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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
下記患者における再発予防及び身体的障害の進行抑制再発寛解型多発性硬化症疾患活動性を有する二次性進行型多発性硬化症
通常、成人にはオファツムマブ(遺伝子組換え)として1回20mgを初回、1週後、2週後、4週後に皮下注射し、以降は4週間隔で皮下注射する。
活動性B型肝炎患者では、肝炎の治療を優先すること。本剤の治療期間中及び治療終了後は、継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)ではB型肝炎ウイルスの再活性化により肝炎があらわれるおそれがある。,
感染症を合併している場合は、感染症の治療を優先すること。感染症が増悪するおそれがある。,,
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び本剤最終投与後6ヵ月間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の母乳中への移行は不明であるが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
生ワクチン弱毒生ワクチン
生ワクチン又は弱毒生ワクチンは本剤投与開始の少なくとも4週間前までに接種すること。治療中及び投与中止後にB細胞数が回復するまでは生ワクチン又は弱毒生ワクチンを接種しないことが望ましい。
生ワクチン又は弱毒生ワクチンによる感染症発現のリスクが増大するおそれがある。
不活化ワクチン
不活化ワクチンは本剤投与開始の少なくとも2週間前までに接種すること。
ワクチンの効果を減弱させるおそれがある。
免疫抑制剤又は免疫調節剤
これらの薬剤から切り替える場合は、本剤開始時に相加的な免疫抑制作用が生じるおそれがある。これらの薬剤の作用持続時間及び作用機序を考慮すること。
相加的に免疫系に作用するリスクがある。
上気道感染(上咽頭炎、上気道感染、インフルエンザ)等の感染症があらわれることがある。,,
発熱、頭痛、筋肉痛、悪寒、疲労等の注射に伴う全身反応があらわれることがある。また、アナフィラキシーを含む重度の注射に伴う全身反応が認められた場合は、本剤の投与中止等の適切な処置を行うこと。
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察すること。意識障害、認知機能障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、構音障害、失語等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。本剤の多発性硬化症を対象とした臨床試験ではPMLの報告はないが、慢性リンパ性白血病患者に対し点滴静注するオファツムマブ製剤を含む他の抗CD20抗体製剤及び他の多発性硬化症治療薬を投与した患者においてJCウイルス感染によるPMLが報告されている。
5%以上
頻度不明
一般・全身障害及び投与部位の状態
注射部位反応(紅斑、疼痛、そう痒、腫脹)
-
**免疫系障害
**過敏症反応
臨床検査
血中IgM減少
臨床試験で抗オファツムマブ抗体の陽性例が報告されている。
評価時点(初回投与後)
本剤の血漿中濃度(µg/mL)平均値±標準偏差
2日
0.43±0.38(n=21)
5日
0.88±0.40(n=21)
7日
0.84±0.39(n=21)
14日
2.17±0.63(n=21)
4週
2.69±0.86(n=21)
12週
0.66±0.62(n=20)
24週
0.84±0.60(n=20)
再発寛解型多発性硬化症患者、再発を伴う多発性硬化症患者を対象とした国際共同第II相試験及び海外臨床試験から得られた血漿中濃度データ(1483例、9464測定点)を用いて実施した母集団薬物動態解析の結果から、クリアランスは0.339L/day、分布容積は2.57L、バイオアベイラビリティは0.681と推定された2)。
再発を伴う多発性硬化症患者(284例)に本剤20mgを皮下投与(初回、1週後、2週後、4週後、以降4週間隔で投与)したとき、定常状態でのAUCtau及びCmaxの幾何平均値(幾何変動係数)はそれぞれ483µg・h/mL(90%)及び1.43µg/mL(77%)であった3)(n=282、外国人データ)。
再発を伴う多発性硬化症患者(32例)に本剤20mg又はプラセボを皮下投与(初回、1週後、2週後、4週後、以降4週間隔で投与)したとき、B細胞数の推移は以下のとおりであった1)。
本剤群
プラセボ群
評価例数
B細胞数(cells/µL)
ベースライン
21
230.2 ± 135.5
11
305.2 ± 222.5
2日目
9.9 ± 16.2
339.5 ± 165.9
5日目
20
9.0 ± 12.8
10
305.3 ± 193.7
1週目
4.5 ± 5.1
276.6 ± 167.0
2週目
2.9 ± 5.0
276.6 ± 129.3
4週目
2.4 ± 4.0
281.6 ± 110.0
12週目
1.4 ± 1.9
265.7 ± 126.2
24週目
19
0.9 ± 1.2
8
235.1 ± 119.4
平均値±標準偏差
本剤投与中止36週目にB細胞数がベースライン又は基準値下限(40cells/µL)まで回復が認められた被験者の割合は、G2301試験で55.6%(15/27例)、G2302試験で70.3%(26/37例)であり、本剤の投与中止後のB細胞数の推移は以下のとおりであった4),5)(外国人データ)。
G2301試験
G2302試験
本剤投与中の最終評価時
462
3.9 ± 24.0
477
8.4 ± 47.9
本剤投与中止後の追跡期間
310
5.1 ± 22.5
347
9.7 ± 39.7
33
48.8 ± 55.0
52
70.2 ± 76.1
36週目
27
52.6 ± 51.2
37
86.5 ± 80.8
48週目
17
71.8 ± 87.6
23
138.3 ± 109.3
60週目
13
113.8 ± 97.1
135.0 ± 103.7
72週目
4
55.0 ± 52.0
123.8 ± 109.7
96週目
1
0 a)
3
80.0 ± 105.8
平均値±標準偏差, a)個別値
再発を伴う多発性硬化症患者注1)(64例、うち日本人患者32例)を対象として無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験を実施した。本剤20mg(初回、1週後、2週後、4週後、以降4週間隔で投与)、又はプラセボ(本剤と同一用法)を24週間皮下投与した(ランダム化比 2:1)。主要評価項目である投与12~24週後のGd造影T1病変数を本剤群はプラセボ群に比べ93.6%抑制した。
Gd造影T1病変数/スキャン(95%信頼区間)
プラセボとの比較
群間比(95%信頼区間)
P値
1.0413(0.465, 2.331)
NA
39
0.067(0.027, 0.167)
0.064(0.018, 0.232)
p<0.001
負の二項回帰モデルを用いて解析した。投与群、地域(日本、外国)、及びベースラインのGd造影T1病変数を要因、Gd造影T1病変数の累積数を反応変数、MRIスキャン回数の自然対数をオフセット変数としてモデルに含めた。
副作用は、本剤群で27.9%(12/43例)に認められ、主な副作用は、注射に伴う全身反応23.3%(10/43例)、リンパ球減少症4.7%(2/43例)であった1)。注1)以下のいずれにも該当する患者
G2301試験及びG2302試験は同時期に実施された同一デザインの試験であり、再発を伴う多発性硬化症患者注2)(G2301試験:927例、G2302試験:955例)を対象とした無作為化二重盲検teriflunomide(国内未承認)対照並行群間比較試験である。本剤20mg(初回、1週後、2週後、4週後、以降4週間隔で皮下投与)、又はteriflunomide 14mg(1日1回経口投与)を1:1の比で割り付けた。投与期間は患者毎に異なり、終了基準を満たすまで投与を継続した。両試験の併合データの投与期間の中央値は本剤群で599.5日、対照群で576.0日であった。両試験の主要評価項目である年間再発率を本剤群は対照群に比べ、各々50.5%及び58.5%抑制した。予め計画した両試験の併合解析により、副次評価項目であるEDSSに基づく3ヵ月持続する障害増悪及び6ヵ月持続する障害増悪を本剤群は対照群に比べ各々34.4%及び32.5%抑制した。
評価項目
本剤群N=465
対照群N=462
本剤群N=481
対照群N=474
年間再発率(抑制率)a)
0.11
0.22
0.10
0.25
50.5%(p<0.001)
58.5%(p<0.001)
3ヵ月持続する障害増悪を示した被験者の割合b)
本剤群:10.9%、対照群:15.0%本剤群での対照群に対する抑制率:34.4%(p=0.002)
6ヵ月持続する障害増悪を示した被験者の割合b)
本剤群:8.1%、対照群:12.0%本剤群での対照群に対する抑制率:32.5%(p=0.012)
N:評価例数(FAS)a)負の二項回帰モデルを用いて解析した。投与群及び地域を要因、ベースラインの過去1年間の再発回数、EDSSスコア、Gd造影T1病変数、及び年齢を共変量、被験者ごとの確定再発の累積数を反応変数、被験者ごとの試験期間(年)の自然対数をオフセット変数としてモデルに含めた。b)治験実施計画書で事前に規定したとおり、G2301試験及びG2302試験の併合データを用いて解析した。試験を層、投与群及び地域を要因、ベースラインのEDSSを連続共変量とした層別Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。
G2301試験での副作用は、本剤群で44.3%(206/465例)に認められ、主な副作用は、注射に伴う全身反応16.3%(76/465例)、注射部位反応9.0%(42/465例)、血中IgM減少5.4%(25/465例)であった。G2302試験での副作用は、本剤群で57.8%(278/481例)で認められ、主な副作用は、注射に伴う全身反応24.7%(119/481例)、注射部位反応12.7%(61/481例)、血中IgM減少6.2%(30/481例)であった4),5)。注2)以下のいずれにも該当する患者
オファツムマブはヒトCD20の細胞外小ループ及び大ループに特異的に結合し6)、補体依存性細胞傷害(CDC)活性及び抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性によりCD20陽性B細胞及びCD20陽性T細胞を溶解させると考えられる7),8)。
B細胞株に発現するCD20に対して強い結合能を示し(平衡解離定数KD値167pM)9)、CD20からの解離速度は遅かった6)(in vitro)。本薬は細胞膜に近接してCD20に結合すると考えられ、これにより優れたCDC活性を示す6)。
初代培養ヒトB細胞の検討から、本薬の細胞溶解作用は主としてCDC活性によるものであり、ADCC活性の程度は低かった7)(in vitro)。ヒトCD20をトランスフェクトしたT細胞株において、CD20発現量の少ない細胞に対してもCDC活性を示した8)(in vitro)。カニクイザルに1mg/kgを1週間隔で計3回皮下投与したとき、末梢血中のCD20陽性B細胞数及びCD20陽性T細胞数が完全に抑制され、リンパ節中のCD20陽性B細胞数が減少した10)。
オファツムマブ(遺伝子組換え)Ofatumumab(Genetical Recombination)
C6480H10022N1742O2020S44(糖鎖部分を含まない)
オファツムマブは、遺伝子組換えヒト抗ヒトCD20モノクローナル抗体であるIgG1である。オファツムマブは、マウスミエローマ(NS0)細胞により産生される。オファツムマブは、452個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2分子及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2分子で構成される糖タンパク質(分子量:約149,000)である。
光曝露を避けるため、本剤は外箱に入れて保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1本
1) 社内資料:国際共同第Ⅱ相試験(G1301試験)(2021年3月23日承認、CTD2.7.6.4.1.3)[20210014]
2) 社内資料:母集団薬物動態/薬力学解析(2021年3月23日承認、CTD2.7.2.3.1.2)[20210020]
3) 社内資料:海外共同第Ⅱ相試験(G2102試験)(2021年3月23日承認、CTD2.7.6.1.2.1)[20210017]
4) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(G2301試験)(2021年3月23日承認、CTD2.7.6.4.1.1)[20210015]
5) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(G2302試験)(2021年3月23日承認、CTD2.7.6.4.1.2)[20210016]
6) Cheson,BD.: J Clin Oncol. 2010; 28: 3525-30[20152211]
7) 社内資料:初代培養ヒトB細胞に対する溶解作用の検討(2021年3月23日承認、CTD2.6.2.2.3)[20210010]
8) Teeling,JL, et al.: J Immunol. 2006; 177: 362-71[20160043]
9) 社内資料:CD20結合特性の検討(2021年3月23日承認、CTD2.6.2.2.1)[20210011]
10) Theil,D, et al.: Front Immunol. 2019; 10: 1340[20210012]
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