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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、1回1バイアル(ガベキサートメシル酸塩として100mg)を5%ブドウ糖注射液又はリンゲル液を用いて溶かし、全量500mLとするか、もしくはあらかじめ注射用水5mLを用いて溶かし、この溶液を5%ブドウ糖注射液又はリンゲル液500mLに混和して、8mL/分以下で点滴静注する。(1)原則として、初期投与量は1日量1~3バイアル(溶解液500~1500mL)とし、以後は症状の消退に応じ減量するが、症状によっては同日中にさらに1~3バイアル(溶解液500~1500mL)を追加して、点滴静注することができる。(2)症状に応じ適宜増減。
通常、成人1日量ガベキサートメシル酸塩として20~39mg/kgの範囲内で24時間かけて静脈内に持続投与する。
本剤は高濃度で血管内壁を障害し、注射部位及び刺入した血管に沿って静脈炎や硬結、潰瘍・壊死を起こすことがあるので、末梢血管から投与する場合、本剤100mgあたり50mL以上の輸液(0.2%以下)で点滴静注することが望ましい。,
ショック、アナフィラキシーショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、十分な問診と救急処置のとれる準備を行い、投与にあたっては観察を十分に行い、血圧低下、発赤、そう痒、不快感、嘔気等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、大量投与は避けること。大量(100mg/kg/日)投与でマウスに胎児体重の増加の抑制が認められている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
ショック、アナフィラキシーショック(血圧低下、呼吸困難、意識消失、咽・喉頭浮腫等)があらわれることがある。
アナフィラキシー(呼吸困難、咽・喉頭浮腫等)があらわれることがある。
本剤の濃度が高くなると、血管内壁を障害し、注射部位及び刺入した血管に沿って静脈炎や硬結、潰瘍・壊死を起こすことがある。注射部位の血管痛、発赤、炎症等があらわれた場合には投与部位の変更又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
0.1~1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒感等
出血傾向
出血傾向亢進
血液
好酸球増多、顆粒球減少
循環器
血圧降下
肝臓
黄疸、ASTの上昇等
総ビリルビン上昇、ALTの上昇等
その他
悪心
顔面潮紅、発熱、低ナトリウム血症
持続静脈内投与すると、血中濃度は投与開始後5~10分で定常状態に達する2)。健康成人2例に10mg/kgを静脈内に投与すると血中濃度は指数的に減少し、その半減期は約55秒である3)。
ガベキサートメシル酸塩は血液中でエステラーゼにより、ε-グアニジノカプロン酸(GCA)と4-ハイドロキシ安息香酸エチル(EPHB)に加水分解される4)。
14C-ガベキサートメシル酸塩をラットに静脈内投与すると、投与24時間以内に尿中に約70.8%、糞中に約3.6%が排泄される。また、GCAはそのまま、EPHBはグルクロン酸抱合され、尿中に排泄される4)。
急性膵炎、再発型慢性膵炎の急性増悪期、術後の急性膵炎を対象として比較臨床試験を行い、ガベキサートメシル酸塩による改善効果が認められている5)。
汎発性血管内血液凝固症を対象として比較臨床試験を行い、ガベキサートメシル酸塩による出血症状の改善及び凝固因子の消費抑制が認められている6)。
ガベキサートメシル酸塩はトリプシン、カリクレインを阻害するとともにOddi氏筋に対して弛緩作用を示し、蛋白分解酵素逸脱に伴う膵疾患の症状緩解にすぐれた効果を発揮する。また、血液凝固系に対しても阻害作用を有し、アンチトロンビンⅢの存在を必要とせずトロンビン及び活性型第Ⅹ因子を阻害するとともに血小板凝集を抑制し、汎発性血管内血液凝固症に効果が認められている。
トリプシン、プラスミン、カリクレイン、トロンビン、C1-エステラーゼに対し阻害作用を示す(in vitro)7),8),9)。
イヌの実験的膵炎において、ヘマトクリット値の上昇を抑制し、延命効果が認められている10)。
Oddi氏筋の弛緩作用が認められている2)。
血液凝固線溶系酵素に阻害作用を有し、トロンビン及びプラスミンに対する50%阻害濃度はそれぞれ10μM、100μMであり、トロンビンに対して強い阻害作用を示す。また、トロンビン、活性型第Ⅹ因子に対する阻害作用にアンチトロンビンⅢの存在を必要としない(in vitro)11)。
トロンビン、トロンボプラスチンあるいはエンドトキシン投与による実験的DICにおいて、血中凝固因子の消費の抑制(ウサギ12)、ラット13))と臓器内の血栓形成抑制(ラット14))が認められている。
ADP、トロンビン、コラーゲンによるヒト血小板の凝集を抑制する(in vitro)15)。
ガベキサートメシル酸塩(Gabexate Mesilate)
Ethyl 4-(6-guanidinohexanoyloxy)benzoate monomethanesulfonate
C16H23N3O4・CH4O3S
417.48
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすい。
90~93℃
10バイアル
1) 藤田常夫他:応用薬理, 1975;9(5):743-760
2) 第十八改正日本薬局方解説書, 廣川書店, 2021;C-1341-1346
3) Nishijima, M. K. et al.:Thromb. Res., 1983;31(2):279-284
4) 杉山正康他:応用薬理, 1975;9(5):733-742
5) 石井兼央他:現代医療, 1974;6(10):1234-1262
6) 神前五郎他:医学のあゆみ, 1983;124(2):144-154
7) 加山直宏他:現代医療, 1974;6(8):1010-1016
8) Tamura, Y. et al.:Biochim. Biophys. Acta, 1977;484(2):417-422
9) 藤井節郎他:代謝, 1977;14:1087-1098
10) 桶川忠夫他:現代医療, 1974;6:1001-1009
11) Ohno, H. et al.:Thromb. Res., 1980;19(4,5):579-588
12) 磯部淳一:現代医療, 1979;11(4):521-530
13) 吉川敏一他:日本血液学会雑誌, 1982;45(3):633-640
14) Ohno, H. et al.:Thromb. Res., 1981;24(5,6):445-452
15) 野村孝:血液と脈管, 1980;11(3):512-522
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