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処方箋医薬品注)
通常、成人1回2錠(トラピジルとして100mg)、1日3回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
通常、成人1回1錠(トラピジルとして100mg)、1日3回経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
副作用が発現しやすくなる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス)で、高用量において胎児の発育遅延が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
AST・ALT・γ-GTP上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
1%以上
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹・発赤、そう痒感等
肝臓
AST・ALTの上昇、総ビリルビンの上昇等
消化器
嘔気、食欲不振
胃重感、胃部不快感、便秘
胃部膨満感、嘔吐、腹痛、下痢、口渇、口内炎等
精神神経系
頭痛、めまい、頭部不快感
眠気、しびれ感、不眠、筋肉・関節痛等
循環器
胸部圧迫感、心悸亢進、頻脈、徐脈、血圧低下、胸部不快感、不整脈等
血液
白血球減少、赤血球減少、血小板減少、好酸球増多、出血傾向等
その他
味覚異常、顔面潮紅、発熱、悪寒・戦慄、倦怠感、気分不良、発汗、女性化乳房、呼吸困難、リンパ節腫脹、疼痛、浮腫
本剤の大量服用(トラピジルとして15g)で、重症ショック(昏睡状態、頻回の嘔吐、全身痙攣、血圧低下、呼吸困難、四肢冷感等)があらわれたとの報告がある1)。
直ちに胃腸洗浄、強制利尿等の医薬品中毒に対する一般処置を行った後、吸着型血液浄化法(DHP)と血液透析を併用して行ったところ、臨床所見の急速な改善が認められたとの報告がある。また、本剤では、循環虚脱に対する処置が重要と考えられている1)。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
膠原病及び類似の疾患の患者に本剤を投与したところ、副作用の発現頻度が高かったので、これらの患者には投与しないことが望ましいとの報告がある。
トラピジル錠50mg「サワイ」とロコルナール錠50mgを健康成人男子にそれぞれ2錠(トラピジルとして100mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血清中トラピジル濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された3)。
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC0-10hr(μg・hr/mL)
トラピジル錠50mg「サワイ」
2.57±0.35
1.4±0.6
1.3±0.7
7.34±1.47
ロコルナール錠50mg
2.48±0.38
1.3±0.5
1.3±0.6
7.61±1.71
(Mean±S.D.)
トラピジル錠100mg「サワイ」とロコルナール錠100mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(トラピジルとして100mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血清中トラピジル濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された4)。
AUC0-8hr(μg・hr/mL)
トラピジル錠100mg「サワイ」
2.95±0.60
1.6±0.9
3.0±4.5
9.70±2.67
ロコルナール錠100mg
3.01±0.60
1.1±0.4
1.9±1.0
9.07±1.95
血清中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
経口投与後、尿中には主に代謝産物が検出された。また、投与後72時間までに投与量の約30%が尿中に排泄された2)。
虚血性心疾患患者34例を対象として、プラセボと2週ごとのcross-over法による二重盲検試験を実施した。トラピジル300mg/日又はプラセボを1日3回に分け経口投与した。その結果、自覚症状、医師の印象、心電図、総合判定において、いずれもプラセボに対し有意差が認められ、トラピジルが優れていると判定された。また、発作回数においても、プラセボに対し有意な減少が認められた。トラピジル投与による副作用は認められなかった5)。
狭心症患者38例を対象として、プロプラノロールと4週ごとのcross-over法による二重盲検試験を実施した。トラピジルは300mg/日を、プロプラノロールは60mg/日をそれぞれ1日3回に分け経口投与した。その結果、自覚症状、心電図所見、有用度等のいずれにおいても同等の効果を示した。特に、トラピジルがプロプラノロールより有効であった対象は、60歳未満、心拍数75/分未満及び拡張期血圧90mmHg以上の症例であった。これはトラピジルの陽性の変力・変周期作用と拡張期血圧低下作用によるものと考えられる。トラピジル投与による副作用は認められなかった6)。
血小板におけるトロンボキサンA2の合成及び作用を抑制するとともに、血管におけるプロスタサイクリンの産生を促進し、抗血小板作用及び血管拡張作用を発揮する7),8),9),10),11),12)。また、抗PDGF(血小板由来成長因子)作用により動脈硬化の進展を抑制する13),14)。
ニトログリセリンに類似した静脈拡張作用を有し、静脈圧を低下させる24),25),26)(健康成人男性、虚血性心疾患患者、イヌ)。
末梢血管抵抗減少に基づく緩和な降圧作用を有する16),19),20),21),24),25)(胸痛症候群患者、虚血性心疾患患者、イヌ、ミニブタ)。
抗PDGF作用により動脈硬化の進展を抑制する13),14)(ラット、in vitro)。
ADP、アドレナリン、コラーゲン、アラキドン酸、トロンビン等による血小板凝集を抑制する7),31),32),33)(動脈硬化性疾患患者、in vitro)。
HDL-コレステロールの上昇作用、LDL-コレステロールの減少作用を有し、脂質代謝を改善する34),35),36),37)(低HDL-コレステロール血症患者、高脂血症患者、マウス、ラット、ハムスター、ウズラ)。
赤血球内のATP含量を高めることにより赤血球変形能を亢進させ、微小循環における赤血球の通過性を高める31)(ラット、in vitro)。
トラピジル(Trapidil)
7-Diethylamino-5-methyl[1,2,4]triazolo[1,5-α]pyrimidine
C10H15N5
205.26
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。水又はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(95)、無水酢酸又は酢酸(100)に溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けにくい。1.0gを水100mLに溶かした液のpHは6.5~7.5である。
101~105℃
PTP:100錠(10錠×10)
1) 斎藤徹他:日本救急医学会関東地方会雑誌, 1984;5(2):674-678
2) 第十八改正日本薬局方解説書, 廣川書店, 2021;C-3609-3612
3) 社内資料:生物学的同等性試験(錠50mg)
4) 社内資料:生物学的同等性試験(錠100mg)
5) 水野康他:基礎と臨床, 1976;10(6):1427-1443
6) 加藤和三他:基礎と臨床, 1977;11(11):3221-3237
7) 大西治夫他:日薬理誌, 1980;76(6):495-503
8) Suzuki, Y. et al.:Prostaglandins Leukot. Med., 1982;9(6):685-695
9) Kawamura, T. et al.:Prostaglandins Med., 1980;5(2):113-121
10) 大西治夫他:動脈硬化, 1979;7(2):407-415
11) 後藤義一他:薬理と治療, 1981;9(9):3647-3652
12) 鴨井久司他:医学と薬学, 1983;9(4):1185-1188
13) Ohnishi, H. et al.:Life Sci., 1981;28(14):1641-1646
14) Ohnishi, H. et al.:Life Sci., 1982;31(23):2595-2602
15) Füller, H. et al.:Pharmazie, 1971;26(9):554-562
16) Koretsune, Y. et al.:Jpn. Circ. J., 1983;47(4):391-399
17) Takahashi, M. et al.:Arzneim.-Forsch., 1982;32(1):214-218
18) 大西治夫他:日薬理誌, 1975;71(7):727-738
19) 岳中典男他:応用薬理, 1974;8(3):339-348
20) Oguro, K. et al.:Arzneim.-Forsch., 1974;24(6):911-914
21) 原岡昭一他:臨牀と研究, 1976;53(3):833-840
22) Noguchi, K. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 1981;219(3):809-814
23) 伊藤千尋他:応用薬理, 1978;16(3):465-471
24) 矢部喜正:脈管学, 1981;21(3):189-199
25) 藤山増昭他:臨牀と研究, 1981;58(8):2637-2642
26) Noguchi, K. et al.:J. Cardiovasc. Pharmacol., 1983;5(5):768-772
27) 伊藤敬他:呼吸と循環, 1983;31(5):541-547
28) 岡島智志他:臨床薬理, 1981;12(1):61-71
29) 佐藤磐男他:基礎と臨床, 1980;14(10):3039-3049
30) 森田慶治他:臨牀と研究, 1982;59(11):3819-3826
31) 小雀浩司他:東邦医会誌, 1979;26(6):674-685
32) 永川祐三他:動脈硬化, 1982;10(2):313-321
33) 今岡真義他:血液と脈管, 1982;13(2):299-303
34) 仮屋純人他:新薬と臨牀, 1981;30(2):327-334
35) 姉崎寛他:新薬と臨牀, 1980;29(6):946-950
36) 大西治夫他:日薬理誌, 1980;76(6):469-477
37) 大西治夫他:動脈硬化, 1980;8(3):579-585
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