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本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常成人には1回1錠(ピレンゼピン塩酸塩無水物として25mg)を、1日3~4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
眼の調節障害等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。
排尿困難を起こすことがある。
眼圧を上昇させることがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物で乳汁への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
発疹、蕁麻疹等があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
消化器
口渇、便秘、下痢、悪心・嘔吐
歯肉痛、膨満感
過敏症
発疹
泌尿器
排尿困難、残尿感
肝臓
AST、ALTの上昇
循環器
心悸亢進
その他
頭重感、たちくらみ、脱力感、嗄声、眼のちらつき、眼の乾燥感に伴う流涙、眼の調節障害
抗コリン作用によるとみられる口渇、せん妄、頻脈、イレウス、尿閉等があらわれることがある。
通常早期には、活性炭の投与、胃洗浄等を行う。また、必要に応じ、副交感神経興奮薬の投与および尿閉の場合の導尿等、適切な支持療法を行うこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性3例にピレンゼピン塩酸塩無水物25mgを経口投与した場合、2~4時間で最高血中濃度約32ng/mLに達する。血中濃度の半減期は約13時間である1) 。
ピレンゼピン塩酸塩錠25mg「サワイ」とガストロゼピン錠25mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(ピレンゼピン塩酸塩無水物として25mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ピレンゼピン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2) 。
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC0-48hr(ng・hr/mL)
ピレンゼピン塩酸塩錠25mg「サワイ」
26.1±8.1
5.2±1.0
12.0±3.9
431.7±139.1
ガストロゼピン錠25mg
26.8±9.6
4.3±1.6
11.9±3.2
404.2±130.3
(Mean±S.D.)
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人男性5例にピレンゼピン塩酸塩無水物25mgを経口投与した場合、服用量の約26%が吸収された3) (外国人データ)。
健康成人男性20例にピレンゼピン塩酸塩無水物50mgを単回経口投与(空腹時又は食後)した場合、食事により血中濃度−時間曲線下面積(AUC)が30%低下した4) (外国人データ)。
静脈内投与した場合、消化管内、腎、唾液腺に高濃度に分布し(ラッ卜)、中枢神経系及び胎児内にはほとんど移行せず(ラッ卜、マウス)、乳汁中へは移行した(ラット)5),6),7) 。
ヒト血漿蛋白との結合率は約12%である3) (外国人データ)。
健康成人にピレンゼピン塩酸塩無水物25mgを経口投与した場合、ほとんど代謝を受けず、血漿、尿及び糞中では大部分が未変化体である3) (外国人データ)。
尿中への排泄率は約10%であり、24時間で大部分が排泄され、連続投与しても蓄積性は認められない1) 。
(1)胃潰瘍を対象とした二重盲検比較試験において、ピレンゼピン塩酸塩錠75mg/日を8週または12週間投与により、本剤の有用性が認められた8) 。
有効例数/効果判定例数
有効率(有効以上)
104/120
86.7%
副作用発現率は6.7%(8/120例)で、副作用は口渇2.5%(3例)、便秘2.5%(3例)、発疹1.7%(2例)、残尿感0.8%(1例)であった。(2)十二指腸潰瘍を対象とした二重盲検比較試験において、ピレンゼピン塩酸塩錠100mg/日を8週間投与により、本剤の有用性が認められた9) 。
55/65
84.6%
副作用発現率は3.1%(2/65例)で、副作用は口渇1.5%(1例)、便秘1.5%(1例)であった。(3)胃炎を対象とした二重盲検比較試験において、ピレンゼピン塩酸塩錠75mg/日を2週間投与により、本剤の有用性が認められた10) 。
87/141
61.7%
副作用発現率は4.2%(6/142例)で、副作用は口渇3.5%(5例)、便秘0.7%(1例)、嗄声0.7%(1例)、脱力感0.7%(1例)、頭重感0.7%(1例)であった。
ムスカリン受容体遮断薬で、アトロピンと同様の副交感神経興奮による反応を抑制することにより様々な作用を現す11) 。
胃液分泌を選択的かつ著明に抑制し、心臓、唾液腺、眼、膀胱などに対する作用は弱い(ラット、イヌ)12) 。生体の各種ムスカリン受容体(high affinity site, low affinity site)に対し、それぞれ区別して結合できる性質を有するためと考えられている(ラット)13) 。
カルバコール、ガストリン、ヒスタミン及び肉エキスなどによる胃液、胃酸、ペプシンの分泌亢進を抑制する(ラット、イヌ)12),14),15),16) 。
肉エキス投与による血中ガストリン値の上昇を抑制する(イヌ)14) 。
塩酸−タウロコール酸、エタノール投与時の胃粘膜損傷に対して抑制効果を示す(ラット)25),26) 。
タウロコール酸投与時の慢性(萎縮性)胃炎の発症に対して抑制効果を示す(ラット)27) 。
健康成人において、基礎及び刺激分泌抑制試験で、胃液、胃酸、ペプシン分泌量の有意な減少及び分泌亢進を抑制する28) 。
胃潰瘍患者において、試験食負荷による血中ガストリン値の上昇抑制及び空腹時血中ガストリン値を低下させる29) 。
ピレンゼピン塩酸塩水和物(Pirenzepine Hydrochloride Hydrate)
11-[(4-Methylpiperazin-1-yl)acetyl]-5,11-dihydro-6H-pyrido[2,3-b][1,4]benzodiazepin-6-one dihydrochloride monohydrate
C19H21N5O2・2HCl・H2O
442.34
白色~微黄色の結晶性の粉末である。水又はギ酸に溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。1gを水10mLに溶かした液のpHは1.0~2.0である。光によって徐々に着色する。
約245℃(分解)
開封後は遮光して保存すること。
PTP:100錠(10錠×10)
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