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クロチアゼパム錠5mg「サワイ」/クロチアゼパム錠10mg「サワイ」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2動物での作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

クロチアゼパム錠5mg「サワイ」/クロチアゼパム錠10mg「サワイ」

添付文書番号

1179012F1169_1_06

企業コード

300119

作成又は改訂年月

2024年2月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

871179

薬効分類名

心身安定剤

承認等

クロチアゼパム錠5mg「サワイ」

販売名コード

YJコード

1179012F1169

販売名英語表記

CLOTIAZEPAM Tablets [SAWAI]

販売名ひらがな

くろちあぜぱむじょう

承認番号等

承認番号

22400AMX01436000

販売開始年月

2012年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

クロチアゼパム錠

クロチアゼパム錠10mg「サワイ」

販売名コード

YJコード

1179012F2092

販売名英語表記

CLOTIAZEPAM Tablets [SAWAI]

販売名ひらがな

くろちあぜぱむじょう

承認番号等

承認番号

22400AMX01435000

販売開始年月

2010年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

クロチアゼパム錠

一般的名称

クロチアゼパム

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  2. 2.2 重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により、症状を悪化させるおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

クロチアゼパム錠5mg「サワイ」

1錠中
有効成分日局クロチアゼパム   5mg
添加剤酸化チタン、ステアリン酸Mg、タルク、トウモロコシデンプン、乳糖、ヒプロメロース、マクロゴール6000、メチルセルロース、カルナウバロウ

クロチアゼパム錠10mg「サワイ」

1錠中
有効成分日局クロチアゼパム   10mg
添加剤酸化チタン、ステアリン酸Mg、タルク、トウモロコシデンプン、乳糖、ヒプロメロース、マクロゴール6000、メチルセルロース

3.2 製剤の性状

クロチアゼパム錠5mg「サワイ」

剤形フィルムコーティング錠
外形

大きさ直径6.1mm
厚さ2.9mm
質量約86mg
識別コードSW CT5
性状白色

クロチアゼパム錠10mg「サワイ」

剤形フィルムコーティング錠
外形

大きさ直径6.1mm
厚さ2.8mm
質量約86mg
識別コードSW 391
性状白色

4. 効能又は効果

  • 心身症(消化器疾患、循環器疾患)における身体症候ならびに不安・緊張・心気・抑うつ・睡眠障害
  • 麻酔前投薬
  • 下記疾患におけるめまい・肩こり・食欲不振
    • 自律神経失調症

6. 用法及び用量

用量は患者の年齢、症状により決定するが、通常成人にはクロチアゼパムとして1日15~30mgを1日3回に分けて経口投与する。
麻酔前投薬の場合は、就寝前または手術前にクロチアゼパムとして10~15mgを経口投与する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
  2. 8.2 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心障害のある患者

    血圧低下があらわれるおそれがあり、症状の悪化につながるおそれがある。

  2. 9.1.2 脳に器質的障害のある患者

    作用が強くあらわれるおそれがある。

  3. 9.1.3 衰弱患者

    作用が強くあらわれるおそれがある。

  4. 9.1.4 中等度又は重篤な呼吸不全のある患者

    炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。

9.2 腎機能障害患者

作用が強くあらわれるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

症状を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  1. 9.5.1 妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
  2. 9.5.2 ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
  3. 9.5.3 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、哺乳中の児に嗜眠、体重減少等を起こすことが、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また黄疸を増強する可能性がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    中枢神経抑制剤
     フェノチアジン誘導体
     バルビツール酸誘導体等

    眠気、血圧低下、運動失調などを起こすおそれがある。

    中枢神経抑制剤との併用で相加的な増強作用が考えられる。

    MAO阻害剤

    過鎮静、昏睡、痙攣発作、興奮などを起こすおそれがある。

    MAO阻害剤が本剤の肝での代謝を抑制し、半減期を延長し、血中濃度を上昇させるため作用が増強されることが考えられる。

    アルコール
     飲酒

    精神機能、知覚・運動機能の低下を起こすおそれがある。

    エタノールと本剤は相加的な中枢抑制作用を示すことが考えられる。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 依存性(頻度不明)

      連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

    2. 11.1.2 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

      肝機能障害(AST、ALT、γ-GTP、LDH、ALP、ビリルビン上昇等)、黄疸があらわれることがある。

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    精神神経系

    眩暈、歩行失調、霧視、頭痛・頭重、振戦、手足のしびれ

    舌のもつれ

    眠気、ふらつき

    循環器

    耳鳴、血圧低下、たちくらみ、頻脈

    消化器

    悪心・嘔吐、食欲不振、胃痛、便秘、口渇

    皮膚

    発疹、かゆみ

    骨格筋

    易疲労・倦怠感、脱力感等の筋緊張低下症状、筋痛、関節痛

    その他

    浮腫

    注)発現頻度は、製造販売後調査の結果を含む。

    13. 過量投与

    1. 13.1 本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。なお、投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニルを投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 生物学的同等性試験
      • 〈クロチアゼパム錠5mg「サワイ」〉

        クロチアゼパム錠5mg「サワイ」を健康成人男子に1錠(クロチアゼパムとして5mg)空腹時単回経口投与したときの薬物動態は以下のとおりであった1)
        (「経口固形製剤の処方変更の生物学的同等性試験ガイドライン」に従い、ヒトを対象とした生物学的同等性試験によりリーゼ糖衣錠(5mg)との同等性が確認された旧処方製剤と、現処方製剤について実施した生物学的同等性試験におけるデータ)

        本剤1錠投与時の薬物動態パラメータ

        Cmax
        (ng/mL)

        Tmax
        (hr)

        T1/2
        (hr)

        AUC0-12hr
        (ng・hr/mL)

        クロチアゼパム錠5mg「サワイ」

        162±57

        0.8±0.5

        5.4±1.9

        494±177

        (Mean±S.D.)

      • 〈クロチアゼパム錠10mg「サワイ」〉

        クロチアゼパム錠10mg「サワイ」とリーゼ錠10mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(クロチアゼパムとして10mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中クロチアゼパム濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)

        各製剤1錠投与時の薬物動態パラメータ

        Cmax
        (ng/mL)

        Tmax
        (hr)

        T1/2
        (hr)

        AUC0-24hr
        (ng・hr/mL)

        クロチアゼパム錠10mg「サワイ」

        259±88

        0.8±0.3

        6.1±0.9

        949±300

        リーゼ錠10mg

        266±85

        0.8±0.5

        5.8±1.2

        963±322

        (Mean±S.D.)

        血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

    16.3 分布

    1. 16.3.1 組織への移行性

      ラットに35S-クロチアゼパムを経口投与すると各組織中濃度は投与後0.5~1時間後に最高となり、肝、腎及び副腎に高濃度に分布する3)

    2. 16.3.2 蛋白結合率

      約99%4)(外国人のデータ)

    16.4 代謝

    ヒトに10mgを経口投与すると、尿中に代謝物としてエチル基の水酸化体及びそれらのグルクロナイドが排泄された。代謝物は薬理活性を有するが、その中枢作用はクロチアゼパムに比べれば弱い5)

    16.5 排泄

    代謝物の尿中排泄量の合計は投与量の約33%に相当する。未変化体は、投与量の約0.5%以下であった5)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    視床下部及び大脳辺縁系のベンゾジアゼピン受容体に作用し、不安・緊張などの情動異常を改善する5),6)

    18.2 動物での作用

    1. 18.2.1 抗不安作用
      1. (1) 抗不安作用との相関が高いといわれるマウス、ラットでの抗ペンチレンテトラゾール作用はジアゼパムより強い6)
      2. (2) ラットでのコンフリクト行動(神経症的行動モデル)の寛解作用はジアゼパムより強い6)
      3. (3) 闘争性マウス、嗅球摘出ラットによる馴化作用及びサルの行動観察においてはジアゼパムよりやや弱い6)
    2. 18.2.2 心身安定化作用

      潰瘍に対する作用:水浸拘束法による実験的ストレス潰瘍だけでなく、アスピリン潰瘍形成も抑制する7)

    3. 18.2.3 鎮静催眠作用

      マウスでのPhotocell法による自発運動抑制作用、クロルプロチキセン麻酔増強作用及び正向反射に及ぼす影響はジアゼパムより弱い6)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    クロチアゼパム(Clotiazepam)

    化学名

    5-(2-Chlorophenyl)-7-ethyl-1-methyl-1,3-dihydro-2H-thieno[2,3-e][1,4]diazepin-2-one

    分子式

    C16H15ClN2OS

    分子量

    318.82

    性状

    白色~淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。クロロホルムに極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)、アセトン、酢酸(100)又は酢酸エチルに溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。光によって徐々に着色する。

    化学構造式

    融点

    106~109℃

    20. 取扱い上の注意

    外箱開封後は遮光して保存すること。

    22. 包装

    • 〈クロチアゼパム錠5mg「サワイ」〉

      PTP:100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)

    • 〈クロチアゼパム錠10mg「サワイ」〉

      PTP:100錠(10錠×10)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    沢井製薬株式会社 医薬品情報センター

    〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30

    *TEL:0120-381-999 FAX:06-7708-8966

    25. 保険給付上の注意

    本剤は、厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)により、投薬量が1回30日分を限度とされています。

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    沢井製薬株式会社

    大阪市淀川区宮原5丁目2-30

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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