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日本薬局方
ニトレンジピン錠
処方箋医薬品注)
ニトレンジピンとして、通常、成人1回5~10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。
ニトレンジピンとして、通常、成人1回10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減する。
腎機能が悪化することがある。
肝硬変患者で血中濃度の増加が報告されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で催奇形作用(ラットで外表異常及び骨変異、サルで外表及び骨格異常)、胎児致死作用(ラットで胚・胎児死亡率の増加)が報告されている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの母乳中へ移行することが報告されている2)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こることがある。
β-遮断剤
過剰な心筋収縮力低下や血圧降下が起こるおそれがある。
両薬剤の相加・相乗作用によると考えられている。
他の降圧剤
過度の血圧低下が起こることがある。
薬理学的な相加・相乗作用によるものと考えられている。
ジゴキシン
ジゴキシン中毒(不整脈、嘔気、嘔吐、視覚障害、めまい等)があらわれるおそれがある。
ジギタリス製剤の腎及び腎外クリアランスを減少させ、ジギタリス製剤の血中濃度を上昇させると考えられている。
シメチジンラニチジン
血圧が過度に低下するおそれがある。減量するなど慎重に投与すること。
これらの薬剤は本剤の肝での酸化的代謝を阻害し、また、胃酸分泌を抑制して、吸収を高めることにより本剤の血中濃度を上昇させることが考えられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤(サキナビル、リトナビル等)
血圧が過度に低下する可能性がある。
本剤は主に肝チトクロームP450(CYP3A)で代謝されるので、リトナビル、サキナビル等との併用により、代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。
リファンピシン
本剤の作用を減弱させることがある。
リファンピシンが肝の薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進して血中濃度を低下させると考えられている。
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合には、本剤を減量するなど適切な処置を行う。また、グレープフルーツジュースとの同時服用をしないように注意する。
発現機序の詳細は不明であるが、グレープフルーツジュースに含まれる成分が本剤の肝代謝酵素(チトクロームP450)を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている。
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
腎臓
クレアチニン上昇、尿酸上昇
BUN上昇
循環器
頭重・頭痛、顔面潮紅、動悸、血圧低下、ほてり、めまい、熱感、浮腫、ふらつき、立ちくらみ、のぼせ
胸部痛、耳鳴、頻脈、発赤
消化器
悪心
食欲不振、口渇、嘔吐、消化不良、腹痛、胃部不快感、便秘、下痢
過敏症
発疹
光線過敏症、そう痒感
口腔
歯肉肥厚
その他
倦怠感
ふるえ、脱力感、しびれ、眠気、不眠、頻尿
女性化乳房、CK上昇、血清カリウム上昇、総コレステロール上昇、血糖値上昇
過量投与に関する情報は少ないが、主要な臨床症状として過度の血圧低下等が引き起こされる可能性がある。また肝機能障害があると症状が遷延することがある。
蛋白結合率が高いので、強制利尿、血液透析等は本剤の除去にそれほど有用でないと考えられる。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人にニトレンジピン10mgを単回経口投与したときの血中未変化体濃度は、投与後2.2時間で最高濃度に達し、t1/2は約10時間であった3)。
ニトレンジピン錠5mg「サワイ」とバイロテンシン錠5mgを健康成人男子にそれぞれ2錠(ニトレンジピンとして10mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ニトレンジピン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された4)。
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
AUC0-24hr(ng・hr/mL)
ニトレンジピン錠5mg「サワイ」
13.7±4.3
2.1±0.6
65.0±15.9
バイロテンシン錠5mg
13.9±3.9
2.3±0.7
62.6±12.7
(Mean±S.D.)
ニトレンジピン錠10mg「サワイ」とバイロテンシン錠10mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(ニトレンジピンとして10mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ニトレンジピン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された5)。
ニトレンジピン錠10mg「サワイ」
10.5±4.1
2.0±1.0
44.7±18.8
バイロテンシン錠10mg
10.8±5.2
1.9±0.7
44.5±15.8
健康成人6例に13C-ニトレンジピンを20mg経口投与した時のシステミックバイオアベイラビリティは約20%と推定された6)(外国人のデータ)。
蛋白結合率は約98%であった3)。
健康成人にニトレンジピン10mgを経口投与したとき、投与量の52%が48時間までの尿中に排泄された3)。
腎実質性疾患ないしは高血圧症患者で重篤な肝障害がない24例に1日1回ニトレンジピン10mgを単回及び8日間経口投与した。1日目及び8日目の血漿中未変化体濃度の推移及び薬物動態パラメータは、腎機能正常群と腎機能低下群の間に有意な差はみられなかった7)。
細胞膜の膜電位依存性カルシウムチャンネルに特異的に結合し、細胞内へのカルシウムの流入を減少させて冠血管や末梢血管の平滑筋を選択的に弛緩させる8),9)。
本態性高血圧症患者(成人男性3例)に、ニトレンジピンを1日1回10~20mg投与し、観血的に24時間血圧を測定したところ、夜間の過度な降圧や早朝の急速な血圧上昇は認められず、血圧の日内リズムを変えることなく、安定した降圧効果を示した10)。
労作性狭心症患者(成人男性10例、成人女性7例)に、ニトレンジピンを1日1回10mg投与し、トレッドミル多段階運動負荷試験を行ったところ、運動耐容時間、0.1mV ST下降開始時間及び狭心痛発現時間を有意に延長した11)。また、労作性狭心症患者(成人男性12例、成人女性4例)に、ニトレンジピンを1日1回10mg、2週間連続投与し、同様に運動耐容能改善効果が認められた12)。
各種高血圧病態モデル(高血圧自然発症ラット、デオキシコルチコステロン誘発高血圧ラット、腎性高血圧ラット・イヌ)において、持続的で有意な降圧作用を示し、5週間の連続投与によっても耐薬性を生じない13)。
高血圧自然発症ラット及び食塩感受性ラットに3週間以上連続投与することにより、心肥大を有意に抑制する14)。
食塩感受性ダールラットに10週間連続投与しても腎機能に対し影響はなく、糸球体硬化の軽減が認められた15)。
麻酔下イヌの冠血流量、冠静脈洞流出血液量を増加させるほか、冠動静脈酸素較差を減少させて心臓への酸素供給量を増加させる16)。また、イヌ血液灌流心臓標本で冠血流量を選択的に増加させるが、心筋収縮力などの他の心機能への影響は少ない16),17)。ヒト冠血管のプロスタグランジンF2αによる周期的収縮並びに、イヌ冠血管の3,4−ジアミノピリジンによる周期的収縮を抑制する16),18)(in vitro)。
ニトレンジピン(Nitrendipine)
3-Ethyl 5-methyl (4RS)-2,6-dimethyl-4-(3-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate
C18H20N2O6
360.36
黄色の結晶性の粉末である。アセトニトリルにやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に帯褐黄色となる。アセトニトリル溶液(1→50)は旋光性を示さない。
157~161℃
開封後は遮光して保存すること。
*PTP:100錠(10錠×10)
1) 清水ゆり他:応用薬理, 1988;36(2):145-158
2) White, W. B. et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol., 1989;36(5):531-534
3) 第十八改正日本薬局方解説書, 廣川書店, 2021;C-3904-3908
4) 社内資料:生物学的同等性試験(錠5mg)
5) 社内資料:生物学的同等性試験(錠10mg)
6) Mikus, G. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol., 1987;24(5):561-569
7) 柊山幸志郎他:臨床と研究, 1988;65(12):3947-3956
8) Kawashima, Y. et al.:J. Physiol., 1988;402:219-235
9) Bean, B. P. et al.:Circ. Res., 1986;59(2):229-235
10) 宮川具己他:薬理と治療, 1988;16(9):3877-3883
11) 外畑厳他:臨床医薬, 1988;4(12):2271-2289
12) 加藤和三他:臨床と研究, 1988;65(12):3981-3994
13) Stoepel, K. et al.:Arzneim.-Forsch., 1981;31(12):2056-2061
14) Kazda, S. et al.:Fed. Proc., 1983;42(2):196-200
15) 三小田伸之他:日薬理誌, 1999;114:373-382
16) 川原公規他:日薬理誌, 1988;92(6):397-410
17) Satoh, K. et al.:Arzneim.-Forsch., 1986;36(1):35-39
18) 宮沢功他:脈管学, 1989;29(6):471-474
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