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処方箋医薬品注)
次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分な場合:緑内障、高眼圧症
単剤での治療を優先すること。
1回1滴、1日2回点眼する。
肺高血圧症による右心不全の症状を増悪させるおそれがある。
うっ血性心不全の症状を増悪させるおそれがある。
アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。
血糖値に注意すること。低血糖症状をマスクすることがある。
安全性は確立していない。角膜内皮細胞数の減少により角膜浮腫の発現が増加する可能性がある。
本剤を用いる場合には、薬物治療以外に手術療法などを考慮すること。
投与しないこと。ブリンゾラミド及びその代謝物は、主に腎より排泄されるため、排泄遅延により副作用があらわれるおそれがある。
肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ブリンゾラミドでは、動物実験で胎盤を通過することが報告されている。また、チモロールマレイン酸塩では、動物実験で器官形成期のラットに500mg/kg/日を経口投与した場合に化骨遅延、マウスに1,000mg/kg/日又はウサギに200mg/kg/日を経口投与した場合に死亡胎児数の増加が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ブリンゾラミドでは、動物実験で乳汁中に移行することが報告されている。チモロールマレイン酸塩では、ヒト母乳中へ移行することがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に生理機能が低下している。
アドレナリンジピベフリン塩酸塩
散瞳作用が助長されたとの報告がある。
機序不明
カテコールアミン枯渇剤
交感神経系に対し、過剰の抑制を来すことがあり、低血圧、徐脈を生じ、眩暈、失神、起立性低血圧を起こすことがある。
β-遮断作用を相加的に増強する可能性がある。
β-遮断剤(全身投与)
プロプラノロール塩酸塩
メトプロロール
眼圧下降あるいはβ-遮断剤の全身的な作用が増強されることがある。
作用が相加的にあらわれることがある。
カルシウム拮抗剤
ジルチアゼム塩酸塩
房室伝導障害、左室不全、低血圧を起こすおそれがある。
相互に作用が増強される。
ジギタリス製剤
ジギトキシン
心刺激伝導障害(徐脈、房室ブロック等)があらわれるおそれがあるので、心機能に注意する。
相加的に作用(心刺激伝導抑制作用)を増強させる。
CYP2D6阻害作用を有する薬剤
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
β-遮断作用(例えば心拍数減少、徐脈)の増強が報告されている。
チモロールの代謝酵素であるP450(CYP2D6)を阻害し、チモロールの血中濃度が上昇する可能性がある。
炭酸脱水酵素阻害剤(全身投与)
炭酸脱水酵素阻害剤の全身的な作用に対して相加的な作用を示す可能性があるので、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
作用が相加的にあらわれる可能性がある。
アスピリン(大量投与)
本剤を大量のアスピリンと併用すると、双方又は一方の薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
炭酸脱水酵素阻害剤の血漿蛋白結合と腎からの排泄を抑制し、炭酸脱水酵素阻害剤は血液のpHを低下させ、サリチル酸の血漿から組織への移行を高める可能性がある。
*オミデネパグ イソプロピル
チモロールマレイン酸塩との併用例で結膜充血等の眼炎症性副作用の発現頻度の上昇が認められた。
結膜充血、角膜上皮障害、乾性角結膜炎、結膜萎縮、睫毛内反、眼瞼眼球癒着等が発現することがある。
β-受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により、気管支痙攣、呼吸困難、呼吸不全があらわれることがある。
β-受容体遮断による陰性変時・変力作用により、心ブロック、うっ血性心不全、心停止があらわれることがある。,,
1~5%未満
0.1~1%未満
頻度不明
眼
眼刺激、点状角膜炎
霧視、角膜炎、結膜充血、眼痛、眼乾燥、眼そう痒症、羞明
眼の異物感、視力低下、視力障害、角膜びらん、角膜上皮障害、眼瞼炎(アレルギー性眼瞼炎を含む)、眼瞼下垂、眼脂、角膜知覚低下、眼底黄斑部の浮腫・混濁注1)、複視、結膜炎(アレルギー性結膜炎を含む)、結膜浮腫、眼瞼浮腫、眼の不快感、疲れ目、眼瞼辺縁痂皮、眼のべとつき感、流涙、前房のフレア、眼充血、強膜充血、眼瞼紅斑、角膜浮腫
循環器
―
動悸、徐脈等の不整脈、低血圧、失神、浮腫、レイノー現象、四肢冷感、血圧低下、血圧上昇
精神神経系
頭痛、めまい、不眠症、うつ病、重症筋無力症の増悪、悪夢、感覚異常
消化器
悪心、口渇、下痢、消化不良、口内乾燥、上腹部痛、腹痛
皮膚
発疹、脱毛症、皮膚炎、蕁麻疹、紅斑
その他
味覚異常
異常感、頭位性回転性めまい、咳嗽、けん怠感、血中乳酸脱水素酵素増加、血中カリウム増加、白血球数減少
不快、胸部圧迫感、脱力感、耳鳴、鼻炎、胸痛、呼吸困難、咽頭炎、緊張亢進、腎疼痛、疲労、過敏症、筋肉痛、鼻出血、感覚鈍麻、赤血球数の減少
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
日本人患者にチモロール0.5%点眼液を1日2回4週間点眼した後、本剤又はチモロール0.5%点眼液を1回1滴、1日2回8週間点眼したとき、点眼8週間後の血漿中チモロール濃度は本剤群(14例)で点眼前0.317ng/mL、点眼45分後1.23ng/mL、チモロール0.5%点眼液群(15例)で点眼前0.212ng/mL、点眼45分後1.03ng/mLであった4)。
日本人患者(33例)に本剤を1回1滴、1日2回52週間点眼したとき、点眼52週間後の赤血球中ブリンゾラミド濃度(点眼前)は23.3μmol/Lであった。また、点眼52週間後に主代謝物であるN-デスエチルブリンゾラミド(点眼前)が33例中32例に検出され、その赤血球中濃度は3.20μmol/Lであった5)。
血漿中チモロール:外国人健康被験者に本剤又はチモロール0.5%点眼液を1回1滴、1日2回13週間点眼したとき、点眼13週間後のCmaxは本剤群(23例)で0.824ng/mL、チモロール0.5%点眼液群(26例)で1.13ng/mLであった6)。また、点眼13週間後のTmaxは本剤群(23例)で0.79時間、チモロール0.5%点眼液群(26例)で1.11時間であった6)。
赤血球中ブリンゾラミド:外国人健康被験者にブリンゾラミド1mgを2週間経口投与した後、本剤又はブリンゾラミド1%点眼液を1回1滴、1日2回13週間点眼したとき、点眼13週間後のブリンゾラミド濃度(点眼前)は本剤群(23例)で18.4μmol/L、ブリンゾラミド1%点眼液群(26例)で17.2μmol/Lであった。また、赤血球中N-デスエチルブリンゾラミド濃度(点眼前)は本剤群(23例)で1.57μmol/L、ブリンゾラミド1%点眼液群(26例)で1.63μmol/Lであった6)。
緑内障(原発開放隅角緑内障、落屑緑内障)又は高眼圧症患者301例を対象とした第Ⅲ相二重遮蔽比較試験において、観察期にチモロール0.5%点眼液を1日2回4週間点眼した後、治療期に本剤(1日2回)又は対照薬(チモロール0.5%点眼液1日2回)を8週間点眼したとき、主要評価項目である8週11時(点眼2時間後)の本剤群の眼圧変化量は対照薬群よりも有意に大きく(最小二乗平均の群間差:-1.7mmHg、p<0.0001、対応のないt検定)、本剤のチモロール0.5%点眼液に対する眼圧下降効果の優越性が検証された7)(ベースライン眼圧値を共変量とした反復測定共分散分析)。
眼圧値(mmHg)
本剤群(n=150)
チモロール群(n=151)
ベースラインの眼圧値a)
20.7±2.5
20.7±2.7
最終評価時の眼圧値a)
17.5±3.3
19.2±3.3
眼圧変化量の最小二乗平均b)[95%信頼区間]
-3.2[-3.6, -2.8]
-1.5[-1.9, -1.1]
群間差(本剤群-チモロール群)b)[95%信頼区間]
-1.7[-2.2, -1.2]
a)平均値±標準偏差
b)ベースライン眼圧値を共変量とした反復測定共分散分析
副作用発現頻度は、本剤群で8.7%(13/150例)であった。主な副作用は、本剤群で眼刺激4.7%(7/150例)、霧視及び結膜充血が各1.3%(2/150例)であった。
緑内障(原発開放隅角緑内障、落屑緑内障、色素緑内障)又は高眼圧症患者309例を対象とした第Ⅲ相二重遮蔽比較試験において、観察期にチモロール0.5%点眼液を1日2回4週間点眼した後、治療期に本剤(1日2回)又は対照薬(ブリンゾラミド1%点眼液1日2回とチモロール0.5%点眼液1日2回の併用療法)を8週間点眼したとき、主要評価項目である8週11時(点眼2時間後)における眼圧変化量の投与群間差(本剤群-対照薬群)の97.5%片側信頼区間の上限は0.4mmHgで、非劣性の限界値である+1.1mmHgを下回り、本剤の併用療法に対する眼圧下降効果の非劣性が検証された8)(ベースライン眼圧値を共変量とした反復測定共分散分析)。
本剤群(n=155)
併用療法群(n=154)
20.8±2.6
17.5±3.0
17.6±3.2
-3.4[-3.8, -3.1]
-3.3[-3.7, -2.9]
群間差(本剤群-併用療法群)b)[95%信頼区間]
-0.1[-0.7, 0.4]
副作用発現頻度は、本剤群で3.2%(5/157例)であった。本剤群で認められた副作用はすべて発現頻度が1%未満であった。
緑内障(原発開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障、落屑緑内障)又は高眼圧症患者125例を対象とした第Ⅲ相オープンラベル試験において、前治療薬の休薬の後、本剤を1日2回52週間点眼したとき、4週から52週までの各観察時点における眼圧変化量は-5.7mmHg~-4.1mmHgであり、12ヵ月間を通してベースラインからの眼圧下降を示した9)(p<0.0001、対応のあるt検定)(反復測定分散分析)。
副作用発現頻度は22.4%(28/125例)であった。主な副作用は、点状角膜炎9.6%(12/125例)、眼刺激5.6%(7/125例)、角膜炎及び味覚異常が各3.2%(4/125例)であった。
炭酸脱水酵素(CA)は多くの全身組織に存在し、CO2の加水反応及び炭酸の脱水という可逆性の反応を触媒する。ヒトの眼には複数の炭酸脱水酵素アイソザイムが存在するが、ブリンゾラミドは最も活性の高いCA-Ⅱを選択的に阻害する。ブリンゾラミドは眼の毛様体中のCA-Ⅱを阻害し、HCO3-の生成速度を低下させ、それに伴い、Na+及び水の後房への輸送を抑えることにより房水の分泌を抑制し、その結果眼圧を下げると考えられている10),11),12),13)。
サルにおけるチモロールマレイン酸塩の眼圧下降作用は主に房水産生の抑制によることが示唆されている14)。
レーザー線維柱帯形成術によって高眼圧症を誘発された12匹のカニクイザルにおいて、ブリンゾラミド1%懸濁液を1日2回点眼したところ、投与1、3、6及び12時間後の眼圧は24.7%、35.8%、26.5%及び23.5%下降した15)。
本剤はⅡ型炭酸脱水酵素(CA-Ⅱ)に親和性が高く、Ⅰ型炭酸脱水酵素に比べ約95倍の結合能を示した16)。
ウサギにおけるα-キモトリプシン惹起高眼圧及び水負荷による眼圧上昇試験において、チモロールマレイン酸塩の点眼は有意に眼圧上昇を抑制することが認められている17)。
ラット、イヌ、ネコにおいてイソプロテレノール(イソプレナリン)による心拍数、心筋収縮力及び心拍出量の増加はチモロールマレイン酸塩の静注、経口投与により著明に抑制され、その効果はプロプラノロールより3倍及び10倍強い18)。
ブリンゾラミド(Brinzolamide)
(R)-4-(ethylamino)-3,4-dihydro-2-(3-methoxypropyl)-2H-thieno[3,2,e]-1,2-thiazine-6-sulfonamide 1,1-dioxide
C12H21N3O5S3
383.51
白色~微黄白色の結晶又は粉末で、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
約131℃
チモロールマレイン酸塩(Timolol Maleate)
(2S)-1-[(1,1-Dimethylethyl)amino]-3-(4-morpholin-4-yl-1, 2, 5-thiadiazol-3-yloxy)propan-2-ol monomaleate
C13H24N4O3S・C4H4O4
432.49
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けやすい。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
約197℃(分解)
外箱開封後は遮光して保存すること。
5mL×10本
1) 社内資料:ブリンゾラミドの代謝に関与するチトクロームP-450分子種の同定(2013年9月20日承認、CTD2.6.4.1)[20170354]
2) Volotinen M, et al.:Drug Metab. Dispos.2007;35(7):1135-1141[20160995]
3) Christensen MT, et al.:CLAO J. 1998;24(4):227-231[20161037]
4) 社内資料:日本人患者を対象とした臨床薬物動態試験(チモロール)(2013年9月20日承認、CTD2.7.2.2(1))[20170351]
5) 社内資料:日本人患者を対象とした臨床薬物動態試験(ブリンゾラミド)(2013年9月20日承認、CTD2.7.2.2(2))[20170352]
6) 社内資料:外国人健康被験者を対象とした臨床薬物動態試験(ブリンゾラミド及びチモロール)(2013年9月20日承認、CTD2.7.2.3)[20170350]
7) 社内資料:第Ⅲ相優越性試験(国内)(2013年9月20日承認、CTD2.7.6.1)[20170344]
8) 社内資料:第Ⅲ相非劣性試験(国内)(2013年9月20日承認、CTD2.7.6.2)[20170345]
9) 社内資料:第Ⅲ相長期投与試験(国内)(2013年9月20日承認、CTD2.7.6.3)[20170346]
10) 中島正之:あたらしい眼科.1993;10(6):959-964[20160991]
11) Millar C, et al.:Duane’s Foundations of Clinical Ophthalmology/Tasman W, et al ed/Lippincott-Raven.1995;Vol.2, Chap.6:1-51[20160992]
12) Maren TH:J. Exp. Zool.1997;279(5):490-497[20160993]
13) 佐藤清二:小児科診療.1991;54(7):1513-1520[20160994]
14) Miichi H, et al.:Invest. Ophthalmol. Vis. Sci.1983;24(9):1269-1275[20160987]
15) 社内資料:高眼圧サルにおける眼圧下降作用(2013年9月20日承認、CTD2.4.2.1)[20170347]
16) 社内資料:ヒトⅠ型及びⅡ型炭酸脱水酵素に対する結合能(2013年9月20日承認、CTD2.4.2.1)[20170348]
17) Vareilles P, et al.:Invest. Ophthalmol. Vis. Sci.1977;16(11):987-996[20160985]
18) Hall RA, et al.:Arch. Int. Pharmacodyn.1975;213(2):251-263[20160986]
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