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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤による治療を開始するに際し、視力等の予後を考慮し、本剤投与の要否を判断すること。
ブロルシズマブ(遺伝子組換え)として6mg(0.05mL)を4週ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、12週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。
ブロルシズマブ(遺伝子組換え)として6mg(0.05mL)を6週ごとに1回、通常、連続5回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後の維持期においては、通常、12週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。
,
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与中止後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤は、その抗VEGF作用から潜在的に催奇形性並びに胚・胎児毒性を有する可能性が否定できない。カニクイザルを用いた拡充型出生前及び出生後の発生に関する試験(3又は6mg/眼を妊娠20日から分娩まで4週間に1回、片眼に硝子体内投与)において、ブロルシズマブの胎児への移行は確認されず、妊娠及び分娩、胚胎児発生、出生児の出生、成長、出生後発達に影響は認められなかった1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明である。カニクイザルを用いた拡充型出生前及び出生後の発生に関する試験において、母動物の乳汁中にブロルシズマブは検出されなかった1)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
眼内炎(0.5%)、眼内炎症(ぶどう膜炎等)(2.8%)、網膜色素上皮裂孔(0.7%)、網膜剥離(0.2%)、網膜裂孔(0.6%)、網膜血管炎(0.1%)、網膜動脈閉塞(0.4%)、網膜血管閉塞(0.4%)があらわれることがある。本剤投与により眼内炎症があらわれた患者に対して再投与した場合に、眼内炎症が再発した症例が報告されている。網膜血管炎及び網膜血管閉塞の発現には本剤への免疫応答が関与していることが報告されており、網膜血管炎又は網膜血管閉塞があらわれた患者では、再発するおそれがあるため、本剤を再投与しないこと。これらの事象は眼内炎症(ぶどう膜炎、虹彩炎、硝子体炎、虹彩毛様体炎等)に併発することがあるため、眼内炎症があらわれた場合は、患者の状態を十分に観察すること。,,
脳卒中(0.1%未満)及び心筋虚血(頻度不明)があらわれることがある。,
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
**眼障害
結膜出血
眼痛、硝子体浮遊物、眼圧上昇、硝子体剥離
霧視、白内障、眼の異常感、虹彩炎、角膜擦過傷、前房の炎症、失明、結膜充血、流涙増加、網膜出血、視力低下、前房のフレア、硝子体炎、虹彩毛様体炎、点状角膜炎、硝子体出血、角膜浮腫、結膜炎、強膜炎
網膜色素上皮剥離
免疫系障害
-
過敏症(蕁麻疹、発疹、そう痒症、紅斑)
本剤の過量投与により、眼圧が上昇するおそれがある。
過量投与が起こった際には眼圧を測定し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
日本人及び外国人加齢黄斑変性患者に本剤6mgを単回硝子体内投与したとき、血清中VEGF非結合形ブロルシズマブ濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。また、本剤6mgを4週ごとに3回投与したとき、血清中VEGF非結合形ブロルシズマブ濃度の累積は認められなかった2)。
投与量
Cmax (ng/mL)
Tmax(hr)
AUCinf(hr・ng/mL)
T1/2(hr)
6mg (n=25)
49.0 (1.21)
21.7(5.05-73.0)
6000(1.22)*
103(52.5)*
Tmaxは中央値(範囲)、T1/2は調和平均値(標準偏差)、その他は幾何平均値(標準誤差)、*:n=24
ブロルシズマブはモノクローナル抗体フラグメントであり、ペプチド及びアミノ酸に分解されると考えられる3)。
ブロルシズマブは、VEGFへの結合により標的介在性の消失を示すとともに、腎排泄及び代謝により消失すると考えられる。
滲出型加齢黄斑変性患者720例(日本人113例を含む)を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤6mg又はアフリベルセプト2mgを導入期として4週毎に3回投与し、その後の維持期において、本剤投与群は12週毎、アフリベルセプト投与群は8週毎に96週間投与したが、本剤投与群は疾患活動性評価注1)に基づき投与間隔を8週毎に変更することが可能とされた。主要評価項目である投与48週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は、本剤投与群(360例)は6.6±0.71文字、アフリベルセプト投与群(360例)は6.8±0.71文字であった。本剤投与群とアフリベルセプト投与群の群間差の95%信頼区間は-2.1文字~1.8文字であり、95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された(p<0.0001、分散分析)。なお、本剤投与群では、56%の患者が48週目まで、45%の患者が96週目まで12週毎の投与を継続した。本剤投与群において5%以上の頻度でみられた眼局所の副作用は、結膜出血7.2%(26/360例)であった。また、眼内炎症(虹彩炎、ぶどう膜炎等)の日本人集団での発現頻度は11.7%(7/60例)、外国人集団での発現頻度は4.7%(14/300例)であった4),5),6)。
滲出型加齢黄斑変性患者739例を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤6mg又はアフリベルセプト2mgを導入期として4週毎に3回投与し、その後の維持期において、本剤投与群は12週毎、アフリベルセプト投与群は8週毎に96週間投与したが、本剤投与群は疾患活動性評価注1)に基づき投与間隔を8週毎に変更することが可能とされた。主要評価項目である投与48週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は、本剤投与群(370例)は6.9±0.61文字、アフリベルセプト投与群(369例)は7.6±0.61文字であった。本剤投与群とアフリベルセプト投与群の群間差の95%信頼区間は-2.4文字~1.0文字であり、95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された(p<0.0001、分散分析)。なお、本剤投与群では、51%の患者が48週目まで、39%の患者が96週目まで12週毎の投与を継続した。本剤投与群において5%以上の頻度でみられた眼局所の副作用はなかった4),5),7)。
注1)疾患活動性は、視力や中心サブフィールド厚、網膜の滲出液(網膜内/網膜下、網膜色素上皮下)を含む解剖学的所見の変化に基づき評価された。
糖尿病黄斑浮腫患者376例(日本人41例を含む)を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。導入期として本剤6mgを6週毎又はアフリベルセプト2mgを4週毎に5回投与し、その後の維持期において、本剤投与群は12週毎、アフリベルセプト投与群は8週毎に52週間投与したが、本剤投与群は疾患活動性評価注2)に基づき投与間隔を8週毎に変更することが可能とされた。主要評価項目である投与52週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は、本剤投与群(189例)は9.2±0.57文字、アフリベルセプト投与群(187例)は10.5±0.57文字であった。本剤投与群とアフリベルセプト投与群の群間差の95%信頼区間は-2.9文字~0.3文字であり、95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された(p<0.001、分散分析)。なお、本剤投与群では、55%の患者が52週目まで12週毎の投与を継続した。本剤投与群において5%以上の頻度でみられた眼局所の副作用は、結膜出血5.3%(10/189例)であった。また、眼内炎症(虹彩炎、ぶどう膜炎等)の日本人集団での発現頻度は5.3%(1/19例)、外国人集団での発現頻度は3.5%(6/170例)であった8)。
糖尿病黄斑浮腫患者360例を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。導入期として本剤6mgを6週毎又はアフリベルセプト2mgを4週毎に5回投与し、その後の維持期において、本剤投与群は12週毎、アフリベルセプト投与群は8週毎に52週間投与したが、本剤投与群は疾患活動性評価注2)に基づき投与間隔を8週毎に変更することが可能とされた。主要評価項目である投与52週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は、本剤投与群(179例)は10.6±0.66文字、アフリベルセプト投与群(181例)は9.4±0.66文字であった。本剤投与群とアフリベルセプト投与群の群間差の95%信頼区間は-0.6文字~3.1文字であり、95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された(p<0.001、分散分析)。なお、本剤投与群では、50%の患者が52週目まで12週毎の投与を継続した。本剤投与群において5%以上の頻度でみられた眼局所の副作用はなかった9)。
注2)疾患活動性は、視力や中心サブフィールド厚、網膜の滲出液(網膜内/網膜下)を含む解剖学的所見の変化に基づき評価された。
ブロルシズマブ(遺伝子組換え)は、分子量が約26kDaのヒト化一本鎖抗体フラグメントで、眼の病的血管新生や血管漏出に重要な役割を果たすVEGF-Aを阻害することで、滲出型加齢黄斑変性及び糖尿病黄斑浮腫に対して治療効果を発揮する。
ブロルシズマブ(遺伝子組換え)は、VEGF-Aのアイソフォーム(VEGF110、VEGF121及びVEGF165)に対して高い結合親和性を示し、VEGF-AとVEGF受容体(VEGFR1及びVEGFR2)の結合を阻害した10),11)。ブロルシズマブ(遺伝子組換え)は、VEGF-Aによって誘発された血管内皮細胞の増殖を抑制した12)(in vitro)。
ブロルシズマブ(遺伝子組換え)は、ラット酸素誘発網膜症モデル及びマウスレーザー誘発脈絡膜血管新生モデルにおいて、病的血管新生の形成を阻害した13),14)。また、ラットVEGF 誘発網膜血管透過性亢進モデルにおいて、血管透過性の亢進を抑制した15)(in vivo)。
ブロルシズマブ(遺伝子組換え)Brolucizumab(Genetical Recombination)
ブロルシズマブは、遺伝子組換え一本鎖抗体(scFv)であり、2-111番目はヒト化抗ヒト血管内皮増殖因子(VEGF)モノクローナル抗体のL鎖の可変領域、133-252番目はヒト化抗ヒトVEGFモノクローナル抗体のH鎖の可変領域からなる。ブロルシズマブは、252個のアミノ酸残基からなるタンパク質である。
遮光のため外箱のまま保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1キット
1) 社内資料:カニクイザルを用いた拡充型出生前及び出生後の発生に関する試験(2020年3月25日承認、CTD2.6.6-6.1)[20200025]
2) 社内資料:国際共同第Ⅱ相試験(E003試験)(2020年3月25日承認、CTD2.7.6-2.3.1)[20200020]
3) 社内資料:全試験を通しての結果の比較と解析:薬物動態(2020年3月25日承認、CTD2.7.2.-3.1)[20200026]
4) 社内資料:有効性に関する概括評価(2020年3月25日承認、CTD2.5-4.3.3)[20200027]
5) 社内資料:全有効性試験結果の比較検討(2020年3月25日承認、CTD2.7.3-3.2)[20200028]
6) 社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(C001試験)(2020年3月25日承認、CTD2.7.6-4.1.1)[20200011]
7) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(C002試験)(2020年3月25日承認、CTD2.7.6-4.1.2)[20200012]
8) 社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(B2301試験)(2022年6月20日承認、CTD2.7.6-4.1.1)[20220094]
9) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(B2302試験)(2022年6月20日承認、CTD2.7.6-4.1.2)[20220095]
10) 社内資料:VEGF に対する結合親和性(2020年3月25日承認、CTD2.6.2-2.1.1)[20200014]
11) 社内資料:VEGFR1 及びVEGFR2 に対するVEGF 結合阻害作用(2020年3月25日承認、CTD2.6.2-2.1.1)[20200016]
12) 社内資料:VEGF誘発性の血管内皮細胞増殖に対する阻害作用(2020年3月25日承認、CTD2.6.2-2.1.2)[20200017]
13) 社内資料:ラット酸素誘発網膜症モデルにおける網膜血管新生抑制作用(2020年3月25日承認、CTD2.6.2-2.2)[20200019]
14) 社内資料:マウスレーザー誘発脈絡膜血管新生モデルにおける血管新生抑制作用(2020年3月25日承認、CTD2.6.2-2.2)[20200021]
15) 社内資料:ラットVEGF 誘発網膜血管透過性亢進モデルにおける血管透過性亢進抑制作用(2020年3月25日承認、CTD2.6.2-2.2)[20200018]
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