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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、成人にはオクトレオチドとして20mgを4週毎に3ヵ月間、殿部筋肉内に注射する。その後は症状により10mg、20mg又は30mgを4週毎に投与する。ただし、初回投与後2週間は薬物濃度が十分な濃度に達しないことから、本剤投与前に投与していた同一用量のオクトレオチド酢酸塩注射液を併用する。
通常、成人にはオクトレオチドとして30mgを4週毎に、殿部筋肉内に注射する。なお、患者の状態により適宜減量すること。
通常、成人にはオクトレオチドとして20mgを4週毎に3ヵ月間、殿部筋肉内に注射する。その後は病態に応じて10mg、20mg又は30mgを4週毎に投与するが、30mg投与で効果が不十分な場合に限り40mgまで増量できる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
シクロスポリン
シクロスポリンの血中濃度が低下することがある。
本剤がシクロスポリンの吸収を阻害するため。
インスリン製剤
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は、血糖値その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること。
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。
ブロモクリプチン
ブロモクリプチンのAUCが上昇したとの報告がある。
機序は不明である。
血圧低下、呼吸困難、気管支痙攣等のアナフィラキシーがあらわれることがある。皮疹、そう痒、蕁麻疹、発疹を伴う末梢性の浮腫等があらわれた場合には適切な処置を行うこと。また、その後の投与は行わないこと。
重篤な徐脈を起こすことがある。β-遮断剤、カルシウム拮抗剤等の徐脈作用を有する薬剤又は水分や電解質を補正する薬剤を投与している患者において、徐脈が認められた場合、これらの用量を調節すること。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
─
発疹、そう痒
発赤
内分泌障害
甲状腺機能障害(甲状腺刺激ホルモン(TSH)減少、総サイロキシン(T4)減少及び遊離T4減少等)
甲状腺機能低下症
代謝及び栄養障害
高血糖注5)
低血糖注5)、ALP上昇
耐糖能異常注5)、脱水
神経系障害
頭痛
めまい
呼吸器障害
呼吸困難
胃腸障害
下痢、便秘、腹部膨満
白色便、食欲不振、嘔気、鼓腸放屁
膵炎、胃部不快感、腹痛、嘔吐
肝胆道系障害
胆石症注6)
肝機能異常、胆管拡張、ALT上昇、γ-GTP上昇
ビリルビン上昇、AST上昇、胆嚢炎
皮膚及び皮下組織障害
脱毛
腎及び尿路障害
腎嚢胞
全身障害
疲労感
けん怠感
注射部位
疼痛
硬結、腫脹
先端巨大症・下垂体性巨人症外国人の先端巨大症患者にサンドスタチンLAR10mg、20mg及び30mgを単回筋肉内投与した時の血清中オクトレオチド濃度は、投与後25~34日にCmaxに到達し、Cmaxの80%濃度を超える期間(Dur>80%Cmax)は17~19日間であった。Cmax及び投与後60日までの血清中濃度-時間曲線下面積(AUC0-60day)はほぼ投与量に比例して増加した。また、日本人の先端巨大症・下垂体性巨人症患者にサンドスタチンLAR20mg及び30mgを単回筋肉内投与した時の薬物動態パラメータ(下表)の比較から、日本人と外国人の薬物動態に大きな差は認められなかった1),2) 。
薬物動態パラメータ
サンドスタチンLAR
10mg
20mg
30mg
外国人n=11
外国人n=33
日本人n=9
外国人n=23
日本人n=8
Tmax(day)
25±15
26±13
33.3±10.4
34±17
20.1±10.9
Cmax(pg/mL)
447±219
1,158±628
1,033±630
2,138±1,572
1,973±1,301
AUC※1(ng・h/mL)
307±97
877±394
767±435
1,549±686
1,419±836
Dur>80%Cmax(day)
17.9±11.2
17.3±10.2
15.6±7.7※2
19.2±8.9
12.7±10.6
※1:外国人ではAUC0-60day、日本人ではAUC0-56day、※2:n=8
処方の異なる専用分散液を用いた生物学的同等性試験サンドスタチンLAR30mgを本キットに添付されている専用分散液(シリンジ)を用いて調製した群を試験製剤群とし、サンドスタチンLAR筋注用の専用分散液(アンプル)と同処方の海外専用分散液注7)を用いて調製した群を標準製剤群として、生物学的同等性試験を実施した。その結果、両分散液を用いて懸濁した製剤は生物学的に同等であることが確認された3) 。注7):国内既承認品目のサンドスタチンLAR筋注用に添付されている専用分散液(アンプル)と添加物の配合比率は同一であるが、液量が異なる専用分散液(海外既承認品目のサンドスタチンLAR筋注用に添付されている専用分散液)(液量:国内2mL、海外2.5mL)
全身循環血液中に移行したオクトレオチドは、サンドスタチン皮下注用静脈内投与時の薬物動態特性に従う。外国人の健康成人にサンドスタチン皮下注用を単回静脈内投与した場合、分布容積は約0.27L/kgであった5) 。血漿蛋白結合率は約65%で、血球にはほとんど結合しない6) 。
外国人の健康成人にサンドスタチン皮下注用を単回静脈内投与した場合、全身クリアランス は160mL/分であった5) 。外国人の健康成人にサンドスタチン皮下注用50μgを単回皮下投与した場合、投与後8時間までの未変化体の累積尿中排泄率は約32%であった7) 。胆管挿管ラットへの静脈内及び皮下投与では、約20%が尿中に、約75%が胆汁中に主に未変化体として排泄される8) 。
サンドスタチン皮下注用の投与により有効性及び忍容性が確認されている先端巨大症・下垂体性巨人症患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相試験(非盲検、用量漸増、用量対照、皮下注射製剤対照、群間比較試験)において、本剤10~30mgを7回反復投与した。下表に示すとおり、血清成長ホルモン(以下GH)濃度はサンドスタチン皮下注用の反復投与時と同程度に抑制された。
観察時点
血清GH濃度(ng/mL)(n=18)
平均値±標準偏差
中央値(最小値,最大値)
サンドスタチン皮下注用反復投与※1
4時間平均値※2
2.88±1.90
2.67(0.32,8.20)
3時間平均値※3
2.14±1.25
2.05(0.34,4.92)
本剤投与前
2時間平均値※4
14.17±14.73
12.43(2.63,66.49)
本剤7回反復投与28日後
2.97±1.95
2.72(0.46,7.45)
※1:サンドスタチン皮下注用を投与すると、血清GH濃度は投与直前に比べて投与1時間後から4時間後にかけてほぼ一定の低値(底値)となる推移を示す。※2:サンドスタチン皮下注用の投与直前値を含めて、投与4時間後までの1時間毎の測定値の平均※3:サンドスタチン皮下注用の投与直前値を除いて、投与1時間後から4時間後までの1時間毎の測定値の平均※4:本剤投与2時間前から投与直前まで、1時間毎の測定値の平均
第Ⅰ/Ⅱ相試験及び長期投与試験を通算した60週間での副作用発現頻度は90.9%(20/22例)であった。主な副作用は、注射部位硬結22.7%(5/22例)、注射部位疼痛及び血中ブドウ糖増加各18.2%(4/22例)、胆石症、胆道障害、腎嚢胞及び薬物特異抗体陽性各13.6%(3/22例)であった9) 。
サンドスタチン皮下注用の投与により有効性及び忍容性が確認されている先端巨大症患者を対象とした二重盲検群間比較単回投与試験(93例)において、血清GH濃度は本剤10mg、20mg及び30mg投与によりサンドスタチン皮下注用の投与時と同程度に抑制された。引き続き非盲検反復投与試験として、本剤を10mgから60mgの範囲で、血清GH濃度等により10mg単位で用量調節しながら通算28回まで反復投与した結果、血清GH濃度はサンドスタチン皮下注用投与時の4.7ng/mLに対して、3.2ng/mLに抑制され、90例中48例(53.3%)で2.5ng/mL未満まで抑制された。血清IGF-I濃度も86例中51例(59.3%)で正常化(500ng/mL未満)した。また、先端巨大症に伴う頭痛、発汗等の臨床症状を発現している例数も本剤投与前より減少した。なお、本試験で本剤40mgから60mgの用量が投与された25例において、血清GH濃度等による用量調節の結果、最終用量は20mgが1例、30mgが21例、40mgが3例であった10) 。
サンドスタチン皮下注用の投与により有効性及び忍容性が確認されている先端巨大症患者を対象に非盲検非対照試験として、本剤20mgを3回投与後、10~30mgを9回反復投与した結果、血清GH濃度は128例中89例(69.5%)で2.5ng/mL未満に抑制された。血清IGF-I濃度の正常化率は、サンドスタチン皮下注用の投与時の63.3%(81/128例)に対して、本剤反復投与後では66.4%(85/128例)であった。先端巨大症に伴う臨床症状に対する効果はサンドスタチン皮下注用の投与時とほぼ同程度であった11) 。
サンドスタチン皮下注用を対照とした非盲検群内比較試験として、サンドスタチン皮下注用の投与により有効性及び忍容性が確認されているカルチノイド腫瘍患者2例に本剤20mgを6回反復投与した結果、カルチノイド腫瘍に伴う臨床症状はサンドスタチン皮下注用の投与時とほぼ同程度に維持された。第Ⅱ相試験及び28週以上にわたる長期投与試験での副作用発現頻度は100.0%(2/2例)であり、注射部位硬結及び胆石症各50.0%(1/2例)であった12) 。
多施設共同、無作為化、並行群間比較試験として、サンドスタチン皮下注用の投与により有効性及び忍容性が確認されている悪性カルチノイド症候群患者93例に対し、本剤10mg、20mg、30mg(二重盲検)及びサンドスタチン皮下注用(非盲検)を24週間投与した。本剤投与群ではサンドスタチン皮下注用を追加投与しなかった症例を奏効例とし、サンドスタチン皮下注用投与群では増量しなかった症例を奏効例とした際の奏効率は、本剤投与群とサンドスタチン皮下注用投与群でほぼ同程度であった。また、各群とも悪性カルチノイド腫瘍に伴う臨床症状に対する効果はほぼ同程度であった。引き続き行われた長期投与試験において、悪性カルチノイド症候群患者78例に本剤20mgを4週毎に4回、続けて30mgを4週毎に9回反復投与したところ、悪性カルチノイド腫瘍に伴う臨床症状に対する効果は持続し、また24時間尿中5-HIAA排泄量は持続的に抑制された。副作用発現頻度は46.7%(43/92例)であった。主な副作用は胆石症12.0%(11/92例)、便秘9.8%(9/92例)、鼓腸放屁8.7%(8/92例)、腹痛7.6%(7/92例)及び嘔気5.4%(5/92例)であった13) 。
オクトレオチド酢酸塩(Octreotide Acetate)
(-)-D-Phenylalanyl-L-cysteinyl-L-phenylalanyl-D-tryptophyl-L-lysyl-L-threonyl-N-[(1R,2R)-2-hydroxy-1-(hydroxymethyl)propyl]-L-cysteinamide cyclic(2→7)disulfide diacetate
C49H66N10O10S2・2CH3COOH
1139.34
白色~微黄白色の粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノール、酢酸(100)、エタノール(95)又は1-ブタノールに溶けやすく、アセトニトリルに極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品の水溶液(1→100)のpHは5.0~7.0である。吸湿性である。
外箱開封後は遮光して保存すること。
1バイアル、専用分散液2mL(シリンジ)(バイアルアダプター1個添付)
1) 社内資料:先端巨大症・下垂体性巨人症患者における薬物動態成績 [20042803]
2) 社内資料:外国人の先端巨大症・下垂体性巨人症患者における薬物動態成績 [20042804]
3) 社内資料:外国人健康成人における生物学的同等性試験成績 [20136559]
4) 社内資料:外国人の悪性カルチノイド症候群患者における薬物動態成績 [20042805]
5) 社内資料:外国人健康成人における薬物動態パラメータ [20042806]
6) 社内資料:ヒトにおける血漿蛋白結合及び血球移行性 [20042807]
7) 社内資料:外国人健康成人における尿中排泄率 [20042817]
8) 社内資料:胆管挿管ラットにおける放射能及び未変化体の排泄 [20042808]
9) 社内資料:末端肥大症・下垂体性巨人症患者を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相試験 [20042809]
10) 社内資料:先端巨大症患者を対象とした海外第Ⅱ相試験 [20042818]
11) 社内資料:先端巨大症患者を対象とした海外第Ⅲ相試験 [20042811]
12) 社内資料:消化管ホルモン産生腫瘍患者を対象とした国内第Ⅱ相試験 [20042810]
13) 社内資料:悪性カルチノイド症候群を対象とした海外第Ⅲ相試験 [20042812]
14) 前田征洋ほか:日本内科学会雑誌 1988;77(1):86-90 [19886642]
15) 吉岡光明ほか:日本内科学会雑誌 1988;77(8):1276-1277 [19886647]
16) Kvols,L.K.et al.:New Engl.J.Med. 1986;315(11):663-666 [19967593]
17) 福島英生ほか:日本内分泌学会雑誌 1988;64(8):666-676 [19886663]
18) 島津 章ほか:日本内分泌学会雑誌 1989;65(7):640-652 [19896530]
19) Lamberts,S.W.J.et al.:Clin.Endocrinol. 1987;27(1):11-23 [19967607]
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