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セフジニル細粒小児用10%「SW」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.7小児等
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗菌作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

セフジニル細粒小児用10%「SW」

添付文書番号

6132013C1171_1_03

企業コード

300119

作成又は改訂年月

2023年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

876132

薬効分類名

経口用セフェム系抗生物質製剤

承認等

セフジニル細粒小児用10%「SW」

販売名コード

YJコード

6132013C1171

販売名英語表記

CEFDINIR Fine Granules for Pediatric [SW]

販売名ひらがな

せふじにるさいりゅうしょうによう

承認番号等

承認番号

30400AMX00318000

販売開始年月

2023年2月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

セフジニル細粒

一般的名称

セフジニル

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

セフジニル細粒小児用10%「SW」

1g中
有効成分日局セフジニル   100mg(力価)
添加剤デキストリン、二酸化ケイ素、乳糖、白糖、バニリン、ヒドロキシプロピルセルロース、赤色102号、香料

3.2 製剤の性状

セフジニル細粒小児用10%「SW」

剤形細粒
性状淡赤白色

4. 効能又は効果

  • 〈適応菌種〉

    本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌

  • 〈適応症〉

    表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎〉

    「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

6. 用法及び用量

通常、小児に対してセフジニルとして1日量9~18mg(力価)/kgを3回に分割して経口投与する。
なお、年齢及び症状に応じて適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
  2. 8.2 ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと。
  3. 8.3 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  4. 8.4 急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  5. 8.5 劇症肝炎等の重篤な肝炎、著しいAST、ALT、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 セフェム系又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

  2. 9.1.2 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
  3. 9.1.3 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

    観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 高度の腎障害のある患者

    腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用すること。血中濃度が持続する。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    鉄剤

    本剤の吸収を約10分の1まで阻害するので、併用は避けることが望ましい。やむを得ず併用する場合には、本剤の投与後3時間以上間隔をあけて投与する。

    腸管内において鉄イオンとほとんど吸収されない錯体を形成する。

    ワルファリンカリウム

    ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがある。ただし、本剤に関する症例報告はない。

    腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある。

    制酸剤(アルミニウム又はマグネシウム含有)

    本剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与後2時間以上間隔をあけて投与する。

    機序不明

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック(0.1%未満)

      不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    2. 11.1.2 アナフィラキシー(0.1%未満)

      アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。

    3. 11.1.3 皮膚障害(頻度不明)

      中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(各0.1%未満)があらわれることがあるので、発熱、頭痛、関節痛、皮膚や粘膜の紅斑・水疱、皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    4. 11.1.4 血液障害(頻度不明)

      汎血球減少、無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、頭痛、倦怠感等)、血小板減少(初期症状:点状出血、紫斑等)、溶血性貧血(初期症状:発熱、ヘモグロビン尿、貧血症状等)(各0.1%未満)があらわれることがある。

    5. 11.1.5 大腸炎(0.1%未満)

      偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    6. 11.1.6 間質性肺炎、PIE症候群(各0.1%未満)

      発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

    7. 11.1.7 腎障害(0.1%未満)

      急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。

    8. 11.1.8 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(各0.1%未満)

      劇症肝炎等の重篤な肝炎、著しいAST、ALT、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    過敏症

    発疹

    蕁麻疹、紅斑、浮腫

    そう痒、発熱

    血液

    好酸球増多

    顆粒球減少

    腎臓

    BUN上昇

    消化器

    下痢

    腹痛、嘔吐、悪心、食欲不振

    胃部不快感、胸やけ、便秘

    菌交代症

    口内炎、カンジダ症

    黒毛舌

    ビタミン欠乏症

    ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)

    その他

    めまい

    頭痛、胸部圧迫感、しびれ

    発現頻度は、承認時までの臨床試験及び使用成績調査結果に基づいている。

    12. 臨床検査結果に及ぼす影響

    1. 12.1 テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
    2. 12.2 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 粉ミルク、経腸栄養剤など鉄添加製品との併用により、便が赤色調を呈することがある。
    2. 15.1.2 尿が赤色調を呈することがある。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 小児に3及び6mg(力価)/kgを空腹時に単回経口投与すると約2.5時間後にそれぞれ0.92、1.31μg/mLの最高血漿中濃度が得られ、その消失半減期は1.8~1.9時間であった2)
    2. 16.1.2 生物学的同等性試験

      セフジニル細粒小児用10%「SW」とセフゾン細粒小児用10%を健康成人男子にそれぞれ1g[セフジニルとして100mg(力価)]空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中セフジニル濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)

      各製剤1g投与時の薬物動態パラメータ

      Cmax
      [ng(力価)/mL]

      Tmax
      (hr)

      T1/2
      (hr)

      AUC0-10hr
      [ng(力価)・hr/mL]

      セフジニル細粒小児用10%「SW」

      1055.1±294.7

      3.3±0.5

      1.6±0.3

      5263.2±1369.3

      セフゾン細粒小児用10%

      1003.7±273.1

      3.0±0.7

      1.5±0.2

      5116.0±1369.5

      (Mean±S.D., n=10)

      血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

    16.2 吸収

    小児28例に3mg(力価)/kgを食後に単回経口投与すると、3.6時間後に0.63μg/mLの最高血漿中濃度が得られ、食後投与では吸収がやや低下した4)

    16.3 分布

    1. 16.3.1 組織内移行

      患者喀痰中5)、扁桃組織6),7)、上顎洞粘膜組織6),7)、中耳分泌物6),7)、皮膚組織8)等への移行が認められた。(セフジニルカプセル成人の場合)

    16.4 代謝

    ヒトの血漿、尿及び糞便中には抗菌活性代謝物質は認められていない9)。(セフジニルカプセル成人の場合)

    16.5 排泄

    1. 16.5.1 主として腎より排泄される2)
    2. 16.5.2 小児(空腹時)における3及び6mg(力価)/kg経口投与時の尿中排泄率(0~8時間)は約17~21%で、最高尿中濃度は2~4時間でそれぞれ102、189μg/mLであった2)

    16.6 特定の背景を有する患者

    1. 16.6.1 腎機能障害患者
      1. (1) 成人腎機能障害患者に100mg(力価)を単回経口投与したとき、血漿中濃度の消失半減期は腎機能の低下に伴い延長した10)。(セフジニルカプセル成人の場合)

        Ccr(mL/min)

        例数

        t1/2(h)

        AUC(μg・h/mL)

        ≧100

        3

        1.66

        2.76

        51~70

        1

        2.41

        10.74

        31~50

        3

        2.92

        7.48

        ≦30

        2

        4.06

        16.94

      2. (2) 成人腎機能障害患者に100mg(力価)を単回経口投与したとき、腎機能の低下に伴い排泄の遅延が認められた10)。(セフジニルカプセル成人の場合)
    2. 16.6.2 血液透析患者

      成人血液透析患者6例に100mg(力価)を食後に単回経口投与したとき、血漿中濃度の消失半減期は健康成人の約11倍に増加した。同じ患者に100mg(力価)を食後に単回経口投与し、ほぼ最高血漿中濃度に達した時間より4時間透析を施行したとき、透析中の半減期は非透析日の約1/6に短縮し、透析による除去率は61%であった11)。(セフジニルカプセル成人の場合)

      Cmax(μg/mL)

      Tmax(h)

      t1/2(h)

      AUC0-∞(μg・h/mL)

      除去率(%)

      非透析日

      2.36

      9.00

      16.95

      69.05

      透析日

      2.03

      2.761)

      30.18

      61

      1) 透析中の半減期

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    作用機序は細菌細胞壁の合成阻害であり、その作用点は菌種により異なるが、ペニシリン結合蛋白(PBP)の1(1a、1bs)、2及び3に親和性が高い12),13)

    18.2 抗菌作用

    1. 18.2.1 グラム陽性菌及び陰性菌に広範囲な抗菌スペクトルを有し、特にグラム陽性菌のブドウ球菌属、レンサ球菌属等に対して強い抗菌力を示し、その作用は殺菌的である14),15),16),17),18)in vitro)。
    2. 18.2.2 各種細菌の産生するβ-lactamaseに安定で、β-lactamase産生菌にも優れた抗菌力を示す12),13),14),15),16)in vitro)。

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    セフジニル(Cefdinir)

    化学名

    (6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-Aminothiazol-4-yl)-2-(hydroxyimino)acetylamino]-8-oxo-3-vinyl-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylic acid

    分子式

    C14H13N5O5S2

    分子量

    395.41

    性状

    白色~淡黄色の結晶性の粉末である。水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。pH7.0の0.1mol/Lリン酸塩緩衝液に溶ける。

    化学構造式

    略号

    CFDN

    20. 取扱い上の注意

    1. 20.1 バラ包装は開栓後、光、湿気を避けて保存すること。光による退色及び湿気による固化のおそれがある。
    2. 20.2 分包品はアルミピロー包装開封後、光、湿気を避けて保存すること。光による退色及び湿気による固化のおそれがある。

    22. 包装

    分包[乾燥剤入り]:0.5g×120包
    バラ[乾燥剤入り]:100g

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    沢井製薬株式会社 医薬品情報センター

    〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30

    TEL:0120-381-999 FAX:06-7708-8966

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    沢井製薬株式会社

    大阪市淀川区宮原5丁目2-30

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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