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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人には1ボトル(ゾレドロン酸として4mg)を15分以上かけて点滴静脈内投与する。なお、再投与が必要な場合には、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔をおくこと。
通常、成人には1ボトル(ゾレドロン酸として4mg)を15分以上かけて3~4週間間隔で点滴静脈内投与する。
クレアチニンクリアランス(mL/分)
濃度調整のために抜き取る本剤の量(mL)
濃度調整のために加える日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)の量(mL)
調整後の本剤の濃度(mg/100mL)
>60
調整不要
4.0
50~60
12.0
3.5
40~49
18.0
3.3
30~39
25.0
3.0
多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変を有する患者では、腎機能の低下に応じて、投与量を調節すること。
状態を観察しながら慎重に投与すること。腎機能が悪化するおそれがある。多発性骨髄腫及び固形癌骨転移患者で血清クレアチニンが3.0mg/dL以上、悪性腫瘍による高カルシウム血症患者で血清クレアチニンが4.5mg/dL以上の患者での十分な使用経験がない。
妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出されるので、全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠動物(ラット)へのゾレドロン酸の皮下投与によって、催奇形性、妊娠後期・分娩期の母動物の死亡が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。類薬のパミドロン酸二ナトリウムにおいて、動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。
国内では小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
カルシトニン製剤
血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。
相互に作用を増強する。
アミノグリコシド系抗生物質
長期間にわたり血清カルシウムが低下するおそれがある。
シナカルセト
血清カルシウムが低下するおそれがある。
急性腎障害、間質性腎炎、ファンコニー症候群(低リン血症、低カリウム血症、代謝性アシドーシス等を主症状とする近位腎尿細管障害)等の腎障害(1%~10%未満)があらわれることがある。
輸液過量負荷によりうっ血性心不全(浮腫、呼吸困難、肺水腫)があらわれることがある。
臨床症状(QT延長、痙攣、テタニー、しびれ、失見当識等)を伴う低カルシウム血症があらわれた場合には、カルシウム剤の点滴投与等の適切な処置を行うこと。
間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
5%以上
5%未満
頻度不明
血液系
─
貧血
血小板減少、白血球減少、汎血球減少
過敏症
紅斑、水疱、皮疹、湿疹、そう痒
紅斑性皮疹、斑状皮疹、血管神経性浮腫、蕁麻疹
代謝及び栄養
低リン酸血症
低カリウム血症、高カリウム血症
低マグネシウム血症、高ナトリウム血症
精神
不安、睡眠障害、錯乱、幻覚
神経系
頭痛
浮動性めまい、味覚異常、感覚減退
錯感覚、知覚過敏、振戦、傾眠
眼
結膜炎、結膜充血
霧視、ブドウ膜炎、上強膜炎、強膜炎、眼窩の炎症(眼窩浮腫、眼窩蜂巣炎等)
心臓
徐脈、低血圧、高血圧
呼吸器系
呼吸困難
咳嗽
胃腸
嘔気
下痢、便秘、腹痛、食欲不振、嘔吐、口内炎、歯周病(歯肉炎、歯周炎等)
消化不良、口内乾燥
肝胆道系
肝機能異常(AST、ALT、γ-GTP増加)
筋骨格系
関節痛注)、骨痛注)
関節硬直、筋肉痛注)、筋硬直、背部痛注)
全身痛注)
腎及び尿路
尿中β2-ミクログロブリン増加
血尿、多尿、蛋白尿、血中尿素増加、血中クレアチニン増加、β-Nアセチル-D-グルコサミニダーゼ増加
全身障害及び投与局所様態
発熱注)、けん怠感注)
脱力、疲労注)、浮腫、末梢性浮腫、胸痛、疼痛、悪寒注)、口渇、関節炎注)、関節腫脹注)
注射部位反応(疼痛、刺激感、腫脹、硬結、発赤)、体重増加、多汗、インフルエンザ様疾患注)
本剤の過量投与により著明な低カルシウム血症を起こす可能性がある。このような症状があらわれた場合には、カルシウム剤を投与するなど、適切な処置を行うこと。
15分間以上かけて点滴静脈内注射すること。
悪性腫瘍骨転移患者にゾレドロン酸4mgを15分間静脈内投与したとき、血漿中濃度は以下のように推移した(n=10)1)。
用法・用量
Cmax(ng/mL)
AUC0-24h(ng・h/mL)
4mg15分間投与
426±101
576±130
ゾレドロン酸は静脈内投与したとき、ほとんど代謝を受けずに腎排泄される。悪性腫瘍骨転移患者(9例)及び悪性腫瘍による高カルシウム血症患者(19例)にゾレドロン酸4mgを15分間静脈内投与したとき、初回投与後24時間までに投与量の32.6%及び16.0%が未変化体として尿中に排泄された1),2) 。
悪性腫瘍による高カルシウム血症患者を対象とした非盲検、非対照試験において、ゾレドロン酸4mg点滴静注により、主要評価項目である投与後10日目までの血清補正カルシウム値の正常化率は、84.0%(25例中21例)を示した。なお、ゾレドロン酸投与後10日目までに血清補正カルシウム値が10.8mg/dL以下に低下することを正常化と定義した3)。副作用発現頻度は、84.6%(22/26例)であった(臨床検査値の異常を含む)。そのうち臨床症状が65.4%(17例)、臨床検査値異常は50.0%(13例)に認められた。主な臨床症状は、発熱53.8%(14例)、低リン酸血症11.5%(3例)、低カリウム血症7.7%(2例)等であった。また、臨床検査値異常の主なものは、血中リン酸塩減少26.9%(7例)、尿中β2-ミクログロブリン増加15.4%(4例)、血中カリウム減少7.7%(2例)等であった。
悪性腫瘍による高カルシウム血症患者におけるパミドロン酸二ナトリウムを対照とした二重盲検比較試験において、ゾレドロン酸4mg点滴静注により、主要評価項目である投与後10日目までの血清補正カルシウム値の正常化率は、88.4%(86例中76例)を示し、パミドロン酸二ナトリウムの正常化率69.7%(99例中69例)と比較して有意(p<0.001)に高かった。なお、ゾレドロン酸投与後10日目までに血清補正カルシウム値が10.8mg/dL以下に低下することを正常化と定義した4) 。副作用発現頻度は、ゾレドロン酸4mg投与群で20.9%(18/86例)であった。主な副作用は、発熱7.0%(6例)、低カルシウム血症5.8%(5例)、低リン酸血症3.5%(3例)等であった。
乳癌骨転移患者におけるプラセボを対照とした二重盲検比較試験において、SRE(骨関連事象:病的骨折、骨病変に対する放射線治療、骨病変に対する外科的手術、脊髄圧迫)発現割合は、ゾレドロン酸4mg群で30%を示し、プラセボ群の50%と比較して、有意(p=0.003)に低く、ゾレドロン酸4mgはSREの発現を抑制した5)。副作用発現頻度は、ゾレドロン酸投与群で62.3%(71/114例)であった(臨床検査値の異常を含む)。主な副作用は、発熱42.1%(48例)、嘔気13.2%(15例)、けん怠感13.2%(15例)、頭痛11.4%(13例)、骨痛8.8%(10例)、関節痛7.0%(8例)等であった。また、臨床検査値異常の主なものは、尿中β2-ミクログロブリン増加6.1%(7例)、β-Nアセチル-D-グルコサミニダーゼ増加5.3%(6例)等であった。
ゾレドロン酸の骨吸収阻害作用の主な機序は、破骨細胞のアポトーシス誘導9)及び機能喪失10)であると考えられる。
甲状腺・副甲状腺摘出ラットを用いた活性型ビタミンD3誘発高カルシウム血症モデルにゾレドロン酸を皮下投与したとき、用量依存的に血清カルシウム濃度を低下させる11)。
ゾレドロン酸はマウス頭蓋冠培養系において、各種カルシウム遊離促進剤によるマウス頭蓋冠からのカルシウム遊離を用量依存的に阻害する11)。ゾレドロン酸は乳癌細胞及び骨髄腫細胞の骨転移モデルにおける溶骨性病変を抑制する12),13) 。
ゾレドロン酸水和物(Zoledronic Acid Hydrate)
(1-Hydroxy-2-imidazol-1-ylethylidene)diphosphonic acid monohydrate
C5H10N2O7P2・H2O
290.10
白色の結晶性の粉末である。
1) 社内資料:国内悪性腫瘍骨転移患者における薬物動態 (2004年10月22日承認、申請資料概要へ.3.1.(3)) [20048084]
2) 社内資料:高カルシウム血症患者に対する第Ⅱ相試験(国内試験1201)(2004年10月22日承認、申請資料概要へ.3.2.(1)) [20048078]
3) Kawada K.et al.:Jpn.J.Clin.Oncol.2005;35(1):28-33 [20050714]
4) Major P.et al.:J.Clin.Oncol.2001;19(2):558-567 [20047968]
5) Kohno N.et al.:J.Clin.Oncol.2005;23(15):3314-3321 [20052707]
6) Rosen L.S.et al.:Cancer J.2001;7(5):377-387 [20035440]
7) Rosen L.S.et al.:J.Clin.Oncol.2003;21(16):3150-3157 [20047063]
8) Saad F.et al.:J.Natl.Cancer Inst.2002;94(19):1458-1468 [20046930]
9) 社内資料:in vitro破骨細胞におけるアポトーシス誘導作用(2004年10月22日承認、申請資料概要ホ.1.2.(3)) [20048082]
10) Coxon F.P.et al.:J.Bone Miner.Res.2000;15(8):1467-1476 [20047603]
11) 社内資料:甲状腺・副甲状腺摘出ラットにおける1, 25-ジヒドロキシビタミンD3(1, 25(OH)2D3)誘発高カルシウム血症に対する作用とin vitroマウス頭蓋冠カルシウム遊離阻害作用(2004年10月22日承認、申請資料概要ホ.1.1.(1)) [20048079]
12) 社内資料:MDA-MB-231/B02ヒト乳癌細胞の骨転移モデルを用いた腫瘍性骨溶解に対する作用(2004年10月22日承認、申請資料概要ホ.1.1.(3)) [20048080]
13) 社内資料:5T2MM骨髄腫細胞の骨転移モデルを用いた腫瘍性骨溶解に対する作用(2004年10月22日承認、申請資料概要ホ.1.1.(3)) [20048081]
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