当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
歯科・口腔外科領域の手術・処置における浸潤、伝達麻酔
一般に成人に対して1回1管(1.8mL:プロピトカイン塩酸塩として54mg、フェリプレシンとして0.054単位)を注射する。ただし、麻酔部位、麻酔手技、手術術式、年齢等により用量を適宜増減する。
生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。
症状を悪化させることがある。
中毒症状が発現しやすくなる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等に対する有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の全身状態の観察を十分に行いながら慎重に投与すること。一般に生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下している。
心機能抑制作用が増強するおそれがある。
作用が増強することが考えられる。
徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告がある。
意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
チアノーゼ等の症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注射針の留置時に神経に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的な異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害等の神経学的疾患があらわれることがある。
頻度不明
中枢神経注1)
眠気、不安、興奮、霧視、眩暈等
消化器注1)
悪心・嘔吐等
過敏症
蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等
局所麻酔薬の血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。特に誤って血管内に投与した場合には、数分以内に発現することがある。その症状は、主に中枢神経系及び心血管系の症状としてあらわれる。
初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。
血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。
振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。
本品は一回限り使用のディスポーザブル製剤であるので、再度の使用は避けること。
動物実験(ラット・マウス)でプロピトカイン塩酸塩の代謝産物であるオルト-トルイジンの長期大量投与により肝、皮下、膀胱等に腫瘍が発生したとの報告がある。
外国人健康人に3%プロピトカイン塩酸塩18mgにフェリプレシンを添加し、歯根膜内注入したとき、血漿中の最高濃度は非添加群の約1/4であった1) 。
プロピトカインの蛋白結合率は血清中濃度1~100μg/mLの範囲で40~55%と変動は小さく、α1-酸性糖蛋白及びアルブミンと結合する2) 。血液/血漿中濃度比は1.1であることから、血球に分布すると考えられる3) 。妊婦にプロピトカイン塩酸塩を硬膜外投与したとき、臍帯静脈血中濃度と母体血漿中濃度の比は0.7~1.2で、胎盤を通過する3) 。
プロピトカイン塩酸塩は、肝臓でN-propylalanineとo-toluidineに代謝された後、o-toluidineは2-amino-3-hydroxytoluene及び2-amino-5-hydroxytolueneに代謝される。
14C標識プロピトカインをラットに20mg/kg腹腔内投与したとき、投与放射能の25%が6時間で尿中に回収され、その大部分は代謝物であった4) 。
プロピトカイン塩酸塩は、神経膜のナトリウムチャネルをブロックし、神経における活動電位の伝導を可逆的に抑制し、知覚神経及び運動神経を遮断する局所麻酔薬である。
動物実験(ウサギ、モルモット等)で、浸潤・伝達麻酔によるプロピトカイン塩酸塩の局所麻酔効果は、リドカイン塩酸塩とほぼ同程度であった5),6),7) 。
フェリプレシンの血管収縮作用は、主として毛細血管系の静脈側に作用するため、組織酸素圧の低下を来さず、アドレナリンよりも局所障害性が少ない8) 。
3%プロピトカイン塩酸塩に0.03単位/mLフェリプレシンを配合したとき、従来のアドレナリン配合の局所麻酔剤と同等の麻酔作用を示した9) 。
ハロゲン化炭化水素、cyclopropaneによる全身麻酔時には心筋の感受性が増大するため、アドレナリンを併用すると不整脈を起こすことがあるが、フェリプレシンは心室細動の危険性を伴うことなく、血管収縮剤として併用することができる10) 。
3%プロピトカイン塩酸塩のフェリプレシン併用時の麻酔発現率、潜伏時間、鎮痛作用の拡散力及び深度は、2%リドカインのアドレナリン併用時とほぼ同等であった。上顎の伝達麻酔による歯髄、軟組織に対する鎮痛力も、2%リドカインのアドレナリン併用時とほぼ同等であった。また、プロピトカイン塩酸塩の浸潤麻酔における麻酔持続時間は、フェリプレシン併用時の方が、アドレナリン併用時よりも長かった6),8),11) 。
プロピトカイン塩酸塩Propitocaine Hydrochloride(JAN)
N-(2-Methylphenyl)-2-(propylamino)propanamide monohydrochloride
C13H20N2O・HCl
256.77
プロピトカイン塩酸塩は無色の結晶又は白色の結晶性の粉末で、においはない。水、メタノール、氷酢酸又はエタノールに溶けやすく、無水酢酸、アセトン又はクロロホルムにほとんど溶けない。
167~171℃
フェリプレシン Felypressin
2-(Phenylalanine)-8-lysine vasopressin
C46H65N13O11S2
1040.22
本品は無色の澄明な液である。フェリプレシンは、vasopressin様の作用を有する合成下垂体後葉ホルモンで化学的には天然に存在するvasopressinの2の位置のtyrosineをphenylalanineで置換したpolypeptideである。
1.8mL×50管(カートリッジ)
1) Whelpton, R., et al.:J. Chromatogr.1990;526:215-222
2) Arthur, G.R.:Baillèire’s Clin. Anaesthesiol.1991;5:635-658
3) Burm, A.G.L.:Clin. Pharmacokinet.1989;16(5):283-311
4) Åkerman, B., et al.:Acta Pharmacol. Toxicol.1966;24:389-403
5) Wiedling, S.:Acta Pharmacol. Toxicol.1960;17:233-244
6) Åkerman, B.:Acta Pharmacol. Toxicol.1966;24(4):377-388
7) Åström, A., et al.:Brit. J. Pharmacol.1961;16(1):32-44
8) Klingenstöm, P., et al.:Acta Anaesth. Scand.1964;8:261-266
9) Fisher, S.J., et al.:J. Amer. Dent. Assn.1965;70:1189-1193
10) 青地修ほか:麻酔 1966;15:436-444
11) Berling, C.:Odontologisk Revy.1966;17:369-384
デンツプライシロナ株式会社
*東京都中央区銀座八丁目21番1号 住友不動産汐留浜離宮ビル
カスタマーサービス TEL 0120-789-123FAX 0120-120-659
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.