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レボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能・効果
5.効能・効果に関連する注意
6.用法・用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.8その他
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

レボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」

添付文書番号

1319742Q2035_2_02

企業コード

300166

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

871319

薬効分類名

広範囲抗菌点眼剤

承認等

レボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」

販売名コード

YJコード

1319742Q2035

販売名英語表記

LEVOFLOXACIN Ophthalmic Solution 1.5%「FFP」

販売名ひらがな

れぼふろきさしんてんがんえき「えふえふぴー」

承認番号等

承認番号

22500AMX00225000

販売開始年月

2013年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

レボフロキサシン点眼液

一般的名称

レボフロキサシン点眼液

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分、オフロキサシン及びキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

レボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」

有効成分日局 レボフロキサシン水和物   15.0mg/mL
添加剤塩化ナトリウム、pH調節剤

3.2 製剤の性状

レボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」

pH6.1~6.9
浸透圧比1.0~1.1
性状微黄色~黄色澄明、無菌水性点眼剤
注(浸透圧比):生理食塩液に対する比

4. 効能・効果

  • 〈適応菌種〉

    本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、アクネ菌

  • 〈適応症〉

    眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法

5. 効能・効果に関連する注意

本剤におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する有効性は証明されていないので、MRSAによる感染症が明らかであり、臨床症状の改善が認められない場合、速やかに抗MRSA作用の強い薬剤を投与すること。

6. 用法・用量

通常、1回1滴、1日3回点眼する。なお、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は8歳未満の小児に投与した臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    紅斑、発疹、呼吸困難、血圧低下、眼瞼浮腫等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

1~5%未満

1%未満

頻度不明

眼刺激

眼のそう痒感

びまん性表層角膜炎等の角膜障害、結膜炎、眼痛、角膜沈着物、眼瞼炎

皮膚

蕁麻疹

発疹、そう痒

その他

味覚異常(苦味等)

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。

  • 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
  • 患眼を開瞼して結膜囊内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙囊部を圧迫させた後、開瞼すること。
  • 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
  • 遮光して保存すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人(8例)の両眼に1.5%レボフロキサシン点眼液を1日目に単回点眼し、2日目より反復(1回1滴、1日8回、7日間)点眼したとき、8日目(最終日)の最高血漿中濃度は24.1ng/mL、その到達時間は最終点眼後26分であった1)

16.3 分布

白色ウサギの片眼に1.5%レボフロキサシン点眼液を50μL単回点眼したとき、角膜中濃度は投与後15分にCmax(32.5μg/g)を示した後、半減期86分で消失した。眼球結膜及び眼瞼結膜中濃度は投与後15分にCmax(共に14.7μg/g)を示し、投与後1時間までやや急速に減少した。房水中濃度は投与後30分にCmax(3.1μg/mL)を示した後、半減期71分で消失した2)

16.8 その他

  1. 16.8.1 生物学的同等性試験
    • ウサギにおける眼組織内薬物動態3),4)

      レボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」(試験製剤)及びクラビット点眼液1.5%各30μL(レボフロキサシン水和物として0.45mg)をウサギに単回点眼し、眼房水中及び角膜中のレボフロキサシン濃度について検討を行った。最高眼房水中濃度を示す60分後及び最高角膜中濃度を示す15分後のレボフロキサシン濃度について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。

      眼房水中濃度
      (ng/mL)

      角膜中濃度
      (ng/g)

      レボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」

      n=90

      3804±2107

      n=94

      25940±15592

      クラビット点眼液1.5%

      n=90

      3761±2326

      n=94

      26184±14731

      (Mean±S.D.)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈結膜炎、角膜炎〉
    1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験

      細菌性結膜炎及び細菌性角膜炎患者238例(有効性解析対象176例)を対象に、1.5%レボフロキサシン点眼液を1回1滴、1日3回(細菌性角膜炎患者は症状に応じて1日3~8回の間で適宜増減)、14日間点眼した結果、有効率は100%であった。また、疾患別臨床効果は表1、有効菌種別臨床効果は表2のとおりであった。
      副作用は238例中7例(2.9%)に認められ、主な副作用は眼刺激3件(1.3%)であった5)
      ※日本眼感染症学会制定の評価判定基準および抗菌点眼薬臨床評価のガイドライン(案)等に準じて評価。

      表1.疾患別臨床効果

      疾患名

      有効率(%)〔有効以上〕

      結膜炎

      100.0(170/170)

      角膜炎(角膜潰瘍を含む)

      100.0(6/6)

      ※複数の疾患を合併している場合は各々の疾患に1例として算入

      表2.有効菌種別臨床効果

      菌種

      有効率(%)〔有効以上〕

      ブドウ球菌属

      100.0(98/98)

      レンサ球菌属

      100.0(10/10)

      肺炎球菌

      100.0(25/25)

      腸球菌属

      100.0(4/4)

      コリネバクテリウム属

      100.0(79/79)

      クレブシエラ属

      100.0(2/2)

      エンテロバクター属

      100.0(2/2)

      セラチア属

      100.0(2/2)

      プロテウス属

      100.0(2/2)

      インフルエンザ菌

      100.0(17/17)

      アシネトバクター属

      100.0(1/1)

      アクネ菌

      100.0(13/13)

      ※複数の菌種が検出された場合は各々の菌種に1例として算入

  • 〈眼科周術期の無菌化療法〉
    1. 17.1.2 国内一般臨床試験

      眼手術予定患者を対象に、0.5%レボフロキサシン点眼液を1回1滴、1日5回注)、手術前2日間点眼した結果、無菌化率は70.0%(35/50例)であった。
      副作用は認められなかった6)
      注)本剤が承認されている濃度は1.5%、用法・用量は1回1滴、1日3回点眼、症状により適宜増減である。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

主な作用機序はDNAジャイレース(トポイソメラーゼⅡ)活性及びトポイソメラーゼⅣ活性の阻害による細菌のDNA合成阻害である。DNAジャイレース(トポイソメラーゼⅡ)活性とトポイソメラーゼⅣ活性のどちらを強く阻害するかは細菌によって異なる7),8),9),10),11),12)

18.2 抗菌作用

レボフロキサシン水和物の抗菌スペクトラムは広範囲に及び、1.5%レボフロキサシン点眼液はブドウ球菌属、肺炎球菌を含むレンサ球菌属、ミクロコッカス属、腸球菌属、コリネバクテリウム属等のグラム陽性菌及び緑膿菌を含むシュードモナス属、インフルエンザ菌、モラクセラ属、セラチア属、クレブシエラ属、プロテウス属、アシネトバクター属、エンテロバクター属等のグラム陰性菌並びに嫌気性菌であるアクネ菌等の眼感染症の起炎菌に対し、強い抗菌力を示す5),13)in vitro)。
レボフロキサシン水和物は、ラセミ体であるオフロキサシンの一方の光学活性体(左旋体)であり、オフロキサシンの約2倍の抗菌活性を有する。

18.3 耐性菌に及ぼす用量の影響

In vitro眼組織中濃度シミュレーションモデルにおいて、1.5%レボフロキサシン点眼液1日3回点眼は0.5%レボフロキサシン点眼液1日3回点眼と比較して、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(HSA201-00027株、レボフロキサシンに対するMIC=0.5μg/mL)及び緑膿菌(HSA201-00094株、レボフロキサシンに対するMIC=1μg/mL)の耐性菌出現を抑制した。また、1.5%レボフロキサシン点眼液1日3回点眼及び0.5%レボフロキサシン点眼液1日3回点眼はいずれも、メチシリン感受性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(HSA201-00039株、レボフロキサシンに対するMIC=0.25μg/mL)の耐性菌出現を抑制した14),15),16),17)

18.4 生物学的同等性試験

  • 実験的緑膿菌角膜感染症に対する治療効果18)

    緑膿菌を接種したウサギに対して、レボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」、クラビット点眼液1.5%及び生理食塩液(対照群)を菌接種日は菌接種後6時間及び10時間後に、菌接種翌日及び翌々日は4時間ごとに1日3回点眼し、緑膿菌接種後7日目までの角膜混濁の度合い(スコア)の観察、並びに7日目の角膜より緑膿菌を分離培養した(各群10例)。対照群では、緑膿菌接種後からスコアが徐々に増加し、1日目以降観察終了時まで全例で角膜混濁が確認された。一方、レボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」群及びクラビット点眼液1.5%群では、2日目以降スコアが低下し、点眼を中止した3日目以降もスコアの増加はみられず、1日目以降観察終了まで対照群と比較して有意な低値を示した。レボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」群とクラビット点眼液1.5%群のスコアには、観察期間を通じて有意差が認められなかった。また対照群では全眼で緑膿菌の陽性を示したのに対して、レボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」群及びクラビット点眼液1.5%群では全眼陰性を示した。
    レボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」及びクラビット点眼液1.5%はいずれも緑膿菌による角膜混濁の増加を著明に抑制し、その治療効果に有意な差が認められなかったことからレボフロキサシン点眼液1.5%「FFP」はクラビット点眼液1.5%と生物学的に同等と判断された。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

レボフロキサシン水和物(Levofloxacin Hydrate)

化学名

(3S)-9-Fluoro-3-methyl-10-(4-methylpiperazin-1-yl)-7-oxo-2,3-dihydro-7H-pyrido[1,2,3-de][1,4]benzoxazine-6-carboxylic acid hemihydrate

分子式

C18H20FN3O4・1/2H2O

分子量

370.38

性状

淡黄白色~黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、水又はメタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
光によって徐々に暗淡黄白色になる。

化学構造式

融点

約226℃(分解)

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は、遮光して保存すること。

22. 包装

プラスチック点眼容器 5mL×10本

23. 主要文献

1) 健康成人男性を対象とした臨床薬理試験-第Ⅰ相-(クラビット点眼液:2010年12月21日承認、審査報告書)

2) ウサギ点眼時の房水、角膜、眼瞼結膜及び眼球結膜中レボフロキサシン濃度(クラビット点眼液:2010年12月21日承認、審査報告書)

3) 共創未来ファーマ株式会社 社内資料:眼房水中薬物動態試験

4) 共創未来ファーマ株式会社 社内資料:角膜中薬物動態試験

5) 大橋裕一 他:あたらしい眼科 2012;29:669-678

6) 臼井正彦:あたらしい眼科 1997;14:953-956

7) Kato, J. et al.:Cell. 1990;63:393-404

8) Hoshino, K. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1994;38:2623-2627

9) Akasaka, T. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 2001;45:2263-2268

10) Tanaka, M. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1997;41:2362-2366

11) Onodera, Y. et al.:J. Antimicrob. Chemother. 1999;44:533-536

12) Onodera, Y. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 2002;46:1800-1804

13) 外眼部感染症からの新鮮臨床分離株に対する抗菌力(クラビット点眼液:2000年1月18日承認、申請資料概要 ホ.1.(2))

14) レボフロキサシン感受性MSSAにおけるレボフロキサシンステップワイズ作用時の耐性化確認試験(クラビット点眼液:2010年12月21日承認、審査報告書)

15) レボフロキサシン感受性緑膿菌に対するレボフロキサシンのMIC、Mutant Prevention Concentration(MPC)測定およびステップワイズ作用時の耐性化確認試験(クラビット点眼液:2010年12月21日承認、審査報告書)

16) レボフロキサシン感受性MSCNSにおけるレボフロキサシン一定濃度作用時の耐性化確認試験(クラビット点眼液:2010年12月21日承認、審査報告書)

17) 長野敬 他:あたらしい眼科 2013;30:1754-1760

18) 共創未来ファーマ株式会社 社内資料:実験的緑膿菌角膜感染症に対する治療効果

24. 文献請求先及び問い合わせ先

共創未来ファーマ株式会社 お客様相談室

〒155-8655 東京都世田谷区代沢5-2-1

TEL 050-3383-3846

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

共創未来ファーマ株式会社

東京都品川区広町1-4-4

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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