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劇薬
処方箋医薬品注)
ラニビズマブ(遺伝子組換え)として0.5mg(0.05mL)を1ヵ月毎に連続3ヵ月間(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上の間隔をあけること。
ラニビズマブ(遺伝子組換え)として1回あたり0.5mg(0.05mL)を硝子体内投与する。投与間隔は、1ヵ月以上あけること。
,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤は、その抗VEGF作用から潜在的に催奇形性並びに胚・胎児毒性を有する可能性が否定できない。一方、カニクイザルを用いた生殖発生毒性試験(0.125又は1.0mg/眼を両眼に器官形成期硝子体内投与)において、血清中ラニビズマブ濃度が高値を示した母動物1例でラニビズマブの胎児への移行が確認されたが、母体毒性、胎児毒性又は催奇形性は認められなかった。なお、抗VEGF作用を有する類薬(ベバシズマブ)で、ウサギの胚・胎児試験(10~100mg/kgを器官形成期静脈内投与)において、胎児体重の減少、吸収胚の増加、外形・骨格異常を有する胎児の増加が認められたとの報告がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行するとの報告がある1)。授乳された乳児への影響、母乳産生及び分泌への影響は不明である。
未熟児網膜症注)以外の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。注)バイアル製剤の承認効能であり、本製剤では未承認効能
一般に生理機能が低下している。
網膜出血、硝子体剥離、網膜色素上皮剥離、網膜色素上皮裂孔、硝子体出血、裂孔原性網膜剥離、網膜剥離、網膜裂孔、医原性外傷性白内障、失明、眼内炎があらわれることがある。
5%以上
1%~5%未満
1%未満
頻度不明
感染症
-
インフルエンザ
鼻咽頭炎、尿路感染
血液
貧血
精神神経系
頭痛、不安
眼障害注1)炎症
眼炎症(虹彩炎、硝子体炎、虹彩毛様体炎、ブドウ膜炎、前房蓄膿、前房の炎症)
眼障害注1)視力・視覚障害
霧視、視覚障害
視力低下、光視症、羞明
眼障害注1)眼瞼
眼瞼浮腫、眼瞼痛、眼瞼炎、眼瞼刺激
眼障害注1)結膜
結膜出血
結膜充血
結膜炎、アレルギー性結膜炎
眼障害注1)注射部
注射部位出血、注射部位疼痛、注射部位刺激感
眼障害注1)網膜
網膜障害
網膜変性
眼障害注1)硝子体
硝子体浮遊物
硝子体障害
眼障害注1)角膜
点状角膜炎
角膜擦過傷、角膜症、角膜線条、角膜浮腫
角膜沈着物
眼障害注1)その他
眼圧上昇、眼痛
眼刺激、眼の異物感、流涙増加、眼そう痒症、眼部不快感、眼充血
眼脂、眼乾燥、白内障、嚢下白内障、前房のフレア、眼出血、前房出血、虹彩癒着、後嚢部混濁
眼の異常感
呼吸器
咳嗽
消化器
悪心
過敏症注2)
蕁麻疹
そう痒症、発疹、紅斑
筋骨格系
関節痛
国内外において過量投与された患者に、一時的な眼圧上昇、視力低下、眼痛等が認められた。
眼圧、視力等を測定し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
なお、海外成績の母集団薬物動態解析結果から、本剤の硝子体液中濃度は、血清中濃度の約90,000倍で推移し、その消失半減期は約9日と推定されている3)。
腎機能障害を有する患者を対象にした薬物動態試験は実施していないが、母集団薬物動態解析より腎機能と本薬のクリアランスの関連を検討した。腎機能低下を伴う患者[200例中136例、軽度(CrCL50~80mL/min):93例、中等度(CrCL30~50mL/min):40例、重度(CrCL<30mL/min):3例]を含む対象集団での母集団薬物動態解析の結果から、腎機能が中等度低下した場合、本薬のクリアランスは17%低下すると推定された3)。
病変サブタイプpredominantly classic型、minimally classic型又はclassic CNVを伴わないoccult型の中心窩下CNVを伴う加齢黄斑変性症患者を対象に、非遮蔽、無対照の第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施した。41例の患者に本剤0.5mgを月1回、11ヵ月間(計12回)硝子体内に注射した結果、投与6ヵ月後の最高矯正視力スコアでベースラインから9.0±9.62文字(平均値±標準偏差、95%信頼区間6.0~12.0文字、以下同様)の増加が認められた。また、ベースラインから投与6ヵ月後の最高矯正視力スコアの減少が、15文字未満だった患者の割合は100%(41例/41例)であった。更に、投与6ヵ月後までに増加した最高矯正視力スコアは投与12ヵ月後でも維持されており、ベースラインから10.5±11.14文字(6.9~14.0文字)の増加であった。
治療対象眼で発現した副作用の発現頻度は、本剤0.5mg群で24.4%(10例/41例)であり、主な副作用は、眼圧上昇12.2%(5例/41例)及び眼痛7.3%(3例/41例)であった2)。
病変サブタイプminimally classic型又はclassic CNVを伴わないoccult型の中心窩下CNVを伴う加齢黄斑変性症患者を対象に、シャム注射注1)を対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤0.5mgを月1回、23ヵ月間(計24回)硝子体内注射する群と月1回のシャム注射群を比較した。本剤0.5mg投与により、最高矯正視力スコアは投与12ヵ月後及び投与24ヵ月後にそれぞれベースラインから7.2±14.4文字(平均値±標準偏差、95%信頼区間5.4~9.1文字、以下同様)及び6.6±16.5文字(4.5~8.7文字)増加し、シャム注射群に比べて有意に改善した(p<0.0001、分散分析)。また、投与12ヵ月後の最高矯正視力スコアの減少が、ベースラインから15文字未満の場合を視力が維持された患者と定義し、その患者の割合は、シャム注射群の62%(148例/238例)に対して本剤0.5mg群では95%(227例/240例)と有意に高率であった(p<0.0001、Cochran x2検定)。注1)硝子体内投与の代わりに針のないシリンジを局所麻酔下で眼球に押し付け、注射以外は同じ処置を行うこと。
治療対象眼で発現した副作用の発現頻度は、本剤0.5mg群で21.8%(52例/239例)であり、主な副作用は、硝子体炎6.3%(15例/239例)、眼圧上昇5.4%(13例/239例)、虹彩炎5.0%(12例/239例)及び硝子体浮遊物5.0%(12例/239例)であった6),7),8)。
病変サブタイプpredominantly classic型の中心窩下CNVを伴う加齢黄斑変性症患者を対象にベルテポルフィンを用いた光線力学的療法(PDT)を対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤0.5mgを月1回、23ヵ月間(計24回)硝子体内注射する群と、ベルテポルフィンPDTを開始時と以後は必要に応じて3ヵ月毎に実施する群を比較した。ベルテポルフィンPDT群の最高矯正視力スコアは、投与12ヵ月後及び投与24ヵ月後にそれぞれベースラインから9.5±16.4文字(平均値±標準偏差、95%信頼区間-12.3~-6.8文字、以下同様)及び9.8±17.6文字(-12.7~-6.9文字)減少したのに対して、本剤0.5mgの投与により、最高矯正視力スコアは投与12ヵ月後及び投与24ヵ月後にそれぞれベースラインから11.3±14.6文字(8.9~13.8文字)及び10.7±16.5文字(7.9~13.5文字)増加し、ベルテポルフィンPDT群に比べて有意に改善した(p<0.0001、分散分析)。また、投与12ヵ月後の最高矯正視力スコアの減少が、ベースラインから15文字未満の場合を視力が維持された患者と定義し、その患者の割合は、ベルテポルフィンPDT群の64%(92例/143例)に対して本剤0.5mg群では96%(134例/139例)であった。この両群の割合の差に関する片側信頼区間の下限値24.5%は、事前に定めた非劣性限界値-7.0%を大きく上回り、ベルテポルフィンPDT群に対する非劣性が確認された(p<0.0001、正規近似による片側検定)。
治療対象眼で発現した副作用の発現頻度は、本剤0.5mg群で13.6%(19例/140例)であり、主な副作用は、虹彩炎5.0%(7例/140例)及び眼圧上昇5.0%(7例/140例)であった9),10),11),12)。
中心窩下CNV(classic型の有無を問わない)を伴う加齢黄斑変性症患者を対象にシャム注射注1)を対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤0.5mgの硝子体内注射又はシャム注射を最初の連続3ヵ月は月1回実施し、その後は3ヵ月に1回実施した。投与12ヵ月後の最高矯正視力スコアは、本剤0.5mgの投与によりベースラインから0.2±13.1文字(平均値±標準偏差、95%信頼区間-3.5~3.2文字、以下同様)の減少であったが、16.3±22.3文字(-21.9~-10.7文字)減少したシャム注射群に比べて、スコアの減少は有意に抑制された(p<0.0001、分散分析)。また、投与12ヵ月後の最高矯正視力スコアの減少が、ベースラインから15文字未満の場合を視力が維持された患者と定義し、その患者の割合はシャム注射群の49%(31例/63例)に対して本剤0.5mg群では90%(55例/61例)と有意に高率であった(p<0.0001、Cochran x2検定)。注1)硝子体内投与の代わりに針のないシリンジを局所麻酔下で眼球に押し付け、注射以外は同じ処置を行うこと。
治療対象眼で発現した副作用の発現頻度は、本剤0.5mg群で9.8%(6例/61例)であり、主な副作用は、眼圧上昇3.3%(2例/61例)であった13),14)。
網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)に伴う黄斑浮腫を有する患者397例を対象に、シャム注射注1)を対照としたランダム化二重遮蔽試験を実施した。本剤0.5mg群をシャム注射群と比較した。本剤0.5mg群では、投与開始5ヵ月後までは月1回、計6回硝子体内注射し、投与開始6ヵ月後以降は視力及び中心領域網膜厚に基づいて注2)必要に応じて硝子体内注射した。本剤0.5mg群における12ヵ月間の注射回数は8.4±2.4回(平均値±標準偏差、最少1回~最多12回)であった。シャム注射群は、投与開始5ヵ月後まではシャム注射を、投与開始6ヵ月後以降は視力及び中心領域網膜厚に基づいて注2)必要に応じて本剤0.5mgを硝子体内注射した。シャム注射群で6ヵ月後以降に本剤による治療を受けた患者における注射回数は4.1±1.7回(平均値±標準偏差、最少1回~最多6回)であった。また、いずれの治療群でも投与開始3ヵ月後以降はレスキュー治療としてレーザー網膜光凝固療法を許容した。シャム注射群の投与開始6ヵ月後の最高矯正視力スコアの平均変化量はベースラインから7.3±13.0文字(平均値±標準偏差、95%信頼区間5.1~9.5文字、以下同様)の増加であったのに対して、本剤0.5mg群では18.3±13.2文字(16.0~20.6文字)の増加であり、本剤0.5mg群はシャム注射群と比べて有意な増加であった(p<0.0001、分散分析)。また、投与開始12ヵ月後の最高矯正視力スコアのベースラインからの平均変化量は、投与開始6ヵ月後にシャム注射から本剤0.5mgに切り替えた群で12.1±14.4文字(9.6~14.6文字)、本剤0.5mg群で18.3±14.6文字(15.8~20.9文字)の増加であった。注1)硝子体内投与の代わりに針のないシリンジを局所麻酔下で眼球に押し付け、注射以外は同じ処置を行うこと。注2)以下のいずれかに該当した場合、本剤を硝子体内注射する。
治療対象眼で発現した副作用発現頻度は、本剤0.5mg群で37.7%(49例/130例)であり、主な副作用は、結膜出血 24.6%(32例/130例)及び眼痛 13.8%(18例/130例)であった15),16),17)。
網膜中心静脈閉塞症(CRVO)に伴う黄斑浮腫を有する患者392例を対象に、シャム注射注1)を対照としたランダム化二重遮蔽試験を実施した。本剤0.5mg群をシャム注射群と比較した。本剤0.5mg群では、投与開始5ヵ月後までは月1回、計6回硝子体内注射し、投与開始6ヵ月後以降は視力及び中心領域網膜厚に基づいて注2)必要に応じて硝子体内注射した。本剤0.5mg群における12ヵ月間の注射回数は8.9±2.7回(平均値±標準偏差、最少1回~最多12回)であった。シャム注射群は、投与開始5ヵ月後まではシャム注射を、投与開始6ヵ月後以降は視力及び中心領域網膜厚に基づいて注2)必要に応じて本剤0.5mgを硝子体内注射した。シャム注射群で6ヵ月後以降に本剤による治療を受けた患者における注射回数は4.4±1.7回(平均値±標準偏差、最少1回~最多6回)であった。シャム注射群の投与開始6ヵ月後の最高矯正視力スコアの平均変化量はベースラインから0.8±16.2文字(平均値±標準偏差、95%信頼区間−2.0~3.6文字、以下同様)の増加であったのに対して、本剤0.5mg群では14.9±13.2文字(12.6~17.2文字)の増加であり、本剤0.5mg群はシャム注射群と比べて有意な増加であった(p<0.0001、分散分析)。また、投与開始12ヵ月後の最高矯正視力スコアのベースラインからの平均変化量は、投与開始6ヵ月後にシャム注射から本剤0.5mgに切り替えた群で7.3±15.9文字(4.5~10.0文字)、本剤0.5mg群で13.9±14.2文字(11.5~16.4文字)の増加であった。注1)硝子体内投与の代わりに針のないシリンジを局所麻酔下で眼球に押し付け、注射以外は同じ処置を行うこと。注2)以下のいずれかに該当した場合、本剤を硝子体内注射する。
治療対象眼で発現した副作用発現頻度は、本剤0.5mg投与群で33.3%(43例/129例)であり、主な副作用は、結膜出血 22.5%(29例/129例)、眼痛 14.7%(19例/129例)及び眼刺激 6.2%(8例/129例)であった18),19),20)。
網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する日本人患者(BRVO患者15例、CRVO患者16例)を対象に、無対照、非遮蔽の第Ⅲ相試験を実施した。本剤0.5mgを月1回、連続3回(投与開始時、1ヵ月後、2ヵ月後)硝子体内注射した。投与開始1~3ヵ月後における最高矯正視力スコアのベースラインからの期間平均変化量は、BRVO患者で11.3±11.0文字(平均値±標準偏差、95%信頼区間5.2~17.4文字、以下同様)の増加、CRVO患者で6.7±10.2文字(1.3~12.2文字)の増加と、それぞれベースラインから有意に増加した(BRVO患者 p=0.001、CRVO患者 p=0.019、t検定)。また、投与開始3ヵ月後の最高矯正視力スコアのベースラインからの平均変化量は、BRVO患者で12.8±12.1文字(6.1~19.5文字)の増加、CRVO患者で9.1±10.5文字(3.5~14.6文字)の増加であった。
治療対象眼で発現した副作用発現頻度は、本剤0.5mg群で32.3%(10例/31例)であり、副作用は、結膜出血 19.4%(6例/31例)、点状角膜炎 12.9%(4例/31例)及び眼圧上昇 6.5%(2例/31例)であった21)。
病的近視におけるCNVを有する患者(最大の解析対象集団:276例)を対象に、ベルテポルフィンPDT(本適応は国内未承認)を対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。「視力安定化の基準注3)」に基づいて本剤0.5mgを硝子体内注射する群(本剤Ⅰ群)、及び「疾患の活動性の基準注4)」に基づいて本剤0.5mgを硝子体内注射する群(本剤Ⅱ群)をベルテポルフィンPDT群と比較した。本剤Ⅰ群では、投与開始時及び1ヵ月後に本剤を連続2回硝子体内注射し、投与開始2ヵ月後以降は「視力安定化の基準注3)」に基づいて硝子体内注射した。本剤Ⅰ群における12ヵ月間の注射回数は4.6±2.6回(平均値±標準偏差、最少1回~最多11回)であった。本剤Ⅱ群では、投与開始時に本剤を硝子体内注射し、投与開始1ヵ月後以降は「疾患の活動性の基準注4)」に基づいて硝子体内注射した。本剤Ⅱ群における12ヵ月間の注射回数は3.5±2.9回(平均値±標準偏差、最少1回~最多12回)であった。ベルテポルフィンPDT群では、投与開始時にベルテポルフィンPDTを実施し、投与開始3ヵ月後以降は本剤0.5mgを併用、あるいは本剤0.5mgに変更することも可とした。ベルテポルフィンPDT(本剤0.5mg投与)群における12ヵ月間の本剤注射回数は3.2±2.5回(平均値±標準偏差、最少1回~最多9回)であった。投与開始1~3ヵ月後における最高矯正視力スコアのベースラインからの期間平均変化量は、ベルテポルフィンPDT群で2.2±9.5文字(平均値±標準偏差、以下同様)の増加であったのに対して、本剤Ⅰ群では10.5±8.2文字、本剤Ⅱ群では10.6±7.3文字の増加であり、ベルテポルフィンPDT群に比べて本剤Ⅰ群及び本剤Ⅱ群で有意に増加した(p<0.00001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)。また、投与開始12ヵ月後の最高矯正視力スコアのベースラインからの平均変化量は、ベルテポルフィンPDT群で9.3±11.3文字、本剤Ⅰ群で13.8±11.4文字、本剤Ⅱ群で14.4±10.2文字の増加であった。注3)視力が「視力安定化の基準」を満たしていれば治療を中断した。疾患の活動性による視力低下が認められた場合に月1回の注射を再開し、「視力安定化の基準」を再度満たすまで月1回の注射を継続した。〈視力安定化の基準〉連続する過去2回の月1回の来院時と比べて最高矯正視力スコアに変化がない。注4)「疾患の活動性の基準」に合致しなければ治療を中断した。中断後に「疾患の活動性の基準」に合致した場合は治療を再開し合致しなくなるまで治療を継続した。〈疾患の活動性の基準〉OCT(光干渉断層撮影法)又はFA(フルオレセイン蛍光眼底造影法)による評価で、病的近視に伴う網膜内又は網膜下液、あるいは活動性漏出に起因する視力障害がある。
同試験において、日本人患者[最大の解析対象集団:50例(本剤Ⅰ群:21例、本剤Ⅱ群:20例、ベルテポルフィンPDT群:9例)]の投与開始1~3ヵ月後における最高矯正視力スコアのベースラインからの期間平均変化量は、ベルテポルフィンPDT群で2.5±8.2文字(平均値±標準偏差、以下同様)の増加であったのに対して、本剤Ⅰ群では12.7±8.7文字、本剤Ⅱ群では11.9±5.1文字の増加であった。また、投与開始12ヵ月後の最高矯正視力スコアのベースラインからの平均変化量は、ベルテポルフィンPDT群で10.9±9.7文字、本剤Ⅰ群で15.7±12.1文字、本剤Ⅱ群で15.5±8.4文字の増加であった。治療対象眼で発現した副作用発現頻度は、本剤I群で24.5%(26例/106例)、本剤Ⅱ群で20.3%(24例/118例)であり、主な副作用は、本剤I群で結膜出血 9.4%(10例/106例)、及び本剤Ⅱ群で結膜出血 8.5%(10例/118例)であった。 日本人患者の治療対象眼で発現した副作用の発現頻度は、本剤I群で57.1%(12例/21例)、本剤Ⅱ群で30.0%(6例/20例)であった。主な副作用は、本剤I群で結膜出血28.6%(6例/21例)及び点状角膜炎23.8%(5例/21例)、本剤Ⅱ群で結膜出血及び点状角膜炎であり、いずれも10.0%(2例/20例)であった22)。
糖尿病黄斑浮腫(DME)アジア人患者(日本人を含む)396例を対象にレーザー網膜光凝固療法を対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤0.5mg群、並びに本剤0.5mg及びレーザー網膜光凝固療法併用群(以下併用群)を、レーザー網膜光凝固療法群と比較した。本剤0.5mg硝子体内注射は月1回投与で開始し、個別の患者で月1回測定した視力が連続3回安定となった場合は投与を中断し、DME進行による視力低下が認められた場合に月1回投与を再開した。併用群及びレーザー網膜光凝固療法群のレーザー網膜光凝固療法は開始時に1回実施し、以後は必要に応じて実施した。レーザー網膜光凝固療法群の投与開始1~12ヵ月後までの最高矯正視力スコアの期間平均変化量は、ベースラインから1.4±6.49文字(平均値±標準偏差、95%信頼区間0.2~2.5文字、以下同様)の増加であったのに対して、本剤0.5mg群では5.9±6.02文字(4.8~6.9文字)の増加、併用群では5.7±7.20文字(4.4~6.9文字)の増加であった。
同試験において、日本人患者[最大の解析対象集団:151例(本剤0.5mg群:51例、併用群:50例、レーザー網膜光凝固療法群:50例)]の投与開始1~12ヵ月後における最高矯正視力スコアのベースラインからの期間平均変化量は、レーザー網膜光凝固療法群で0.2±5.49文字(平均値±標準偏差、以下同様)の増加であったのに対して、本剤0.5mg群では6.1±5.74文字、併用群では6.7±6.65文字の増加であった。治療対象眼で発現した副作用発現頻度は、本剤0.5mg群で17.3%(23例/133例)、併用群で18.9%(25例/132例)であり、主な副作用は、本剤0.5mg群で結膜出血 9.8%(13例/133例)、併用群で結膜出血 9.1%(12例/132例)であった。日本人患者の治療対象眼で発現した副作用の発現頻度は、本剤0.5mg群で25.5%(13例/51例)、併用群で26.9%(14例/52例)であり、主な副作用は、本剤0.5mg群で結膜出血 17.6%(9例/51例)及び硝子体浮遊物5.9%(3例/51例)、併用群で結膜出血 13.5%(7例/52例)、硝子体浮遊物 11.5%(6例/52例)及び眼充血 5.8%(3例/52例)であった23)。
DMEの外国人患者345例を対象にレーザー網膜光凝固療法を対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤0.5mg群、並びに本剤0.5mg及びレーザー網膜光凝固療法併用群(以下併用群)を、レーザー網膜光凝固療法群と比較した。本剤0.5mg硝子体内注射は月1回投与で開始し、個別の患者で月1回測定した視力が連続3回安定となった場合は投与を中断し、DME進行による視力低下が認められた場合に月1回投与を再開した。併用群及びレーザー網膜光凝固療法群のレーザー網膜光凝固療法は開始時に1回実施し、以後は必要に応じて実施した。レーザー網膜光凝固療法群の投与開始1~12ヵ月後までの最高矯正視力スコアの期間平均変化量は、ベースラインから0.8±8.56文字(平均値±標準偏差、95%信頼区間−0.8~2.4文字、以下同様)の増加であったのに対して、本剤0.5mg群では6.1±6.43文字(4.9~7.3文字)の増加、併用群では5.9±7.92文字(4.4~7.3文字)の増加であり、レーザー網膜光凝固療法群に比べてそれぞれ有意な増加であった(p<0.0001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)。
治療対象眼で発現した副作用発現頻度は、本剤0.5mg群で24.3%(28例/115例)、併用群で22.5%(27例/120例)であり、主な副作用は、本剤0.5mg群で眼痛 10.4%(12例/115例)、結膜出血及び結膜充血 7.0%(8例/115例)、併用群で眼痛 8.3%(10例/120例)、結膜出血 7.5%(9例/120例)及び眼の異物感 5.8%(7例/120例)であった24)。
ラニビズマブ(遺伝子組換え)は、VEGFに対するヒト化モノクローナル抗体のFab断片であり、CNVの形成及び血管からの漏出に重要な役割を果たしているVEGFを阻害する。
ラニビズマブ(遺伝子組換え)は、VEGFの2種のアイソフォーム(VEGF121及びVEGF165)及びプラスミン分解産物で生物活性を有するVEGF110に結合親和性を示した25)(in vitro)。また、VEGFによって誘発される血管内皮細胞(ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC))の増殖及び血管内皮細胞からの組織因子産生を抑制した25),26)(in vitro)。更に、モルモットの血管透過性皮膚モデルにおいてVEGFによる血管透過性を抑制した25)(in vivo)。ラニビズマブ(遺伝子組換え)は、抗体のFc領域を持たないため補体C1q及びFcγ受容体に結合しなかった27)(in vitro)。
レーザー誘発CNVモデルに対するラニビズマブ(遺伝子組換え)硝子体内投与時の作用をフルオレセイン蛍光眼底造影法を用いて、レーザー照射の3週間前から2週間に1回の投与による予防的効果、及びレーザー照射の3週間後から2週間に1回の投与による治療効果をそれぞれ検討した。いずれの場合も0.5mgのラニビズマブ(遺伝子組換え)によりCNV形成及び血管外漏出が抑制された28)。更に、光線力学的療法(PDT)と2.0mgのラニビズマブ(遺伝子組換え)硝子体内投与(初回0.5mg)の併用により、PDT単独時と比較して優れたCNVからの血管外漏出抑制作用を示した。なお、投与スケジュール(1週間毎に交互に治療及び2週間毎に同一日に治療)による効果の違いは認められなかった29)(in vivo)。
ラニビズマブ(遺伝子組換え)Ranibizumab(Genetical Recombination)
C2158H3282N562O681S12
約48,000
ヒト化マウス抗ヒト血管内皮増殖因子モノクローナル抗体のFab断片で、445個のアミノ酸残基からなるたん白質
外箱開封後は遮光して保存すること。
1キット
1) Juncal, V.R. et al.:Ophthalmology. 2020;127(2):278-280 [20220505]
2) 社内資料:国内臨床試験(2009年1月21日承認、CTD2.7.6-4.2.2) [20091037]
3) 社内資料:母集団薬物動態解析(1):脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症患者における母集団薬物動態解析(2009年1月21日承認、CTD2.7.2-3.1.7) [20090703]
4) 社内資料:母集団薬物動態解析(2):網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫患者における母集団薬物動態解析(2013年8月20日承認、CTD2.7.2-3.3.2) [20134007]
5) 社内資料:母集団薬物動態解析(3):糖尿病黄斑浮腫患者における母集団薬物動態解析(2014年2月21日承認、CTD2.7.2-3.3.2) [20140499]
6) 社内資料:外国第Ⅲ相比較試験(FVF2598g 12ヵ月)(2009年1月21日承認、CTD2.7.6-4.1.1) [20091040]
7) 社内資料:外国第Ⅲ相比較試験(FVF2598g 24ヵ月)(2009年1月21日承認、CTD2.7.6-4.1.2) [20091041]
8) Rosenfeld,P.J.et al.:N.Engl.J.Med.2006;355(14):1419-1431 [20081141]
9) 社内資料:外国第Ⅲ相比較試験(FVF2587g 12ヵ月)(2009年1月21日承認、CTD2.7.6-4.1.4) [20091038]
10) 社内資料:外国第Ⅲ相比較試験(FVF2587g 24ヵ月)(2009年1月21日承認、CTD2.7.6-4.1.5) [20091039]
11) Brown,D.M.et al.:N.Engl.J.Med.2006;355(14):1432-1444 [20081142]
12) Brown,D.M.et al.:Ophthalmology.2009;116(1):57-65 [20090067]
13) 社内資料:外国第Ⅲb相比較試験(FVF3192g)(2009年1月21日承認、CTD2.7.6-4.1.3) [20091042]
14) Regillo,C.D.et al.:Am.J.Ophthalmol.2008;145(2):239-248 [20081423]
15) 社内資料:外国第Ⅲ相比較試験(FVF4165g)(2013年8月20日承認、CTD2.7.6-4.1.2) [20134008]
16) Campochiaro,P.A.et al.:Ophthalmology.2010;117(6):1102-1112 [20103856]
17) Brown,D.M.et al.:Ophthalmology.2011;118(8):1594-1602 [20122293]
18) 社内資料:外国第Ⅲ相比較試験(FVF4166g)(2013年8月20日承認、CTD2.7.6-4.1.4) [20134009]
19) Brown,D.M.et al.:Ophthalmology.2010;117(6):1124-1133 [20103855]
20) Campochiaro,P.A.et al.:Ophthalmology.2011;118(10):2041-2049 [20122292]
21) 社内資料:国内第Ⅲ相臨床試験(E2301)(2013年8月20日承認、CTD2.7.6-4.2.1) [20134010]
22) 社内資料:国際共同第Ⅲ相比較試験(F2301)(2013年8月20日承認、CTD2.7.6-4.1.2) [20134011]
23) 社内資料:国際共同第Ⅲ相比較試験(D2303)(2014年2月21日承認、CTD2.7.6-4.1.3) [20140498]
24) Mitchell,P.et al.:Ophthalmology.2011;118(4):615-625 [20114318]
25) Lowe,J.et al.:Exp.Eye Res.2007;85(4):425-430 [20090066]
26) 社内資料:ヒトVEGFで誘発されるHUVECの組織因子発現に対する作用(2009年1月21日承認、CTD2.6.2-2.5) [20090704]
27) 社内資料:ヒト補体C1q及びFcγ受容体に対する非結合性(2009年1月21日承認、CTD2.6.2-2.3) [20090705]
28) Krzystolik,M.G.et al.:Arch.Ophthalmol.2002;120(3):338-346 [20083188]
29) Husain,D.et al.:Arch.Ophthalmol.2005;123(4):509-516 [20083189]
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〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1
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以下は無菌的操作により実施すること。
①シリンジ(図1)をブリスター包装から取り外す。
②シリンジキャップを折る。なお、回したりねじったりしないこと。(図2)
③シリンジキャップを取り外す。(図3)
④30ゲージの眼科用針をシリンジの先端(ルアーロック)にねじってしっかりと装着する。(図4)
⑤注意しながら30ゲージの眼科用針のキャップをはずす。(図5)
⑥注射針の先端を上に向けて持ち、シリンジ内の気泡の有無を確認する。気泡が認められた場合には、シリンジを指で軽くたたき気泡を上端まで移動させる。(図6)
⑦気泡と余剰薬液を排出し、注射液が0.05mLになるように、プランジャーストッパー先端のドーム部分の底面がシリンジに印字された標線(0.05mLに相当)に並ぶまでゆっくりとプランジャーロッドを押す。(図7)
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