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劇薬
処方箋医薬品注)
輸血による慢性鉄過剰症(注射用鉄キレート剤治療が不適当な場合)
通常、デフェラシロクスとして12mg/kgを1日1回、経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日量は18mg/kgを超えないこと。
重篤な胃腸出血が発現するおそれがある。
重篤な副作用が発現するおそれがある。
投与しないこと。腎機能が悪化するおそれがある。
腎機能が悪化するおそれがある。
投与を避けることが望ましい。また、血中濃度の上昇が報告されている。
肝機能障害が悪化するおそれがある。また、血中濃度の上昇が報告されている。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットにおいて、高用量で胎児の骨格変異の発現頻度(100mg/kg/日)及び死産児数(90mg/kg/日)が増加したとの報告がある。動物実験において、胎児へ移行したとの報告がある(ラット・30mg/kg投与・母体の15%量の移行、ウサギ・40mg/kg投与・母体の1.2%量の移行)。
授乳しないことが望ましい。ラットで母乳中へ移行することが報告されている。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。重篤な副作用が発現するおそれがある。なお、海外において、デフェラシロクス製剤の投与によって、消化器症状(特に下痢)が高齢者で多くあらわれることが報告されている。
アルミニウム含有制酸剤
両剤の作用が減弱する可能性がある。
本剤とキレートを形成する。
CYP3A4で代謝される薬剤
これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。健康成人にデフェラシロクス懸濁用錠とミダゾラム(経口投与、国内未承認の用法)を併用投与した場合、ミダゾラムのAUCが17%低下したとの報告がある。
本剤の弱いCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進されると考えられる。
レパグリニドトレプロスチニル
これらの薬剤のAUC及びCmaxが上昇し、これらの薬剤の副作用が発現するおそれがある。健康成人にデフェラシロクス懸濁用錠を反復投与後にレパグリニドを併用投与した場合、レパグリニドのAUCが131%、Cmaxが62%増加したとの報告がある。
本剤のCYP2C8阻害作用により、これらの薬剤の代謝が抑制されると考えられる。
テオフィリン
健康成人にデフェラシロクス懸濁用錠とテオフィリンを併用投与した場合、テオフィリンのAUCが84%上昇したとの報告がある。テオフィリンの作用を増強させる可能性があるので、併用する場合にはテオフィリンの血中濃度を測定し、テオフィリンの用量を調節すること。
本剤のCYP1A2阻害作用により、テオフィリンの代謝が阻害されると考えられる。
UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)を強力に誘導する薬剤
健康成人にリファンピシンを反復投与後にデフェラシロクス懸濁用錠を併用投与した場合、デフェラシロクスのAUCが44%低下したとの報告がある。
これらの薬剤のUGT誘導作用により、本剤の代謝が促進されると考えられる。
消化管潰瘍を誘発する可能性のある薬剤
デフェラシロクス懸濁用錠投与中に消化管穿孔、胃潰瘍(多発性潰瘍)、十二指腸潰瘍、胃腸出血があらわれたとの報告がある。
胃腸刺激のリスクが高まる可能性がある。
抗凝血剤
胃腸出血があった場合、併用により出血が助長されたとの報告がある。
抗凝血剤の作用による。
コレスチラミン
健康成人においてデフェラシロクス懸濁用錠投与4時間及び10時間後にコレスチラミンを投与した場合、デフェラシロクスのAUCが45%低下したとの報告がある。
コレスチラミンの吸着作用により本剤の吸収が阻害されるおそれがある。
血管神経性浮腫、アナフィラキシー等の異常があらわれることがある。
肝硬変や多臓器不全等を合併している患者で、肝不全が認められている。
10%以上
1~10%未満
0.1~1%未満
0.01~0.1%未満
頻度不明
代謝及び栄養障害
-
食欲不振
精神障害
不安、睡眠障害
神経系障害
頭痛
浮動性めまい
眼障害
黄斑症
呼吸器系障害
咽喉頭痛
胃腸障害
下痢、便秘、嘔吐、悪心、腹痛、腹部膨満、消化不良
胃炎、急性膵炎
食道炎
肝胆道系障害
臨床検査値異常(AST、ALT、γ-GTP、ALP、LDH、血中ビリルビンの増加)
胆石症
皮膚及び皮下組織障害
発疹注)、そう痒症
色素沈着障害
白血球破砕性血管炎、蕁麻疹、脱毛症
腎及び尿路障害
血中クレアチニン増加
蛋白尿
全身障害
発熱、浮腫、疲労
海外において、鉄過剰のβサラセミア患者におけるデフェラシロクス懸濁用錠80mg/kgの単回投与で、軽度の悪心及び下痢が認められた。また、海外において、処方量の2~3倍量を数週間服用したとの報告がある。そのうちの1例に軽症の肝炎が認められたが、投与中止後、長期に及ぶ影響なく回復した。急性の症状として悪心、嘔吐、頭痛及び下痢があらわれる可能性がある。
輸血による鉄過剰症患者(26例)にデフェラシロクス懸濁用錠5~30mg/kgを単回及び1日1回7日間反復経口投与したとき、血漿中デフェラシロクスの薬物動態パラメータは以下のとおりであった5)。反復投与時には投与開始4日でほぼ定常状態に到達し、AUC0-24の比から求めた累積率は1.2~2.3であった。
投与量(mg/kg)
Tmax(h)
Cmax(μmol/L)
AUC0-24(μmol・h/L)
t1/2(h)
単回投与
5(n=6)10(n=7)20(n=6)30(n=7)
2.0[0.9~3.0]3.0[1.0~4.0]4.0[1.0~10.0]3.0[2.0~4.0]
20.4±6.153.3±18.7112±29119±40
190±91535±1371,270±3701,450±420
8.5±3.417.1±4.720.5±4.918.9±9.8※
反復投与
1.5[1.0~4.0]3.0[1.1~10.0]3.4[1.0~4.2]4.0[1.0~10.0]
27.4±10.767.3±22.2119±14224±100
345±236848±4421,510±1903,620±2,760
17.5±7.220.5±7.521.4±7.219.5±4.9
Tmaxは中央値[最小値~最大値]を、それ以外は平均値±標準偏差を示す。※n=6
健康成人(96例)にデフェラシロクス懸濁用錠1,500mg及びデフェラシロクス顆粒900mgを空腹時単回経口投与したときの薬物動態をクロスオーバー法により比較した。懸濁用錠1,500mgに対する顆粒900mgのCmax及びAUClastの対数値の平均値の差の90%信頼区間は、いずれもlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり生物学的に同等であった6)。デフェラシロクス顆粒はデフェラシロクスのバイオアベイラビリティが高められた製剤であり、デフェラシロクス顆粒の12mg/kgはデフェラシロクス懸濁用錠の20mg/kgに相当することが生物学的同等性試験により確認されている。
AUClast(μmol・h/L)
デフェラシロクス懸濁用錠1,500mg(n=96)
97.1±24.8
1,810±561
デフェラシロクス顆粒900mg(n=95)
116±31.4
1,720±452
平均値±標準偏差
デフェラシロクス顆粒分包360mg「サワイ」とジャドニュ顆粒分包360mgを健康成人男性にそれぞれ1包(デフェラシロクスとして360mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中デフェラシロクス濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された7)。なお、デフェラシロクス顆粒分包90mg「サワイ」は、ジャドニュ顆粒分包360mgと同等性が確認されたデフェラシロクス顆粒分包360mg「サワイ」と容れ目違いであり、生物学的に同等であると判断された。
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC0-48hr(μg・hr/mL)
デフェラシロクス顆粒分包360mg「サワイ」
19.7±4.3
3.3±1.1
12.8±3.0
203.4±39.6
ジャドニュ顆粒分包360mg
18.0±3.6
3.1±1.0
13.1±3.2
191.7±35.0
(Mean±S.D., n=28)
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人(24例)にデフェラシロクス顆粒1,200mgを低脂肪食もしくは高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時に対するCmaxの幾何平均比はそれぞれ0.89及び0.96、AUClastの幾何平均比はそれぞれ0.91及び1.19であった8)。また、健康成人(24例)にデフェラシロクス顆粒1,200mgをアップルソースもしくはヨーグルトに混和して単回経口投与したとき、空腹時に水で投与した時に対するCmaxの幾何平均比はそれぞれ0.97及び0.98、AUClastの幾何平均比はそれぞれ1.01及び1.00であった8)(外国人のデータ)。(本剤の承認された用法及び用量は、デフェラシロクスとして12mg/kgを1日1回である。)
健康成人(17例)にデフェラシロクス懸濁用錠375mg(約5mg/kg)を単回経口投与したときの絶対バイオアベイラビリティは73.5%であった9)(外国人のデータ)。
デフェラシロクスの血漿蛋白結合率は約99%であり、主な結合蛋白は血清アルブミンである10),11)(in vitro)。健康成人(17例)にデフェラシロクス130mgを静脈内投与したときの分布容積は14Lであった9)(外国人のデータ)。
デフェラシロクスは主にUGT1A1及びUGT1A3によりグルクロン酸抱合を受け、また一部CYP1A2及びCYP2D6により酸化代謝を受ける12),13)(in vitro)。βサラセミア患者(5例)に[14C]デフェラシロクス懸濁用錠1,000mg(約15mg/kg)を経口投与したとき、血漿中放射能の大部分は未変化体(総放射能のAUCの約90%)であり、血漿中に認められた主代謝物はデフェラシロクスのアシルグルクロン酸抱合体(総放射能のAUCの約3%)であった14)。糞中に排泄された放射能の多くは未変化体であり、酸化代謝物はわずかであった(投与量の約8%)(外国人のデータ)。
βサラセミア患者(5例)に[14C]デフェラシロクス懸濁用錠1,000mg(約15mg/kg)を経口投与したとき、投与後168時間までに投与量の約84%が糞中に排泄され、約8%が尿中に排泄された14)(外国人のデータ)。
輸血による鉄過剰症患者(26例)にデフェラシロクス懸濁用錠5~30mg/kgを1日1回7日間反復経口投与したとき、尿及び糞中への鉄排泄は以下の通りであった5)。
鉄排泄(mg/kg/日)
糞中鉄排泄
尿中鉄排泄
総鉄排泄
0.0690±0.0975※0.120±0.1180.326±0.1170.582±0.385
0.00450±0.000800.0131±0.00350.0158±0.00210.0231±0.0114
0.0738±0.0977※0.133±0.1170.342±0.1180.605±0.387
(平均値±標準偏差)※n=5
副作用発現頻度は、23.1%(6/26例)であった 。主な副作用は、 下痢 7.7%(2/26例)、悪心 7.7%(2/26例)及び血中クレアチニン増加7.7%(2/26例)であった。
デフェラシロクス懸濁用錠の有効性は、肝鉄濃度(肝臓の乾燥重量1gあたりの鉄含有量、以下LICとする)を指標に、投与1年後のLICが7mg/g未満に減少した場合を有効(治療開始前のLICが10mg/g以上の場合、開始前と比較して1年で3mg/g以上の減少を有効)と定義し、有効率を評価した。βサラセミア患者にデフェラシロクス懸濁用錠(5~30mg/kg)及びデフェロキサミン(20~50mg/kg以上)を1年間投与したとき、有効率はそれぞれ52.9%(146/276例)及び66.4%(184/277例)であった15),16)。デフェラシロクス懸濁用錠の副作用発現頻度は、36.5%(108/296例)であった。主な副作用は、血中クレアチニン増加9.8%(29/296例)、発疹5.7%(17/296例)、悪心5.4%(16/296例)であった。
難治性貧血患者及びβサラセミア患者にデフェラシロクス懸濁用錠(5~30mg/kg)を1年間投与したときの有効率は50.5%(93/184例)であった17),18)。難治性貧血患者でのデフェラシロクス懸濁用錠の副作用発現頻度は、64.6%(64/99例)であった。主な副作用は、下痢 25.3%(25/99例)、悪心 19.2%(19/99例)、血中クレアチニン増加 16.2%(16/99例)であった。
デフェラシロクスは3価の鉄に高い選択性を示す3座キレート剤であり、3価の鉄と2:1 で結合し、肝臓・心臓・細網内皮系細胞などに存在する過剰な鉄とキレートを形成し、主に胆汁を介し糞中に鉄を排泄させる19),20)。
デフェラシロクスは、ラット及びマーモセットへの経口投与により、主要な鉄貯蔵臓器である肝臓の鉄濃度を低下させる21),22)。
デフェラシロクス(Deferasirox)
4-[3,5-Bis(2-hydroxyphenyl)-1H-1,2,4-triazol-1-yl]benzoic acid
C21H15N3O4
373.36
白色~微黄白色の粉末である。アセトンにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
30包(10包×3)
1) 三谷絹子他:厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 特発性造血障害に関する調査研究(令和1年度):輸血後鉄過剰症診療の参照ガイド2020:1-52
2) Takatoku, M. et al.:Eur. J. Haematol., 2007;78(6):487-494
3) Malcovati, L. et al.:J. Clin. Oncol., 2005;23(30):7594-7603
4) Olivieri, N. F. et al.:New Engl. J. Med., 1994;331(9):574-578
5) 国内第Ⅰ相試験(懸濁用錠)(エクジェイド懸濁用錠:2008年4月16日承認、申請資料概要2.7.6.2.2.1)
6) 懸濁用錠と顆粒の生物学的同等性(健康成人)(ジャドニュ顆粒分包:2017年7月3日承認、審査報告書)
7) 田中孝典他:診療と新薬, 2021;58(6):441-447
8) 顆粒での食事の影響(ジャドニュ顆粒分包:2017年7月3日承認、審査報告書)
9) 外国健康成人血漿中濃度推移(懸濁用錠)(エクジェイド懸濁用錠:2008年4月16日承認、申請資料概要2.7.2.3.1)
10) 血漿蛋白質との結合(蛋白結合率)(エクジェイド懸濁用錠:2008年4月16日承認、申請資料概要2.7.2.3.5)
11) 結合蛋白の同定(エクジェイド懸濁用錠:2008年4月16日承認、申請資料概要2.7.2.3.5)
12) UDP-グルクロン酸転移酵素による抱合代謝(エクジェイド懸濁用錠:2008年4月16日承認、申請資料概要2.4.4.4.1)
13) チトクロムP450による代謝(エクジェイド懸濁用錠:2008年4月16日承認、申請資料概要2.4.4.4.1)
14) 経口投与時の吸収、血中動態、代謝及び排泄経路の検討を目的とした試験(懸濁用錠)(エクジェイド懸濁用錠:2008年4月16日承認、申請資料概要2.7.2.3.7, 2.7.6.2)
15) Cappellini, M. D. et al.:Blood, 2006;107(9):3455-3462
16) 海外第Ⅲ相臨床試験(0107試験)(エクジェイド懸濁用錠:2008年4月16日承認、申請資料概要2.7.4.2, 2.7.6.4)
17) Porter, J. et al.:Eur. J. Haematol., 2008;80(2):168-176
18) 海外第Ⅱ相臨床試験(0108試験)(エクジェイド懸濁用錠:2008年4月16日承認、申請資料概要2.7.4.2)
19) Heinz, U. et al.:Angew. Chem. Int. Ed., 1999;38(17):2568-2570
20) Hershko, C. et al.:Blood, 2001;97(4):1115-1122
21) 鉄負荷ラットにおける肝臓鉄への影響(エクジェイド懸濁用錠:2008年4月16日承認、申請資料概要2.6.2.2.3.1.4)
22) 非鉄負荷マーモセットにおける肝臓鉄への影響(エクジェイド懸濁用錠:2008年4月16日承認、申請資料概要2.6.2.2.3.3.2)
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