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処方箋医薬品注)
シメチジンに対し過敏症の既往歴のある患者
手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・重症熱傷等によりストレス潰瘍が発症する可能性が考えられる場合に限り使用すること。なお、重症熱傷はBurn Index 10以上の熱傷を目安とすること。
通常成人にはシメチジンとして1回200mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液にて20mLに希釈し、1日4回(6時間間隔)緩徐に静脈内注射する。又は輸液に混合して点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。一般的に上部消化管出血では1週間以内に効果の発現をみるが、内服可能となった後は経口投与に切りかえる。侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・重症熱傷等)による上部消化管出血の抑制では、術後集中管理又は集中治療を必要とする期間(手術侵襲ストレスは3日間程度、その他の侵襲ストレスは7日間程度)の投与とする。
通常成人にはシメチジンとして1回200mgを麻酔導入1時間前に筋肉内注射する。
クレアチニンクリアランス
シメチジン投与量
0~4mL/min
1回200mg 1日1回(24時間間隔)
5~29mL/min
1回200mg 1日2回(12時間間隔)
30~49mL/min
1回200mg 1日3回(8時間間隔)
50mL/min以上
1回200mg 1日4回(6時間間隔)
治療にあたっては経過を十分に観察し、病状に応じ治療上必要最小限の使用(手術侵襲ストレスは3日間程度、その他は7日間程度)にとどめ、本剤で効果がみられない場合には他の療法に切り替えること。なお、血液像、肝機能、腎機能等に注意すること。
本剤は、主として腎臓から排泄されるため、腎機能障害患者では血中濃度が持続する。,,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するか投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。高齢者では腎機能が低下していることが多いため、血中濃度が持続するおそれがある。
肝薬物代謝酵素P-450の活性低下により代謝、排泄が遅延する薬剤主な薬剤:
クマリン系抗凝血剤
ベンゾジアゼピン系薬剤
抗てんかん剤
抗うつ剤
β-遮断剤
カルシウム拮抗剤
抗不整脈剤
キサンチン系薬剤
これらの医薬品の血中濃度を高めることが報告されているので、これらの医薬品を減量するなど慎重に投与すること。
本剤が肝薬物代謝酵素P-450(CYP1A2、CYP2C9、CYP2D6、CYP3A4等)を阻害して、これらの医薬品の代謝、排泄を遅延させる。
プロカインアミド
本剤が近位尿細管におけるプロカインアミドの輸送を阻害し、腎クリアランスを減少させる。
エリスロマイシン
機序不明
ショック、アナフィラキシー(全身発赤、呼吸困難等)があらわれることがある。
初期症状として全身倦怠、脱力、皮下・粘膜下出血、発熱等がみられたら、その時点で血液検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。
初期症状として発熱、腎機能検査値異常(BUN、クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止すること。
黄疸、また、AST、ALTの上昇等があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。
特に腎機能障害患者においてあらわれやすいので、注意すること。
0.1~5%未満
0.1%未満
腎臓
BUN上昇、一過性のクレアチニン上昇
過敏症
発疹
末梢神経障害※)
内分泌
女性化乳房
乳汁分泌、帯下増加、勃起障害
精神神経系
可逆性の錯乱状態、痙攣、頭痛、めまい、四肢のしびれ・こわばり感、眠気、ヒポコンドリー様症状、無気力感、うつ状態、幻覚
循環器
頻脈、徐脈、動悸
消化器
便秘
腹部膨満感、下痢
その他
発熱、全身熱感、排尿困難、筋肉痛、膵炎、脱毛
外国において、シメチジン20gから40gを投与後に意識喪失等の重篤な中枢神経症状が発現した症例、及び40g以上のシメチジンを単回経口服用した成人での死亡症例の報告がある。日本では1回10g(錠剤)、外国では20g(錠剤)までの過量投与の報告があるが、特に重大な影響はみられなかった。
シメチジンは血液透析により除去される。,
急速な静脈内注射により、まれに不整脈、血圧低下を起こすことが報告されているので、静脈内注射する場合は、できるだけ時間をかけて緩徐に行うこと(本剤を5分かけて静脈内投与した後の血圧低下の程度は、2分かけて投与した後と比較し小さかった)。
本剤の投与が胃がんによる症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
シメチジン注射液200mg「サワイ」とタガメット注射液200mgを健康成人男子にそれぞれ1アンプル(シメチジンとして200mg)絶食時単回筋肉内投与(クロスオーバー法)し、血漿中シメチジン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された4)。
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC0-8hr(μg・hr/mL)
シメチジン注射液200mg「サワイ」
2.87±0.55
0.3±0.1
1.9±0.2
5.44±0.99
タガメット注射液200mg
3.17±0.50
2.0±0.4
5.42±0.82
(Mean±S.D.)
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
患者に1回400mg経口投与注)した試験で乳汁中への移行が認められた5)(外国人データ)。
健康成人に静脈内、筋肉内投与した場合、いずれの投与経路でも大部分が24時間以内に尿中に排泄された2),3)。
腎機能障害を有する患者にシメチジンを200mg経口投与注)した場合、血清クレアチニン値正常者と比較して、血漿からの消失半減期の延長と血中濃度の上昇がみられた6)(外国人データ)。,
シメチジンは血液透析により除去された7)が、腹膜透析による除去率はわずかであった8)(外国人に静脈投与したデータ)。,注)本剤の承認された用法は静脈内注射又は筋肉内注射である。
主として1日4回(200mg/1回)静脈内投与により3日以内の止血率は56.5%(35/62例)、7日以内は71.0%(44/62例)であり、従来の薬剤の効果を有意に上回る止血効果を示した9)。
止血後の継続投与は、1日4回(200mg/1回)あるいは1日2回(400mg/1回)いずれの用法においても良好な止血維持効果を示した9),10)。
1日投与量(経口注))
例数
止血維持率
200mg×4回
53
88.7%(47/53例)
400mg×2回
20
100%(20/20例)
1日4回静脈内投与における対象患者別総合臨床効果の有効率は、手術侵襲ストレス患者では67.0%(59/88例)、過大侵襲ストレス患者では71.4%(35/49例)であり、副作用は手術侵襲ストレス患者及び過大侵襲ストレス患者155例中1例(0.6%)に体幹発疹が認められた11),12),13),14),15)。また手術侵襲ストレス患者を対象とした二重盲検比較試験によってシメチジンの有用性が認められた13)。
麻酔時の誤嚥性肺炎の防止を目的としたプラセボとの二重盲検比較試験において、全身麻酔手術施行患者を対象に1回200mgを麻酔導入1時間前に筋肉内投与したとき、麻酔導入時及び抜管時のいずれの時点においてもシメチジン群(116例)はプラセボ群(112例)に比し、有意な胃液量の減少と胃液pHの上昇を認めた。シメチジン群(118例)に副作用は認められなかった16)。注)本剤の承認された用法は静脈内注射又は筋肉内注射である。
胃粘膜壁細胞のヒスタミンH2受容体を遮断し、持続的に胃酸分泌を抑制する17)。
十二指腸潰瘍患者に200mg経口投与した場合、投与後1~3時間の2時間分泌量は91.2%抑制された18)。
十二指腸潰瘍患者に200mg経口投与した場合、テトラガストリン4μg/kg、ベタゾール1mg/kg、インスリン0.1U/kg筋注投与による刺激分泌は投与後1~3時間の2時間分泌量でそれぞれ79.1%、67.8%、79.5%抑制された19)。また、同様の試験において400mg経口投与は200mg経口投与より強くテトラガストリン刺激分泌を抑制した20)。
流動蛋白食刺激による刺激分泌は200mg経口投与により最初の1時間で分泌量が85.7%、次の1時間で64.3%抑制された21)。健康成人への400mg経口投与は朝食及び昼食に相当する2回のブイヨン刺激による分泌に対して、いずれも明らかに抑制し、その効果持続は少なくとも8時間であった22)。
十二指腸潰瘍患者において午後11時~午前6時までの夜間分泌量は200mg経口投与で71.7%、300mg経口投与で94.0%抑制され、酸分泌抑制作用の持続時間は200mgで約4時間、300mgで約6時間であった23)。
十二指腸潰瘍患者において、24時間の胃液の平均水素イオン濃度は、800mg(200mg×4回)経口投与で55%抑制され24)、また、800mg(400mg×2回)の経口投与でも、同様に24時間分泌は良好にコントロールされた25)。いずれの用法においても昼間より夜間の効果が顕著であった。
十二指腸潰瘍患者でのテトラガストリン、ベタゾール、インスリン刺激分泌においてペプシン分泌は200mg経口投与により約55~67%抑制された19)。十二指腸潰瘍患者での夜間分泌における抑制率は200mg経口投与で53.5%、300mg経口投与で81.4%であった23)。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍患者の酸分泌機能は、800~1,600mg/日、約1~8.5ヵ月の経口投与で、投与前後において有意な変化は認められなかった26)。また、胃潰瘍、十二指腸潰瘍患者においてシメチジン投与中止に伴うacid reboundは認められなかった27)。
十二指腸潰瘍患者において、1,000mg/日を4週間、更に400mg/日を20週間経口投与で、投与前、投与開始後4週間、12週間及び24週間の幽門部ガストリン細胞数には有意な変化は認められなかった32)。
十二指腸潰瘍患者の300mg経口投与後1時間及び3時間の胃内容排出には、いずれも有意な変化は認められなかった33)。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃・十二指腸共存潰瘍患者に対する800mg/日19~42日間の経口投与で投与前後の膵外分泌機能には有意な差は認められなかった34)。
健康成人において、アスピリンによる胃粘膜電位差の低下を抑制することにより、胃粘膜関門の破綻を防ぎ粘膜障害を阻止した35)。
十二指腸潰瘍患者において、1,000mg/日、4週間の経口投与で、胃粘膜のPGE2生合成量は投与前に比し増加した36)。
シメチジン(Cimetidine)
2-Cyano-1-methyl-3-{2-[(5-methyl-1H-imidazol-4-yl)methylsulfanyl]ethyl}guanidine
C10H16N6S
252.34
白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。光によって徐々に着色する。
140~144℃
50アンプル(2mL/アンプル)
1) Knodell, R. G. et al.:Gastroenterology, 1991;101(6):1680-1691
2) 野口英世他:基礎と臨床, 1980;14(10):2841-2849
3) 三崎文夫他:臨牀と研究, 1987;64(1):325-330
4) 社内資料:生物学的同等性試験
5) Somogyi, A. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol., 1979;7(6):627-629
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9) 鎌田武信他:綜合臨牀, 1980;29(6):1901-1907
10) 大舘敬一他:基礎と臨床, 1982;16(11):5874-5881
11) 青木照明他:薬理と治療, 1991;19(11):4525-4535
12) 高倉公朋他:新薬と臨床, 1991;40(10):2237-2246
13) 青木照明他:薬理と治療, 1991;19(11):4549-4561
14) 桜本信一他:薬理と治療, 1991;19(11):4537-4548
15) 杉山貢他:消化器科, 1991;15(3):289-299
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28) 榊信広他:臨牀と研究, 1980;57(11):3621-3632
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