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本剤はステロイド剤であることを考慮し、非ステロイド系薬剤によって諸症状の緩解が得られない場合に使用すること。
小児には、通常1回各鼻腔に1噴霧(フルチカゾンプロピオン酸エステルとして25μg)を1日2回投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日の最大投与量は、8噴霧を限度とする。
本剤の十分な臨床効果を得るためには継続的に使用すること。
症状を増悪するおそれがある。
出血を増悪するおそれがある。
本剤の鼻腔内での作用を確実にするため、これらの症状がある程度減少するよう他の療法を併用するとよい。
全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本薬は皮下投与による動物実験(ラット1)、ウサギ2))で副腎皮質ステロイド剤に共通した奇形発生、胎児の発育抑制がみられ、これらの所見はウサギにおいて低い用量で出現することが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。特に、リトナビルとフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤の併用により、クッシング症候群、副腎皮質機能抑制等が報告されているので、リトナビルとの併用は治療上の有益性がこれらの症状発現の危険性を上回ると判断される場合に限ること。
CYP3A4による代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。リトナビルは強いCYP3A4阻害作用を有し、リトナビルとフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤を併用した臨床薬理試験において、血中フルチカゾンプロピオン酸エステル濃度の大幅な上昇、また血中コルチゾール値の著しい低下が認められている。
アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管性浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
0.4%未満
頻度不明
過敏症
発疹、浮腫
鼻腔
鼻出血、不快臭
鼻症状(刺激感、疼痛、乾燥感)、鼻中隔穿孔、鼻潰瘍
口腔並びに呼吸器
咽喉頭症状(刺激感、乾燥感)、不快な味
精神神経系
頭痛、振戦、睡眠障害
その他
眼圧上昇
過量投与により副腎皮質機能抑制がみられることがある。
患者の症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行うこと。
レセルピン系製剤、α-メチルドパ製剤等の降圧剤には、副作用として鼻閉がみられることがある。このような降圧剤服用中のアレルギー性鼻炎又は血管運動性鼻炎の患者に、本剤を投与すると、鼻閉症状に対する本剤の効果が隠蔽されるおそれがあるので、臨床的観察を十分に行いながら投与すること。
健康成人に200μg又は400μg注)を単回鼻腔内投与した場合、血中濃度は検出限界(50pg/mL)以下である4)。
健康成人に200μgを1日2回(400μg/日)注)14日間連続鼻腔内使用した場合、血中濃度は検出限界(50pg/mL)以下である4)。注)本剤の承認用量は、1回各鼻腔に25μgを1日2回、最大使用量は、200μg/日である。
ラットに3H-フルチカゾンプロピオン酸エステル10μg/kgを鼻腔内に単回投与した結果、投与後45分に大部分の組織は最高濃度を示し、消化管、鼻粘膜、下垂体及び甲状腺に高い濃度が認められた。投与後168時間では皮膚に最高濃度の7%、腎臓に2%、及び鼻粘膜に0.5%が認められたが、その他の組織はいずれも検出限界付近又はそれ以下であった5)。
In vitroでのヒト血漿蛋白結合率は81~95%であった5)。
フルチカゾンプロピオン酸エステルはCYP3A4によって代謝を受ける3)。健康成人における経口投与時の血中主要代謝物は、17β-カルボン酸体であり、尿中では17β-カルボン酸体及びそのグルクロン酸抱合体、糞中では未吸収による未変化体及び17β-カルボン酸体である(外国人データ)。
小児の通年性アレルギー性鼻炎患者50例に対し、フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液1回各鼻腔25μg1日2回を2週間投与した非盲検群間比較試験において、有効性解析対象症例45例のくしゃみ、鼻汁、鼻閉の合計症状スコアの平均値(標準偏差)は、5.33(1.29)から2.62(1.39)に低下し、症状別の改善度は中等度改善以上でそれぞれ74.4%(くしゃみ)、83.7%(鼻汁)、64.4%(鼻閉)であった注1)。また、25例に対し、フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液投与前後における朝(8:00から10:00)の血中コルチゾールを測定した結果、低下は認められなかった6),7)。安全性解析対象症例50例における副作用発現頻度は、8.0%(4/50例)であり、その内訳は鼻汁膿性化傾向2.0%(1/50例)、血中コルチゾール減少(規定時間外採血)6.0%(3/50例)であった。
健康成人に400μg/日を14日間鼻腔内投与した場合、下垂体・副腎皮質系機能の抑制は認められなかった4)。
小児通年性鼻炎患者に対し、フルチカゾンプロピオン酸エステルのエアゾール剤1回各鼻腔25μg1日2回を2週間または4週間以上投与した結果、最終全般改善度注2)は、中等度改善以上で91.5%(54/59例)であった8),9)。
成人を対象としたフルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液50μg28噴霧用の2種の比較試験を含む312例の臨床成績は以下のとおりであった10),11),12),13),14)。
フルチカゾン点鼻液50μg「サワイ」28噴霧用及びフルナーゼ点鼻液50μg28噴霧用について、スギ花粉症患者(成人)を対象に、各鼻腔に1回1噴霧(フルチカゾンプロピオン酸エステルとして50μg)を1日2回(朝及び夕)投与し、くしゃみ発作、鼻の瘙痒感、鼻汁及び鼻閉の4症状の合計スコアを指標として治療効果を検討したところ、両剤の生物学的同等性が確認された16)。(フルチカゾン点鼻液50μg「サワイ」28噴霧用は、本剤と同一処方で1回噴霧量のみが異なる製剤である。)注1)くしゃみ、鼻汁、鼻閉の各症状の程度を「鼻アレルギー診療ガイドライン(通年性鼻炎と花粉症)改訂第3版」に従いスコア化した。症状別の改善度は投与前後の症状スコアから患者の重症度を算出し、注2)の基準に従い判定した。注2)鼻症状と鼻所見の改善度を「鼻アレルギー(含む花粉症)の診断と治療(アレルギー疾患治療ガイドライン)」に従い判定した。
フルチカゾンプロピオン酸エステルは合成副腎皮質ステロイドであり、グルココルチコイド受容体を刺激することにより、抗炎症作用、アレルギー性鼻炎抑制作用及び抗アレルギー作用を示す。
フルチカゾンプロピオン酸エステルは、McKenzieらの方法による健康成人皮膚における血管収縮試験(皮膚蒼白度を指標)において、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの約1.9倍、ベタメタゾン吉草酸エステルの約2.6倍、フルオシノロンアセトニドの約9.5倍の血管収縮作用を示した17)。
ラットにおけるカラゲニン足蹠浮腫抑制作用の強さは、局所投与でフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル=ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの順である18)。
ラットにおける48時間PCA反応に対し、皮下投与で用量依存的に抑制する18)。抑制作用の強さは、フルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル>クロモグリク酸ナトリウムの順である18)。また、picryl chloride誘発マウス耳浮腫法による遅延型アレルギー反応に対し、皮下投与で用量依存的に抑制し、その強さはED50の比較において、フルチカゾンプロピオン酸エステル=ベクロメタゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステルの順である18)。
フルチカゾンプロピオン酸エステル(Fluticasone Propionate)
S-Fluoromethyl 6α,9α-difluoro-11β-hydroxy-16α-methyl-3-oxo-17α-propionyloxyandrost-1,4-diene-17β-carbothioate
C25H31F3O5S
500.57
白色の微細な粉末である。アセトニトリルにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
プラスチック点鼻容器:4mL×5本
1) 新保幸太郎他:薬理と治療, 1992;20:1597-1632
2) 江崎洋志他:薬理と治療, 1992;20:1643-1656
3) Meibohm, B. et al.:Rev. Contemp. Pharmacother., 1998;9:535-549
4) 奥田稔他:耳鼻と臨床, 1992;38(Suppl.1):420-430
5) Daniel, M. J. et al.:基礎と臨床, 1992;26:2011-2030
6) 大久保公裕他:耳鼻咽喉科展望, 2002;45:503-516
7) 国内第Ⅲ相試験(小児用フルナーゼ点鼻液:2003年1月21日、申請資料概要ト.1.(1))
8) 馬場駿吉他:耳鼻と臨床, 1992;38(Suppl.1):367-383
9) 馬場駿吉他:耳鼻と臨床, 1992;38:825-840
10) 奥田稔他:耳鼻と臨床, 1992;38(Suppl.1):431-457
11) 奥田稔他:耳鼻と臨床, 1993;39:66-85
12) 奥田稔他:耳鼻と臨床, 1993;39:86-106
13) 奥田稔他:耳鼻と臨床, 1993;39:107-127
14) 奥田稔他:耳鼻と臨床, 1993;39:49-65
15) 奥田稔他:耳鼻と臨床, 1992;38(Suppl.1):404-419
16) 長谷川雅容他:アレルギー・免疫, 2006;13(6):882-894
17) Phillipps, G. H.:Respir. Med., 1990;84(Suppl.A):19-23
18) 藤原肇他:基礎と臨床, 1992;26:1271-1295
19) 大西正樹他:アレルギー, 1993;42:228-235
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