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処方箋医薬品注)
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
通常、成人には1回1カプセル(グリコピロニウムとして50μg)を1日1回本剤専用の吸入用器具を用いて吸入する。
心不全、心房細動、期外収縮が発現又は悪化するおそれがある。
排尿障害が発現するおそれがある。
治療上の有益性と危険性を勘案して慎重に投与し、副作用の発現に注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス、ウサギ、イヌ)で、胎盤通過性が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
臨床試験において75歳以上の高齢者では、尿路感染、頭痛の発現率がプラセボ群1.5%、0%に比べて本剤投与群で高く、3.0%、2.3%であった。一方、65歳以上75歳未満の高齢者では、それぞれプラセボ群2.1%、3.6%に対し、本剤投与群では2.3%、3.6%と同様であった。
1%以上
1%未満
頻度不明
感染症
―
鼻炎、膀胱炎、鼻咽頭炎
代謝及び栄養障害
高血糖、糖尿病
精神障害
不眠症
神経系障害
感覚鈍麻
心臓障害
動悸
呼吸器障害
発声障害
副鼻腔うっ血、湿性咳嗽、咽喉刺激感、鼻出血、気管支痙攣
胃腸障害
口内乾燥
胃腸炎、消化不良、齲歯、嘔吐
過敏症
発疹
血管浮腫、そう痒症
筋骨格系障害
四肢痛、筋骨格系胸痛、筋骨格痛、頚部痛
腎及び尿路障害
排尿困難
尿閉
全身障害
疲労、無力症
本剤は吸入用カプセルであり、必ず専用の吸入用器具(ブリーズヘラー®)を用いて吸入し、内服しないこと。
本剤と他の抗コリン作動性気管支拡張剤との併用に関する臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確立していないことから、併用は推奨されない。
日本人健康成人にグリコピロニウム50~200μg注3) を単回吸入投与したとき、血漿中濃度は5分で最高値に達した1)。
用量(μg)
n
Tmax(h)
Cmax(pg/mL)
AUC(pg・h/mL)
尿中排泄量(%dose)
腎クリアランス(L/h)
50
18注2)
0.08(0.08~0.08)
181±95.6
257±154
15.5±5.23
-
100
18
0.08(0.02~0.15)
328±142
578±219
13.0±4.28
23.5±4.89
200
0.08(0.08~0.17)
801±359
1,270±357
13.2±3.26
21.4±4.47
Tmaxは中央値(最小値~最大値)を、それ以外は平均値±標準偏差を示す
外国人慢性閉塞性肺疾患患者にグリコピロニウム25~200μg注3) を反復吸入投与したとき、投与開始6日後に血漿中暴露量が定常状態に到達した。定常状態時における血漿中暴露量は50~200μgの用量範囲でほぼ用量に比例して増加した。定常状態時の血漿中暴露量は単回投与時の1.4~1.7倍であった2) (外国人のデータ)。
吸入投与時の絶対的バイオアベイラビリティは約40%であり、血漿中暴露量に対する肺吸収及び消化管吸収の寄与はそれぞれ約90%及び約10%であった。経口投与時注3) の絶対的バイオアベイラビリティは約5%であった3)(外国人のデータ)。
In vitro試験において、グリコピロニウムのヒト血漿中蛋白結合率は1~10ng/mLの濃度範囲で38%~41%であった4)。静脈内投与時注3)の定常状態時及び消失相での分布容積はそれぞれ83L及び376Lであった3)(外国人のデータ)。
In vitro試験において、グリコピロニウムの主な代謝物は、水酸化による一水酸化体、二水酸化体、並びに加水分解で生じたカルボン酸誘導体であった。酸化的代謝には複数のCYP分子種の関与が考えられた5),6),7),8)。吸入投与時のカルボン酸誘導体の血漿中暴露量は未変化体と同程度であった3)。外国人慢性閉塞性肺疾患患者にグリコピロニウムを吸入投与したとき、抱合代謝物は尿中に投与量の約3%排泄された2)(外国人のデータ)。
日本人健康成人にグリコピロニウムを吸入投与したときの未変化体の尿中排泄量は、投与量の13.0%~15.5%であった。また、腎クリアランスは21.4~23.5L/hであり、尿細管分泌の関与が考えられた1)。腎クリアランス及び腎外クリアランスは、それぞれ全身クリアランスの60%~70%及び30%~40%であった3),9) 。吸入投与時の消失半減期は33~57時間であった3),10) (外国人のデータ)。
腎機能障害患者にグリコピロニウムを吸入投与したとき、軽度又は中等度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2以上)及び重度(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)又は透析を必要とする末期腎不全患者のAUCは、それぞれ健康成人の1.0~1.4倍及び2.1~2.2倍であった9)(外国人のデータ)。
グリコピロニウムはヒト肝ミクロソームCYP分子種(CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2E1)活性を200μMの濃度範囲まで阻害しなかった。CYP2D6及びCYP3A4/5(ミダゾラム水酸化)に対しては阻害作用を示し、IC50はそれぞれ100μM及び230μMであった11),12)。トランスポーターを強制発現させたMDCKII細胞を用いた検討で、グリコピロニウムはMRP2、MDR1及びBCRP(MXR)を300μMの濃度範囲まで、OATP1B1、OATP1B3、OAT1並びにOAT3を200μMの濃度範囲まで阻害しなかった13),14),15) 。OCT1及びOCT2に対しては阻害作用を示し、IC50はそれぞれ47μM及び17μMであった16)。ヒト初代培養肝細胞を用いた検討では、グリコピロニウムはCYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、3A4のmRNA及び酵素活性を、また、CYP1A1、3A5、UGT1A1、MDR1及びMRP2のmRNAを50nMの濃度範囲まで誘導しなかった17)。健康成人にシメチジン800mg(経口投与)とグリコピロニウム100μg注3) (吸入投与)を併用したとき、グリコピロニウムのAUCは22%増加し、腎クリアランスは23%低下した10) (外国人のデータ)。
慢性閉塞性肺疾患患者822例(日本人96例)を対象とした第III相無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験で、552例(日本人64例)に本剤50μgを1日1回吸入投与した。投与12週後のトラフFEV1(投与23時間15分後及び23時間45分後のFEV1の平均値)は次表のとおりであり、プラセボとの対比較において、統計学的に有意な差が示され、日本人部分集団でも同様であった。また、本剤投与により、プラセボに対し、生活の質(QOL)[St. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)]、呼吸困難[Baseline dyspnea index/Transition dyspnea index(BDI/TDI)]が有意に改善し、レスキュー薬の平均1日使用回数が有意に減少し、最初のCOPD増悪発現までの期間が有意に延長した18)。
ベースライン
投与12週後
最小二乗平均注4)
群間差[95%信頼区間]注4)
全体集団
本剤群
1.313±0.4570(534)
1.428±0.4752(514)
1.408(512)
0.108[0.0785~0.1368]p<0.001
プラセボ群
1.261±0.4567(259)
1.270±0.4779(243)
1.301(243)
日本人集団
1.253±0.3965(64)
1.365±0.4751(64)
1.404(64)
0.108[0.0158~0.2011]
1.325±0.4565(32)
1.384±0.5509(30)
1.296(30)
平均値±標準偏差(例数)
副作用発現頻度は、本剤投与群で6.2%(34/550例、日本人64例を含む)であった。主な副作用は、口内乾燥0.7%(4例)等であった18)。
慢性閉塞性肺疾患患者163例を対象とした無作為化非盲検並行群間比較の1年間の長期投与試験で、123例に本剤50μgを1日1回吸入投与した。本剤50μg群で肺機能検査値(投与前FEV1)は上昇し、52週時までその効果は維持された。副作用発現頻度は、本剤投与群で11.4%(14/123例)であった。主な副作用は、口内乾燥、排尿困難 各1.6%(2例)等であった19)。
グリコピロニウムは、長時間作用性のムスカリン受容体拮抗薬であり、すべてのムスカリン受容体M1~M5受容体に対して高い親和性を示す。チオトロピウムと比較した場合、M2受容体に比べてM3受容体に対してやや高い選択性を有する20)。
グリコピロニウムは、ムスカリン受容体刺激によって誘発されたモルモット及びヒトの摘出気管収縮に対して抑制作用を示した21)。
グリコピロニウムは、ラット及びアカゲザルにおけるメサコリン誘発気道収縮を顕著に抑制し、その作用持続時間は、チオトロピウムとほぼ同程度であった22),23)。
慢性閉塞性肺疾患患者に本剤50μgを吸入投与した時、初回投与後5分で、FEV1はプラセボに対し有意に上昇した18)(日本人及び外国人のデータ)。
グリコピロニウム臭化物(Glycopyrronium Bromide)
(3RS)-3[-(2SR)(-2-Cyclopentyl-2-hydroxy-2-phenylacetyl)oxy]-1, 1-dimethylpyrrolidinium bromide
C19H28BrNO3
398.33
白色の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。
**14カプセル[7カプセル×2シート、ブリーズヘラー® 1個]28カプセル[7カプセル×4シート、ブリーズヘラー® 1個]
1) 社内資料:日本人及び白人健康成人を対象とした単回投与試験(2012年9月28日承認、CTD2.7.2-2.1.1)[20124339]
2) 社内資料:外国人慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした反復投与試験(2012年9月28日承認、CTD2.7.2-2.2.1)[20124345]
3) 社内資料:吸入投与時のバイオアベイラビリティの評価(2012年9月28日承認、CTD2.7.6-1.1.1)[20124340]
4) 社内資料:血球移行性及び血漿中蛋白結合率(2012年9月28日承認、CTD2.6.4-4.1)[20124349]
5) 社内資料:肝細胞、肝ミクロソーム及び肺ミクロソームでの代謝(2012年9月28日承認、CTD2.6.4-5)[20124350]
6) 社内資料:肝細胞での代謝(2012年9月28日承認、CTD2.6.4-5)[20124436]
7) 社内資料:小腸ミクロソーム及び小腸S9画分での代謝(2012年9月28日承認、CTD2.6.4-5)[20124437]
8) 社内資料:代謝に関わるCYP分子種の同定(2012年9月28日承認、CTD2.6.4-5)[20124351]
9) 社内資料:腎機能低下が薬物動態に及ぼす影響(2012年9月28日承認、CTD2.7.2-2.1.2)[20124342]
10) Dumitras S., et al.:Int J Clin Pharmacol Ther. 2013;51(10):771-779[20143374]
11) 社内資料:CYP各分子種に対する阻害作用(2012年9月28日承認、CTD2.6.4-7.1)[20124438]
12) 社内資料:CYP2B6に対する阻害作用(2012年9月28日承認、CTD2.7.2-3.3.1)[20124354]
13) 社内資料:MDR1、MRP2及びBCRPに対する阻害作用(2012年9月28日承認、CTD2.6.4-7.1)[20124353]
14) 社内資料:OATP1B1及びOATP1B3に対する阻害作用[20143488]
15) 社内資料:OAT1及びOAT3に対する阻害作用[20143489]
16) 社内資料:OCT1及びOCT2に対する阻害作用(2012年9月28日承認、CTD2.6.4-7.1)[20124355]
17) 社内資料:代謝酵素及びトランスポーターに対する誘導作用(2012年9月28日承認、CTD2.6.4-7.1)[20124352]
18) 社内資料:慢性閉塞性肺疾患患者(日本人を含む)を対象とした国際共同第III相臨床試験(2012年9月28日承認、CTD2.7.6-4.1.2)[20124343]
19) 社内資料:日本人慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした長期投与試験(2012年9月28日承認、CTD2.7.6-4.1.3)[20124344]
20) 社内資料:in vitroにおけるムスカリン受容体に対する親和性試験(2012年9月28日承認、CTD2.6.2-2.1)[20124346]
21) Villetti G., et al.:Br. J. Pharmacol. 2006;148(3):291-298[20124439]
22) 社内資料:ラットにおけるメサコリン誘発in vivo気管支収縮モデルを用いた気管支収縮抑制効果の検討(2012年9月28日承認、CTD2.6.2-2.3.1.1)[20124347]
23) 社内資料:アカゲザルにおけるメサコリン誘発in vivo気道収縮モデルを用いた気道収縮抑制効果の検討(2012年9月28日承認、CTD2.6.2-2.3.1.3)[20124348]
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