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劇薬
処方箋医薬品注)
下記疾患における尿中への鉄排泄増加原発性ヘモクロマトーシス続発性ヘモクロマトーシス
本剤1バイアル(デフェロキサミンメシル酸塩として500mg)を通常、日本薬局方注射用水5mLに溶解して使用する。通常、慢性鉄過剰症に対しては、1日量デフェロキサミンメシル酸塩として1000mgを1~2回に分けて筋肉内に注射する。維持量としては、効果発現の程度に応じて、適宜1日量デフェロキサミンメシル酸塩として500mgに減量する。患者が特に重篤であったり、あるいはショックの状態にあるときには、1回デフェロキサミンメシル酸塩として1000mgを毎時15mg/kgの速度で徐々に点滴静注し、1日量が80mg/kgを超えない範囲とする。
血清フェリチン値が2,000ng/mL以下の患者では眼障害、聴力障害等の副作用があらわれやすい。,,,
網膜病変があらわれやすい。,,
投与しないこと。金属錯体の約半分は腎を介して排泄されるため、排泄が遅延する。なお透析膜は通過するので透析患者には投与可能である。
眼障害、聴力障害等の副作用があらわれやすい。,,,
肝機能が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で、胎児の骨格異常が認められたとの報告がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。
定期的に身長、体重を測定すること。低血清フェリチン値の小児に対し、高用量を使用した場合、成長遅延、骨成長発育障害があらわれやすいとの報告がある。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
ビタミンC
1日500mg以上(経口)のビタミンCとの併用では、心機能の低下がみられたとの報告があるので、併用に際しては心機能に注意すること。
機序は不明である。
プロクロルペラジン
一過性の意識障害があらわれたとの報告がある。
ショック、アナフィラキシー、血管浮腫があらわれることがある。
水晶体混濁、視力低下、夜盲、色覚異常、視野欠損、霧視、網膜色素変性、視力消失、視神経炎、暗点、角膜混濁があらわれることがある。,,,,,
難聴等の聴力障害、耳鳴、高音域での感音性難聴があらわれることがある。,,,,
エルシニア敗血症等の感染症(Y.enterocolitica,Y.pseudotuberculosisによる)を起こすことがある。発熱、下痢、腹痛等の症状があらわれた場合には投与を中止し、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
ムーコル症等の重症真菌感染症があらわれることがある。
0.1~5%未満
頻度不明
血液
―
血小板減少、白血球数減少
神経系
めまい、頭痛、痙攣
循環器注)
低血圧、頻脈
胃腸
下痢、腹痛、嘔気、嘔吐
肝臓
黄疸、肝機能障害(AST、ALT上昇等)
過敏症
発疹
紅斑、蕁麻疹
筋骨格系障害
筋痙縮、関節痛、骨痛
腎臓
血尿、乏尿、血中クレアチニン増加
全身症状
発熱、けん怠感
注射部位・適用部位
疼痛
硬結
その他
血清Ca低下、副甲状腺機能亢進症の悪化
眼障害、聴力障害、腎障害が報告されている。,,,,,,,
本剤は血液透析により除去可能である。
溶液が乳濁した場合には使用しないこと。
健康成人及び輸血性鉄過剰症患者にデフェロキサミンメシル酸塩10mg/kgを1回静脈内投与した場合、3分後の血漿中濃度は80~130μmol/Lであり、血漿中消失半減期5~10分で速やかに低下する。一方、フェリオキサミンBはデフェロキサミンメシル酸塩投与後数分以内に血漿中に認められ、30分後に最高に達し、この間の平均血漿中フェリオキサミンB濃度は、健康成人2.5±0.30μmol/L、鉄過剰症患者6.1±1.28μmol/Lである4)(外国人のデータ)。
ヒト血清中におけるデフェロキサミンの蛋白結合率は10%以下であった。
デフェロキサミンメシル酸塩500mgを1日2回筋肉内投与した場合、主としてフェリオキサミンBの形で尿中及び糞便中へ排泄され、ヘモクロマトーシス患者のデフェロキサミンメシル酸塩投与後に増加する総排泄鉄量(尿及び糞便中)の30~50%が糞便中に認められる5)。健康成人及びヘモクロマトーシス患者に500mgを1回筋肉内投与した場合、12時間までの尿中排泄率は未変化体及びフェリオキサミンBとして健康成人平均33.1%、患者60.5%であり、そのほとんどが3時間以内に排泄される6)。また、フェリオキサミンBは透析膜を通過する7)(外国人のデータ)。
原発性ヘモクロマトーシス22例、続発性ヘモクロマトーシス35例での1日尿中排泄鉄量は下表のとおりである。1日投与量、投与期間は500~1,000mg、3週~3ヵ月が多くを占める。
疾患名
原発性ヘモクロマトーシス
続発性ヘモクロマトーシス
症例数
22
35
#一日尿中排泄鉄量
平均
3mg以上
12/14(85.7)
16/17(94.1)
5mg以上
10/14(71.4)
14/17(82.3)
10mg以上
4/14(28.6)
10/17(58.8)
最高
15/16(93.8)
26/26(100)
13/16(81.3)
24/26(92.3)
8/16(50.0)
19/26(73.1)
#:一日平均量及び/又は一日最高量の記載があるものを母数とし、分子は各排泄量以上を認めた例数の累計
デフェロキサミンメシル酸塩は、3価の鉄に対して選択的に強い親和性を示す6座のキレート剤である8)。鉄と1:1で結合して、安定な水溶性のフェリオキサミンBを形成し、体内から排出される8)。
フェリオキサミンBの安定度恒数は1031であり、EDTA(1025)よりも強い8),9)(in vitro)。理論的にはデフェロキサミンメシル酸塩100mgは3価の鉄イオン8.5mgと結合する。
フェリチン及びヘモジデリンから鉄を除去するが10)、ヘモグロビン鉄とは反応せず(in vitro)、ミオグロビン又は呼吸系酵素中のポルフィリン鉄とは反応しないと考えられている8)。また、健康成人における検討ではトランスフェリンからの鉄はほとんど除去しなかった11)。
肝実質細胞内でフェリチンもしくはヘモジデリン鉄と結合し、胆汁を介して排泄され、肝細胞外では網内細胞由来の鉄と結合し、腎を介して排泄されるが、この肝細胞外での鉄結合はトランスフェリンの鉄結合能飽和後においてのみ認められる12)(ラット)。
デフェロキサミンメシル酸塩(Deferoxamine Mesilate)
N-[5-(Acetylhydroxyamino)pentyl]-N'-(5-{3-[(5-aminopentyl)hydroxycarbamoyl]-propanoylamino}pentyl)-N'-hydroxysuccinamide monomethanesulfonate
C25H48N6O8・CH4O3S
656.79
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)、2-プロパノール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約147℃(分解)
500mg×5バイアル
1) Takatoku,M.et al.:Eur.J.Haematol.2007;78(6):487-494 [20072718]
2) Malcovati,L.et al.:J.Clin.Oncol.2005;23(30):7594-7603 [20080836]
3) Olivieri,N.F.et al.:New Engl.J.Med.1994;331(9):574-578 [19941365]
4) Summers,M.R.et al.:Br.J.Haematol.1979;42(4):547-555 [19790294]
5) Cumming,R.L.C.et al.:Br.J.Haematol.1969;17(3):257-263 [19690071]
6) Keberle,H.:Iron metabolism,Int.Symp.Aix-en-Provence. 1963;600-602 [20160120]
7) Baker,L.R.I.et al.:Clin.Nephrol. 1976;6(1):326-328 [19760187]
8) Keberle,H.:Ann.New York Acad.Sci. 1964;119(2):758-768 [19640017]
9) Schwarzenbach,G.et al.:Helv.Chim.Acta.1963;46(4):1390-1400 [19980707]
10) Wöhler,F.:Acta Haematol. 1963;30:65-87 [19962016]
11) Hallberg,L.et al.:Scand.J.Haematol.1965;2:67-79 [19980709]
12) Hershko,C.:Blood.1978;51(3):415-423 [19780177]
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