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劇薬
処方箋医薬品注)
2型糖尿病ただし、ビルダグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る。
通常、成人には1回1錠(ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩として50mg/250mg又は50mg/500mg)を1日2回朝、夕に経口投与する。
,
腸閉塞を起こすおそれがある。
乳酸アシドーシスを起こすおそれがある。,,
腎臓における排泄が減少しメトホルミンの血中濃度が上昇するため、乳酸アシドーシス等の発現リスクが高くなる可能性がある。また、ビルダグリプチンの血中濃度が上昇する。,,,,
投与しないこと。
本剤を使用せず、各単剤の併用を検討すること。
肝臓における乳酸の代謝能が低下し、乳酸アシドーシスの発現リスクが高くなる可能性がある。,,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット、ウサギ)でビルダグリプチン及びメトホルミンの胎児への移行が認められている。また、動物実験(ラット)でメトホルミンの催奇形作用が報告されている2) 。また、妊婦は乳酸アシドーシスを起こしやすい。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、ビルダグリプチン及びメトホルミンが乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
乳酸アシドーシスを起こしやすいので、以下の点に注意すること。高齢者では、腎機能、肝機能等が低下していることが多く、また脱水症状を起こしやすい。,,,,
乳酸アシドーシスを起こすことがある。本剤投与中は過度のアルコール摂取(飲酒)を避けること。
肝臓における乳酸の代謝能が低下する。また、脱水状態を来すことがある。
併用により乳酸アシドーシスを起こすことがある。ヨード造影剤を用いて検査を行う場合には、本剤の投与を一時的に中止すること。
腎機能が低下し、メトホルミンの排泄が低下することが考えられている。
併用により乳酸アシドーシスを起こすことがある。併用する場合は本剤の投与を一時的に減量・中止するなど適切な処置を行うこと。
脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがある。脱水症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
利尿作用を有する薬剤により、体液量が減少し脱水状態になることがある。
低血糖症状が起こるおそれがある。血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること。特に、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること。
血糖降下作用の増強による。
機序は不明である。
消化器症状の発現に注意すること。
特に併用初期に多く発現する傾向が認められている。
血糖値が上昇してコントロール不良になるおそれがある。血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること。
血糖降下作用の減弱による。
イソニアジドによる炭水化物代謝阻害が考えられている。
メトホルミンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。観察を十分に行い、必要に応じて本剤を減量するなど慎重に投与すること。
OCT2、MATE1、又はMATE2-Kを介したメトホルミンの腎排泄が阻害されると考えられている。
ビルダグリプチンとアンジオテンシン変換酵素阻害剤を併用している患者では、併用していない患者に比べて血管浮腫の発現頻度が高かったとの報告がある。
乳酸アシドーシス(血中乳酸値の上昇、乳酸/ピルビン酸比の上昇、血液pHの低下等を示す)は予後不良のことが多い。一般的に発現する臨床症状は様々であるが、胃腸症状、けん怠感、筋肉痛、過呼吸等の症状がみられることが多く、これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、必要な検査を行うこと。なお、乳酸アシドーシスの疑いが大きい場合には、乳酸の測定結果等を待つことなく適切な処置を行うこと。,,,,,,,,,,,,,,
ALT又はAST、ALP、γ-GTP、ビリルビンの上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。黄疸や肝機能障害を示唆するその他の症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止すること。ビルダグリプチンにおいて、投与中止後に肝酵素の上昇が回復したものの、再投与により再発した症例が報告されていることから、黄疸や肝機能障害を示唆するその他の症状が回復した場合でも本剤を含むビルダグリプチンを含有する製剤を再投与しないこと。
低血糖があらわれることがある。スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されている。低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。,,,
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1~5%未満
1%未満
頻度不明
血液及びリンパ系障害
―
白血球数増加、貧血
白血球数減少、血小板数減少、好酸球数増加
神経系障害
めまい・ふらつき
振戦
味覚異常、頭重、頭痛、眠気
心臓障害
動悸
血管障害
高血圧
胃腸障害注1)
便秘、アミラーゼ増加、下痢、悪心
胃炎、腹部不快感、腹部膨満、鼓腸、放屁増加、胃食道逆流性疾患、リパーゼ増加
腹痛、食欲減退、消化不良、嘔吐、胃腸障害
**肝胆道系障害
ALT増加、AST増加、ALP増加
γ-GTP増加、胆嚢炎
腎及び尿路障害
クレアチニン増加、BUN増加
代謝及び栄養障害
乳酸増加、尿酸増加
ケトーシス、カリウム増加、ビタミンB12減少注2)
筋骨格系障害
関節痛
筋肉痛注1)
*皮膚障害
多汗症
湿疹、発疹、そう痒症、蕁麻疹、皮膚剥脱、水疱、皮膚血管炎
その他
空腹
無力症、CRP増加、CK-MB増加、CK増加、体重増加、悪寒
けん怠感注1) 、浮腫
乳酸アシドーシスが起こることがある。
乳酸アシドーシスが認められた場合は、アシドーシスの補正(炭酸水素ナトリウム静注等)、輸液(強制利尿)、血液透析等の適切な処置を行う。なお、ビルダグリプチンは血液透析により除去されない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男子を対象としたビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩50mg/250mg配合錠と単剤併用の生物学的同等性試験(49例)、並びにビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩50mg/500mg配合錠と単剤併用の生物学的同等性試験(48例)のデータを以下に示す。本剤及び単剤併用をクロスオーバー法により空腹時に単回経口投与したとき、ビルダグリプチン及びメトホルミンの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは図表のとおりであり、生物学的同等性が認められた3) 。
ビルダグリプチン
メトホルミン
本剤
単剤併用
50mg/250mg(n=49)
Cmax(ng/mL)
263±63.9
272±69.9
831±187
831±180
AUClast(ng・h/mL)
1,180±203
1,190±194
5,370±936
5,370±797
Tmax※(h)
2.50(0.750~5.00)
2.50(0.50~5.00)
2.50(0.500~5.00)
2.50(1.00~5.00)
T1/2(h)
1.76±0.269
1.71±0.185
3.58±0.696
3.53±0.612
50mg/500mg(n=48)
256±68.5
263±68.2
1,450±383
1,470±385
1,180±224
1,190±212
9,370±2,020
9,380±1,980
3.00(1.00~5.02)
3.00(1.50~5.00)
3.00(0.750~5.02)
3.00(1.00~5.00)
1.89±0.317
1.88±0.207
3.96±0.777
4.09±0.781
平均値±標準偏差、※:中央値(範囲)
健康成人男子(24例)にビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩50mg/500mg配合錠を空腹時及び食後に単回経口投与したとき、Cmax及びAUC0-24hの幾何平均値の比(食後投与/空腹時投与)とその90%信頼区間は、ビルダグリプチンで1.05[0.95, 1.17]及び1.08[1.02, 1.15]、メトホルミンで0.74[0.68, 0.80]及び0.90[0.83, 0.98]であった3) 。
ビルダグリプチンのin vitro血漿蛋白結合率は9.3%であった4) 。メトホルミンは血漿蛋白に結合しないとの報告がある5) 。
**メトホルミンはほとんど代謝されず、未変化体のまま尿中に排泄される。健康成人(3例)にメトホルミン塩酸塩500mgを単回経口投与したとき、投与48時間後までの尿中排泄率は投与量の51.6%であった15) (外国人のデータ)。ヒトのトランスポーター発現細胞を用いた検討の結果、メトホルミンは主にOCT2を介して尿中に排泄されると考えられた16) 。
軽度から重度の腎機能障害患者(24例)にビルダグリプチン100mgを単回経口投与したとき、ビルダグリプチンのAUC0-tは健康被験者に比べて軽度、中等度、重度の腎機能障害患者及び血液透析が必要な患者でそれぞれ2.01倍、1.31倍、2.33倍、1.42倍高く、Cmaxはそれぞれ1.66倍、1.08倍、1.56倍、1.24倍高かった。M20.7のAUC0-24hは、軽度、中等度、重度の腎機能障害患者及び血液透析が必要な患者で健康被験者よりそれぞれ1.7倍、2.6倍、6.1倍、6.7倍高く、Cmaxはそれぞれ1.6倍、2.4倍、5.4倍、8.1倍高かった。透析によってビルダグリプチンは投与量の約3%が除去された。M20.7は透析によって血漿中濃度が透析前の50%以下に低下した17) 。軽度から重度の腎機能障害患者(48例)にビルダグリプチン50mgを1日1回14日間経口投与したとき、ビルダグリプチンのAUC0-24hは健康被験者に比べて軽度、中等度、及び重度の腎機能障害患者でそれぞれ1.40倍、1.71倍、2.00倍高く、Cmaxはそれぞれ1.37倍、1.32倍、1.36倍高かった。M20.7のAUC0-24hは、軽度、中等度、及び重度の腎機能障害患者で健康被験者よりそれぞれ1.66倍、3.20倍、7.30倍高く、Cmaxはそれぞれ1.57倍、2.56倍、5.55倍高かった。グルクロン酸抱合体のAUC0-24hは、軽度、中等度、及び重度の腎機能障害患者で健康被験者よりそれぞれ1.35倍、2.69倍、7.25倍高く、Cmaxはそれぞれ1.13倍、1.60倍、3.00倍高かった18) (外国人のデータ)。(ビルダグリプチンの承認された用法及び用量は50mgを1日2回又は1回である。)
投与群(腎機能障害の程度)
Tmax(h)
AUC0-t(ng・h/mL)
CLR(L/h)
健康被験者n=24
477±114
※1.00(0.50、2.00)
1,872±461
3.95±1.82
12.36±3.36
軽度n=6
792±229
※1.50(1.50、2.00)
3,764±967
2.83±0.76
6.06±2.71
中等度n=6
514±279
※1.25(0.50、2.00)
2,451±1,343
3.89±1.64
5.98±4.21
重度n=6
745±235
※1.00(0.50、4.00)
4,363±2,069
3.55±0.35
1.44±0.75
血液透析の必要な患者n=6
591±166
※1.50(1.50、3.00)
2,656±532
8.05±6.26
平均値±標準偏差、※:中央値(最小値、最大値)軽度:CLcrが50~80mL/min、中等度:CLcrが30~50mL/min、重度:CLcrが30mL/min未満
軽度から重度の肝機能障害患者(16例)にビルダグリプチン100mgを単回経口投与したとき、軽度及び中等度の肝機能障害患者におけるビルダグリプチンのAUC0-tは、それぞれ20%及び8%低下したが、重度の肝機能障害患者では22%上昇した。軽度、中等度の肝機能障害患者のCmaxは健康被験者と比べて約25%低かったが、重度の肝機能障害患者では健康被験者と同程度であった。軽度、中等度、重度の肝機能障害患者のM20.7のAUC0-tは、健康被験者と比べてそれぞれ27%、49%、92%高く、同様にCmaxはそれぞれ23%、46%、65%高かった19) (外国人のデータ)。(ビルダグリプチンの承認された用法及び用量は50mgを1日2回又は1回である。)
投与群(肝機能障害の程度)
健康被験者n=6
675±263
※1.25(1.00、3.00)
2,567±428
2.01±0.50
497±229
※1.25(1.00、2.00)
2,076±514
4.92±4.86
512±166
※1.00(0.50、3.00)
2,411±740
3.08±1.59
重度n=4
632±247
※2.04(1.00、4.00)
3,322±1,472
2.40±0.25
平均値±標準偏差、※:中央値(最小値、最大値)軽度:Child-Pughスコア5~6、中等度:Child-Pughスコア7~9、重度:Child-Pughスコア10~12
70歳以上の高齢者(20例)にビルダグリプチン100mgを単回経口投与したときのAUC及びCmaxは、非高齢者(18~40歳)に比較してそれぞれ1.32倍及び1.18倍高かった20) (外国人のデータ)。(ビルダグリプチンの承認された用法及び用量は50mgを1日2回又は1回である。)
2型糖尿病患者を対象にメトホルミン塩酸塩、グリブリド、及びピオグリタゾン、また、健康成人を対象にアムロジピン、バルサルタン、シンバスタチン、ラミプリル、ワルファリン、ジゴキシンとの薬物間相互作用を検討した結果、ビルダグリプチン及び併用薬の薬物動態は変化しなかった21),22),23),24),25),26) (外国人のデータ)。日本人2型糖尿病患者(24例)を対象にビルダグリプチン50mgを1日2回及びボグリボース0.2mgを1日3回3日間併用投与したとき、投与3日目のビルダグリプチンのCmax及びAUC0-12hは単独投与時と比べそれぞれ34%及び23%低下したが、DPP-4阻害への影響は認められなかった27) 。
健康成人(7例)に対しメトホルミン塩酸塩とシメチジンを併用した場合、シメチジンの薬物動態には影響がみられなかったものの、メトホルミンのAUCが約50%増加した28) (外国人のデータ)。
健康成人(30例)に対しメトホルミン塩酸塩とドルテグラビル50mg/日又は100mg/日を併用して反復投与した場合、メトホルミンのCmaxがそれぞれ66%及び111%上昇し、AUCがそれぞれ79%及び145%増加した29) (外国人のデータ)。
健康成人(14例)に対しメトホルミン塩酸塩とバンデタニブを併用して単回投与した場合、メトホルミンのCmax及びAUC0-∞がそれぞれ50%及び74%増加し、腎クリアランスが52%減少した30) (外国人のデータ)。
食事療法、運動療法に加えメトホルミン塩酸塩(250mg 1日2回又は500mg 1日2回)の単独投与で血糖コントロールが十分に得られていない2型糖尿病患者(139例)を対象に、ビルダグリプチン50mg又はプラセボを1日2回12週間併用投与し、主要評価項目をHbA1c値の投与前からの変化量として多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験を実施した。結果は次表のとおりであった。
投与群
n
HbA1c(NGSP, %)
空腹時血糖(mg/dL)
投与前からの変化量※
群間差※
M
70
-0.09(0.06)
-0.98(0.09)#
-2.17(2.84)
-28.42(4.05)#
V+M
68
-1.07(0.06)
-30.59(2.88)
V+M250
34
-1.06(0.09)#
-31.88(2.95)#
V+M500
-26.82(2.95)#
M:メトホルミン塩酸塩250mg又は500mg単剤V+M:V+M250とV+M500の併合V+M250:ビルダグリプチン50mgとメトホルミン塩酸塩250mg併用V+M500:ビルダグリプチン50mgとメトホルミン塩酸塩500mg併用※:共分散分析に基づく調整済み平均(標準誤差)、#:p<0.001
副作用発現頻度はビルダグリプチンとメトホルミン塩酸塩併用で16.2%(11/68例)であった。ビルダグリプチンとメトホルミン塩酸塩併用における主な副作用はアミラーゼ増加4.4%(3/68例)であった31) 。
食事療法、運動療法に加えビルダグリプチンの単独投与で血糖コントロールが十分に得られていない2型糖尿病患者(171例)を対象に、ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩50mg/250mg配合錠、50mg/500mg配合錠、又はプラセボ(ビルダグリプチン50mg)を1日2回14週間経口投与し、主要評価項目をHbA1c値の投与前からの変化量として多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験を実施した。結果は次表のとおりであった。
V
56
0.14(0.08)
-0.98(0.10)#
16.54(4.06)
-29.57(4.95)#
V/M
115
-0.83(0.06)
-13.02(2.83)
V/M250
-0.61(0.06)#
-8.24(3.59)
V/M500
59
-1.04(0.06)#
-17.40(3.49)
V:ビルダグリプチン50mg単剤、V/M:V/M250とV/M500の併合V/M250:ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩50mg/250mg配合錠V/M500:ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩50mg/500mg配合錠※:共分散分析に基づく調整済み平均(標準誤差)、#:p<0.001
副作用発現頻度はビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩配合錠で17.4%(20/115例)であった。ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩配合錠における主な副作用は、便秘、下痢、悪心各2.6%(3/115例)、及び血中乳酸増加1.7%(2/115例)であった32) 。
食事療法、運動療法に加えメトホルミン塩酸塩、チアゾリジン剤、α-グルコシダーゼ阻害剤又は速効型インスリン分泌促進剤(グリニド)単独で血糖コントロールが十分に得られていない2型糖尿病患者(メトホルミン塩酸塩との併用:58例)を対象に、各薬剤に加えビルダグリプチン50mg 1日2回を52週間経口投与し、多施設共同、非盲検、長期投与試験を実施した。主要評価項目は長期併用投与時の安全性を確認することとした。メトホルミン塩酸塩との併用では忍容性は良好であった。また、最終評価時のHbA1c(JDS)値の変化量は-0.75%であった。副作用発現頻度はメトホルミン塩酸塩との併用で29.3%(17/58例)であった。メトホルミン塩酸塩との併用における主な副作用は、便秘、血中アミラーゼ増加各5.2%(3/58例)であった。低血糖症状はメトホルミン塩酸塩との併用で1.7%(1/58例)であった33) 。
本剤は、ビルダグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の配合剤である。
DPP-4を選択的かつ可逆的に阻害し、内因性GLP-1の濃度を高めることで、血糖依存性にインスリン分泌を促進させるとともにグルカゴン分泌を抑制し、血糖降下作用を発揮する34),35),36),37) 。
主として肝臓における糖新生を抑制し、膵β細胞のインスリン分泌を介することなく血糖降下作用を発揮する。また、末梢での糖取り込み促進、腸管からの糖吸収抑制等の作用も知られている38) 。
ビルダグリプチンはヒト血漿DPP-4を濃度依存的に阻害し、IC50値は2.7nMであった39) 。また、ビルダグリプチンは、ヒトDPP-4(組換え体)に対して高い親和性を示し、Ki値は2~3nMであった34),35) 。
2型糖尿病患者にビルダグリプチン50mgを1日2回7日間反復経口投与すると、血漿GLP-1濃度が上昇した40) 。
2型糖尿病患者にビルダグリプチン50mgを1日2回41日間反復経口投与し、インスリンクランプ試験を実施したところ、インスリン抵抗性を表す指標が改善した41) (外国人のデータ)。
ビルダグリプチン(Vildagliptin)
(2S)-1-{[(3-Hydroxytricyclo[3.3.1.13,7]dec-1-yl)amino]acetyl}pyrrolidine-2-carbonitrile
C17H25N3O2
303.40
白色~微黄白色又は微灰白色の粉末である。水及びエタノール(99.5)に溶けやすい。
約150℃
1.255(1-オクタノール/水)、0.0042(1-オクタノール/0.1mol/L塩酸)、0.035(1-オクタノール/pH4.0緩衝液)、0.25(1-オクタノール/pH6.8緩衝液)
メトホルミン塩酸塩(Metformin Hydrochloride)
1,1-Dimethylbiguanide monohydrochloride
C4H11N5・HCl
165.62
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
約221℃(分解)
使用期限内であっても、湿気を避けるため開封後はなるべく速やかに使用すること。
100錠[10錠(PTP)×10]420錠[14錠(PTP)×30]500錠[10錠(PTP)×50]500錠[瓶、バラ、乾燥剤入り]
1) *Dubourg J, et al.: Diabetes Obes Metab. 2022; 24(4): 609-619[20220345]
2) Tuchmann-Duplessis, H. et al.: Compt. Rend. 1961 ; 253 : 321-323[20155457]
3) Mita, S. et al.: Int. J. Clin. Pharmacol.Ther. 2016 ; 54(4): 305-314[20160466]
4) 社内資料:蛋白結合に関する検討(in vitro)(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.4-4.2)[20100216]
5) Scheen, A.J.: Clin. Pharmacokinet. 1996 ; 30(5): 359-371[20155460]
6) 社内資料:CYP代謝に関する検討(in vitro)(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.4-7.2.2)[20100217]
7) 社内資料:CYP阻害に関する検討(in vitro)(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.4-7.2.1)[20100218]
8) 社内資料:CYP誘導に関する検討(in vitro)(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.4-7.2.3)[20100219]
9) He H. et al.: Drug Metab. Dispos. 2009 ; 37(3): 536-544[20092332]
10) 社内資料:健康成人を対象とした単回投与試験(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.7.6-2.1.1)[20100212]
11) 社内資料:トランスポーターに関する検討(1)(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.4-7.1.1.4)[20100221]
12) 社内資料:トランスポーターに関する検討(2)(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.4-7.1.1.5)[20100222]
13) 社内資料:トランスポーターに関する検討(3)(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.4-7.1.1.1)[20100223]
14) 社内資料:トランスポーターに関する検討(4)(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.4-7.1.1.1)[20100224]
15) Pentikäinen, P.J. et al.: Eur. J. Clin. Pharmacol. 1979 ; 16(3): 195-202[20155461]
16) Kimura, N. et al.: Drug. Metab. Pharmacokinet. 2005 ; 20(5): 379-386[20155462]
17) 社内資料:腎機能障害患者における薬物動態の検討(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.7.6-2.3.3)[20100225]
18) He Y.-L. et al.: Int. J. Clin. Pharmacol. Ther. 2013 ; 51(9): 693-703[20144392]
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27) Yamaguchi M. et al.: Int. J. Clin. Pharmacol. Ther. 2013 ; 51(8): 641-651[20133598]
28) Somogyi, A. et al.: Br. J. Clin. Pharmacol. 1987 ; 23(5): 545-551[20155463]
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30) Johansson, S. et al.: Clin. Pharmacokinet. 2014 ; 53(9) : 837-847[20180271]
31) 社内資料:メトホルミン塩酸塩で効果不十分な2型糖尿病患者を対象とした臨床試験(LMF237A1301)(2015年9月28日承認、CTD2.7.6-4.1.1)[20155464]
32) 社内資料:ビルダグリプチンで効果不十分な2型糖尿病患者を対象とした臨床試験(LMF237A1303)(2015年9月28日承認、CTD2.7.6-4.1.2)[20155465]
33) 小田原雅人ほか:新薬と臨牀. 2012 ; 61(12): 2593-2611[20126689]
34) 社内資料:各種DPPに対する阻害作用の検討(1)(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.2-2.1.2.2)[20100242]
35) 社内資料:各種DPPに対する阻害作用の検討(2)(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.2-2.1.2.2)[20100243]
36) 社内資料:DPP-4に対する阻害様式の検討(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.2-2.1.1.3)[20100244]
37) Ahrén Bo : Best Pract. Res. Clin. Endocrinol. Metab. 2007 ; 21(4): 517-533[20092939]
38) Lee A.J.: Pharmacotherapy. 1996 ; 16(3): 327-351[20155466]
39) 社内資料:DPP-4に対する阻害作用の検討(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.2-2.1.1.1)[20100245]
40) He Y.-L. et al.: Int. J. Clin. Pharmacol. Ther. 2010 ; 48(9): 582-595[20105312]
41) Azuma K. et al.: J. Clin. Endocrinol. Metab. 2008 ; 93(2): 459-464[20092269]
42) 社内資料:前糖尿病期及び2型糖尿病カニクイザルのHbA1cに対する検討(エクア錠2010年1月20日承認、CTD2.6.2-2.2.4.2.4)[20100247]
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