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処方箋医薬品注)
本剤を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で溶解して、0.01~0.03%溶液とする。通常、成人には、ニコランジルとして1時間あたり2mgの点滴静注から投与を開始する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減するが、最高用量は1時間あたり6mgまでとする。
本剤を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で溶解して、0.04~0.25%溶液とする。通常、成人には、ニコランジルとして0.2mg/kgを5分間程度かけて静脈内投与し、引き続き1時間あたり0.2mg/kgで持続静脈内投与を開始する。投与量は血圧の推移や患者の病態に応じて、1時間あたり0.05~0.2mg/kgの範囲で調整する。
本剤により血圧低下が生じ、症状を悪化させる可能性がある。
本剤により圧較差を増強し、症状を悪化させる可能性がある。
投与しないこと。
排泄機能が障害されるため、ニコランジルは高い血中濃度で推移する可能性がある。
代謝機能が障害されるため、ニコランジルは高い血中濃度で推移する可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)でニコランジル及び/又はその代謝物の乳汁移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に生理機能が低下し、副作用の発現しやすいことが推定される。特に血圧低下は、高齢の急性心不全患者に発現しやすいので注意すること。
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ、レバチオ)バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)タダラフィル(シアリス、アドシルカ、ザルティア)
併用により、降圧作用が増強することがある。本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤リオシグアト(アデムパス)
本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
1%以上
1%未満
循環器
血圧低下(2.2%)
心拍数増加、心室性頻脈
精神神経系
頭痛(1.9%)
めまい、四肢のしびれ感
消化器
悪心、嘔吐、腹部不快感
肝臓
AST、ALT、γ-GTP、Al-P、LDHの上昇、血中ビリルビン増加
血液
貧血、血小板減少、白血球数増加
過敏症
発疹
腎臓
血中クレアチニン増加、尿中蛋白陽性
その他
総蛋白減少、CK増加、血中カリウム増加、HDLコレステロール減少
投与に際しては、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液に溶解し、溶解後24時間以内に使用すること。
健康成人5例にニコランジルとして2mgを2分間で単回静脈内投与注1)した時のパラメータを以下に示す1)。
C0(ng/mL)
kel(1/hr)
t1/2(hr)
CLtotal(L/hr)
AUCinf(ng・hr/mL)
Vd(L)
平均
103.8
6.50
0.109
126.0
16.23
19.6
C0:投与直後の血漿中ニコランジル濃度
健康成人5例にニコランジル注射剤を6時間持続静脈内投与した時のパラメータを以下に示す2)。
投与速度(ニコランジルとして)(mg/hr)
C6h(ng/mL)
AUC0-9hr(ng・hr/mL)
α相
β相
2
31
0.14
1.56
62
194
4
84
0.17
1.98
44
559
6
152
1.32
39
958
C6h:静脈内持続投与終了直後の血漿中ニコランジル濃度
急性心不全患者14例にニコランジルとして0.2mg/kgを5分間で静脈内投与後、0.2mg/kg/hrの速度で48時間持続静脈内投与時の血漿中ニコランジル濃度は、投与開始後12時間で約482ng/mLに達し、その後時間経過とともに上昇、48時間で約650ng/mLとなった3)。
ヒト血清を用いたin vitro試験によると、血清蛋白結合率は34.2~41.5%(ニコランジル濃度1~100μg/mL)であった4)。
ニコランジルのほとんどは脱ニトロ化されてN -(2-ヒドロキシエチル)ニコチンアミドへ代謝された5)。
不安定狭心症を対象とした二重盲検群間比較試験においてニコランジル注射剤の有用性が認められた6)。不安定狭心症に対する二重盲検を含む臨床試験において、評価対象総数134例の全般改善度は68.4~75.0%であった6),7)。
急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)を対象(肺動脈楔入圧18mmHg以上)としたプラセボ対照二重盲検比較試験を含む臨床試験において、ニコランジル注射剤を0.2mg/kg/5min静脈内投与後、0.2mg/kg/hr持続静脈内投与した54例の肺動脈楔入圧低下率は21.2%であった8),9),10)。
ニコランジルの摘出血管弛緩作用がATP感受性Kチャネル阻害剤あるいはグアニル酸シクラーゼ阻害剤で抑制されること11),13)、イヌ急性心不全モデルにおけるニコランジルの大動脈血流量増加作用などの心血行動態改善作用がATP感受性Kチャネル阻害剤で抑制されること12)、及びニコランジルが摘出血管のcGMP含量を増加させること13)から、本薬の血管拡張作用にはATP感受性Kチャネル開口作用とcGMP産生増加作用が関与する。
ニコランジル(Nicorandil)
N-[2-(Nitrooxy)ethyl]pyridine-3-carboxamide
C8H9N3O4
211.17
白色の結晶である。メタノール、エタノール(99.5)、酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、水にやや溶けにくい。
約92℃(分解)
10バイアル
1) 東純一他:薬理と治療, 1987;15(11):4779-4788
2) 東純一他:薬理と治療, 1990;18(9):3479-3489
3) 急性心不全患者における長時間投与時の薬物動態(シグマート注:2007年10月19日承認、申請資料概要ヘ.3-(2)-④)
4) 血清蛋白結合率(シグマート注:2007年10月19日承認、申請資料概要ヘ.2-(2)-4)
5) 第十八改正日本薬局方解説書, 廣川書店, 2021;C-3872-3876
6) 加藤和三他:臨床医薬, 1991;7(9):2031-2054
7) 加藤和三他:臨牀と研究, 1991;68(11):3480-3496
8) 加藤和三他:薬理と治療, 2008;36(Suppl.1):S35-48
9) 加藤和三他:薬理と治療, 2008;36(Suppl.1):S49-63
10) 加藤和三他:薬理と治療, 2008;36(Suppl.1):S65-78
11) ラット摘出血管を用いた薬効薬理試験(シグマート注:2007年10月19日承認、申請資料概要ホ.1-(2)-1))
12) Kamijo, T. et al.:Asia Pac. J. Pharmacol., 1996;11(3):141-148
13) ラット大動脈のcAMP, cGMPへの影響(シグマート注:2007年10月19日承認、申請資料概要ホ.1-(2)-2))
14) Yamada, A. et al.:Arzneim.-Forsch.(Drug Res.), 1987;37(11):1252-1255
15) Nakagawa, Y. et al.:Jpn. Heart J., 1979;20(6):881-895
16) 畑典武他:脈管学, 1991;31(4):333-337
17) 五明幸彦他:Ther. Res., 1989;10(4):1615-1620
18) 本原征一郎他:Ther. Res., 1989;10(4):1307-1312
19) Uchida, Y. et al.:Jpn. Heart J., 1978;19(1):112-124
20) 佐藤慶祐他:心臓, 1980;12(4):371-380
21) Mizukami, M. et al.:Arzneim.-Forsch.(Drug Res.), 1981;31(8):1244-1247
22) 坂梨又郎他:応用薬理, 1978;15(3):385-389
23) Uchida, Y. et al.:Jpn. Heart J., 1978;19(6):904-912
24) Sakai, K. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 1983;227(1):220-228
25) 松村泰志他:Ther. Res., 1990;11(5):1448-1452
26) Sakai, K. et al.:J. Cardiovasc. Pharmacol., 1981;3(1):139-150
27) Kambara, H. et al.:Am. J. Cardiol., 1989;63(21):56J-60J
28) Kamijo, T. et al.:J. Cardiovasc. Pharmacol., 1999;33(1):93-101
29) Larsen, A. I. et al.:Am. Heart J., 1997;134(3):435-441
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