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ゾメタ点滴静注4mg/100mL

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.2腎機能障害患者
9.4生殖能を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ゾメタ点滴静注4mg/100mL

添付文書番号

3999423A2024_1_10

企業コード

300242

作成又は改訂年月

2021年7月改訂(第2版)
2019年9月改訂(第1版、再審査結果)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

骨吸収抑制剤

承認等

ゾメタ点滴静注4mg/100mL

販売名コード

YJコード

3999423A2024

販売名英語表記

ZOMETA for i.v. infusion 4mg/100mL

販売名ひらがな

ぞめたてんてきじょうちゅう4mg/100mL

承認番号等

承認番号

22400AMX01382000

販売開始年月

2013年2月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

ゾレドロン酸水和物

1. 警告

  • <効能共通>
    1. 1.1 本剤は点滴静脈内注射のみに用いること。また、投与は必ず15分間以上かけて行うこと。5分間で点滴静脈内注射した外国の臨床試験で、急性腎障害が発現した例が報告されている。
  • <悪性腫瘍による高カルシウム血症>
    1. 1.2 高カルシウム血症による脱水症状を是正するため、輸液過量負荷による心機能への影響を留意しつつ十分な補液治療を行った上で投与すること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分又は他のビスホスホネート系薬剤に対し、過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

3. 組成・性状

3.1 組成

ゾメタ点滴静注4mg/100mL

有効成分1 ボトル(100mL)中ゾレドロン酸水和物   4.264mg
(ゾレドロン酸として   4.0mg )
添加剤D-マンニトール  5100.0mg
クエン酸ナトリウム水和物 24.0mg

3.2 製剤の性状

ゾメタ点滴静注4mg/100mL

pH6.0~7.0
性状無色澄明の液
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1

4. 効能又は効果

  • 悪性腫瘍による高カルシウム血症
  • 多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変

6. 用法及び用量

  • 〈悪性腫瘍による高カルシウム血症〉

    通常、成人には1ボトル(ゾレドロン酸として4mg)を15分以上かけて点滴静脈内投与する。なお、再投与が必要な場合には、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔をおくこと。

  • 〈多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変〉

    通常、成人には1ボトル(ゾレドロン酸として4mg)を15分以上かけて3~4週間間隔で点滴静脈内投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • <悪性腫瘍による高カルシウム血症>
    1. 7.1 軽症(血清補正カルシウム値12mg/dL未満)の高カルシウム血症患者では、補液による治療が効果不十分で症状の改善がみられないなど本剤の投与が必要と判断される場合に投与すること。
    2. 7.2 本剤を再投与する場合、初回投与と同様に4mgを点滴静脈内投与すること。
      日本人で4mgを超えた用量の再投与及び3回以上の投与の使用経験がない。
  • <多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変>
    1. 7.3 腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて減量すること。減量にあたっては、下表に示した規定量をボトルから抜き取り新たに同量の日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)をボトルに加えて全量を100mLに調製し投与すること。

      クレアチニンクリアランス(mL/分)

      濃度調整のために抜き取る本剤の量(mL)

      濃度調整のために加える日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)の量(mL)

      調整後の本剤の濃度(mg/100mL)

      >60

      調整不要

      調整不要

      4.0

      50~60

      12.0

      12.0

      3.5

      40~49

      18.0

      18.0

      3.3

      30~39

      25.0

      25.0

      3.0

    2. 7.4 化学療法あるいは内分泌療法等の抗癌療法と併用することが望ましい。

8. 重要な基本的注意

  • <効能共通>
    1. 8.1 がん治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ使用すること。
    2. 8.2 本剤の各投与前に腎機能検査(血清クレアチニン、BUN等)を行うこと。また、本剤投与後は定期的に腎機能検査(血清クレアチニン、BUN等)を行うこと。本剤投与後に腎機能が悪化した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    3. 8.3 本剤投与後は、血清補正カルシウム、リン、マグネシウム、カリウム等の変動に注意すること。本剤投与により、低カルシウム血症が投与初日~10日目頃に出現する可能性があるので、血清補正カルシウム値には特に注意すること。なお、多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変を有する患者に対しては、必要に応じてカルシウム及びビタミンDを補給させるよう指導すること。
    4. 8.4 ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。
      本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に歯科処置が必要になった場合には、できる限り非侵襲的な歯科処置を受けるよう指導すること。
      また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。
    5. 8.5 ビスホスホネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告がある。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。
    6. 8.6 *ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。
  • <多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変>
    1. 8.7 本剤を継続投与する場合、投与前に腎機能障害のある患者では、血清クレアチニンが投与前値から1.0mg/dL以上、腎機能が正常な患者では、血清クレアチニンが投与前値から0.5mg/dL以上上昇した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎障害のある患者

    多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変を有する患者では、腎機能の低下に応じて、投与量を調節すること。

  2. 9.2.2 重篤な腎障害のある患者

    状態を観察しながら慎重に投与すること。腎機能が悪化するおそれがある。多発性骨髄腫及び固形癌骨転移患者で血清クレアチニンが3.0mg/dL以上、悪性腫瘍による高カルシウム血症患者で血清クレアチニンが4.5mg/dL以上の患者での十分な使用経験がない。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出されるので、全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠動物(ラット)へのゾレドロン酸の皮下投与によって、催奇形性、妊娠後期・分娩期の母動物の死亡が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。類薬のパミドロン酸二ナトリウムにおいて、動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

国内では小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    カルシトニン製剤

    • カルシトニン
      エルカトニン
      サケカルシトニン

    血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。

    相互に作用を増強する。

    アミノグリコシド系抗生物質

    • ゲンタマイシン等

    長期間にわたり血清カルシウムが低下するおそれがある。

    相互に作用を増強する。

    シナカルセト

    血清カルシウムが低下するおそれがある。

    相互に作用を増強する。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 急性腎障害、間質性腎炎、ファンコニー症候群

      急性腎障害、間質性腎炎、ファンコニー症候群(低リン血症、低カリウム血症、代謝性アシドーシス等を主症状とする近位腎尿細管障害)等の腎障害(1%~10%未満)があらわれることがある。

    2. 11.1.2 うっ血性心不全(頻度不明)

      輸液過量負荷によりうっ血性心不全(浮腫、呼吸困難、肺水腫)があらわれることがある。

    3. 11.1.3 低カルシウム血症(5%未満)

      臨床症状(QT延長、痙攣、テタニー、しびれ、失見当識等)を伴う低カルシウム血症があらわれた場合には、カルシウム剤の点滴投与等の適切な処置を行うこと。

    4. 11.1.4 間質性肺炎(頻度不明)

      間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

    5. 11.1.5 顎骨壊死・顎骨骨髄炎(頻度不明)

    6. 11.1.6 外耳道骨壊死(頻度不明)

    7. 11.1.7 *大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折(頻度不明)

    11.2 その他の副作用

    5%以上

    5%未満

    頻度不明

    血液系

    貧血

    血小板減少、白血球減少、汎血球減少

    過敏症

    紅斑、水疱、皮疹、湿疹、そう痒

    紅斑性皮疹、斑状皮疹、血管神経性浮腫、蕁麻疹

    代謝及び栄養

    低リン酸血症

    低カリウム血症、高カリウム血症

    低マグネシウム血症、高ナトリウム血症

    精神

    不安、睡眠障害、錯乱、幻覚

    神経系

    頭痛

    浮動性めまい、味覚異常、感覚減退

    錯感覚、知覚過敏、振戦、傾眠

    結膜炎、結膜充血

    霧視、ブドウ膜炎、上強膜炎、強膜炎、眼窩の炎症(眼窩浮腫、眼窩蜂巣炎等)

    心臓

    徐脈、低血圧、高血圧

    呼吸器系

    呼吸困難

    咳嗽

    胃腸

    嘔気

    下痢、便秘、腹痛、食欲不振、嘔吐、口内炎、歯周病(歯肉炎、歯周炎等)

    消化不良、口内乾燥

    肝胆道系

    肝機能異常
    (AST、ALT、γ-GTP増加)

    筋骨格系

    関節痛注)、骨痛注)

    関節硬直、筋肉痛注)、筋硬直、背部痛注)

    全身痛注)

    腎及び尿路

    尿中β2-ミクログロブリン増加

    血尿、多尿、蛋白尿、血中尿素増加、血中クレアチニン増加、β-Nアセチル-D-グルコサミニダーゼ増加

    全身障害及び投与局所様態

    発熱注)、けん怠感注)

    脱力、疲労注)、浮腫、末梢性浮腫、胸痛、疼痛、悪寒注)、口渇、関節炎注)、関節腫脹注)

    注射部位反応(疼痛、刺激感、腫脹、硬結、発赤)、体重増加、多汗、インフルエンザ様疾患注)

    注)急性期反応(本剤投与後3日以内に発現し、通常は数日以内に回復する)に該当する副作用を含む。

    13. 過量投与

    本剤の過量投与により著明な低カルシウム血症を起こす可能性がある。このような症状があらわれた場合には、カルシウム剤を投与するなど、適切な処置を行うこと。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    1. 14.1.1 外観に異常を認めた場合には使用しないこと。
    2. 14.1.2 カルシウム及びマグネシウムを含有する点滴用液と混合しないこと。
    3. 14.1.3 減量して投与する場合を除き、希釈又は他の点滴用液と混合しないこと。
    4. 14.1.4 調製後は出来るだけ速やかに使用すること。
      直ちに使用しない場合は、2~8℃で保存し、24時間以内に使用すること。また、使用する前に室温に戻してから使用すること。

    14.2 薬剤投与時の注意

    15分間以上かけて点滴静脈内注射すること。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    悪性腫瘍骨転移患者にゾレドロン酸4mgを15分間静脈内投与したとき、血漿中濃度は以下のように推移した(n=10)1)

    用法・用量

    Cmax
    (ng/mL)

    AUC0-24h
    (ng・h/mL)

    4mg15分間投与

    426±101

    576±130

    16.5 排泄

    ゾレドロン酸は静脈内投与したとき、ほとんど代謝を受けずに腎排泄される。悪性腫瘍骨転移患者(9例)及び悪性腫瘍による高カルシウム血症患者(19例)にゾレドロン酸4mgを15分間静脈内投与したとき、初回投与後24時間までに投与量の32.6%及び16.0%が未変化体として尿中に排泄された1),2)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    • 〈悪性腫瘍による高カルシウム血症〉
      1. 17.1.1 国内第Ⅱ相試験

        悪性腫瘍による高カルシウム血症患者を対象とした非盲検、非対照試験において、ゾレドロン酸4mg点滴静注により、主要評価項目である投与後10日目までの血清補正カルシウム値の正常化率は、84.0%(25例中21例)を示した。なお、ゾレドロン酸投与後10日目までに血清補正カルシウム値が10.8mg/dL以下に低下することを正常化と定義した3)
        副作用発現頻度は、84.6%(22/26例)であった(臨床検査値の異常を含む)。そのうち臨床症状が65.4%(17例)、臨床検査値異常は50.0%(13例)に認められた。主な臨床症状は、発熱53.8%(14例)、低リン酸血症11.5%(3例)、低カリウム血症7.7%(2例)等であった。また、臨床検査値異常の主なものは、血中リン酸塩減少26.9%(7例)、尿中β2-ミクログロブリン増加15.4%(4例)、血中カリウム減少7.7%(2例)等であった。

      2. 17.1.2 外国第Ⅱ相試験

        悪性腫瘍による高カルシウム血症患者におけるパミドロン酸二ナトリウムを対照とした二重盲検比較試験において、ゾレドロン酸4mg点滴静注により、主要評価項目である投与後10日目までの血清補正カルシウム値の正常化率は、88.4%(86例中76例)を示し、パミドロン酸二ナトリウムの正常化率69.7%(99例中69例)と比較して有意(p<0.001)に高かった。なお、ゾレドロン酸投与後10日目までに血清補正カルシウム値が10.8mg/dL以下に低下することを正常化と定義した4)
        副作用発現頻度は、ゾレドロン酸4mg投与群で20.9%(18/86例)であった。主な副作用は、発熱7.0%(6例)、低カルシウム血症5.8%(5例)、低リン酸血症3.5%(3例)等であった。

    • 〈多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変〉
      1. 17.1.3 国内第Ⅲ相試験

        乳癌骨転移患者におけるプラセボを対照とした二重盲検比較試験において、SRE(骨関連事象:病的骨折、骨病変に対する放射線治療、骨病変に対する外科的手術、脊髄圧迫)発現割合は、ゾレドロン酸4mg群で30%を示し、プラセボ群の50%と比較して、有意(p=0.003)に低く、ゾレドロン酸4mgはSREの発現を抑制した5)
        副作用発現頻度は、ゾレドロン酸投与群で62.3%(71/114例)であった(臨床検査値の異常を含む)。主な副作用は、発熱42.1%(48例)、嘔気13.2%(15例)、けん怠感13.2%(15例)、頭痛11.4%(13例)、骨痛8.8%(10例)、関節痛7.0%(8例)等であった。また、臨床検査値異常の主なものは、尿中β2-ミクログロブリン増加6.1%(7例)、β-Nアセチル-D-グルコサミニダーゼ増加5.3%(6例)等であった。

      2. 17.1.4 外国第Ⅲ相試験
        1. (1) 乳癌骨転移及び多発性骨髄腫患者におけるパミドロン酸二ナトリウム90mgを対照とした二重盲検比較試験において、SRE発現割合は、ゾレドロン酸4mg群で44%、パミドロン酸二ナトリウム90mg群で46%を示し、差の95%信頼区間の上限3.7%は規定した非劣性マージンである8%を下回り、ゾレドロン酸4mgはパミドロン酸二ナトリウム90mgに劣らないことが検証された6)
          副作用発現頻度は、ゾレドロン酸4mg投与群で34.8%(196/563例)であった。主な副作用は、骨痛9.1%(51例)、発熱7.3%(41例)、嘔気5.2%(29例)、疲労3.7%(21例)、頭痛、悪寒 各3.4%(19例)、関節痛、筋痛 各3.0%(17例)等であった。
        2. (2) 乳癌又は前立腺癌以外の固形癌骨転移患者におけるプラセボを対照とした二重盲検比較試験において、最初のSREが発現するまでの期間の中央値は、ゾレドロン酸4mg群で230日を示し、プラセボ群の163日と比較して有意(p=0.023)に長く、ゾレドロン酸4mgはSREの発現を延長させた7)
          副作用発現頻度は、ゾレドロン酸4mg投与群で27.2%(69/254例)であった。主な副作用は、骨痛6.7%(17例)、発熱、嘔気 各5.1%(13例)、低カルシウム血症3.9%(10例)等であった。
        3. (3) 前立腺癌骨転移患者におけるプラセボを対照とした二重盲検比較試験において、SRE発現割合は、ゾレドロン酸4mg群で33%を示し、プラセボ群の44%と比較して有意(p=0.021)に低く、ゾレドロン酸4mgはSREの発現を抑制した8)
          副作用発現頻度は、ゾレドロン酸4mg投与群で41.6%(89/214例)であった。主な副作用は、骨痛、発熱 各9.3%(20例)、嘔気7.9%(17例)、疲労6.5%(14例)、インフルエンザ様疾患6.1%(13例)、筋痛5.1%(11例)、頭痛4.2%(9例)、低カルシウム血症3.7%(8例)、悪寒3.3%(7例)等であった。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    ゾレドロン酸の骨吸収阻害作用の主な機序は、破骨細胞のアポトーシス誘導9)及び機能喪失10)であると考えられる。

    18.2 高カルシウム血症改善作用

    甲状腺・副甲状腺摘出ラットを用いた活性型ビタミンD3誘発高カルシウム血症モデルにゾレドロン酸を皮下投与したとき、用量依存的に血清カルシウム濃度を低下させる11)

    18.3 骨吸収阻害作用

    ゾレドロン酸はマウス頭蓋冠培養系において、各種カルシウム遊離促進剤によるマウス頭蓋冠からのカルシウム遊離を用量依存的に阻害する11)。ゾレドロン酸は乳癌細胞及び骨髄腫細胞の骨転移モデルにおける溶骨性病変を抑制する12),13)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    ゾレドロン酸水和物(Zoledronic Acid Hydrate)

    化学名

    (1-Hydroxy-2-imidazol-1-ylethylidene)diphosphonic acid monohydrate

    分子式

    C5H10N2O7P2・H2O

    分子量

    290.10

    性状

    白色の結晶性の粉末である。

    化学構造式

    22. 包装

    • 100mL[1ボトル]

    23. 主要文献

    1) 社内資料:国内悪性腫瘍骨転移患者における薬物動態 (2004年10月22日承認、申請資料概要へ.3.1.(3)) [20048084]

    2) 社内資料:高カルシウム血症患者に対する第Ⅱ相試験(国内試験1201)(2004年10月22日承認、申請資料概要へ.3.2.(1)) [20048078]

    3) Kawada K.et al.:Jpn.J.Clin.Oncol.2005;35(1):28-33 [20050714]

    4) Major P.et al.:J.Clin.Oncol.2001;19(2):558-567 [20047968]

    5) Kohno N.et al.:J.Clin.Oncol.2005;23(15):3314-3321 [20052707]

    6) Rosen L.S.et al.:Cancer J.2001;7(5):377-387 [20035440]

    7) Rosen L.S.et al.:J.Clin.Oncol.2003;21(16):3150-3157 [20047063]

    8) Saad F.et al.:J.Natl.Cancer Inst.2002;94(19):1458-1468 [20046930]

    9) 社内資料:in vitro破骨細胞におけるアポトーシス誘導作用(2004年10月22日承認、申請資料概要ホ.1.2.(3)) [20048082]

    10) Coxon F.P.et al.:J.Bone Miner.Res.2000;15(8):1467-1476 [20047603]

    11) 社内資料:甲状腺・副甲状腺摘出ラットにおける1, 25-ジヒドロキシビタミンD3(1, 25(OH)2D3)誘発高カルシウム血症に対する作用とin vitroマウス頭蓋冠カルシウム遊離阻害作用(2004年10月22日承認、申請資料概要ホ.1.1.(1)) [20048079]

    12) 社内資料:MDA-MB-231/B02ヒト乳癌細胞の骨転移モデルを用いた腫瘍性骨溶解に対する作用(2004年10月22日承認、申請資料概要ホ.1.1.(3)) [20048080]

    13) 社内資料:5T2MM骨髄腫細胞の骨転移モデルを用いた腫瘍性骨溶解に対する作用(2004年10月22日承認、申請資料概要ホ.1.1.(3)) [20048081]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    ノバルティスファーマ株式会社 ノバルティスダイレクト

    〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1

    26. 製造販売業者等

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