当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
片頭痛
通常、成人にはゾルミトリプタンとして1回2.5mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。なお、効果が不十分な場合には、追加投与をすることができるが、前回の投与から2時間以上あけること。また、2.5mgの経口投与で効果が不十分であった場合には、次回片頭痛発現時から5mgを経口投与することができる。ただし、1日の総投与量を10mg以内とすること。
例えば、以下のような患者では不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある。
脳血管障害があらわれるおそれがある。
てんかん様発作が発現したとの報告がある。
一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇が少数の患者でみられたとの報告がある。
血中濃度が上昇するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で経口投与後に乳汁中への移行が認められている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
エルゴタミン
エルゴタミン誘導体含有製剤
血圧の上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
5-HT1B/1D受容体作動薬
血圧の上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
併用により相互に作用を増強させる。
MAO阻害剤,
本剤及び活性代謝物の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。
A型MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。
CYP1A2阻害剤
本剤及び活性代謝物の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加する。
本剤の主要代謝酵素であるCYP1A2を阻害するため、作用が増強される可能性が考えられる。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)があらわれることがある。
セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させる。5-HT1B/1D受容体作動薬との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる。
本剤投与後、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれることがある。このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。,
WPW症候群の典型的症状である重篤な発作性頻脈が、本剤を投与したWPW症候群の既往のある患者で認められている。
0.1%以上5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
じん麻疹、血管浮腫等の過敏症状
循環器
動悸
高血圧
頻脈、消化管の虚血又は梗塞注1)(腸管虚血、腸管梗塞、脾梗塞等)
消化器
悪心、口内乾燥、嘔吐、腹痛
下痢
嚥下困難
精神神経系
傾眠、めまい、知覚減退、知覚過敏、異常感覚、頭痛
泌尿器
頻尿
多尿、尿意切迫
筋・骨格系
筋脱力
筋肉痛
その他
無力症、熱感、重圧感注2)、絞扼感注2)、疼痛注2)、圧迫感注2)、倦怠感
疲労
外国で、健康人に本剤50mgを単回経口投与した際、鎮静(傾眠・無力症)が認められた。
本剤の消失半減期は約3時間であり、少なくとも15時間、あるいは症状・徴候が持続する限り患者をモニターすること。
欧米人健康成人18名(男女各9名)にRM錠2.5mg各2錠(5mg)を単回経口投与したときの未変化体及び活性代謝物(N-脱メチル体)の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す。
Cmax注3)(ng/mL)
AUC0-∞注3)(ng・hr/mL)
Tmax注4)(hr)
t1/2注5)(hr)
未変化体
8.82(5.81~13.39)
51.06(31.34~83.19)
2.98(0.57~5.00)
2.90(0.35)
N-脱メチル体
5.83(4.77~7.12)
36.47(30.47~43.64)
3.00(1.02~5.98)
2.97(0.48)
日本人健康成人30名(男女各15名)にゾルミトリプタン2.5mgを単回経口投与したときの未変化体及び活性代謝物(N-脱メチル体)の薬物動態パラメータを以下に示す2)。ゾルミトリプタンのAUC及びCmaxは、女性が男性より約50%高値を示した3)。
Cmax注6)(ng/mL)
AUC0-∞注6)(ng・hr/mL)
Tmax注7)(hr)
t1/2注8)(hr)
5.23(3.64~7.50)
24.98(17.22~36.24)
3.00(1.00~5.00)
2.40(0.30)
3.51(2.78~4.44)
18.72(14.93~23.49)
3.00(1.50~5.00)
2.35(0.45)
欧米人健康成人に単回経口投与したとき、速やかに吸収され、吸収率は高かった(64%以上)4)。投与後1時間以内に最高血漿中濃度(Cmax)の約3/4に達し、その後4~6時間血漿中濃度が維持された。未変化体及びN-脱メチル体は、ゾルミトリプタン2.5~10mgの用量範囲で用量依存のAUC及びCmaxを示した5)。絶対生物学的利用率は約40%であり、また、初回通過効果を受ける6)。
日本人健康成人男子9名にゾルミトリプタン2.5mgを初回投与量として1日3回(5時間間隔で服用)2日間反復経口投与し、10mgまで漸次増量したとき、反復投与による薬物動態に与える影響はみられなかった7)。
RM錠及び普通錠を経口投与したとき、それぞれの剤型で未変化体及びN-脱メチル体の血漿中濃度推移はほぼ同じであり、両剤型は生物学的に同等である(外国人でのデータ)。
食後投与では空腹時と比べ未変化体のCmax及びAUCが各々13%及び16%低下したが、N-脱メチル体では変化がなく、食事による臨床使用上の影響は受けなかった8)(外国人でのデータ)。
ヒト血漿蛋白に対する結合率は、10~1000ng/mLの範囲でほぼ一定で約20%であった(in vitro)9)。
本剤は主に肝臓でCYP1A2及びA型モノアミン酸化酵素(MAO)により代謝され尿中及び糞中に排泄される。主代謝物はN-脱メチル体、N-酸化体、インドール酢酸体(血漿中及び尿中の主代謝物)の3種である4)(外国人でのデータ)。
ゾルミトリプタン25mgを単回経口投与したとき、投与量の60%以上が主にインドール酢酸体として尿中に排泄され、約30%が主に未変化体として糞中に排泄される4)(外国人でのデータ)。
腎機能障害患者にゾルミトリプタン10mgを単回経口投与したとき、N-脱メチル体のAUCは健康人と比べて約35%高値であったが、未変化体及びN-脱メチル体のCmaxは健康人と差はほとんどみられなかった。また、腎機能障害患者における未変化体及びN-脱メチル体のt1/2は、健康人に比べ約1時間の延長がみられた。これらの薬物動態パラメータは健康人で認められる範囲である10)(外国人でのデータ)。
ゾルミトリプタン10mgを単回経口投与したとき、健康人に比べて、中等度肝機能障害患者では未変化体のAUC及びCmaxが各々94%及び50%増加し、重度肝機能障害患者では各々226%及び47%増加した。N-脱メチル体については、中等度肝機能障害患者ではAUC及びCmaxが各々33%及び44%、重度肝機能障害患者では各々82%及び90%低下した。未変化体のt1/2は健康人に比べて、中等度肝機能障害患者で57%、重度肝機能障害患者で157%延長した。N-脱メチル体のt1/2は健康人に比べて、中等度肝機能障害患者で32%、重度肝機能障害患者で37%延長した11)(外国人でのデータ)。,
高齢者と非高齢者の血漿中濃度は類似している。
少数(12例)の健康人において、ゾルミトリプタンとモクロベミド(A型MAO阻害剤;本邦未承認)を併用したとき、未変化体のAUC及びCmaxが各々26%及び23%、N-脱メチル体のAUC及びCmaxが各々213%及び154%増加した12)(外国人でのデータ)。,
少数(12~18例:試験毎に異なる)の健康人において、エルゴタミン酒石酸塩とカフェインの合剤13)、ジヒドロエルゴタミン12)、プロプラノロール14)、アセトアミノフェン15)、メトクロプラミド15)、リファンピシン16)、セレギリン(B型MAO阻害剤)12)、フルオキセチン(選択的セロトニン再取り込み阻害剤;本邦未承認)17)、ピゾチフェン(5-HT拮抗剤;本邦未承認)12)とゾルミトリプタンを併用したとき、臨床上留意すべき相互作用は示唆されていない(外国人でのデータ)。
片頭痛患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較臨床試験(有効性評価対象総症例数470例)における初回服用(RM錠2.5mg投与)2時間後の頭痛改善率(頭痛の程度が「重度」または「中等度」から、「軽度」または「なし」に軽減した症例の割合)は下表のとおりであった。また、服用30分後から有意な頭痛の程度の軽減を示し、服用1時間後から有意な頭痛改善及び頭痛消失を示した。通常の錠剤と比べて、好ましいとした症例は約7割、速やかに服用できたとした症例は約7割であった。また、取扱いやすいとした症例は約9割であった18)。
プラセボ
RM錠
初回服用2時間後の頭痛改善率(改善例数/評価例数)
22%(53/236)
63%(138/220)
副作用は23.4%(54/231)に認められ、主な副作用は、無力症8例(3.5%)、絞扼感8例(3.5%)、傾眠7例(3.0%)、めまい6例(2.6%)、異常感覚6例(2.6%)であった。
ゾルミトリプタンは、ヒト5-HT1B及び5-HT1D受容体に対して高い親和性を示す19)。N-脱メチル体は、ゾルミトリプタンの2~7.9倍の5-HT1B/1D受容体親和性を示す20)。ゾルミトリプタンをヒトに単回経口投与したとき、N-脱メチル体の血漿中濃度は未変化体の約半分であり、N-脱メチル体も片頭痛改善効果に寄与していると思われる。
麻酔下ネコの頭蓋内動静脈吻合の血管コンダクタンスを選択的かつ用量依存的に低下させた(ゾルミトリプタン用量10~1000μg/kg,ivでおよそ60~92%の低下)21)。
麻酔下ネコにおいて三叉神経電気刺激により誘発された血管作動性神経ペプチド(カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、血管作動性小腸ペプチド(VIP))遊離促進を有意に抑制した22)。また、麻酔下モルモットにおいて、三叉神経節への電気刺激により誘発された血漿蛋白漏出に対して、ゾルミトリプタン10μg/kg,iv以上の用量で有意な抑制作用を示した23)。
ネコの中枢神経に特異的結合部位を有し、静脈内投与によって当該部位に到達することができる(in vitro、ex vivo)24)。また、麻酔下ネコへの静脈内投与(30,100μg/kg)によって、上矢状静脈洞の電気刺激による第二頚髄の電位変化を有意に抑制した25)。
ゾルミトリプタン(Zolmitriptan)(JAN)
(S)-4-({3-[2-(Dimethylamino)ethyl]-1H-indol-5-yl}methyl)-2-oxazolidinone
C16H21N3O2
287.36
白色の粉末である。メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、アセトニトリルに溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
136~140℃
0.07(1-オクタノール/pH7緩衝液)
吸湿性を有するのでブリスター包装のまま保存すること。
*ブリスターシート:12錠(6錠×2)
1) International Headache Society:Cephalalgia, 2018;38(1):1-211
2) 社内資料:日本人ならびに白人における薬物動態比較試験(2001年6月20日承認、申請資料概要ヘ.3.4.1)
3) 社内資料:性別による薬物動態への影響(2001年6月20日承認、申請資料概要ヘ.3.6)
4) Seaber, E. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol., 1997;43:579-587
5) 社内資料:欧米人健康成人男女を対象とした単回投与試験(2001年6月20日承認、申請資料概要ヘ.3.2.2)
6) 社内資料:健康成人被験者における絶対生物学的利用率(2001年6月20日承認、申請資料概要ヘ.3.5)
7) 社内資料:日本人健康成人男性を対象とした反復投与試験(2001年6月20日承認、申請資料概要ヘ.3.3.2)
8) Seaber, E. J. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol., 1998;46:433-439
9) 社内資料:血漿蛋白質との結合(2001年6月20日承認、申請資料概要ヘ.2.2.4)
10) Gillotin, C. et al.:Int. J. Clin. Pharmacol. Ther., 1997;35(11):522-526
11) Dixon, R. et al.:J. Clin. Pharmacol., 1998;38:694-701
12) Rolan, P.:Cephalalgia, 1997;17(Suppl. 18):21-27
13) Dixon, R. M. et al.:Cephalalgia, 1997;17:639-646
14) Peck, R. W. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol., 1997;44:595-599
15) Seaber, E. J. et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol., 1997;53:229-234
16) Dixon, R. et al.:Clin. Drug Invest., 1998;15(6):515-522
17) Smith, D. A. et al.:Int. J. Clin. Pharmacol. Ther., 1998;36(6):301-305
18) 社内資料:無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験
19) Martin, G. R. et al.:Br. J. Pharmacol., 1997;121:157-164
20) 社内資料:183C91(活性代謝物)の受容体選択性(2001年6月20日承認、申請資料概要ホ.1.3.2)
21) MacLennan, S. J. et al.:Eur. J. Pharmacol., 1998;361:191-197
22) Goadsby, P. J. et al.:Headache, 1994;34:394-399
23) 社内資料:麻酔下モルモットにおける神経因性血漿蛋白漏出に対する作用(2001年6月20日承認、申請資料概要ホ.1.2.4)
24) Goadsby, P. J. et al.:Cephalalgia, 1997;17:153-158
25) Goadsby, P. J. et al.:Pain, 1996;67:355-359
沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
*TEL:0120-381-999 FAX:06-7708-8966
沢井製薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-30
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.