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日本薬局方
ジルチアゼム塩酸塩徐放カプセル
処方箋医薬品注)
通常、成人にはジルチアゼム塩酸塩として1日1回100mgを経口投与する。効果不十分な場合には、1日1回200mgまで増量することができる。
通常、成人にはジルチアゼム塩酸塩として1日1回100~200mgを経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
心不全症状を悪化させるおそれがある。
心刺激生成抑制作用、心伝導抑制作用が過度にあらわれるおそれがある。
血圧を更に低下させるおそれがある。
薬物の排泄が遅延し、作用が増強するおそれがある。
薬物の代謝が遅延し、作用が増強するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で催奇形作用(マウス:骨格異常、外形異常)及び胎児毒性(マウス、ラット:致死)が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの母乳中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を十分観察しながら慎重に投与することが望ましい。一般に高齢者では過度の降圧は好ましくないとされている。
アスナプレビル(スンベプラ)
ダクラタスビル塩酸塩/アスナプレビル/ベクラブビル塩酸塩(ジメンシー)
アスナプレビルの血中濃度が上昇する。肝胆道系の副作用が発現し、また重症化するおそれがある。
本剤がCYP3Aを阻害することにより、左記薬剤の代謝が阻害される。
イバブラジン塩酸塩(コララン)
過度の徐脈があらわれることがある。
本剤がCYP3Aを阻害することにより、左記薬剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する。左記薬剤の心拍数減少作用を相加的に増強する。
ロミタピドメシル酸塩(ジャクスタピッド)
ロミタピドメシル酸塩の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。
降圧作用を有する薬剤(降圧剤、硝酸剤等)
定期的に血圧を測定し、用量を調節する。
相加的に作用(降圧作用)を増強させると考えられる。
β遮断剤(ビソプロロールフマル酸塩、プロプラノロール塩酸塩、アテノロール等)
徐脈、房室ブロック、洞房ブロック等があらわれることがある。定期的に脈拍数を測定し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用、陰性変力作用、降圧作用)を増強させると考えられる。特にジギタリス製剤との3剤併用時には注意を要する。
ラウオルフィア製剤(レセルピン等)
ジギタリス製剤(ジゴキシン、メチルジゴキシン)
徐脈、房室ブロック等があらわれることがある。また、これらの不整脈を含めジギタリス製剤の血中濃度上昇による中毒症状(悪心・嘔吐、頭痛、めまい、視覚異常等)があらわれることがある。定期的にジギタリス中毒の有無の観察、心電図検査を行い、必要に応じてジギタリス製剤の血中濃度を測定し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させると考えられる。特にβ遮断剤との3剤併用時には注意を要する。また、本剤はジギタリス製剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
抗不整脈薬(アミオダロン塩酸塩、メキシレチン塩酸塩等)
徐脈、房室ブロック、洞停止等があらわれることがある。定期的に脈拍数を測定し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させると考えられる。
麻酔剤(イソフルラン等)
徐脈、房室ブロック、洞停止等があらわれることがある。心電図をモニターし、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
フィンゴリモド塩酸塩
フィンゴリモド塩酸塩の投与開始時に併用すると重度の徐脈や心ブロックが認められることがある。
共に徐脈や心ブロックを引き起こすおそれがある。
アプリンジン塩酸塩
両剤の血中濃度上昇による症状(徐脈、房室ブロック、洞停止、振戦、めまい、ふらつき等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
共通の代謝酵素(チトクロームP450)に影響を及ぼし合い、両剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤(ニフェジピン、アムロジピンベシル酸塩等)
ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤の血中濃度上昇による症状(降圧作用の増強等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
シンバスタチン
シンバスタチンの血中濃度上昇による横紋筋融解症やミオパシーが発現することがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には投与を中止する。
トリアゾラム
トリアゾラムの血中濃度上昇による症状(睡眠時間の延長等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
ミダゾラム
ミダゾラムの血中濃度上昇による症状(鎮静・睡眠作用の増強等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
カルバマゼピン
カルバマゼピンの血中濃度上昇による症状(眠気、悪心・嘔吐、眩暈等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
セレギリン塩酸塩
セレギリン塩酸塩の作用、毒性が増強することがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
テオフィリン
テオフィリンの血中濃度上昇による症状(悪心・嘔吐、頭痛、不眠等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
シロスタゾール
シロスタゾールの作用が増強することがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
アピキサバン
アピキサバンの作用が増強することがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
ビノレルビン酒石酸塩
ビノレルビン酒石酸塩の作用が増強することがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
シクロスポリン
シクロスポリンの血中濃度上昇による症状(腎障害等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、また、シクロスポリンの血中濃度を測定し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
タクロリムス水和物
タクロリムスの血中濃度上昇による症状(腎障害等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、また、タクロリムスの血中濃度を測定し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
フェニトイン
フェニトインの血中濃度上昇による症状(運動失調、めまい、眼振等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。また、本剤の作用が低下することがある。
フェニトインの代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、フェニトインの血中濃度を上昇させると考えられる。また、フェニトインが本剤の代謝を促進することにより、本剤の血中濃度を低下させると考えられる。
シメチジン
本剤の血中濃度上昇による症状(降圧作用の増強、徐脈等)があらわれることがある。定期的に臨床症状を観察し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
これらの薬剤が本剤の代謝酵素(チトクロームP450)を阻害することにより、本剤の血中濃度を上昇させると考えられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、サキナビルメシル酸塩等)
リファンピシン
本剤の作用が低下することがある。定期的に臨床症状を観察し、また、可能であれば本剤の血中濃度を測定し、異常が認められた場合には、他剤への変更あるいは本剤を増量するなどの適切な処置を行う。
リファンピシンが本剤の代謝酵素(チトクロームP450)を誘導することにより、本剤の血中濃度を低下させると考えられる。
筋弛緩剤(パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物等)
筋弛緩剤の作用が増強することがある。筋弛緩作用に注意し、異常が認められた場合には減量若しくは投与を中止する。
本剤が神経筋接合部において、シナプス前からのアセチルコリン放出を抑制させると考えられる。
初期症状として徐脈、めまい、ふらつき等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物、イソプレナリン等の投与や必要に応じて心臓ペーシング等の適切な処置を行うこと。,
異常が認められた場合には投与を中止し、強心剤の投与等の適切な処置を行うこと。
紅斑、水疱、膿疱、そう痒、発熱、粘膜疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
徐脈、房室ブロック、顔面潮紅、めまい、動悸、浮腫
洞停止、血圧低下、胸痛
洞房ブロック
精神神経系
倦怠感、頭痛、頭重感、脱力感、眠気、不眠
パーキンソン様症状、こむらがえり
肝臓
AST上昇、ALT上昇
黄疸
ALP上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、肝腫大
過敏症
発疹、そう痒、多形性紅斑様皮疹
蕁麻疹
光線過敏症、膿疱
消化器
胃部不快感、便秘、腹痛、胸やけ、嘔気、軟便、下痢、口渇
食欲不振
血液
血小板減少、白血球減少
その他
歯肉肥厚、女性化乳房、しびれ
徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧等があらわれることがある。
透析によって除去されない。下記等の適切な処置を行うこと。
アトロピン硫酸塩水和物、イソプレナリン等の投与や心臓ペーシングを適用すること。
強心剤、昇圧剤、輸液等の投与や補助循環を適用すること。
健康成人男子16例にジルチアゼム塩酸塩徐放カプセル100mgを1カプセル単回経口投与したとき、投与後約14時間で最高血漿中濃度(約30ng/mL)に達し、半減期は約7時間であった1)。
ジルチアゼム塩酸塩Rカプセル100mg「サワイ」とヘルベッサーRカプセル100mgを健康成人男子にそれぞれ1カプセル(ジルチアゼム塩酸塩として100mg)空腹時及び食後単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ジルチアゼム濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)。
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC0-48hr(ng・hr/mL)
空腹時
ジルチアゼム塩酸塩Rカプセル100mg「サワイ」
22.2±9.5
11.0±2.2
6.2±1.6
442.1±180.8
ヘルベッサーRカプセル100mg
24.1±7.3
11.9±2.2
5.6±1.3
468.9±151.3
食後
32.3±10.8
10.9±2.3
573.7±216.3
33.6±9.4
12.2±1.3
6.1±1.8
606.0±187.9
(Mean±S.D.)
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人男子に経口投与したときの主な代謝経路は、酸化的脱アミノ化、酸化的脱メチル化、脱アセチル化、抱合化である3)。
ジルチアゼム塩酸塩は主として代謝酵素チトクロームP450 3A4(CYP3A4)で代謝される4)。
ジルチアゼム塩酸塩Rカプセル200mg「サワイ」は溶出挙動に基づき、ジルチアゼム塩酸塩Rカプセル100mg「サワイ」と生物学的に同等とみなされた5)。
ジルチアゼム塩酸塩は冠血管及び末梢血管等の血管平滑筋細胞へのCa2+流入を抑制することにより、血管を拡張し、心筋虚血改善作用及び降圧作用を示す。
心筋虚血時、細胞内へのCa2+過剰流入を抑制することにより、心機能・心筋エネルギー代謝を保持し梗塞巣の広がりを縮小する(ラット)12)。
洞結節の自発周期と房室結節内伝導(AH)時間を延長するが、ヒス-プルキンエ系伝導(HV)時間には影響しない(イヌ、二次孔型心房中隔欠損症患者、早期興奮症候群患者、発作性上室性頻拍患者、促進型心室固有調律患者)11),22),23)。
ジルチアゼム塩酸塩(Diltiazem Hydrochloride)
(2S,3S)-5-[2-(Dimethylamino)ethyl]-2-(4-methoxyphenyl)-4-oxo-2,3,4,5-tetrahydro-1,5-benzothiazepin-3-yl acetate monohydrochloride
C22H26N2O4S・HCl
450.98
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。ギ酸に極めて溶けやすく、水、メタノール又はクロロホルムに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、無水酢酸又はエタノール(99.5)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
210~215℃(分解)
開封後は湿気を避けて保存すること。
PTP[乾燥剤入り]:100カプセル(10Cap×10)、1,000カプセル(10Cap×100)バラ[乾燥剤入り]:1,000カプセル
PTP[乾燥剤入り]:100カプセル(10Cap×10)
1) 甲斐沼正他:臨床医薬, 1996;12(9):1795-1807
2) 社内資料:生物学的同等性試験(カプセル100mg)
3) Sugawara, Y. et al.:J. Pharmacobiodyn., 1988;11(4):224-233
4) 第十八改正日本薬局方解説書, 廣川書店, 2021;C-2450-2457
5) 社内資料:生物学的同等性試験(カプセル200mg)
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10) Taira, N. et al.:Circ. Res., 1983;52(2 Pt 2):I 40-46
11) 長尾拓他:日本薬理学雑誌, 1981;77(2):195-203
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13) 佐藤匡徳他:日本薬理学雑誌, 1979;75(2):99-106
14) 山口勲他:日本薬理学雑誌, 1979;75(2):191-199
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17) Murata, S. et al.:Jpn. J. Pharmacol., 1982;32(6):1033-1040
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19) 長木淳一郎他:脈管学, 1986;26(12):1297-1303
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21) 成田寛他:日本薬理学雑誌, 1985;86(3):165-174
22) 中谷晴昭他:日本薬理学雑誌, 1980;76(8):697-707
23) Kawai, C. et al.:Circulation, 1981;63(5):1035-1042
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