医療用医薬品 詳細表示

ヘパリンCa皮下注2万単位/0.8mL「サワイ」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ヘパリンCa皮下注2万単位/0.8mL「サワイ」

添付文書番号

3334400A3049_1_06

企業コード

300119

作成又は改訂年月

**2024年7月改訂(第3版)
2024年1月改訂

日本標準商品分類番号

873334

薬効分類名

血液凝固阻止剤

承認等

ヘパリンCa皮下注2万単位/0.8mL「サワイ」

販売名コード

YJコード

3334400A3049

販売名英語表記

HEPARIN Ca Subcutaneous Injection [SAWAI]

販売名ひらがな

へぱりんかるしうむひかちゅう

承認番号等

承認番号

22500AMX00941000

販売開始年月

1974年3月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

規制区分

一般的名称

ヘパリンカルシウム

3. 組成・性状

3.1 組成

ヘパリンCa皮下注2万単位/0.8mL「サワイ」

1バイアル(0.8mL)中
有効成分日局ヘパリンカルシウム   20,000ヘパリン単位
(ブタの腸粘膜由来  )
添加剤pH調節剤(水酸化カルシウム、塩酸)   適量

3.2 製剤の性状

ヘパリンCa皮下注2万単位/0.8mL「サワイ」

pH6.0~7.5
浸透圧比約0.2(生理食塩液に対する比)
性状無色~淡黄色澄明な注射液

4. 効能又は効果

  • 汎発性血管内血液凝固症候群の治療
  • 血栓塞栓症(静脈血栓症、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、四肢動脈血栓塞栓症、手術中・術後の血栓塞栓症等)の治療及び予防

6. 用法及び用量

本剤は通常下記の各投与法によって投与されるが、それらは症例又は適応領域、目的によって決定される。
通常本剤投与後、全血凝固時間(Lee-White法)又は全血活性化部分トロンボプラスチン時間(WBAPTT)が正常値の2~3倍になるように年齢・症状に応じて適宜用量をコントロールする。

初回に15,000~20,000単位、続いて維持量として1回10,000~15,000単位を1日2回、12時間間隔で皮下注射する。
手術後又は心筋梗塞などに続発する静脈血栓症の予防には、5,000単位を12時間毎に7~10日間皮下注射する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 血液凝固能検査等、出血管理を十分に行いつつ使用すること。
  2. 8.2 脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがある。併用する場合には神経障害の徴候及び症状について十分注意し、異常が認められた場合には直ちに適切な処置を行うこと。
  3. 8.3 急に投与を中止した場合、血栓を生じるおそれがあるので徐々に減量すること。
  4. 8.4 本剤の抗凝固作用を急速に中和する必要のある場合にはプロタミン硫酸塩を投与すること。
  5. 8.5 ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)があらわれることがあるので、本剤投与後は血小板数を測定すること。,,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 出血している患者

    血小板減少性紫斑病、血管障害による出血傾向、血友病その他の血液凝固障害(汎発性血管内血液凝固症候群(DIC)を除く)、月経期間中、手術時、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、流早産・分娩直後等性器出血を伴う妊産褥婦、頭蓋内出血の疑いのある患者等には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。出血を助長することがあり、ときには致命的になるおそれがある。

  2. 9.1.2 出血する可能性のある患者

    内臓腫瘍、消化管の憩室炎、大腸炎、亜急性細菌性心内膜炎、重症高血圧症、重症糖尿病の患者等には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。血管や内臓の障害箇所に出血が起こるおそれがある。

  3. 9.1.3 中枢神経系の手術又は外傷後日の浅い患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。出血を助長することがあり、ときには致命的になるおそれがある。

  4. 9.1.4 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

  5. 9.1.5 ヘパリン起因性血小板減少症(HIT:heparin-induced thrombocytopenia)の既往歴のある患者

    *治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。投与が必要な場合は、本剤投与後は血小板数を測定すること。HITがあらわれることがある。,,

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重篤な腎障害のある患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。排泄が障害され、本剤の作用が持続するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。凝固因子やアンチトロンビンⅢの産生が低下していることがあるので、本剤の作用が変動(増強又は減弱)するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

出血の危険性が高まるおそれがある。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    抗凝固剤

    本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。

    本剤の抗凝固作用と血液凝固因子の生合成阻害作用により相加的に出血傾向が増強される。

    血栓溶解剤

    • ウロキナーゼ
      t-PA製剤

    本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。

    本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される。

    血小板凝集抑制作用を有する薬剤

    • アスピリン
      ジピリダモール
      チクロピジン塩酸塩

    本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。

    本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。

    テトラサイクリン系抗生物質
    強心配糖体

    • ジギタリス製剤

    ニトログリセリン製剤

    本剤の作用が減弱することがある。

    機序は不明である。

    筋弛緩回復剤

    • スガマデクスナトリウム

    本剤の抗凝固作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を観察するとともに血液凝固に関する検査値に注意すること。

    作用機序は不明であるが、スガマデクスナトリウム4mg/kgと抗凝固剤の併用中に活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)又はプロトロンビン時間(PT)の軽度で一過性の延長が認められている。

    **アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)

    本剤の抗凝固作用が減弱し、ヘパリン抵抗性を示すことがある。

    In vitroデータから、アンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)がヘパリン-アンチトロンビンⅢ複合体に作用し、本剤の抗凝固作用を減弱させることが示唆されている。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)

      血圧低下、意識低下、呼吸困難、チアノーゼ、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    2. 11.1.2 出血(頻度不明)

      脳出血、消化管出血、肺出血、硬膜外血腫、後腹膜血腫、腹腔内出血、術後出血、刺入部出血等重篤な出血があらわれることがある。,,,,

    3. 11.1.3 血小板減少(頻度不明)、HIT等に伴う血小板減少・血栓症(頻度不明)

      著明な血小板減少があらわれることがある。HITはヘパリン−血小板第4因子複合体に対する自己抗体(HIT抗体)の出現による免疫学的機序を介した病態であり、著明な血小板減少と脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓症やシャント閉塞、回路内閉塞等を伴う。また、投与終了数週間後に、HITが遅延して発現したとの報告もある。血小板数の著明な減少や血栓症を疑わせる異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    過敏症

    そう痒感、蕁麻疹、悪寒、発熱、鼻炎、気管支喘息、流涙等

    皮膚

    脱毛、白斑、出血性壊死等

    肝臓

    AST上昇、ALT上昇

    長期投与

    骨粗鬆症、低アルドステロン症

    投与部位

    発赤、紅斑、腫脹、硬結、そう痒感、局所の疼痛性血腫等

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 コレステロール結晶塞栓症(CCE)は、大動脈内に存在する粥状硬化巣が崩壊・流失し、微細なコレステロール結晶が全身臓器の塞栓を起こすことによって発症するとされており、その主な原因は血管内カテーテル操作であるとされているが、ヘパリン等の抗凝固療法が誘因となり発症することも報告されている。
    2. 15.1.2 HIT発現時に出現するHIT抗体は100日程度で消失~低下するとの報告がある。,,

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    健康成人にヘパリンCa皮下注「サワイ」を250単位/kg腹部に皮下注射した場合、血漿中ヘパリン濃度は4時間後に最高に達し、12時間後にも認められ、24時間後には前値に復した1)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    血液凝固系には第Ⅰから第ⅩⅢまでの血液凝固因子やプレカリクレイン、高分子キニノーゲンなどが働いているが、多くの因子がこれらを調節している。これらの調節因子のうち、アンチトロンビンⅢ(ATⅢ)がヘパリンにより活性化され、トロンビンをはじめ第Ⅸa~Ⅻa因子及びカリクレインを阻害することによって、血液凝固を抑制する2)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    ヘパリンカルシウム(Heparin Calcium)

    性状

    白色~帯灰褐色の粉末又は粒である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。吸湿性である。

    化学構造式

    20. 取扱い上の注意

    外箱開封後は遮光して保存すること。

    22. 包装

    10バイアル(0.8mL/バイアル)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    沢井製薬株式会社 医薬品情報センター

    〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30

    TEL:0120-381-999 FAX:06-7708-8966

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    沢井製薬株式会社

    大阪市淀川区宮原5丁目2-30

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

    画面を閉じる

    Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.