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ガベキサートメシル酸塩注射用100mg「サワイ」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2蛋白分解酵素阻害作用
18.3急性膵炎に対する作用
18.4Oddi氏筋弛緩作用
18.5血液凝固因子阻害作用
18.6汎発性血管内血液凝固症(DIC)に対する作用
18.7血小板凝集抑制作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ガベキサートメシル酸塩注射用100mg「サワイ」

添付文書番号

3999403D1280_1_04

企業コード

300119

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

蛋白分解酵素阻害剤

承認等

ガベキサートメシル酸塩注射用100mg「サワイ」

販売名コード

YJコード

3999403D1280

販売名英語表記

GABEXATE MESILATE for Injection [SAWAI]

販売名ひらがな

がべきさーとめしるさんえんちゅうしゃよう

承認番号等

承認番号

22100AMX02313000

販売開始年月

1987年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

ガベキサートメシル酸塩

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ガベキサートメシル酸塩注射用100mg「サワイ」

1バイアル中
有効成分日局ガベキサートメシル酸塩   100mg
添加剤pH調節剤

3.2 製剤の性状

ガベキサートメシル酸塩注射用100mg「サワイ」

pH4.0~5.5(100mg/mL水溶液)
浸透圧比約1(10mg/mL 5w/v%ブドウ糖注射液)(生理食塩液に対する比)
剤形・性状白色の凍結乾燥品、用時溶解して用いる注射剤

4. 効能又は効果

  • 蛋白分解酵素(トリプシン、カリクレイン、プラスミン等)逸脱を伴う下記疾患
     急性膵炎
     慢性再発性膵炎の急性増悪期
     術後の急性膵炎
  • 汎発性血管内血液凝固症

6. 用法及び用量

  • 〈膵炎〉

    通常、1回1バイアル(ガベキサートメシル酸塩として100mg)を5%ブドウ糖注射液又はリンゲル液を用いて溶かし、全量500mLとするか、もしくはあらかじめ注射用水5mLを用いて溶かし、この溶液を5%ブドウ糖注射液又はリンゲル液500mLに混和して、8mL/分以下で点滴静注する。
    (1)原則として、初期投与量は1日量1~3バイアル(溶解液500~1500mL)とし、以後は症状の消退に応じ減量するが、症状によっては同日中にさらに1~3バイアル(溶解液500~1500mL)を追加して、点滴静注することができる。
    (2)症状に応じ適宜増減。

  • 〈汎発性血管内血液凝固症〉

    通常、成人1日量ガベキサートメシル酸塩として20~39mg/kgの範囲内で24時間かけて静脈内に持続投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈汎発性血管内血液凝固症〉

    本剤は高濃度で血管内壁を障害し、注射部位及び刺入した血管に沿って静脈炎や硬結、潰瘍・壊死を起こすことがあるので、末梢血管から投与する場合、本剤100mgあたり50mL以上の輸液(0.2%以下)で点滴静注することが望ましい。,

8. 重要な基本的注意

ショック、アナフィラキシーショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、十分な問診と救急処置のとれる準備を行い、投与にあたっては観察を十分に行い、血圧低下、発赤、そう痒、不快感、嘔気等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、大量投与は避けること。大量(100mg/kg/日)投与でマウスに胎児体重の増加の抑制が認められている1)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシーショック(いずれも頻度不明)

    ショック、アナフィラキシーショック(血圧低下、呼吸困難、意識消失、咽・喉頭浮腫等)があらわれることがある。

  2. 11.1.2 アナフィラキシー(頻度不明)

    アナフィラキシー(呼吸困難、咽・喉頭浮腫等)があらわれることがある。

  3. 11.1.3 注射部位の皮膚潰瘍・壊死(頻度不明)

    本剤の濃度が高くなると、血管内壁を障害し、注射部位及び刺入した血管に沿って静脈炎や硬結、潰瘍・壊死を起こすことがある。注射部位の血管痛、発赤、炎症等があらわれた場合には投与部位の変更又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。,

  4. 11.1.4 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
  5. 11.1.5 高カリウム血症(頻度不明)

11.2 その他の副作用

0.1~1%未満

頻度不明

過敏症

発疹、そう痒感等

出血傾向

出血傾向亢進

血液

好酸球増多、顆粒球減少

循環器

血圧降下

肝臓

黄疸、ASTの上昇等

総ビリルビン上昇、ALTの上昇等

その他

悪心

顔面潮紅、発熱、低ナトリウム血症

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

  1. 14.1.1 点滴静注する場合、投与速度が増加すると血圧が低下することがあるので、ガベキサートメシル酸塩として体重1kg当たり毎時2.5mg以下とすることが望ましい。
  2. 14.1.2 薬液が血管外へ漏れると、注射部位に潰瘍・壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外へ漏出しないよう注意すること。血液うっ滞が起こらないようできるだけ太い血管より投与すること。,

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

持続静脈内投与すると、血中濃度は投与開始後5~10分で定常状態に達する2)
健康成人2例に10mg/kgを静脈内に投与すると血中濃度は指数的に減少し、その半減期は約55秒である3)

16.4 代謝

ガベキサートメシル酸塩は血液中でエステラーゼにより、ε-グアニジノカプロン酸(GCA)と4-ハイドロキシ安息香酸エチル(EPHB)に加水分解される4)

16.5 排泄

14C-ガベキサートメシル酸塩をラットに静脈内投与すると、投与24時間以内に尿中に約70.8%、糞中に約3.6%が排泄される。また、GCAはそのまま、EPHBはグルクロン酸抱合され、尿中に排泄される4)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈膵炎〉
    1. 17.1.1 国内比較臨床試験

      急性膵炎、再発型慢性膵炎の急性増悪期、術後の急性膵炎を対象として比較臨床試験を行い、ガベキサートメシル酸塩による改善効果が認められている5)

  • 〈汎発性血管内血液凝固症〉
    1. 17.1.2 国内比較臨床試験

      汎発性血管内血液凝固症を対象として比較臨床試験を行い、ガベキサートメシル酸塩による出血症状の改善及び凝固因子の消費抑制が認められている6)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

ガベキサートメシル酸塩はトリプシン、カリクレインを阻害するとともにOddi氏筋に対して弛緩作用を示し、蛋白分解酵素逸脱に伴う膵疾患の症状緩解にすぐれた効果を発揮する。また、血液凝固系に対しても阻害作用を有し、アンチトロンビンⅢの存在を必要とせずトロンビン及び活性型第Ⅹ因子を阻害するとともに血小板凝集を抑制し、汎発性血管内血液凝固症に効果が認められている。

18.2 蛋白分解酵素阻害作用

トリプシン、プラスミン、カリクレイン、トロンビン、C1-エステラーゼに対し阻害作用を示す(in vitro7),8),9)

18.3 急性膵炎に対する作用

イヌの実験的膵炎において、ヘマトクリット値の上昇を抑制し、延命効果が認められている10)

18.4 Oddi氏筋弛緩作用

Oddi氏筋の弛緩作用が認められている2)

18.5 血液凝固因子阻害作用

血液凝固線溶系酵素に阻害作用を有し、トロンビン及びプラスミンに対する50%阻害濃度はそれぞれ10μM、100μMであり、トロンビンに対して強い阻害作用を示す。また、トロンビン、活性型第Ⅹ因子に対する阻害作用にアンチトロンビンⅢの存在を必要としない(in vitro11)

18.6 汎発性血管内血液凝固症(DIC)に対する作用

トロンビン、トロンボプラスチンあるいはエンドトキシン投与による実験的DICにおいて、血中凝固因子の消費の抑制(ウサギ12)、ラット13))と臓器内の血栓形成抑制(ラット14))が認められている。

18.7 血小板凝集抑制作用

ADP、トロンビン、コラーゲンによるヒト血小板の凝集を抑制する(in vitro15)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ガベキサートメシル酸塩(Gabexate Mesilate)

化学名

Ethyl 4-(6-guanidinohexanoyloxy)benzoate monomethanesulfonate

分子式

C16H23N3O4・CH4O3S

分子量

417.48

性状

白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすい。

化学構造式

融点

90~93℃

22. 包装

10バイアル

24. 文献請求先及び問い合わせ先

沢井製薬株式会社 医薬品情報センター

〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30

*TEL:0120-381-999 FAX:06-7708-8966

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

沢井製薬株式会社

大阪市淀川区宮原5丁目2-30

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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