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劇薬
処方箋医薬品注)
経口抗アルドステロン薬の服用困難な下記症状(高アルドステロン症によると考えられる)の改善原発性アルドステロン症心性浮腫(うっ血性心不全)、肝性浮腫開心術及び開腹術時における水分・電解質代謝異常
カンレノ酸カリウムとして、通常成人1回100~200mgを1日1~2回、日局ブドウ糖注射液、生理食塩液又は注射用水10~20mLに溶解してゆっくりと静脈内注射する。なお、症状により適宜増減するが、1日投与量として600mgを超えないこと。また、投与期間は原則として2週間を超えないこと。
本剤の投与期間は、原則として2週間までとし、漫然と長期にわたって投与しないよう留意すること。
急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
水分・電解質が欠乏し、脱水症状や低ナトリウム血症等があらわれやすくなる。
投与しないこと。腎機能を更に悪化させるおそれがある。また、腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。
投与しないこと。腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。
ショックがあらわれやすい。また、高カリウム血症が発現するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。類薬スピロノラクトンでヒト乳汁中へのカンレノ酸の移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
エプレレノン
エサキセレノン
タクロリムス
高カリウム血症が発現することがある。
機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。
降圧剤
利尿剤
降圧作用又は利尿作用を増強するおそれがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意する。
機序:降圧剤又は利尿剤と本剤との相加・相乗作用。
カリウム補給カリウム保持性利尿剤
ACE阻害剤
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬
アリスキレンシクロスポリンドロスピレノン
高カリウム血症を誘発することがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意する。
機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。危険因子:腎障害患者、高齢者
*フィネレノン
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、治療上必要と判断される場合にのみ併用すること。併用する場合には、血清カリウム値をより頻回に測定するなど患者の状態を慎重に観察すること。
リチウム製剤
利尿剤又はACE阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。
ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
カリウム保持性利尿剤との併用により、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症の発現が報告されている。
プロスタグランジン産生が抑制されることによって、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる。危険因子:腎機能障害
乳酸ナトリウム
乳酸ナトリウムのアルカリ化作用の減弱を来すことがある。
本剤により高カリウム性アシドーシスが惹起され、乳酸ナトリウムのアルカリ化作用と拮抗する可能性がある。
塩化アンモニウムコレスチラミン
類薬スピロノラクトンとの併用により代謝性アシドーシスを来すとの報告がある。
これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用が起こるおそれがある。
悪心、悪寒・冷汗、発疹、呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、輸液、副腎皮質ホルモン製剤、昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。
高カリウム血症(4.8%)、低ナトリウム血症(1.3%)、高ナトリウム血症(0.1%)、低クロール血症(0.3%)、高クロール血症(0.1%未満)等の電解質異常があらわれることがある。また、電解質異常に伴い、不整脈等があらわれることがある。
0.1~5%未満a)
0.1%未満a)
頻度不明
過敏症
発疹等
血液
白血球増加
白血球減少、貧血
腎臓
BUN上昇、血清クレアチニン値上昇
肝臓
AST、ALT、Al-Pの上昇
消化器
嘔気、嘔吐、下痢
口渇、食欲不振
精神神経系
頭痛
妄想等
内分泌
女性型乳房
男性で性欲減退、女性で多毛、声の低音化、月経異常、乳房痛等
投与部位b)
注射部位の疼痛
その他
発熱
全身倦怠感、心悸亢進、胸部不快感、顔面潮紅
スピロノラクトンを長期間服用した患者(男女とも)に乳癌が発生したとする症例報告がある。
健康成人にカンレノ酸カリウムを静脈内に投与したところ、主代謝物のカンレノ酸及びカンレノンの和の血漿中からの消失半減期は、分布相で約1時間、排泄相で約9時間であった1)。
健康成人男性に3H-カンレノ酸カリウムを静注し、代謝物を検討したところ、主たる血漿中代謝物はカンレノ酸及びカンレノンであり、尿中にはその他にカンレノ酸のグルクロン酸抱合体が検出された2)(外国人データ)。
健康成人男性に3H-カンレノ酸カリウムを静注したところ、5日以内に投与放射活性の約47%が尿中に、また約14%が糞中に排泄された2)(外国人データ)。
カンレノ酸カリウムは抗アルドステロン剤として腎遠位尿細管のナトリウム-カリウム交換部位においてアルドステロンに拮抗することにより、ナトリウム及び水の排泄を促進し、体内のカリウムを保持する1)。
アルドステロンを負荷した副腎摘出ラットにカンレノ酸カリウムを筋注したところ、アルドステロンのNa貯留、K排泄作用が阻止され、尿中Na/K比の上昇がみられた3)。
デオキシコルチコステロンを負荷した副腎摘出ラットに本剤又はスピロノラクトンを経口又は皮下投与し、尿中Na/K比を指標として両剤の力価を比較したところ、投与経路のいかんにかかわらず、両剤はほぼ同等の力価を示した4)。
クリアランス法により、イヌにカンレノ酸カリウムを静注した後の腎機能に及ぼす影響を検討したところ、血圧、GFR(糸球体濾過値)及び腎血流量にほとんど影響を及ぼすことなく、明らかな利尿作用が認められた5)。
カンレノ酸カリウム(Potassium Canrenoate)
Monopotassium 17-hydroxy-3-oxo-17α-pregna-4,6-diene-21-carboxylate
C22H29KO4
396.56
微黄白色~微黄褐色の結晶性の粉末である。水に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、クロロホルム又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
光により徐々に着色することがあるので、外箱開封後の保存には注意すること。
10バイアル
1) 第十八改正日本薬局方解説書, 廣川書店, 2021;C-1498-1502
2) Karim, A. et al.:J. Pharm. Sci., 1971;60(5):708-715
3) 上川やよい他:基礎と臨床, 1974;8(12):3837-3844
4) Kagawa, C. M. et al.:Arch. Int. Pharmacodyn. Ther., 1964;149(1-2):8-24
5) 宮崎瑞夫他:大阪市医学会雑誌, 1975;24(4-6):277-282
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