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日本薬局方
ベタメタゾン錠
処方箋医薬品注)
●印外用剤を用いても効果が不十分な場合あるいは十分な効果を期待し得ないと推定される場合にのみ用いること。
実施に先立ち褐色細胞腫又はパラガングリオーマの合併の有無を確認すること。合併がある場合には、褐色細胞腫又はパラガングリオーマの治療を優先すること。,
ベタメタゾンとして、通常成人1日0.5~8mgを1~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
免疫機能抑制作用により、症状が増悪することがある。
肉芽組織増殖抑制作用により、潰瘍治癒(組織修復)が障害されることがある。
大脳辺縁系の神経伝達物質に影響を与え、症状が増悪することがある。
症状が増悪することがある。,
眼圧の亢進により、緑内障が増悪することがある。,
電解質代謝作用により、高血圧症が増悪することがある。
電解質代謝作用により、電解質異常が増悪することがある。
血液凝固促進作用により、症状が増悪することがある。
創傷治癒(組織修復)が障害されることがある。
心破裂を起こしたとの報告がある。
免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。
糖新生作用等により血糖が上昇し、糖尿病が増悪するおそれがある。
蛋白異化作用等により、骨粗鬆症が増悪するおそれがある。
血中半減期が延長するとの報告があり、副作用があらわれるおそれがある。
脂肪分解・再分布作用により、肝臓への脂肪沈着が増大し、脂肪肝が増悪するおそれがある。
大量投与により脂肪塞栓症が起こるとの報告があり、症状が増悪するおそれがある。
使用当初、一時症状が増悪するおそれがある。
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
褐色細胞腫クリーゼがあらわれることがある。,
薬物の排泄が遅延するため、体内蓄積による副作用があらわれるおそれがある。
用量、投与回数等を調節すること。肝硬変の患者では代謝酵素活性の低下等により、副作用があらわれやすい。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(マウス、ラット)で催奇形作用が報告1)されており、また、新生児に副腎不全を起こすことがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することがある。
長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
機序は不明である。
本剤の作用が減弱することが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシンはCYPを誘導し、本剤の代謝が促進される。
併用時に本剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する。
抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は血液凝固促進作用がある。
糖尿病用薬、インスリン製剤等の効果を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を抑制する。
低カリウム血症があらわれることがあるので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
他の副腎皮質ホルモン剤の大量投与で、シクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
副腎皮質ホルモン剤はシクロスポリンの代謝を抑制する。
本剤の作用が増強されるとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤の代謝が抑制される。
筋弛緩作用が減弱又は増強するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
併用により肺水腫があらわれることがある。
体内の水分貯留傾向が促進される。
腱障害のリスクを増加させるとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。,,,,
連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがある。,
頻度不明
過敏症
発疹
内分泌系
月経異常、クッシング症候群様症状
消化器
下痢、悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇、食欲不振、食欲亢進
精神神経系
多幸症、不眠、頭痛、めまい
筋・骨格
筋肉痛、関節痛
脂質・蛋白質代謝
満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝
体液・電解質
浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカローシス
眼
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出
血液
白血球増多
皮膚
ざ瘡、多毛、脱毛、色素沈着、皮下溢血、紫斑、線条、そう痒、発汗異常、顔面紅斑、脂肪織炎
その他
発熱、疲労感、ステロイド腎症、体重増加、精子数及びその運動性の増減、創傷治癒障害、皮膚・結合組織の菲薄化・脆弱化、しゃっくり
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人10例にベタメタゾン1.0mg又は1.5mgを単回経口投与したとき、血清中ベタメタゾン濃度は2時間後に最高に達し、半減期は180~220分で漸減し、24時間後には血清中から消失した。最高血清中濃度(平均値±標準誤差)は1.0mg投与時345±40ng/dL、1.5mg投与時650±211ng/dLであった2)(測定法:RIA)。
健康者及び治療量のステロイドを投与中の喘息患者等に3H-標識ベタメタゾンを経口投与したとき、尿中に未変化体、11-デヒドロ体、6β-水酸化体、20-ジヒドロ体、6β-水酸化-20-ジヒドロ体、11-デヒドロ-20-ジヒドロ体、6β-水酸化-17-オキソ体の存在が確認された。尿中に排泄された総放射活性の15~30%が非抱合体であった。Δ4-3-ケト体は還元されない3)(外国人データ)。
ベタメタゾンの一部はC-6位が代謝され6β-水酸化体になる。その主な代謝酵素はCYP3A4である4),5)。
健康者及び治療量のステロイドを投与中の喘息患者等に3H-標識ベタメタゾンを経口投与したとき、48時間で総放射活性の約70%が尿中に排泄された3)(外国人データ)。
慢性活動性肝炎患者3例及び肝硬変患者5例にベタメタゾン1.0mg又は1.5mgを単回経口投与したとき、血清中ベタメタゾン濃度は極めて緩徐に減少し、24時間後にもなお血中に残存していた2)(測定法:RIA)。
ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。炎症制御機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP-1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制し、2量体の受容体と結合した場合は、リポコルチン等の誘導を介すると考えられている6)。一方、免疫抑制機序は多彩である。リンパ組織からTリンパ球の遊出を抑制すると共に、その増殖や活性化に係るIL-2の産生を抑制し、更にアポトーシスを促進すること等により血中Tリンパ球数を低下させ細胞性免疫を障害する。また、好中球の遊走能及び貪食能を障害すると共に、マクロファージの貪食・殺菌能障害、TNF-α、IL-1などの炎症性サイトカイン産生抑制及びリンパ球への抗原提示能障害により液性及び細胞性免疫に影響する。更に、血中Bリンパ球数を低下させ、長期間使用時には免疫グロブリン産生量を低下させる。これら以外にも、好酸球や好塩基球、肥満細胞等にも影響する7)。
ベタメタゾンは合成糖質副腎皮質ホルモンで、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用のほか、広範囲にわたる代謝作用を有する。
ベタメタゾン(Betamethasone)
9-Fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione
C22H29FO5
392.46
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。メタノール、エタノール(95)又はアセトンにやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
約240℃(分解)
外箱開封後は遮光して保存すること。
*PTP:100錠(10錠×10)
1) Walker, B. E.:Teratology, 1971;4:39-42
2) Miyachi, Y. et al.:J. Endocrinol., 1979;82:149-157
3) Butler, J. et al.:J. Endocrinol., 1970;46:379-390
4) 千葉寛:治療, 1994;76:2214-2220
5) 清水直容編:ステロイドホルモン, 中外医学社, 1988;48-54
6) 片山一朗:アレルギー, 2006;55:1279-1283
7) 田中廣壽他編:一冊できわめるステロイド診療ガイド, 文光堂, 2015;160-164
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