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日本薬局方
アルプロスタジル注射液
劇薬
処方箋医薬品注)
〈動脈管依存性先天性心疾患〉本剤投与により無呼吸発作が発現することがあるので、呼吸管理設備の整っている施設で投与すること。,
進行性全身性硬化症全身性エリテマトーデス
効能又は効果
用法及び用量
慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)
通常、成人1日1回1~2mL(アルプロスタジルとして5~10μg)をそのまま又は輸液に混和して緩徐に静注、又は点滴静注する。なお、症状により適宜増減する。
糖尿病における皮膚潰瘍
振動病
動脈管依存性先天性心疾患
輸液に混和し、開始時アルプロスタジル5ng/kg/minとして持続静注し、その後は症状に応じて適宜増減して有効最小量とする。
経上腸間膜動脈性門脈造影
通常、成人には1回1mL(アルプロスタジルとして5μg)を生理食塩液で10mLに希釈し、造影剤注入30秒前に3~5秒間で経カテーテル的に上腸間膜動脈内に投与する。
心不全の増強傾向があらわれることがある。,,
眼圧を亢進させるおそれがある。
既往のある患者に胃出血をおこすおそれがある。
間質性肺炎を増悪することがある。
出血を助長するおそれがある。,
門脈圧を上昇させるおそれがある。
腎不全を増悪することがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット、in vitro)で子宮収縮作用が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
動脈管依存性先天性心疾患以外の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
抗凝血剤
出血傾向の増強をきたすおそれがある。
本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これらの薬剤との併用によりその作用を増強するおそれがある。
血小板機能を抑制する薬剤
血栓溶解剤
蕁麻疹、喉頭浮腫、呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血圧低下に伴い一過性の意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心不全(増強を含む)、肺水腫、胸水があらわれることがあるので、動悸、胸苦しさ、呼吸困難、浮腫等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,
間質性肺炎(増悪を含む)があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
胸痛、胸部圧迫感、心電図異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
,
AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
新生児に投与した場合、無呼吸発作があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。なお、発現した場合は、減量、注入速度の減速、投与中止など適切な処置を行うこと。,
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
嘔気腹痛嘔吐下痢腹部膨満感・不快感
食欲不振便秘口腔腫脹感
口内炎(アフタを含む)
循環器
血圧降下注)血管炎顔面潮紅胸部絞扼感注)
発赤胸痛注)動悸頻脈
血圧上昇注)
呼吸器
咳嗽呼吸困難喘息注)
血液
好酸球増多
中枢神経系
発熱頭痛
めまい倦怠感しびれ(感)
悪寒振戦痙攣
皮膚
発疹そう痒感
蕁麻疹
発汗
腎臓
腎不全の増悪注)
注射部位
血管痛発赤
こわばりそう痒感
出血傾向注)
出血(鼻出血、眼底出血、結膜出血、皮下出血、血尿等)
その他
熱感
四肢疼痛(増強を含む)気分不良浮腫視力低下脱毛
低ナトリウム血症四肢腫脹
凍結したものは使用しないこと。
本剤の投与により脳梗塞がみられたとの報告がある。
Lipo PGE1(脂肪粒子にPGE1を溶解した製剤)を健康成人に点滴静注で投与した後の血中PGE1をRIA2抗体法にて測定したが、微量定量であること等の理由により信頼性の高い数値を得ることはできなかった1)。3Hで標識したLipo PGE1(5μg PGE1/kg)をラットに静脈内投与後の血液、血漿中放射能濃度は、投与後30秒でそれぞれ24.74ng eq.PGE1/mL、39.82ng eq.PGE1/mLを示した後、いずれも4相性の推移で消失し、投与後8時間には投与後30秒の濃度の1%以下であった2)。また、イヌでもほぼ同様な推移が認められた2)。
3Hで標識したLipo PGE1をラットに静脈内投与後の組織内放射能濃度は大部分の組織において5分以内に最高濃度を示し、その後の消失は血漿に比べやや緩慢であった。高濃度を示した組織は、腎、肝及び肺であり、中枢神経系、眼球及び精巣は最も低かった。また、反復投与しても特定組織への残存は認められなかった2)。自然発症高血圧ラットへの静脈内投与後の血管内分布は、病変血管において3H-PGE1に比べ有意に高かった3)。
3Hで標識したLipo PGE1をラットに静脈内投与後の血漿中PGE1未変化体の割合は、3H-PGE1-CD(PGE1-CD:アルプロスタジルアルファデクス)投与時に比べ有意に高かった。主な代謝物は13,14-dihydro-15-keto-PGE1であった2)。
3Hで標識したLipo PGE1をラットに静脈内投与後の主な排泄経路は尿中であり、投与後168時間までに尿中へ59%、糞中へ24%、呼気中へ約8%が回収された。胆汁中へは、48時間までに投与量の約28%が排泄され、その一部は腸肝循環することが示された2)。
アルプロスタジルの有効成分はPGE1であり、PGE1は血管拡張作用に基づく血流増加作用及び血小板凝集抑制作用を有する。脂肪粒子を薬物担体とすることにより、以下のような特徴が認められた。
血流増加作用、血圧降下作用を指標に血管拡張作用をPGE1-CDと比較検討した結果は以下のとおりである。
ヒト全血と生理食塩水で希釈したアルプロスタジル注10μg「サワイ」又はリプル注10μgを混合し、コラーゲン溶液の添加により血小板凝集を惹起し、50%凝集圧を誘導するのに必要なコラーゲン濃度(PATI値)を算出して、血小板凝集抑制作用を比較検討した。両剤のPATI値の対数値の平均値の差の90%信頼区間は、同等性の判定基準内であり、両剤の血小板凝集抑制作用は同等であると判断された12)。
イヌにアルプロスタジル注10μg「サワイ」とリプル注10μgをそれぞれ0.1μg/kg静脈内投与し、総頸動脈の血流増加作用を比較検討した。その結果、両剤ともコントロール群に比して有意な総頸動脈血流量の増加を示した。また、両剤の血流増加率の平均値の差の90%信頼区間は、同等性の判定基準内であり、両剤の血流増加作用は同等であると判断された12)。
ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットモデルにアルプロスタジル注10μg「サワイ」とリプル注10μgをそれぞれ3μg/kg静脈内投与し、血圧降下作用を比較検討した。その結果、両剤とも有意な血圧降下作用を示し、また、両剤の血圧降下量の対数値の平均値の差の90%信頼区間は、同等性の判定基準内であり、両剤の血圧降下作用は同等であると判断された12)。
アルプロスタジル(Alprostadil)
7-{(1R,2R,3R)-3-Hydroxy-2-[(1E,3S)-3-hydroxyoct-1-en-1-yl]-5-oxocyclopentyl}heptanoic acid
C20H34O5
354.48
白色の結晶又は結晶性の粉末である。エタノール(99.5)又はテトラヒドロフランに溶けやすく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
114~118℃
10アンプル(1mL/アンプル)
10アンプル(2mL/アンプル)
1) 水島裕他:基礎と臨床, 1985;19(11):5871-5883
2) 江角凱夫他:基礎と臨床, 1986;20(9):4399-4428
3) 名倉一晶他:基礎と臨床, 1986;20(10):5195-5205
4) Sim, A. K. et al.:Arzneimittelforschung, 1986;36(8):1206-1209
5) 浜野哲夫他:基礎と臨床, 1986;20(10):5145-5154
6) 内田武他:基礎と臨床, 1986;20(10):5155-5161
7) 古橋忠和他:基礎と臨床, 1986;20(9):4296-4301
8) Goto, J. et al.:Drugs Exp. Clin. Res., 1986;12(11):917-921
9) 大滝裕他:基礎と臨床, 1986;20(10):5162-5166
10) 内田武他:基礎と臨床, 1995;29(6):1483-1487
11) 山崎隆三郎他:基礎と臨床, 1995;29(6):1501-1513
12) 社内資料:生物学的同等性試験
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