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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、成人及び1歳以上の小児には、エルトロンボパグとして初回投与量12.5mgを1日1回、食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与する。なお、血小板数、症状に応じて適宜増減する。また、1日最大投与量は50mgとする。
抗胸腺細胞免疫グロブリンで未治療の場合抗胸腺細胞免疫グロブリンとの併用において、通常、成人及び12歳以上の小児には、エルトロンボパグとして75mgを1日1回、6歳以上12歳未満の小児には、エルトロンボパグとして37.5mgを1日1回、食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。既存治療で効果不十分な場合通常、成人には、エルトロンボパグとして初回投与量25mgを1日1回、食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。また、1日最大投与量は100mgとする。
血栓塞栓症があらわれるおそれがある。
血小板数の推移に加えて安全性についても慎重に観察すること。腎機能障害患者を対象に有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
肝機能障害が悪化するおそれがある。また、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加する可能性がある。
**妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後11日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胎児の血小板への影響は不明である。動物試験(ラット)において母体毒性用量で胚致死、胎児体重の低値及び低頻度の頸肋(変異)の増加が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁中への移行が示唆されている。
患者の状態を観察しながら注意して投与すること。一般に生理機能が低下している。
ロスバスタチン
ロスバスタチンの血中濃度が上昇したとの報告がある1)。ロスバスタチンの減量を考慮し、患者の状態を慎重に観察すること。
本剤がOATP1B1及びBCRPを阻害する可能性がある。
制酸剤乳製品多価陽イオン(鉄、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、セレン、亜鉛等)含有製剤等,,
同時に服用すると本剤の吸収が著しく妨げられることがあるので、本剤投与の前4時間及び後2時間はこれらの摂取を避けること2),3)。
本剤はこれら多価陽イオンと錯体を形成する。
ロピナビル・リトナビル配合剤
本剤のAUCが減少したとの報告があるので4)、ロピナビル・リトナビル配合剤と併用する場合には、注意すること。
機序は不明であるが、ロピナビル・リトナビル配合剤が本剤の代謝酵素を誘導する可能性がある。
シクロスポリン
本剤のAUC及びCmaxが減少したとの報告がある5)。また、本剤の血中濃度が高値を示したとの報告がある6)。シクロスポリンと併用する場合には、注意すること。
機序は不明である。
AST(3.3%)、ALT(16.7%)、ALP(5.6%)、ビリルビン(25.6%)の増加等があらわれることがある。
肺塞栓症(頻度不明)、深部静脈血栓症(頻度不明)、一過性脳虚血発作(1.1%)、心筋梗塞(頻度不明)、虚血性脳卒中(頻度不明)等があらわれることがある。
5%未満
頻度不明
*消化器
悪心、腹痛、嘔吐
下痢、口内乾燥
*皮膚
発疹、皮膚変色
脱毛症
*筋骨格
筋肉痛、四肢痛
背部痛、筋骨格系胸痛、筋骨格痛
*感染症
―
咽頭炎、尿路感染
*その他
頭痛、疲労、浮動性めまい、血小板数増加、低カリウム血症、白内障
エルトロンボパグは赤~褐色であるため、臨床検査に影響を及ぼす可能性がある。本剤を投与された患者において、血清の変色や総ビリルビン及びクレアチニン検査に影響が認められたとの報告がある。
本剤5,000mgを過量投与した症例では、軽度の発疹、一過性の徐脈、疲労、AST及びALT上昇が報告され、血小板数は929,000/μLまで増加した。
吸収を抑えるために、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム等の多価陽イオンを含有する製剤の経口投与を考慮すること。また、血小板数の検査を頻回に行い、患者の状態を十分に観察すること。
粉砕を避けること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤はヒト及びチンパンジー以外のトロンボポエチン受容体に対し親和性をもたず、ヒト及びチンパンジー以外の動物に対して薬理活性を示さない。このため毒性試験において、薬理活性に付随する影響は評価されていない。
日本人健康成人男性を対象に、本剤25、50あるいは75mgを空腹時単回及び反復経口投与した時、本剤は速やかに吸収され、投与後3~4時間(中央値)で最高血漿中濃度(Cmax)に達した。単回及び反復投与時の曝露量(Cmax及びAUC)は、投与量の増加に対し、ほぼ線形的に増加した。また、本剤は反復投与開始後約7日で定常状態に達すると考えられた。表-1に薬物動態パラメータを示した7),8)。
投与量(mg)
例数
Cmax(μg/mL)
AUCa)(μg・hr/mL)
tmax(hr)
t1/2(hr)
CL/F(L/hr)
単回投与
25
10
3.56±1.13
55.4±23.2
3.0(2.0-5.0)
29.6±5.0
0.534±0.256
50
6.44±2.14
106.6±32.4
3.0(1.5-5.0)
31.0±5.9
0.525±0.218
75
8.39±2.84
134.9±37.4
3.0(2.0-6.0)
32.4±7.6
0.604±0.201
反復投与
4.83±1.17
58.9±18.4
39.7±3.2
0.478±0.196
9
10.6±2.38
133.8±33.6
4.0(2.0-5.0)
51.3±12.2
0.396±0.102
12.78±2.84
164.2±35.5
47.8±11.5
0.476±0.102
算術平均値±標準偏差、tmaxは中央値(範囲)a)単回投与:AUC0-∞、反復投与:AUC0-τ
日本人特発性血小板減少性紫斑病患者に本剤12.5、25あるいは50mgを投与した時の定常状態における薬物動態パラメータを表-2に、血漿中エルトロンボパグ濃度推移を図-1に示した9),10)。
AUC0-τ(μg・hr/mL)
t1/2b)(hr)
12.5
8
2.99±1.25
3.19(2.00-4.17)
41.64±24.36a)
19.5±7.16a)
5
6.78±2.62
4.00(2.00-4.00)
92.53±41.12
27.0±7.66
4
11.88±3.93
2.97(1.92-4.17)
171.6±75.24
18.2±4.94
算術平均値±標準偏差、tmaxは中央値(範囲)a)n=7 b)24時間までのポイントから算出のため、参考値
なお、日本人及び外国人の成績を用いた母集団薬物動態解析の結果、エルトロンボパグのAUC0-τは、非東アジア系特発性血小板減少性紫斑病患者(主に白人)と比較して、東アジア系特発性血小板減少性紫斑病患者で約87%高値を示した。また、日本人特発性血小板減少性紫斑病患者のAUC0-τは、非東アジア系特発性血小板減少性紫斑病患者のAUC0-τ(母集団薬物動態解析推定値)に比べ、約85%高値を示した11),12)。母集団薬物動態解析の結果、女性特発性血小板減少性紫斑病患者におけるAUC0-τは、男性に比べて約50%高かった。また、年齢は本剤の薬物動態に影響を及ぼさなかった11)。抗胸腺細胞免疫グロブリンに治療抵抗性若しくは再発又は抗胸腺細胞免疫グロブリン治療が受けられない中等症以上の日本人再生不良性貧血患者に本剤25mgを投与した時の定常状態における薬物動態パラメータを表-3に示した6)。
AUC0-τa)(μg・hr/mL)
6.41±4.20
2.00(1.90-7.58)
99.20±119.0
算術平均値±標準偏差、tmaxは中央値(範囲)a)n=3
健康成人に本剤50mgを、乳製品を含む高カロリー、高脂肪の食事(カルシウム427mg含有)とともに単回経口投与した時、空腹時に比べてAUC0-∞は59%、Cmaxは65%低下した。また、本剤75mgを高脂肪又は低脂肪のカルシウム含有量の低い(50mg未満)食事とともに投与した時、いずれもエルトロンボパグのAUC0-∞及びCmaxに影響を与えなかった2)(外国人データ)。(参考)健康成人にエルトロンボパグの経口懸濁液用粉末(以下、PfOS)製剤25mg(国内未承認)を高カルシウム食(カルシウム約448mg)摂取2時間前に単回投与した時のエルトロンボパグのAUC0-∞及びCmaxは、空腹時投与と比べてそれぞれ20%及び14%低下した。一方、高カルシウム食摂取2時間後にPfOS製剤25mgを単回投与した時、エルトロンボパグのAUC0-∞及びCmaxは、空腹時投与と比べてそれぞれ47%及び48%低下した3)(外国人データ)。,,
本剤はin vitro試験の結果、2~100μg/mLの濃度範囲で99.9%以上がヒト血漿蛋白質と結合し、主な結合蛋白質はアルブミンであった。本剤はBCRPの基質であったが、P-糖蛋白質(Pgp)及びOATP1B1の基質ではないことが確認された。また、本剤はin vitro試験でOATP1B1及びBCRPを阻害(IC50値:いずれも約2.7μM)した。
本剤はin vitro試験の結果、最大100μMの濃度でCYP1A2、CYP2A6、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4/5及びCYP4A9/11の活性を阻害しなかったが、CYP2C8(パクリタキセル)及びCYP2C9(ジクロフェナク)の活性を阻害し、IC50値はそれぞれ24.8μM(11μg/mL)及び20.2μM(8.9μg/mL)であった13)。健康成人男性に本剤75mgを反復経口投与した時、本剤はCYP1A2、CYP2C19、CYP2C9及びCYP3A4の活性を阻害及び誘導しなかった14)(外国人データ)。本剤はin vitro試験の結果、UGT1A1、UGT1A3、UGT1A4、UGT1A6、UGT1A9、UGT2B7及びUGT2B15の活性を阻害(IC50値:3.0~33μM)した13)。健康成人男性に本剤の14C-標識体75mgを経口投与した時、酸化体、グルクロン酸抱合体、グルタチオン抱合体又はシステイン抱合体に代謝された(外国人データ)。また、in vitro試験の結果、本剤の酸化的代謝にはCYP1A2及びCYP2C8が、グルクロン酸抱合にはUGT1A1及びUGT1A3が関与していると考えられた13)。
本剤の主な排泄経路は糞中であり、本剤の14C-標識体75mgを単回経口投与後168時間までに、平均で投与量の30.7%が尿中に、投与量の58.9%が糞中に排泄された。尿中に未変化体(エルトロンボパグ)は認められず、糞中には投与量の約20%が未変化体として排泄された15)(外国人データ)。
腎機能障害患者に本剤50mgを単回経口投与した時のエルトロンボパグのAUC0-∞の幾何平均値は健康成人と比べて軽度の腎機能障害患者(CLcr:50~80mL/min)で32%、中等度の腎機能障害患者(CLcr:30~49mL/min)で36%、重度の腎機能障害患者(CLcr:30mL/min未満)で60%低かった。しかしながら、健康成人及び軽度~重度の腎機能障害患者のAUC0-∞の範囲(最小値~最大値)は、順に32.65~99.32、22.54~83.51、21.10~109.95、3.44~117.54μg・hr/mLとばらつきが大きかった16),17)(外国人データ)。
肝機能障害患者に本剤50mgを単回経口投与した時のエルトロンボパグのAUC0-∞の幾何平均値は健康成人と比べて軽度の肝機能障害患者(Child-Pughスコア:5~6)で41%、中等度の肝機能障害患者(Child-Pughスコア:7~9)で93%、重度の肝機能障害患者(Child-Pughスコア:10以上)で80%高かった。しかしながら、健康成人及び軽度~重度の肝機能障害患者のAUC0-∞の範囲(最小値~最大値)は、順に34.46~174.99、35.86~127.74、57.64~263.22、32.26~263.51μg・hr/mLとばらつきが大きかった16),17)(外国人データ)。
免疫抑制療法で未治療の日本人小児再生不良性貧血患者に、抗胸腺細胞免疫グロブリン及びシクロスポリンとの併用において6歳以上12歳未満の患者に本剤37.5mgを、12歳以上18歳未満の患者に本剤75mgを投与した時のエルトロンボパグの定常状態における薬物動態パラメータを表-4に示した18)。
年齢
6歳以上12歳未満a)
37.5
3
17.7±8.36
3.93(1.87-3.95)
352±194
12歳以上18歳未満b)
2
42.3(40.6,44.0)
3.06(2.12,4.00)
713(705,721)
a)算術平均値±標準偏差、tmaxは中央値(範囲)b)算術平均値(個別値)、tmaxは中央値(個別値)
健康成人に、本剤75mgと多価陽イオン(水酸化アルミニウム及び炭酸マグネシウム)を含む制酸剤を単回併用投与した時、エルトロンボパグのAUC0-∞及びCmaxはともに約70%低下した2)(外国人データ)。,
健康成人に本剤75mg投与の定常状態時に、OATP1B1及びBCRPの基質であるロスバスタチン10mgを単回併用投与した時、単独投与時に比べてロスバスタチンのAUC0-∞は55%、Cmaxは103%増加した(n=39)。層別解析の結果、アジア人では、AUC0-∞は32%、Cmaxは61%増加した(n=21)。なお、ロスバスタチンは、本剤の薬物動態に影響を及ぼさなかった1)(外国人データ)。
健康成人にロピナビル400mg/リトナビル100mg配合剤1日2回反復投与時に、本剤100mgを単回併用投与した時、単独投与時に比べてエルトロンボパグのAUC0-∞は17%低下した(n=40)4)(外国人データ)。
健康成人に本剤50mg単回投与時に、シクロスポリン200mgを単回併用投与した時、単独投与時に比べてエルトロンボパグのAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ18%及び25%低下した(n=37及びn=39)。また、シクロスポリン600mgを単回併用投与した時、単独投与時に比べてエルトロンボパグのAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ24%及び39%低下した(n=33及びn=37)5)(外国人データ)。既存治療で効果不十分な再生不良性貧血患者に本剤50mgを1日1回反復投与した時のエルトロンボパグのトラフ値(平均値)は、シクロスポリン非併用患者(n=12)と比べてシクロスポリン25~250mgを1日2回反復併用投与した患者で73%高値を示した(n=8)6)(日本人データ)。
既治療の慢性特発性血小板減少性紫斑病患者(血小板数が30,000/μL未満)23例を対象として、二重盲検下で本剤12.5又は25mgを1日1回空腹時に、7週間投与した。投与は12.5mgから開始し、投与3週目の血小板数に応じて25mgに用量調節した。その結果、投与6週目における本剤の有効率(血小板数が50,000/μL以上、400,000/μL以下に増加した患者の割合[95%信頼区間])は60%[32.29,83.66]であり、プラセボ(0%[0.00,36.94])に比べて明らかな血小板数増加効果が認められた。二重盲検期終了後は、本剤の投与期間が26週間になるように本剤を継続投与した。用量は血小板数に応じて12.5、25又は50mgに調節した。その結果、投与5週目から26週目までの血小板数(中央値)は50,000/μLを超えて推移し、血小板数の増加に伴い出血症状が改善した(図-1、2)9),10)。
副作用発現頻度は本剤投与群で48%(11/23例)であった。主な副作用は、疲労、ALT増加、血小板数増加、低カリウム血症各9%(2/23例)であった。
上記23例中19例が国内長期継続投与試験に移行した。用量は血小板数に応じて12.5~50mgに調節し、19例中10例では異なる用量の組み合わせや投与間隔の調節も行った。その結果、長期継続投与試験でも血小板数の増加と出血症状の改善が示された。投与期間の中央値は833.0日(範囲:301~981日)であった(最終報告時)19),20)。国内長期継続投与試験に移行した26%(5/19例)に副作用が報告された。主な副作用は、白内障、胸痛各11%(2/19例)であった(最終報告時)。
既治療の慢性特発性血小板減少性紫斑病患者(血小板数が30,000/μL未満)197例を対象として、本剤25、50又は75mgを1日1回空腹時に、26週間投与する二重盲検試験を実施した(本剤135例、プラセボ62例)。投与は50mgから開始し、血小板数に応じて25、50又は75mgに用量調節した。その結果、本剤群のプラセボ群に対する血小板数増加効果のオッズ比[99%信頼区間]は8.2[3.59,18.73]であり、有意に高かった(p〈0.001)。また、本剤群の血小板数(中央値)は、投与1週目より増加し、投与2~26週目まで50,000/μLを超えて推移した(図-4)。本剤投与により出血症状(WHO Bleeding Scaleを用いて評価、Grade2~4)が認められた患者の割合について、本剤群のプラセボ群に対するオッズ比[95%信頼区間]は0.35[0.19,0.64]であり、本剤群の方が有意に低下した(p<0.001)21),22)。
副作用発現頻度は、本剤投与群で37%(50/135例)であった。主な副作用は、頭痛11%(15/135例)、ALT増加4%(6/135例)、悪心4%(6/135例)、白内障4%(5/135例)、下痢3%(4/135例)であった。(本剤の国内承認用量は12.5~50mgを1日1回投与である。)
抗胸腺細胞免疫グロブリンで未治療の再生不良性貧血患者(中等症以上)10例を対象として、抗胸腺細胞免疫グロブリン/シクロスポリンに本剤を併用投与した。抗胸腺細胞免疫グロブリン/シクロスポリン開始後、15日目から初回投与量として本剤75mgを1日1回空腹時に経口投与し、血小板数に応じて2週間ごとに25mgずつ減量した。その結果、投与26週時の奏効率[95%信頼区間]は70.0%[34.8,93.3]であった。なお、奏効率は寛解(輸血非依存かつ血球数の改善)が得られた患者の割合と定義した23)。副作用発現頻度は50.0%(5/10例)であった。主な副作用は、筋肉痛30.0%(3/10例)、血中ビリルビン増加、悪心各20.0%(2/10例)であった。
抗胸腺細胞免疫グロブリンに治療抵抗性若しくは再発又は抗胸腺細胞免疫グロブリン治療が受けられない再生不良性貧血患者(中等症以上)21例を対象として、初回投与量として本剤25mgを1日1回空腹時に経口投与し、血小板数に応じて2週間ごとに25mgずつ、最大100mg/日まで用量調節した。その結果、投与26週時における血液学的反応率[95%信頼区間]は、47.6%[25.7,70.2]であった。なお、血液学的反応率は1系統以上の血球に改善[血小板数が≥20,000/μL増加又は血小板輸血非依存、ヘモグロビン値が≥1.5g/dL増加(投与前値が9g/dL未満の場合)又は赤血球輸血量の減少、好中球数が≥100%(投与前値が500/μL未満の場合)又は≥500/μL増加のうち、1つ以上該当]を認めた患者の割合と定義した。投与継続により血球系統(血小板、赤血球及び好中球)の更なる改善を認め、投与26週時で2系統に改善を認めた4例では投与52週時には3系統が改善した6)。副作用発現頻度は57.1%(12/21例)であった。主な副作用は、血中ALP増加、血中ビリルビン増加、肝機能異常、高ビリルビン血症、発疹が各9.5%(2/21例)であった。
免疫抑制療法で未治療の6歳以上の東アジア人再生不良性貧血患者(重症以上)36例(日本人小児5例を含む)を対象として、抗胸腺細胞免疫グロブリン/シクロスポリン開始日より本剤を併用投与した。初回投与量として本剤75mg(6歳以上12歳未満の患者には本剤37.5mg)を1日1回空腹時に経口投与し、血小板数に応じて2週間ごとに25mgずつ(6歳以上12歳未満の患者では12.5mgずつ)減量した。その結果、投与26週時の完全奏効率[95%信頼区間]、奏効率[95%信頼区間]は16.7%[6.4,32.8]、77.8%[60.8,89.9]であった。また、日本人小児5例における投与26週時の完全奏効率[95%信頼区間]、奏効率[95%信頼区間]は20.0%[0.5,71.6]、80.0%[28.4,99.5]であった。なお、完全奏効率は完全奏効[好中球数が>1,000/μL、血小板数が>100,000/μL、ヘモグロビン値が>10g/dLのすべてを満たす]が得られた患者の割合、奏効率は完全奏効又は部分奏効[好中球数が≥500/μL、血小板数が≥20,000/μL、網赤血球数が≥20,000/μLのうち2項目以上を満たすが、完全奏効の基準には不十分である]の基準を満たした患者の割合と定義した。副作用発現頻度は83.3%(30/36例)であった。主な副作用は、ALT増加、高ビリルビン血症が各30.6%(11/36例)、γ-GTP増加が19.4%(7/36例)であった。また、日本人小児5例の副作用発現頻度は80.0%(4/5例)であった。主な副作用はALT増加40.0%(2/5例)であった18)。,
ヒトトロンボポエチン受容体との特異的な相互作用を介して、トロンボポエチンのシグナル伝達経路の一部を活性化することにより巨核球及び骨髄前駆細胞の増殖及び分化を促進させる24)。
ヒト正常血小板においてアデノシン二リン酸誘発の血小板凝集に影響を及ぼさず、P-セレクチンの発現を誘導しなかった25)。
In vitro及びin vivoにおいて、ヒト骨髄幹細胞及び前駆細胞の増殖及び分化を促進させ、多系統の血球が増加した26)。
エルトロンボパグ オラミン(Eltrombopag Olamine)
3'-{(2Z)-2-[1-(3,4-Dimethylphenyl)-3-methyl-5-oxo-1,5-dihydro-4H-pyrazol-4-ylidene]hydrazino}-2'-hydroxybiphenyl-3-carboxylic acid bis(2-aminoethanol)
C25H22N4O4・2(C2H7NO)
564.63
赤色~褐色の粉末
4.05
70錠[7錠(両面アルミニウムPTP)×10]
1) Allred,A.J.et al.:Br.J.Clin.Pharmacol. 2011; 72(2): 321-329 [20152521]
2) Williams,D.D.et al.:Clin.Ther. 2009; 31(4): 764-776 [20152327]
3) Wire,M.B.et al.:Clin.Ther. 2012; 34(3): 699-709 [20152652]
4) Wire,M.B.et al.:Antimicrob.Agents Chemother. 2012; 56(6): 2846-2851 [20152670]
5) 社内資料:エルトロンボパグとシクロスポリンの薬物相互作用(201583試験)(2017年8月25日承認、CTD2.7.2-2.1.1) [20160747]
6) 社内資料:国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(ETB115E1201試験)(2017年8月25日承認、CTD2.7.6-4.2.1) [20170501]
7) Shida,Y.et al.:臨床薬理2011; 42(1): 11-20 [20154538]
8) 社内資料:国内第Ⅰ相臨床試験(TRA104603試験,TRA105580試験)(2010年10月27日承認、CTD2.7.2.2.2.1.1,2.7.2.2.2.1.2) [20160020]
9) Tomiyama,Y.et al.:J.Thromb.Haemost.2012; 10(5): 799-806 [20152644]
10) 社内資料:国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(TRA108109試験)(2010年10月27日承認、CTD2.7.3.3.2.1.1,2.7.3.3.2.1.2,2.7.4.2.1.1.3.1.1) [20155833]
11) Gibiansky,E.et al.:J.Clin.Pharmacol. 2011; 51(6): 842-856 [20152522]
12) 社内資料:母集団薬物動態解析(2010年10月27日承認、CTD2.7.2.3.2.1.2,2.7.2.3.3) [20160021]
13) 社内資料:代謝(2010年10月27日承認、CTD2.7.2.2.1,2.7.2.2.2.1.5,2.7.2.2.2.4.2) [20160022]
14) Jenkins,J.et al.:Eur.J.Clin.Pharmacol. 2010; 66(1): 67-76 [20152334]
15) 社内資料:排泄(2010年10月27日承認、CTD2.7.2.2.2.1.5) [20160023]
16) Bauman,J.W.et al.:J.Clin.Pharmacol. 2011; 51(5): 739-750 [20152523]
17) 社内資料:腎障害又は肝障害患者における薬物動態(2010年10月27日承認、CTD2.7.2.2.2.3) [20160024]
18) *社内資料:国際共同第Ⅱ相臨床試験(ETB115G2201試験)(2023年12月22日承認、CTD2.5.4.2.2,2.7.4.7付録-Table 7-3,2.7.6.4.2.1)[20230108]
19) Katsutani,S.et al.:Int.J.Hematol. 2013; 98(3): 323-330 [20152700]
20) 社内資料:国内第Ⅲ相臨床試験(TRA111433試験) [20155834]
21) Cheng,G.et al.:Lancet 2011; 377(9763):393-402Department of Error:Lancet. 2011; 377(9763): 382 [20152366]
22) 社内資料:海外第Ⅲ相臨床試験(TRA102537試験;RAISE試験)(2010年10月27日承認、CTD2.7.4.7付録-表2.7.4.7-5,2.7.6-TRA102537試験) [20155835]
23) 社内資料:国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(ETB115E1202試験)(2017年8月25日承認、CTD2.7.6-4.2.2) [20170502]
24) Erickson-Miller,C.L.et al.:Stem Cells 2009; 27(2): 424-430 [20152326]
25) Erhardt,J.A.et al.:Exp.Hematol. 2009: 37(9); 1030-1037 [20152344]
26) Sun,H.et al.:Stem Cell Res. 2012; 9(2): 77-86 [20170519]
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