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通常、成人にはファモチジンとして1回20mgを1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。また、1回40mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。なお、年齢・症状により適宜増減する。ただし、上部消化管出血の場合には通常注射剤で治療を開始し、内服可能になった後は経口投与に切りかえる。
通常、成人にはファモチジンとして1回10mgを1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。また、1回20mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。なお、年齢・症状により適宜増減する。
ファモチジンは主として腎臓から未変化体で排泄される。腎機能低下患者にファモチジンを投与すると、腎機能の低下とともに血中未変化体濃度が上昇し、尿中排泄が減少するので、次のような投与法を目安とする1)。
クレアチニンクリアランス(mL/min)
投与法
Ccr≧60
1回20mg 1日2回
60>Ccr>30
1回20mg 1日1回1回10mg 1日2回
30≧Ccr
1回20mg 2~3日に1回1回10mg 1日1回
透析患者
1回20mg 透析後1回1回10mg 1日1回
血液像、肝機能、腎機能等に注意すること。
心血管系の副作用を起こすおそれがある。
血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用すること。,
症状が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
本剤を減量するか投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では、腎機能が低下していることが多いため血中濃度が持続するおそれがある。
左記の薬剤の血中濃度が低下する。
本剤の胃酸分泌抑制作用が左記薬剤の経口吸収を低下させる2),3)。
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫〈顔面浮腫、咽頭浮腫等〉、蕁麻疹等)があらわれることがある。
再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少(初期症状として全身倦怠感、脱力、皮下・粘膜下出血、発熱等)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
AST・ALT等の上昇、黄疸があらわれることがある。
高カリウム血症、ミオグロビン尿、血清逸脱酵素の著明な上昇、筋肉痛等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
特に心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)を有する患者においてあらわれやすいので、投与後の患者の状態に十分注意すること。
意識障害、全身痙攣(痙直性、間代性、ミオクローヌス性)があらわれることがある。特に腎機能障害を有する患者においてあらわれやすいので、注意すること。
初期症状として発熱、皮疹、腎機能検査値異常(BUN・クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹・皮疹、蕁麻疹(紅斑)、顔面浮腫
血液
白血球減少
好酸球増多
消化器
便秘
下痢・軟便、口渇、悪心・嘔吐、腹部膨満感、食欲不振、口内炎
循環器
血圧上昇、顔面潮紅、耳鳴
徐脈、頻脈、房室ブロック
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
総ビリルビン上昇、LDH上昇
肝機能異常、黄疸
精神神経系
全身倦怠感、無気力感、頭痛、眠気、不眠
可逆性の錯乱状態、うつ状態、痙攣、意識障害、めまい
内分泌系
月経不順、女性化乳房
乳汁漏出症
その他
CK上昇、味覚異常、筋肉痛、背部痛
本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
ファモチジンD錠10mg「サワイ」とガスターD錠10mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(ファモチジンとして10mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ファモチジン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された4)。
投与製剤
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC0-12hr(ng・hr/mL)
水なし(n=20)
ファモチジンD錠10mg「サワイ」
32±7
3.1±1.0
2.9±0.4
196±43
ガスターD錠10mg
35±13
3.1±1.1
2.9±0.3
198±54
水あり(n=20)
39±12
2.7±1.2
2.8±0.3
229±46
41±10
3.0±0.9
2.8±0.4
256±50
(Mean±S.D.)
ファモチジンD錠20mg「サワイ」とガスターD錠20mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(ファモチジンとして20mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ファモチジン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された5)。
水なし(n=19)
ファモチジンD錠20mg「サワイ」
71±18
3.4±1.2
428±94
ガスターD錠20mg
67±15
3.3±1.0
3.0±0.4
411±85
水あり (n=20)
71±17
2.6±1.1
440±90
78±19
3.0±1.1
3.0±0.5
470±102
平均Ccr値(mL/min/1.48m2)
t1/2β(h)
AUC(ng・h/mL)
Ctot(mL/min)
98.9
n=7
2.59
857
412
73.8
n=9
2.92
909
381
49.2
n=5
4.72
1424
242
10.3
n=10
12.07
4503
84
胃粘膜壁細胞のH2受容体を遮断し、胃酸分泌を抑制することにより、胃・十二指腸潰瘍、胃炎等の治癒効果を示す6)。
健康成人又は消化性潰瘍患者における、基礎及び各種刺激剤投与時の2時間胃酸及びペプシン分泌量は、20mg経口投与によりそれぞれ71.6~99.6%、29.5~96.9%抑制される。
胃酸分泌抑制率(%)
ペプシン分泌抑制率(%)
基礎分泌7)
98.0
71.0
テトラガストリン(4μg/kg、筋注)刺激分泌8)
94.7
75.1
ベタゾール(1mg/kg、筋注)刺激分泌8)
99.6
96.9
インスリン(0.2IU/kg、静注)刺激分泌9)
71.6
29.5
また、20mg静脈内投与で基礎分泌、テトラガストリン、ベタゾール刺激分泌を抑制する10),11)。
健康成人又は消化性潰瘍患者の午後11時から午前6時までの7時間胃酸及びペプシン分泌量は、20mg経口投与によりそれぞれ91.8%、71.8%抑制される12)。
健康成人の胃酸分泌量は、20mg経口投与により、午後8時から12時間以上にわたり抑制される。胃内pHは、12時間後まで4.2~6.0の範囲で推移する13)。
血中濃度と胃酸分泌抑制率との間には正の相関関係がみられ、胃酸分泌量を50%抑制するときの血中濃度は13ng/mLである14)。
0.1~0.2mg/kgの静脈内投与では健康成人の胃粘膜血流量を増加させる傾向が認められる15)。
潰瘍患者の胃液中粘液物質濃度に影響を及ぼさない16)。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍患者に20mg経口投与した場合、胃排出能に影響を及ぼさない17)。
20mg静脈内投与は、健康成人の肝血流量、門脈血流量に影響を及ぼさない18)。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍患者に20mg1日2回、1~2カ月経口投与した場合、血中ガストリン値に影響を及ぼさない19)。
20mg静脈内投与、20mg1日2回4週間経口投与は、健康成人、消化性潰瘍患者の血中プロラクチン、性腺刺激ホルモン、性ホルモン値に影響を及ぼさない20)。
In vitroにおけるモルモット摘出心房の心拍数及びラット摘出子宮の収縮21)、並びにイヌin vivoの胃酸分泌22)を指標にしたH2受容体拮抗作用は、シメチジンに比し10~148倍強力である。
イヌのヒスタミン刺激時の胃酸分泌抑制効果は、シメチジンに比し作用強度で約40倍強く、持続時間で約1.3~1.5倍長い23),24)。
ラットのストレスによる胃粘膜中糖蛋白量の減少を有意に抑制する24)。
ラットのインドメタシン、アスピリン、プレドニゾロン、ストレス及び幽門結紮による胃潰瘍あるいはメピリゾールによる十二指腸潰瘍の発生に対してシメチジンよりも強い抑制効果を示す25),26)。また、連続投与により酢酸による胃潰瘍及びメピリゾールによる十二指腸潰瘍の治癒を促進し、効力はシメチジンより強い26),27)。
脱血及びヒスタミン投与によるラットの胃出血に対し抑制作用を示す24)。
ラットのタウロコール酸-ヒスタミン、タウロコール酸-セロトニン、塩酸-アスピリン及び塩酸-エタノールによる各胃粘膜病変を予防するのみならず、ヨードアセトアミドによる胃粘膜病変の治癒を促進する28)。
ファモチジン(Famotidine)
N-Aminosulfonyl-3-{[2-(diaminomethyleneamino)-1,3-thiazol-4-yl]methylsulfanyl}propanimidamide
C8H15N7O2S3
337.45
白色~帯黄白色の結晶である。酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。0.5mol/L塩酸試液に溶ける。光によって徐々に着色する。
約164℃(分解)
開封後は湿気を避けて保存すること。
1) 猪爪信夫他:Prog. Med., 1996;16(11):2897-2903
2) 二木芳人:Today's Therapy, 1994;18(2):42-45
3) Lim, S. G. et al.:Aliment. Pharmacol. Ther., 1993;7:317-321
4) 社内資料:生物学的同等性試験(D錠10mg)
5) 社内資料:生物学的同等性試験(D錠20mg)
6) 第十八改正日本薬局方解説書, 廣川書店, 2021;C-4521-4524
7) 大江慶治他:内科宝函, 1983;30(11):365-378
8) 大江慶治他:内科宝函, 1984;31(1):11-24
9) 渡部洋三他:薬理と治療, 1983;11(9):3637-3650
10) 三好秋馬他:基礎と臨床, 1983;17(9):2909-2916
11) 三好秋馬他:基礎と臨床, 1983;17(9):2917-2927
12) 大江慶治他:内科宝函, 1984;31(2):51-62
13) 池添逸夫他:日本消化器病学会雑誌, 1983;80(Suppl.):694
14) Miwa, M. et al.:Int. J. Clin. Pharmacol. Ther. Toxicol., 1984;22(4):214-217
15) 宮本二郎他:薬理と治療, 1983;11(9):3651-3658
16) 森治樹:日本臨床, 1984;42(1):150-157
17) 原沢茂他:診療と新薬, 1983;20(9):1859-1864
18) 大西久仁彦他:薬理と治療, 1983;11(10):4301-4304
19) 三好秋馬他:新薬と臨床, 1983;32(9):1383-1395
20) 早川滉他:臨床成人病, 1984;14(4):571-577
21) 竹田正明他:基礎と臨床, 1983;17(9):2878-2882
22) Takeda, M. et al.:Eur. J. Pharmacol., 1983;91(4):371-376
23) Takagi, T. et al.:Arch. Int. Pharmacodyn. Ther., 1982;256(1):49-58
24) 竹田正明他:基礎と臨床, 1984;18(12):6125-6134
25) Takeda, M. et al.:Arzneimittel-Forschung, 1982;32(7):734-737
26) 岡部進他:応用薬理, 1984;27(3):563-569
27) Ishihara, Y. et al.:Digestion, 1983;27(1):29-35
28) 宮田桂司他:基礎と臨床, 1987;21(16):6063-6073
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