報告されている。

  2. 9.5.2 **妊婦(妊娠後期を除く)又は妊娠している可能性のある女性

    治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する際には、必要最小限にとどめ、羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児の動脈管収縮が起きたとの報告がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

本剤は、主として腎臓から排泄され、また、血漿アルブミンとの結合性が強い薬物であるので、腎機能の低下により高い血中濃度が持続したり、血漿アルブミンの減少により、遊離の薬物の血中濃度が高くなるおそれがある。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    クマリン系抗凝血剤

    • ワルファリン等

    プロトロンビン時間の延長(出血を伴うことがある)があらわれたとの報告がある。抗凝血作用を増強することがあるので、必要があれば減量すること。

    本剤のヒトでの蛋白結合率は、99%と高く、蛋白結合率の高い薬剤と併用すると血中に活性型の併用薬が増加し、その薬剤の作用が増強されるためと考えられている。

    チアジド系利尿降圧剤

    • ヒドロフルメチアジド
    • ヒドロクロロチアジド等

    利尿降圧作用を減弱するおそれがある。

    本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害作用により、水、Naの排泄を減少させるためと考えられている。

    リチウム製剤

    • 炭酸リチウム

    血中リチウム濃度を上昇させ、リチウム中毒を起こすおそれがあるので、血中のリチウム濃度に注意し、必要があれば減量すること。

    本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害作用により、炭酸リチウムの腎排泄を減少させるためと考えられている。

    メトトレキサート

    メトトレキサートの血中濃度を高めるおそれがあるので、観察を十分に行うこと。

    本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害作用により、メトトレキサートの腎排泄を減少させるためと考えられている。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック(頻度不明)
    2. 11.1.2 アナフィラキシー(頻度不明)

      アナフィラキシー(呼吸困難、蕁麻疹、全身潮紅、血管浮腫、喘鳴等)があらわれることがある。

    3. 11.1.3 消化性潰瘍(穿孔を伴うことがある)(0.1%未満)

      穿孔に至る場合もあるので、異常(胃痛、嘔吐、吐血・下血等を伴う胃腸出血)が認められた場合には、必要に応じて減量、休薬、投与中止等の適切な処置を行うこと。,

    4. 11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
    5. 11.1.5 汎血球減少、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)

      ,

    6. 11.1.6 腎不全(頻度不明)

      急性腎障害(間質性腎炎、腎乳頭壊死等)や慢性腎不全の急性増悪があらわれることがある。,,

    7. 11.1.7 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

      AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。,,

    8. 11.1.8 うっ血性心不全(頻度不明)

      ,

    9. 11.1.9 好酸球性肺炎、間質性肺炎(いずれも頻度不明)

      発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線上の異常陰影等の異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。

    10. 11.1.10 **心筋梗塞、脳血管障害(いずれも頻度不明)

      心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある1)

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    皮膚

    発疹、そう痒感

    蕁麻疹

    紅斑、光線過敏症、紫斑、斑状出血、皮膚血管炎(白血球破砕性血管炎を含む)

    消化器

    腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、口内炎、消化不良、腹部膨満感、舌炎、口渇

    胃炎、便秘

    しゃっくり

    精神神経系

    めまい

    しびれ、眠気、頭痛

    振戦

    肝臓

    肝機能異常(AST、ALT、Al-Pの上昇等)

    腎臓

    腎機能異常(蛋白尿、BUNの上昇等)、顕微鏡的血尿

    血液

    貧血

    好酸球増多

    白血球減少

    その他

    発熱、胸痛

    浮腫、倦怠感、ほてり

    発赤、排尿困難、動悸、喘息、味覚異常、視覚異常(かすみ目等)

    12. 臨床検査結果に及ぼす影響

    ビリルビン試験で偽陽性を示すことがある(尿中に排泄されるフェノール性代謝物による)。

    13. 過量投与

    1. 13.1 症状

      非ステロイド性消炎鎮痛剤の過量投与時の一般的な症状は、嗜眠、傾眠、悪心・嘔吐、心窩部痛である。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 国内において1日600mgを超える用量での臨床試験は実施していない。
    2. 15.1.2 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 単回投与

      健康成人男性5例にエトドラク200mgを単回経口投与した場合、血漿中未変化体濃度は投与後1.4時間で最高値に達し、その後、6時間の半減期で消失した2)

      薬物動態パラメータ

      Dose
      (mg/body)

      Tmax
      (hr)

      Cmax
      (μg/mL)

      AUC0-48hr
      (μg・hr/mL)

      t1/2
      (hr)

      200

      1.4±0.2

      12.2±0.8

      61.1±8.3

      6.031)

      平均値±標準誤差(n=5)

      1) 一次吸収を伴うtwo compartment model式に平均血漿中濃度をあてはめ、算出した。

    2. 16.1.2 反復投与

      健康成人男性6例にエトドラク200mgを1日2回5日間反復経口投与した場合、血漿中未変化体濃度推移は、単回投与時と大差なかった2)

    3. 16.1.3 生物学的同等性試験
    • エトドラク錠200mg「SW」とハイペン錠200mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(エトドラクとして200mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中エトドラク濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された3)
    • 各製剤1錠投与時の薬物動態パラメータ

      Cmax
      (μg/mL)

      Tmax
      (hr)

      T1/2
      (hr)

      AUC0-24hr
      (μg・hr/mL)

      エトドラク錠200mg「SW」

      12.8±3.4

      1.6±1.3

      5.8±2.3

      61.0±10.8

      ハイペン錠200mg

      12.4±3.4

      1.7±1.4

      5.6±2.3

      58.3±10.9

      (Mean±S.D.)

    • 血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

    16.3 分布

    1. 16.3.1 血清蛋白結合率

      ヒト血清中でのin vitro蛋白結合率は0.5~50μg/mLの濃度範囲で98.6~98.9%であった4)

    16.5 排泄

    健康成人男性5例にエトドラク200mgを単回経口投与した場合、エトドラク、6-OH体及び7-OH体が投与量のそれぞれ15.8、3.6及び16.8%尿中に排泄された。これらはいずれもグルクロン酸抱合体を含有していた。
    健康成人男性6例にエトドラク200mgを1日2回5日間反復経口投与した場合、尿中排泄は、単回投与時と大差なく、蓄積性は認められなかった2)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内臨床試験

      国内で実施された二重盲検比較試験を含む臨床試験において、評価対象総計1,318例における臨床成績は次のとおりである5),6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19),20),21),22)

      疾患名

      中等度改善以上例数
      /評価対象例数

      改善率

      関節リウマチ

      116/461

      25.2%

      変形性関節症

      175/275

      63.6%

      腰痛症
      肩関節周囲炎
      頸腕症候群

      223/367

      60.8%

      腱鞘炎

      28/52

      53.8%

      手術後・外傷後2)

      106/163

      65.0%

      2) 鎮痛効果の発現は30分以内に43.6%(71/163)、60分以内に77.9%(127/163)であった。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    エトドラクは、プロスタグランジンE2生合成阻害作用(シクロオキシゲナーゼ-2選択的阻害作用)、多形核白血球機能抑制作用(ライソゾーム酵素遊離抑制作用、活性酸素産生抑制作用、遊走抑制作用)及びブラジキニン産生抑制作用を有することが明らかにされている23),24),25),26),27),28)

    18.2 急性炎症モデル動物における作用

    エトドラクはカラゲニン浮腫(ラット)及びコンカナバリンA浮腫(ラット)に対し5mg/kg(p.o.)以上で抑制作用を示し、紫外線紅斑(モルモット)におけるED50値は8.98mg/kg(p.o.)である。コンカナバリンA浮腫に対する抑制作用はインドメタシン及びジクロフェナクNaより強い23),24),29)

    18.3 慢性炎症モデル動物における作用

    エトドラクは肉芽腫形成(ラット)に対し1mg/kg(p.o.)以上でインドメタシンと同程度の抑制作用を示し、アジュバント関節炎(ラット)に対し0.5mg/kg(p.o.)以上、MRL/lprマウスの関節炎に対し1mg/kg(p.o.)以上及びコラーゲン関節炎(マウス)に対し10mg/kg(p.o.)で抑制作用を示す。MRL/lprマウスでの関節軟骨・骨組織の障害に対する抑制作用はインドメタシンより強い23),29),30),31)

    18.4 鎮痛作用

    酢酸ライシング法(マウス)におけるエトドラクのED50値は3.67mg/kg(p.o.)であり、ビール酵母注射足及びコンカナバリンA注射足の圧刺激疼痛(ラット)に対するエトドラクのED50値はそれぞれ9.24mg/kg(p.o.)及び3.88mg/kg(p.o.)である23),27),29)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    エトドラク(Etodolac)

    化学名

    2-[(1RS)-1,8-Diethyl-1,3,4,9-tetrahydropyrano[3,4-b]indol-1-yl]acetic acid

    分子式

    C17H21NO3

    分子量

    287.35

    性状

    白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。メタノール溶液(1→50)は旋光性を示さない。

    化学構造式

    融点

    約147℃(分解)

    22. 包装

    • 〈エトドラク錠100mg「SW」〉

      PTP:100錠(10錠×10)

    • *〈エトドラク錠200mg「SW」〉

      PTP:100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)

    23. 主要文献

    1) **データベース調査結果の概要(NDBを用いた非ステロイド性抗炎症薬による心血管系イベント発現のリスク評価):
    https://www.pmda.go.jp/files/000270714.pdf

    2) 栗山欣彌他:臨床医薬, 1987;3(4):419-446

    3) 社内資料:生物学的同等性試験

    4) 本田一義他:医薬品研究, 1991;22(1):109-123

    5) 本間光夫他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):3-27

    6) 本間光夫他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):29-50

    7) 小野啓郎他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):51-68

    8) 小野啓郎他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):69-86

    9) 青木虎吉他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):87-98

    10) 廣畑和志他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):99-109

    11) 小坂志朗他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):111-128

    12) 本間光夫他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):129-154

    13) 長屋郁郎他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):155-175

    14) 青木虎吉他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):177-193

    15) 田邊剛造他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):195-212

    16) 福田眞輔他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):213-225

    17) 青木虎吉他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):227-239

    18) 室田景久他:臨床医薬, 1991;7(Suppl.1):241-254

    19) 本間光夫他:臨床医薬, 1991;7(6):1287-1308

    20) 小野啓郎他:臨床医薬, 1991;7(4):799-834

    21) 青木虎吉他:臨床医薬, 1991;7(7):1543-1563

    22) 廣畑和志他:臨床医薬, 1991;7(5):1041-1065

    23) Inoue, K. et al.:Arzneimittel Forschung, 1991;41(1):228-235

    24) Inoue, K. et al.:Arzneimittel Forschung, 1991;41(1):235-239

    25) 提中順一他:炎症, 1995;15(5):409-411

    26) Inoue, K. et al.:Prostaglandins Leukotrienes and Essential Fatty Acids, 1994;51:451-455

    27) Inoue, K. et al.:Prostaglandins Leukotrienes and Essential Fatty Acids, 1994;51:457-462

    28) Glaser, K. et al.:Eur. J. Pharm., 1995;281:107-111

    29) Inoue, K. et al.:Biol. Pharm. Bull., 1994;17(12):1577-1583

    30) Yoshida-Suzuka, H. et al.:Agents and Actions, 1991;33(3/4):310-313

    31) Inoue, K. et al.:Agents and Actions, 1993;39:187-194

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    沢井製薬株式会社 医薬品情報センター

    〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30

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