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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の電子添文を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
エピルビシン塩酸塩として15mg(力価)/m2(体表面積)を1日1回5~7日間連日静脈内に投与し3週間休薬する。これを1クールとし、必要に応じて2~3クール反復する。
エピルビシン塩酸塩として40~60mg(力価)/m2(体表面積)を1日1回静脈内に投与し3~4週休薬する。これを1クールとし、通常3~4クール反復する。
エピルビシン塩酸塩として60mg(力価)/m2(体表面積)を肝動脈内に挿入されたカテーテルより、1日1回肝動脈内に投与し3~4週休薬する。これを1クールとし、通常3~4クール反復する。
エピルビシン塩酸塩として60mg(力価)を1日1回3日間連日膀胱腔内に注入し4日間休薬する。これを1クールとし、通常2~4クール反復する。注入に際しては、ネラトンカテーテルで導尿し十分に膀胱腔内を空にした後、同カテーテルよりエピルビシン塩酸塩溶液を注入し、1~2時間膀胱腔内に把持する。なお投与量は年齢、症状、副作用により、適宜増減する。
・シクロホスファミド水和物との併用において、標準的なエピルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、エピルビシン塩酸塩として100mg(力価)/m2(体表面積)を1日1回静脈内に投与後、20日間休薬する。これを1クールとし、通常4~6クール反復する。・シクロホスファミド水和物、フルオロウラシルとの併用において、標準的なエピルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、エピルビシン塩酸塩として100mg(力価)/m2(体表面積)を1日1回静脈内に投与後、20日間休薬する。これを1クールとし、通常4~6クール反復する。なお、投与量は年齢、症状により適宜減量する。
副作用が強くあらわれるおそれがある。
骨髄抑制により感染を増悪させるおそれがある。
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
心筋障害があらわれるおそれがある。,,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。外国で妊娠中に本剤とシクロホスファミド水和物を投与された患者の胎児において、心毒性が認められ死亡に至った例も報告されている1)。動物実験(ラット)で胎児毒性が報告されており、またアントラサイクリン系の他の抗悪性腫瘍剤では、動物実験で催奇形性が報告されている。,
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。心毒性、骨髄抑制があらわれやすく、また本剤は主として肝臓で代謝されるが、肝機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤
,
これらの薬剤が過去に投与されている場合、あるいは併用療法を行う場合は、心筋障害が増強されるおそれがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。
心筋に対する蓄積毒性が増強される。
投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照射
心筋障害が増強するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。
抗悪性腫瘍剤
骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。
ともに骨髄抑制作用を有する。
二次性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)が発生することがあるので、本剤の投与終了後も長期にわたり注意すること。
機序は不明である。
放射線照射
パクリタキセル
本剤投与前にパクリタキセルを投与すると、骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがあるので、併用する場合は、パクリタキセルの前に本剤を投与すること。
本剤投与前にパクリタキセルを投与すると、本剤の未変化体の血漿中濃度が上昇する。
シメチジン
シメチジンが本剤のAUCを増加させる2)。
シメチジンが本剤の代謝酵素であるP450を阻害する。
心筋障害、更にうっ血性心不全等の症状があらわれることがある。,,,
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血、出血傾向があらわれることがある。なお、高度な骨髄抑制により致命的な感染症(敗血症)や消化管出血があらわれることがある。
血圧低下、呼吸困難、発赤、意識低下等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
肝内胆汁性嚢胞、胆管炎、胆管壊死、肝壊死等の肝・胆道障害があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
心臓
心電図異常、不整脈、頻脈
胸痛
過敏症
発疹
紅斑、発赤
蕁麻疹
肝臓
肝機能異常(AST・ALT上昇等)
腎臓
腎機能異常(BUN上昇等)
消化器
悪心・嘔吐、食欲不振
口内炎、下痢、腹痛
食道炎、胃炎
消化管出血
皮膚
高度の脱毛
色素沈着、そう痒症
肝動脈内投与時の発赤、紅斑、びらん、潰瘍等の皮膚障害、皮膚壊死
精神神経系
倦怠感
しびれ、疼痛、頭痛
耳痛・耳鳴、不眠、意識障害、知覚異常(口腔内異和感)
泌尿器
頻尿・排尿痛・膀胱炎・血尿・蛋白尿・尿沈渣(赤血球数・白血球数増加)等の膀胱刺激症状注1)
頻尿、血尿
呼吸器
呼吸困難、気胸・血胸注2)
注射部位
静脈内投与による血管痛、静脈炎、血栓
その他
発熱
悪寒、顔面浮腫、血圧低下
ほてり
本剤の尿中排泄により尿が赤色になることがある。
癌患者7例にエピルビシン40、60、80、100mg/m2を静脈内投与したとき、血中濃度は3相性を示し、α相4.67分、β相1.15時間、γ相36.5時間の半減期で消失した3)。
癌患者にエピルビシンを静脈内投与したとき、尿中及び血中におけるエピルビシンの代謝物は、還元代謝物(エピルビシノール)の他にグルクロン酸抱合体が認められる4),5)(外国人データ)。
癌患者にエピルビシンを静脈内投与したとき、48時間までの尿中排泄率は投与量の10.7%である4)(外国人データ)。
主な腫瘍別奏効率(CR+PR)は、急性白血病23.5%(8/34)、悪性リンパ腫65.9%(27/41)、乳癌38.6%(27/70)、卵巣癌22.6%(7/31)、胃癌14.9%(7/47)、肝癌(動注)15.1%(8/53)、尿路上皮癌18.8%(6/32)、表在性膀胱癌(膀注)58.8%(57/97)であった6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16)。
腫瘍細胞のDNAとcomplexを形成することにより、DNA polymerase反応、RNA polymerase反応を阻害し、DNA、RNAの双方の生合成を抑制することによって、抗腫瘍効果を示す17)。
マウス及びラットにおいて、移植癌に対して広い抗癌スペクトルを有し、Leukemia L1210、Leukemia P388、B-16 melanoma、Colon 38、C3H乳癌、Hepatoma AH-13、吉田肉腫等に対して強い抗腫瘍効果を示す18),19)。
エピルビシン塩酸塩(Epirubicin Hydrochloride)
(2S,4S)-4-(3-Amino-2,3,6-trideoxy-α-L-arabino-hexopyranosyloxy)-2,5,12-trihydroxy-2-hydroxyacetyl-7-methoxy-1,2,3,4-tetrahydrotetracene-6,11-dione monohydrochloride
C27H29NO11・HCl
579.98
微帯黄赤色~帯褐赤色の粉末である。水又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。吸湿性である。
5バイアル(5mL/バイアル)
1バイアル(25mL/バイアル)
1) Framarino-dei-Malatesta, M. et al.:BMC Cancer, 2015;15:951
2) Murray, L. S. et al.:Clin. Oncol.(R. Coll. Radiol.), 1998;10(1):35-38
3) 大野忠嗣他:癌と化学療法, 1986;13(5):1881-1886
4) Weenen, H. et al.:Eur. J. Can. Clin. Oncol., 1984;20(7):919-926
5) Robert, J. et al.:Cancer Treat. Rep., 1985;69(6):633-640
6) 三比和美他:癌と化学療法, 1986;13(8):2594-2599
7) 正岡徹他:癌と化学療法, 1986;13(8):2606-2611
8) 冨永健他:癌と化学療法, 1986;13(6):2187-2192
9) 塚本直樹他:産科と婦人科, 1986;53(10):1611-1615
10) 坂田優他:癌と化学療法, 1986;13(5):1887-1892
11) 木村禧代二他:癌と化学療法, 1986;13(7):2440-2445
12) 永末直文他:癌と化学療法, 1986;13(9):2786-2792
13) 津島知靖他:癌と化学療法, 1984;11(12-1):2502-2505
14) 津島知靖他:泌尿器科紀要, 1985;31(12):2215-2218
15) 新島端夫他:泌尿器科紀要, 1986;32(9):1359-1369
16) 田口鐵男他:癌と化学療法, 1986;13(12):3498-3507
17) 第十八改正日本薬局方解説書, 廣川書店, 2021;C-1013-1018
18) 大滝義博他:新薬と臨床, 1986;35(5):1077-1091
19) Goldin, A. et al.:Invest. New Drugs, 1985;3(1):3-21
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