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劇薬
向精神薬
処方箋医薬品注)
ナルコレプシー
メチルフェニデート塩酸塩として、通常成人1日20~60mgを1~2回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
覚醒効果があるので、不眠に注意し、夕刻以後の服薬は原則として避けさせること。
痙攣閾値を低下させ、発作を誘発させるおそれがある。
本剤の投与を検討する場合には、投与開始前に心電図検査等により心血管系の状態を評価すること。
血圧又は心拍数を上昇させるおそれがある。
これらの症状を悪化又は再発させることがある。
行動障害、思考障害又は躁病エピソードの症状が悪化するおそれがある。
慢性的乱用により過度の耐性及び様々な程度の異常行動を伴う精神的依存を生じる可能性がある。
因果関係は確立していないが、本剤を含む中枢神経刺激作用を有する薬剤の投与による突然死の報告がある。
眼圧を上昇させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ウサギ)において大量投与(200mg/kg/日)により催奇形性(二分脊椎)が報告されている。
授乳しないことが望ましい。ヒトでメチルフェニデートが、乳汁中に移行するとの報告がある。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
*MAO阻害剤セレギリン(エフピー)ラサギリン(アジレクト)サフィナミド(エクフィナ)
高血圧クリーゼ等の重篤な副作用発現のおそれがある。MAO阻害剤を投与中又は投与中止後14日以内の患者には本剤を投与しないこと。
脳内モノアミン総量が増加するおそれがある。
昇圧剤
昇圧作用を増強させることがある。
本剤は交感神経刺激作用を有するため。
クマリン系抗凝血剤
クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがある。
クマリン系抗凝血剤の半減期を延長させる。
抗痙攣剤
抗痙攣剤の作用が増強されることがある。
本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害すると考えられる。
三環系抗うつ剤
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
三環系抗うつ剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤の作用が増強されることがある。
選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
本剤の作用が増強するおそれがあるため、注意して投与すること。
ノルアドレナリンへの作用を相加的又は相乗的に増強する可能性がある。
クロニジン
本剤との併用により、突然死の報告がある。
機序は不明である。
アルコール
精神神経系の副作用が増強されることがある。
アルコールは本剤の精神神経系の作用を増強させる。
発熱、高度の筋硬直、CK上昇等があらわれることがあるので、このような場合には体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。
肝不全(急性肝不全等)、肝機能障害があらわれることがある。
5%以上
5%未満
頻度不明
過敏症
―
発疹
血管浮腫、紅斑
眼
視調節障害、霧視
*精神神経系
頭痛・頭重、注意集中困難、神経過敏、不眠、眠気
不安、焦燥、易怒・攻撃的、行為心迫、うつ状態、幻覚、妄想、めまい、振戦
興奮、チック、舞踏病様症状、Tourette症候群、ジスキネジア、痙攣、常同運動、運動亢進、中毒性精神障害注1)、作用消失後の眠気、抑制、不機嫌・不快感、けん怠感、易疲労感、自殺念慮又は企図、うつ病、吃音、歯ぎしり
消化器
口渇、食欲不振、胃部不快感、便秘
悪心・嘔吐、下痢、口内炎
循環器
心悸亢進、不整脈
頻脈、血圧上昇、血圧下降、胸部圧迫感
血液
血小板減少性紫斑、白血球減少、血小板減少、貧血
肝臓
黄疸、肝機能検査値の異常(AST・ALT・ALP上昇等)
**呼吸器
鼻出血
**生殖器
持続勃起症、女性化乳房
*その他
排尿障害、性欲減退、発汗、筋緊張
関節痛
発熱、体重減少、頻尿、脱毛、レイノー現象
主に中枢神経系の過剰刺激及び過度の交感神経興奮に起因する次の諸症状
自己損傷の防止、過刺激症状をさらに悪化させる外部刺激の排除に留意。徴候、症状がそれほど重篤でなく、患者に意識がある場合には催吐あるいは胃洗浄によって胃内容物を除去する。重篤な場合は胃洗浄の前に短時間作用型バルビツール酸系薬剤を用量に注意し投与する。又は活性炭や下剤の投与を行う。高熱に対しては物理的な解熱処置をとる。
健康成人に14C-メチルフェニデート塩酸塩を経口投与した研究では、血漿中14Cが最高濃度を示すのは投与後約2時間で、この14Cは主に代謝産物によるものである1)(外国人のデータ)。
投与後8、48時間での尿中排泄率はそれぞれ50、90%であり、糞中には極く少量しか排泄されない。尿中の主要代謝産物は脱エステル化体で、投与量の80%を占めている。14Cの半減期は尿中排泄率より計算して7時間である1)(外国人のデータ)。
一般臨床試験において、ナルコレプシーに対する有効率は89.6%(95/106)であった。また、二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められている。
*メチルフェニデートは、シナプス前終末でのドパミン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、シナプス間隙のドパミン及びノルアドレナリン濃度を上昇させて神経系の興奮性を高めるものと考えられているが2),3),4)、ナルコレプシーの治療効果における詳細な作用機序は十分に解明されていない。
マウス、ラット、ウサギ、イヌにおいてメチルフェニデート塩酸塩0.5~5mg/kgの経口又は非経口的投与により運動の亢進、攻撃的行動、闘争的衝動等の中枢性興奮症状が認められている5)。
マウスにメチルフェニデート塩酸塩15mg/kgを経口投与し、振動カゴを用いて観察した実験では投与1時間後に未処置群の4倍の運動量を示し、またラットによる回転カゴ実験において10mg/kgを経口投与した場合には著明な自発運動の亢進が認められている5)。メチルフェニデート塩酸塩の運動亢進作用はその強さ及び持続性においてメタンフェタミン、カフェインのほぼ中間であることが認められている5),6)。
REM型ナルコレプシーの患者(13例)にメチルフェニデート塩酸塩(10~40mg)を投与し、同じ日の午前(無投薬)と午後(試験薬投与後)の2回反復して1時間のポリグラフィを行い両記録を比較した結果、覚醒維持機能の指標となる入眠前覚醒持続時間(入眠潜時)が3.5倍に延長し強力な覚醒作用を持つことが認められている。また、REM睡眠抑制効果の指標となる入眠時REM期の持続時間の短縮が認められ、REM睡眠抑制作用の存在が示されている7)。
メチルフェニデート塩酸塩(Methylphenidate Hydrochloride)
Methylα-phenyl-2-piperidineacetate hydrochloride
C14H19NO2・HCl
269.77
白色の結晶性の粉末で、においはない。水又はメタノールに溶けやすく、酢酸(100)、エタノール(95)又はクロロホルムにやや溶けやすく、ジクロロメタンにやや溶けにくく、無水酢酸又はアセトンに溶けにくく、酢酸エチルに極めて溶けにくい。本品の水溶液(1→20)のpHは3.5~5.0である。本品の水溶液(1→20)は旋光性がない。融点:約205℃(分解)
瓶開封後は、湿気を避けて保存すること。
本剤の投与が、ナルコレプシーの診断、治療に精通し、薬物依存を含む本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ行われるとともに、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
100錠[瓶、バラ]500錠[瓶、バラ]
1) *Faraj,B.A.et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther.1974;191(3):535-547[19740440]
2) *Volkow ND.et al.:Eur.Neuropsychopharmacol.2002;12(6):557-566[20180571]
3) *Berridge CW.et al.:Biol.Psychiatry.2006;60(10):1111-1120[20200416]
4) *Hannestad J.et al.:Biol.Psychiatry.2010;68(9):854-860[20200417]
5) *Meier R.et al.:Klin.Wochenschr.1954;32(15):445-450[19980318]
6) *高木敬次郎ほか:薬学雑誌. 1967;87(7):837-843[19670077]
7) *高橋康郎ほか:精神薬療基金研究年報.1977;9:201-209[19770591]
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本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、投薬期間は1回30日間分を限度とされています。
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