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劇薬
処方箋医薬品注)
注)定期的な血液モニタリング等を実施し、無顆粒球症等の早期発見を目的として規定された手順
治療抵抗性統合失調症
a)DIEPSS(Drug-Induced Extra-Pyramidal Symptoms Scale)の「ジスキネジア」の評点が3点以上の状態。b)DIEPSSの「ジストニア」の評点が3点以上の遅発性錐体外路症状がみられる状態。c)常用量上限の抗パーキンソン薬投与を行ったにもかかわらず、DIEPSSの「歩行」、「動作緩慢」、「筋強剛」、「振戦」の4項目のうち、3点以上が1項目、あるいは2点以上が2項目以上存在する状態。d)常用量上限の抗パーキンソン薬投与を含む様々な治療を行ったにもかかわらず、DIEPSSの「アカシジア」が3点以上である状態。e)常用量上限の抗パーキンソン薬投与を含む様々な治療を行ったにもかかわらず、DIEPSSの「ジストニア」の評点が3点に相当する急性ジストニアが頻発し、患者自身の苦痛が大きいこと。
通常、成人にはクロザピンとして初日は12.5mg(25mg錠の半分)、2日目は25mgを1日1回経口投与する。3日目以降は症状に応じて1日25mgずつ増量し、原則3週間かけて1日200mgまで増量するが、1日量が50mgを超える場合には2~3回に分けて経口投与する。維持量は1日200~400mgを2~3回に分けて経口投与することとし、症状に応じて適宜増減する。ただし、1回の増量は4日以上の間隔をあけ、増量幅としては1日100mgを超えないこととし、最高用量は1日600mgまでとする。
白血球数(/mm3)
好中球数(/mm3)
処置
①
4,000以上かつ2,000以上
投与開始可能。投与継続可能。投与開始から最初の26週間は血液検査を週1回行うこと。なお、条件を満たした場合には、26週以降は2週に1回、投与開始から52週以降は4週に1回の血液検査とすることができる。ただし、2週に1回又は4週に1回の血液検査に移行した後、4週間以上の投与中断があった場合には、投与再開から26週間は週1回の血液検査を行うこと。なお、条件を満たした場合には、26週以降は2週に1回、投与再開から52週以降は4週に1回の血液検査とすることができる。
②
3,000以上4,000未満 又は 1,500以上2,000未満
①の範囲に回復するまで血液検査を週2回以上行い、注意しながら投与継続可能。
③
3,000未満又は1,500未満
直ちに投与を中止し、①の範囲に回復するまで血液検査を毎日行い、十分な感染症対策を行う。少なくとも回復後4週間までは血液検査を週1回以上行うこと。
ただし、感染症の徴候等血液障害に関連すると思われる症状がみられた場合には、直ちに主治医に相談するよう、退院の際に患者又は代諾者に十分説明すること。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。血糖値が上昇するおそれがある。,,,,
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。血糖値が上昇するおそれがある。,,,,
無顆粒球症が発現するおそれがあるため、 CPMSで定められた血液内科医等との連携のもとで投与を行うこと。CPMSで定められた血液検査の中止基準により中止した後に再投与した患者では、無顆粒球症を含む血球減少関連の事象が初回投与時と比較し早期に再発し、重症例が多かったとの報告がある1)。
CPMSで定められた血液内科医等との連携のもとで投与を行うこと。無顆粒球症が発現するおそれがある。
血液障害が発現するおそれがある。,
痙攣閾値を低下させるおそれがある。
心・血管疾患の悪化及び一過性の血圧低下があらわれるおそれがある。
QT延長が起こるおそれがある。
抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがある。
これらの状態を悪化させるおそれがある。
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。
投与しないこと。
腎機能障害が悪化するおそれがある。
肝機能障害が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物を用いた生殖発生毒性試験において、胚・胎児毒性及び催奇形性は認められていない。プロラクチン濃度の増加に伴う二次的な影響と考えられる性周期の乱れ、交配所要日数の延長、着床前死亡数の増加及び受胎動物数の減少(ラット、20あるいは40mg/kg/日、経口)が、母動物の体重減少に伴う二次的な影響と考えられる胎児の発育遅延(ラット及びウサギ、40mg/kg/日、経口)及び流産(ウサギ、40mg/kg/日、経口)が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。抗コリン作用による尿閉・便秘等があらわれやすく、また特に循環器機能が低下している高齢者では起立性低血圧や頻脈があらわれやすいとの報告がある。
骨髄抑制を起こす可能性のある薬剤放射線療法化学療法
無顆粒球症の発現が増加するおそれがある。
血液障害の副作用が相互に増強される可能性がある。
持効性抗精神病剤
副作用発現に対し速やかに対応できないため、血中から薬剤が消失するまで本剤を投与しないこと。
血中から消失するまでに時間を要する。
アドレナリン作動薬
アドレナリンの作用を反転させ、重篤な血圧低下を起こすおそれがある。
本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり、血圧上昇作用が減弱し、アドレナリンの昇圧作用が反転するおそれがある。
アルコールMAO阻害剤中枢神経抑制剤
鎮静、傾眠等の中枢神経抑制作用が強くあらわれるおそれがある。
相互に中枢神経抑制作用が増強される可能性が考えられる。
ベンゾジアゼピン系薬剤
循環虚脱を発現する危険性が高まり、重度の循環虚脱から心停止、呼吸停止に至るおそれがある。
心循環系の副作用が相互に増強されると考えられる。
抗コリン作用を有する薬剤
抗コリン作用を増強するおそれがある。
共に抗コリン作用を有する。
降圧剤
血圧低下、起立性低血圧があらわれるおそれがある。
本剤のα受容体遮断作用により降圧剤の作用を増強する可能性が考えられる。
呼吸抑制作用を有する薬剤
呼吸抑制作用を増強するおそれがある。
共に呼吸抑制作用を有する。
リチウム製剤
悪性症候群発現の危険性が増加するとの報告がある。
機序は不明である。
バルプロ酸
てんかん発作、せん妄があらわれたとの報告がある。
CYP3A4を誘導する薬剤
本剤の血中濃度が低下し、効果が減弱されるおそれがある。なお、喫煙については、喫煙の中止により本剤の血中濃度が増加する可能性がある。
これらの薬剤はCYP3A4を誘導することから本剤の代謝が促進されると考えられる。
CYP1A2を誘導する薬剤
これらの薬剤はCYP1A2を誘導することから本剤の代謝が促進されると考えられる。なお、喫煙については、喫煙の中止によりCYP1A2活性が低下し、本剤の代謝が低下する可能性がある。
CYP1A2を阻害する薬剤
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、併用する場合は用量に注意すること。
これらの薬剤はCYP1A2を阻害することから本剤の代謝が阻害されると考えられる。
カフェイン
カフェインの摂取により本剤の血中濃度が上昇し、5日間カフェインの摂取を中止すると、本剤の血中濃度が50%減少したとの報告がある。
CYP3A4を阻害する薬剤
これらの薬剤はCYP3A4を阻害することから本剤の代謝が阻害されると考えられる。
セルトラリン
CYP3A4の競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
パロキセチン
併用中の患者において、本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。
代謝酵素の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
QTを延長させる又は電解質異常を引き起こすことが知られている薬剤
併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
*アドレナリン含有歯科麻酔剤
*重篤な血圧低下を起こすおそれがある。
*本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり、血圧上昇作用が減弱し、アドレナリンの昇圧作用が反転するおそれがある。
通常、投与中止により回復するが、致死的な転帰をたどる可能性もある。,,,
死亡例も報告されている。安静時の持続性頻脈、動悸、不整脈、胸痛や心不全の症状又は徴候(原因不明の疲労、呼吸困難、頻呼吸等)が認められた場合には循環器内科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、投与初期により多く報告されているので、投与初期及び増量時には患者の状態を注意深く観察すること。
感染を伴わない胸膜炎があらわれることがあるので、呼吸困難、発熱、胸痛等があらわれた場合には速やかに胸部X線検査等を実施すること。異常が認められた場合には感染症等との鑑別診断を行い、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高血糖があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至った例も報告されている。臨床症状の観察を十分に行い、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意し、異常が認められた場合には速やかに糖尿病治療に関する十分な知識と経験を有する医師と連携して適切な対応を行うこと。また、糖尿病性ケトアシドーシス又は糖尿病性昏睡の徴候が認められた場合には投与を中止し、インスリン製剤を投与するなど適切な処置を行うこと。,,,,,,
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
本剤は用量依存的に痙攣閾値低下をもたらし、脳波変化を生じ、痙攣発作を引き起こすおそれがある。特にてんかんの既往歴のある患者では注意深く観察を行い、本剤の急激な増量を行わないこと。このような場合には減量又は中止し、抗痙攣剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
起立性低血圧、失神があらわれることがあり、循環虚脱から心停止、呼吸停止に至ることもある。投与初期の漸増を行う時期に急激に増量した場合により多くみられるため、注意深く観察すること。
肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓塞栓症があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
本剤の抗コリン作用により腸閉塞、麻痺性イレウス、腸潰瘍、腸管穿孔があらわれ、死亡に至った例も報告されている。便秘等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
5%以上
5%未満
頻度不明
血液及びリンパ系障害
白血球増加(33.8%)、好酸球増加(13.0%)
血小板減少、血小板増加、貧血
-
代謝及び栄養障害
口渇、体重増加(18.2%)、体重減少、高トリグリセリド血症(14.3%)
高コレステロール血症
精神神経系障害
傾眠(63.6%)、めまい(20.8%)、頭痛(10.4%)
鎮静
錯乱、せん妄、落ち着きのなさ、不安・焦燥・興奮、強迫症状、吃音、コリン作動性薬物離脱症候群(発汗、頭痛、悪心、嘔吐、下痢等)、下肢静止不能症候群
錐体外路症状
振戦(19.5%)、アカシジア、構語障害、遅発性ジスキネジア
筋固縮、ジストニア(側反弓)
眼障害
霧視
心障害
頻脈(26.0%)、心電図変化
QT延長
不整脈、動悸、心房細動
血管障害
血圧低下
高血圧
呼吸器系障害
肺炎
誤嚥、嚥下性肺炎、呼吸抑制、呼吸停止、下気道感染
消化器系障害
流涎過多(46.8%)、便秘(33.8%)、悪心(24.7%)、嘔吐(23.4%)、消化不良
嚥下障害、耳下腺腫大、下痢
口内乾燥
肝臓・胆管系障害
肝機能検査値上昇(ALT増加(33.8%)、AST増加(15.6%)、γ-GTP増加(15.6%)等)
膵炎
皮膚・皮下組織障害
発疹
血管性浮腫
腎臓・泌尿器系障害
尿失禁(13.0%)
尿閉
間質性腎炎
生殖器障害
持続勃起症、逆行性射精
全身障害
疲労・けん怠感(16.9%)、発熱(16.9%)、発汗・体温調節障害
筋力低下、筋肉痛
臨床検査
CK増加(10.4%)、ALP増加(14.3%)、LDH増加、プロラクチン増加(13.0%)、TSH低下(10.4%)
脳波異常
中枢神経系:傾眠、嗜眠、無反射、昏睡、錯乱、幻覚、激越、せん妄、錐体外路症状、反射亢進、痙攣自律神経系:流涎過多、散瞳、霧視、体温調節異常循環器系:低血圧、虚脱、頻脈、不整脈呼吸器系:嚥下性肺炎、呼吸困難、呼吸抑制、呼吸不全
服用後短時間であれば催吐、活性炭投与、胃洗浄が有効である。心機能、呼吸器機能、電解質・酸塩基バランスを継続的に観察し、少なくとも5日間は遅発性作用に対応するために注意深い観察が必要である。なお、低血圧の治療にはアドレナリンの投与は避けるべきである。[アドレナリン反転によって悪化する可能性がある。],
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人治療抵抗性統合失調症患者10例に、クロザピン25mgを単回経口投与したときの血漿中クロザピン濃度推移及びその際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
AUC0-24(ng・h/mL)
T1/2(h)
62±24
3.1±2.1
761±349
16±7.2
(平均値±標準偏差、n=10)
また、日本人治療抵抗性統合失調症患者8例に、クロザピン50mgを単回経口投与後、漸増法により50、100及び150mgをそれぞれ1日2回8日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった3)。
投与法・投与量
AUC0-12(ng・h/mL)
単回投与
50mg(n=8)
168±56
1.8±1.4
908±166
1,260±224
16±4.5
反復投与1日2回8日間
453±167
1.8±1.0
3,540±1,590
15±5.1
100mg(n=7)
728±277
4.7±8.5
5,440±2,610
16±9.0※
150mg(n=3)
1,140±363
1.3±0.6
7,820±3,780
14±4.4
(平均値±標準偏差、※n=6)
クロザピン100ng/mLでの血漿蛋白結合率は91%であった(in vitro)。
クロザピンは、主に代謝酵素チトクロームP450(CYP1A2、3A4)で代謝される。クロザピン25mgを単回投与後の血漿中濃度は、未変化体が最も高く、代謝物としてはN-脱メチル体及びN-オキシド体が認められた。N-脱メチル体及びN-オキシド体のAUC0-24は、それぞれ未変化体の32%及び9%であった2)。N-脱メチル体のドパミンD2及び5-HT2A受容体親和性は未変化体と同程度であり、N-オキシド体は極めて低かった4)。
14Cクロザピン50mgを単回経口投与した場合の投与後144時間までの放射能は、尿中に49.0%、糞中に29.6%が排泄された。また、未変化体として尿中及び糞中にそれぞれ投与量の0.5%及び2.2%が排泄された5)(外国人のデータ)。
外国人統合失調症患者を対象として薬物相互作用を検討した結果、クロザピン単独投与時と比較して、CYP1A2阻害作用を有するフルボキサミンと併用投与時の血漿中クロザピンのCmax及びAUCはそれぞれ1.5倍及び2.8倍に上昇した。消失半減期はフルボキサミンの併用により15.5時間から28.7時間に延長した。また、CYP3A4誘導能を有するカルバマゼピンとの併用により、クロザピンの血漿中濃度は32~64%減少した6),7)。
治療抵抗性統合失調症(他の抗精神病薬に反応性不良又は耐容性不良)患者30例を対象に、本剤の26週間投与、非対照、非盲検試験を実施した。その結果、BPRS(Brief Psychiatric Rating Scale)合計スコアは、反応性不良例(22例)では投与前62.6±8.73(平均値±標準偏差、以下同様)、最終評価時52.0±10.40(変化量は-10.6±9.43)、耐容性不良例(8例)では投与前61.0±7.60、最終評価時37.0±11.34(変化量は-24.0±7.95)であった。また、改善率(BPRS合計スコアが20%以上減少した例を改善例と定義)は反応性不良例で40.9%(9/22例)、耐容性不良例で100%(8/8例)であった2)。副作用発現頻度は、本剤群で100%(30/30例)であった。主な副作用は、流涎過多53.3%(16/30例)、ALT増加43.3%(13/30例)、傾眠43.3%(13/30例)であった。
治療抵抗性統合失調症(他の非定型抗精神病薬に反応性不良)患者43例を対象に、本剤の24週間投与、非対照、非盲検試験を実施した。その結果、BPRS合計スコアは、投与前64.4±10.90(平均値±標準偏差、以下同様)、最終評価時47.2±15.47(変化量は-17.2±13.78)であった。また、改善率(BPRS合計スコアが20%以上減少した例を改善例と定義)は67.4%(29/43例)であった8)。副作用発現頻度は、本剤群で97.7%(42/43例)であった。主な副作用は、傾眠74.4%(32/43例)、流涎過多41.9%(18/43例)、便秘34.9%(15/43例)であった。
クロザピンの詳細な作用機序は不明であるが、D2受容体遮断作用に依存しない中脳辺縁系ドパミン神経系に対する選択的抑制が考えられる9)。
In vitro試験でのクロザピンのドパミンD2、D4、セロトニン5-HT2A、ムスカリンM1、アドレナリンα1、ヒスタミンH1受容体親和性(Ki値:nM、平均値±標準誤差)は、それぞれ125±20、9±1及び21±2、12±3、1.9±0.4、7±4、6±2であり、ドパミンD2受容体親和性は他の受容体と比較すると極めて弱い10)。
ハロペリドール、リスペリドン、クロルプロマジン及びオランザピンでは、行動薬理学的な治療活性及び副作用症候(カタレプシー誘発、プロラクチン上昇等)の作用強度は、D2受容体親和性と相関する。これに対しクロザピンは、治療活性が示される一方で副作用症候は検出されないことが多く、D2受容体親和性とは相関しない。クロザピンは、D2受容体親和性が極めて弱い抗精神病薬と考えられた9)。
クロザピン(Clozapine)
8-Chloro-11-(4-methylpiperazin-1-yl)-5H-dibenzo[b,e][1,4]diazepine
C18H19ClN4
326.82
黄色の結晶性の粉末である。酢酸(100)及び希酢酸に溶けやすく、メタノール及びエタノール(95)にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
182.0~186.0℃
log P=0.86(1-オクタノール/pH7.0緩衝液)
PTP包装から取り出した錠剤はなるべく速やかに使用すること。PTP包装から取り出し無包装状態で放置すると光により退色することがある。退色の認められたものは使用しないこと。
100錠[10錠(PTP)×10]
1) Louisa R.Dunk,et al.:Br J Psychiatry.2006;188:255-263 [20210042]
2) 社内資料:国内後期第Ⅱ相臨床試験(2009年4月22日承認、CTD2.7.6-3.2.2) [20091894]
3) 社内資料:国内前期第Ⅱ相臨床試験(2009年4月22日承認、CTD2.7.6-3.2.5) [20091893]
4) 社内資料:クロザピン代謝物の受容体親和性(2009年4月22日承認、CTD2.6.2-2.10.1) [20091898]
5) 社内資料:14Cクロザピン投与時の薬物動態(2009年4月22日承認、CTD2.7.6-2.1.1) [20091897]
6) Chang,W.H.et al.:Psychopharmacology.1999;145(1):91-98 [20091543]
7) Jerling,M.et al.:Ther.Drug Monit.1994;16(4):368-374 [19941728]
8) 社内資料:国内第Ⅲ相臨床試験(2009年4月22日承認、CTD2.7.6-3.2.1) [20091895]
9) 出村信隆:臨床精神薬理.2007;10(11):2091-2106 [20080240]
10) Bymaster,F.P.et al.:Neuropsychopharmacology.1996;14(2):87-96 [20091353]
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