当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
HER2過剰発現が確認された手術不能又は再発乳癌
有害事象
発現回数
処置
無症候性の駆出率低下注1)
1回目
投与継続(1~2週後に再検)
回復:投与継続
持続:休薬(3週以内に再検)
回復:カペシタビンとの併用においては1000mg/日、アロマターゼ阻害剤との併用においては1250mg/日に減量して再開可能
持続:中止
2回目(減量前)
1回目に準じる
2回目(減量後)
中止
症候性の駆出率低下(Grade 3、4)
-
間質性肺炎(Grade 3、4)
注1)LVEFがベースラインから20%以上低下かつ施設基準値を下回った場合
総ビリルビン
ALT
>2.0×ULN(直接ビリルビン>35%注2))
>3.0×ULN
上記以外
>8.0×ULN
休薬(2週後に再検)有効性が得られている場合、カペシタビンとの併用においては1000mg/日、アロマターゼ阻害剤との併用においては1250mg/日に減量して再開可能
>5.0×ULN注3)(無症候性にて2週間継続)
>3.0×ULN(症候性注4))
>3.0×ULN(無症候性)
継続(1週間ごとに再検)ALT>3.0×ULNが4週間継続した場合は中止
≦3.0×ULN
継続
注2)測定していない場合は>35%とみなす注3)ALT>5.0×ULN発現時点で3日以内に再検し、その後1週間毎に検査注4)肝炎又は過敏症の徴候・症状(疲労、嘔気、嘔吐、右上腹部の痛みあるいは圧痛、発熱、発疹又は好酸球増加)のいずれかの発現もしくは増悪
500/mm3≦Neu<1000/mm325000/mm3≦Pt<75000/mm36.5g/dL≦Hb<9.0g/dL注5)1.5mg/dL<Cre≦6×ULNCCr<40mL/min
休薬(Grade 1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、1回目:減量せず再開2~3回目:減量せず又はカペシタビンとの併用においては1000mg/日、アロマターゼ阻害剤との併用においては1250mg/日に減量して再開
Neu<500/mm3Pt<25000/mm3Hb<6.5g/dL注5)Cre>6×ULN
休薬(Grade 1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、減量、継続、再開等は事象毎に判断
注5)輸血時は輸血後の数値
Grade 2
1~2回目:減量せず継続3回目:減量せず又はカペシタビンとの併用においては1000mg/日、アロマターゼ阻害剤との併用においては1250mg/日に減量して継続4回目:カペシタビンとの併用においては1000mg/日、アロマターゼ阻害剤との併用においては1250mg/日に減量して継続
Grade 3
休薬(Grade 1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、発現回数にかかわらず、減量せず又はカペシタビンとの併用においては1000mg/日、アロマターゼ阻害剤との併用においては1250mg/日に減量して再開可能
Grade 4
GradeはNCI CTCAE1)(ver3.0)による。ULN:施設基準値上限カペシタビンの用量調節基準については17.1.2参照
間質性肺疾患が増悪するおそれがある。,
症状が悪化するおそれがある。,
肝機能障害が悪化するおそれがある。ラパチニブは主として肝臓で代謝されるので、AUCが増加するおそれがある。
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後⼀定期間は適切な避妊を行い妊娠しないよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験では、ラットで生後21日までに出生児生存率の低値(60mg/kg/日以上)、母動物毒性及び軽度な胎児異常(骨化促進)(120mg/kg/日)が認められた。また、ウサギで母動物毒性、胎児体重の低値及び軽度な骨格変異(60mg/kg/日以上)、流産(120mg/kg/日)が認められた。,
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)でラパチニブを授乳動物に投与したとき、乳児への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験を実施していない。
患者の状態を観察しながら注意して投与すること。一般に生理機能が低下している。
CYP3A4を阻害する薬剤等
健康成人において、ケトコナゾールとの併用により本剤のAUCが約3.6倍に増加し、半減期が1.7倍に延長したとの報告がある2)。CYP阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。併用する場合は、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
本剤の代謝酵素であるCYP3A4が阻害されることにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤投与時はグレープフルーツ(ジュース)を摂取しないよう注意すること。
CYP3A4を誘導する薬剤
健康成人において、カルバマゼピンとの併用により本剤のAUCが約72%減少したとの報告がある2)。CYP誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。併用に際しては、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
本剤の代謝酵素であるCYP3A4が誘導されることにより、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する可能性がある。
治療域が狭くCYP3A4で代謝される薬剤
ミダゾラムのAUCが経口投与では約45%及び静脈内投与では約14%増加したとの報告がある3)。
本剤のCYP3A4に対する阻害作用が示されている。経口投与製剤では本剤が消化管でのCYP3A4による代謝を阻害すると考えられる。
治療域が狭くCYP3A4又はCYP2C8で代謝される薬剤
これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性があるので、本剤との併用は避けることが望ましいが、併用する場合には、副作用の発現・増強に注意し、減量等を考慮すること。
本剤のCYP3A4とCYP2C8に対する阻害作用が示されている。
本剤のAUCが約21%、パクリタキセルのAUCが約23%増加したとの報告がある4)。また、臨床試験において、パクリタキセル単独投与時と比較して、本剤とパクリタキセル併用時に下痢と好中球数減少の発現率及び重症度が増加した5)。
本剤のCYP3A4とCYP2C8に対する阻害作用が示されている。また、パクリタキセルはP-糖蛋白質の基質であるため、その寄与の可能性もある。
P-糖蛋白質を阻害する薬剤
P-糖蛋白質を誘導する薬剤等
本剤の血中濃度や分布に影響を与える可能性がある。
本剤はP-糖蛋白質の基質であることが示されている。
P-糖蛋白質の基質薬剤
経口投与のジゴキシンのAUCが約80%増加したとの報告がある6)。
本剤のP-糖蛋白質に対する阻害作用が示されている。
パゾパニブ塩酸塩
本剤との併用によりパゾパニブ塩酸塩のAUC及びCmaxは、それぞれ約59%及び51%増加した7)。
本剤はCYP3A4、P-糖蛋白質及びBCRPの基質であり阻害作用を有することによる。
イリノテカン
FOLFIRIレジメンの一部として投与した時、イリノテカンの活性代謝物であるSN-38のAUCが約41%増加したとの報告がある8)。
機序は不明である。
プロトンポンプ阻害剤
エソメプラゾールとの併用により、本剤のAUCが約15%減少したとの報告がある9)。
胃内pHの上昇により、本剤の溶解度が低下し吸収が低下する可能性がある。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
抗不整脈薬
QT間隔延長を起こす又は悪化させるおそれがある。
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあり、併用により作用が増強する可能性がある。
AST、ALT、γ-GTP、ALP及び血中ビリルビン等の著しい増加を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。,,
間質性肺疾患(間質性肺炎、肺臓炎等)があらわれることがある。異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。,,
左室駆出率低下があらわれ(3%注1))、心不全等の重篤な心障害があらわれることがある。,
下痢があらわれ、脱水症状をきたすことがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には早期に止瀉剤などによる治療を考慮すること。重度の下痢が認められた場合には、電解質又は輸液投与及び本剤の投与中止や休薬を行うなど適切な処置を行うこと。
,
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(0%注1))、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0%注1))、多形紅斑(0.2%注1))等の重度の皮膚障害があらわれることがある。
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
胃腸障害
下痢注2)、悪心、嘔吐
口内炎、消化不良、腹痛、上腹部痛、口内乾燥、便秘、口腔内潰瘍形成、胃食道逆流性疾患、腹部膨満(鼓腸を含む)、放屁
嚥下障害、痔核、口唇のひび割れ、口唇乾燥、歯肉炎、舌痛、胃炎、口唇水疱、歯肉痛、アフタ性口内炎、口唇炎、口唇潰瘍、消化器痛、大腸炎、レッチング、胃腸炎、口腔咽頭痛
消化管潰瘍、胃不快感、胃腸出血、下腹部痛、血便排泄、口の錯感覚、口唇びらん、歯肉出血、心窩部不快感、舌炎、舌障害、舌苔、肛門出血
皮膚及び皮下組織障害注3)
手掌・足底発赤知覚不全症候群、発疹、爪の障害、皮膚乾燥
そう痒症、脱毛症、ざ瘡、ざ瘡様皮膚炎、皮膚亀裂(ひび・あかぎれを含む)、紅斑、爪破損、皮膚色素過剰、皮膚剥脱、爪毒性、皮膚炎
爪甲離床症、斑状皮疹、剥脱性発疹、斑状丘疹状皮疹、皮膚病変、皮膚疼痛、痂皮、紅斑性皮疹、多汗症、皮膚障害、全身性皮疹、皮膚変色、乾皮症、皮膚刺激、皮膚潰瘍、毛髪成長異常、手掌紅斑、水疱、多形紅斑、過角化、色素沈着障害、斑、皮膚肥厚
脂漏性皮膚炎、湿疹、皮膚反応、接触性皮膚炎、嵌入爪、丘疹、紅色汗疹、爪痛、皮脂欠乏性湿疹
全身障害及び投与局所様態
疲労
疼痛、無力症、粘膜の炎症、浮腫、発熱、末梢性浮腫、粘膜乾燥、悪寒
腋窩痛、治癒不良、顔面浮腫、壊死、不快感
けん怠感、胸部不快感、胸痛、口渇、熱感、冷感
神経系障害
-
頭痛、味覚異常、嗜眠、錯感覚、末梢性ニューロパチー、浮動性めまい、感覚鈍麻
末梢性感覚ニューロパチー、異常感覚、知覚過敏、血管迷走神経性失神、神経毒性、嗅覚錯誤、神経痛
傾眠、体位性めまい
代謝及び栄養障害
食欲減退(食欲不振を含む)、低カリウム血症、脱水
低ナトリウム血症、ラクトース不耐性、低蛋白血症
高血糖、高カリウム血症(血中カリウム増加を含む)、高尿酸血症(血中尿酸増加を含む)、低アルブミン血症(血中アルブミン減少を含む)、高カルシウム血症(血中カルシウム増加を含む)、低クロール血症
筋骨格系及び結合組織障害
四肢痛、背部痛、筋痙縮、筋痛
関節痛、筋骨格硬直、骨痛、関節硬直、四肢不快感
筋骨格痛
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
鼻出血、呼吸困難、鼻乾燥、咳嗽
鼻部不快感、鼻潰瘍、アレルギー性鼻炎、肺塞栓症、鼻漏、副鼻腔障害、喘息
咽喉頭疼痛、発声障害、鼻閉
感染症及び寄生虫症
爪囲炎、限局性感染、爪感染、上気道感染、口腔カンジダ症
真菌感染、鼻炎、皮膚感染、足部白癬、尿路感染、鼻咽頭炎、膀胱炎、インフルエンザ様疾患、感染、耳感染、大腸菌性敗血症
咽頭炎、帯状疱疹、単純ヘルペス、爪白癬、肺感染、蜂巣炎、毛包炎
臨床検査
駆出率減少、血中アルカリホスファターゼ増加、体重減少
ヘモグロビン減少、腎クレアチニン・クリアランス減少、血中クレアチニン増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血中クレアチニン異常、血中クレアチン異常
リンパ球数減少、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加、赤血球数減少、ヘマトクリット減少、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、C-反応性蛋白増加、好塩基球数増加、好酸球百分率増加、総蛋白減少、脳性ナトリウム利尿ペプチド上昇、リンパ球数増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中コレステロール増加、血中乳酸脱水素酵素減少、血中乳酸脱水素酵素増加、好塩基球百分率増加、好酸球数増加、単球百分率減少、尿中ケトン体陽性、尿比重増加
眼障害注4)
眼乾燥、結膜炎、流涙増加
視覚障害、霧視、眼刺激、角膜炎、眼球乾燥、眼瞼浮腫
眼の異常感、眼そう痒症、角膜びらん、眼部不快感、羞明、霰粒腫
血液及びリンパ系障害
好中球減少症(好中球数減少を含む)、白血球減少症(白血球数減少を含む)、貧血
血小板減少症(血小板数減少を含む)、白血球増加症、血液毒性、好中球増加症
精神障害
不眠症
うつ病、抑うつ気分、気分変動
肝胆道系障害
高ビリルビン血症(血中ビリルビン増加を含む)
肝毒性、胆嚢炎
生殖系及び乳房障害
膣分泌物、膣の炎症、膣出血、女性生殖器痛、生殖器の炎症
血管障害
ほてり
蒼白、低血圧
潮紅
心臓障害
心室機能不全
動悸、心筋梗塞、心房細動、プリンツメタル狭心症、上室性期外収縮
洞性頻脈
その他
皮膚裂傷、回転性めまい
排尿困難、皮膚の新生物、急性骨髄性白血病
血尿(尿中血陽性を含む)、蛋白尿(尿蛋白を含む、過敏症
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
海外で実施されたプラセボ対照無作為化比較試験での本剤単独投与群において、HLA遺伝子型が特定された患者のうち、HLA-DQA1*02:01又はDRB1*07:01の保有者での重篤な肝機能障害(ALTが>5.0×ULN)の発現頻度は7.7%(それぞれ19/247例及び19/247例)であり、非保有者での発現頻度は0.5%(それぞれ4/855例及び4/857例)であったとの報告がある10)。なお、これらのHLA遺伝子型の保有率は、白人、アジア系、アフリカ系などの人種では概ね15~30%であるが、日本人では2%未満との報告がある11)。,
ラットを用いた104週間の経口投与によるがん原性試験では、雌で腎梗塞(AUCはヒトの約6倍)及び腎乳頭壊死(AUCはヒトの約8倍)がみられたが、これらの所見のヒトへの外挿性は不明である。
本剤を日本人固形癌患者に21日間反復経口投与したときのラパチニブの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。ラパチニブの血漿中濃度はばらつきが大きかった。ラパチニブの最高血漿中濃度は投与約4時間後にみられ、血漿中半減期は約24時間であった12)。
投与量(例数)
Cmax注1)(ng/mL)
Tmax注2)(h)
AUC0-24注1)(ng・h/mL)
t1/2注1)(h)
900mg(n=6)
1895(1319,2721)
3.99(3.00-5.97)
29272(21618,39638)
21.05(13.08,33.89)
1200mg(n=6)
1715(965,3048)
3.59(3.00-7.93)
25680(13728,48038)
19.41(14.09,26.72)
1600mg(n=6)
3111(1937,4996)
5.05(0.93-8.02)
51099(28674,91062)
26.93(16.38,44.28)
1800mg(n=5)
2333(927,5870)
3.92(2.98-7.32)
39451(14909,104391)
28.46(11.49,70.46)
注1)幾何平均値(95%信頼区間)注2)中央値(範囲)
癌患者にラパチニブ1500mgを単回経口投与したとき、低脂肪食(5%脂肪[500kcal])及び高脂肪食(50%脂肪[1000kcal])とともに投与するとラパチニブの全身曝露量(AUC0-∞)は、空腹時と比べそれぞれ約2.7及び4.3倍に増加し、最高血漿中濃度はそれぞれ約2.4及び3.0倍に増加した13)(外国人のデータ)。
ラパチニブのヒト血漿蛋白結合率は99%を超えていた14)。In vitro試験において、ラパチニブはトランスポーターのP-糖蛋白質(ABCB1)及びBCRP(ABCG2)の基質であることが示された。また、in vitro試験において、ラパチニブはトランスポーターのP-糖蛋白質、BCRP及びOATP1B1を臨床血漿中濃度付近で阻害した15)。ラットに14C-ラパチニブ10mg/kgを単回経口投与したときには、中枢神経系への移行が認められた15)。
ラパチニブは主にCYP3A4及びCYP3A5で、一部CYP2C19及びCYP2C8で代謝された16)。代謝物として多くの種類の酸化体が血漿及び糞中に検出されたが、いずれの代謝物も血漿中では未変化体濃度の10%未満、糞中では投与量の14%以下であった。また、in vitro試験において、CYP3A4活性(Ki値:0.6~2.3μg/mL)及びCYP2C8活性(Ki値:0.3μg/mL)を阻害した17)。
健康成人に14C-ラパチニブ250mgを単回経口投与したとき、投与されたラパチニブの大部分は糞中に排泄され(投与後168時間までに放射活性の約92%)、尿中排泄率は2%未満であった。糞中へのラパチニブ未変化体の排泄率は投与量の約27%であった18)(外国人のデータ)。
ラパチニブの薬物動態に及ぼす腎障害の影響及び腎透析の影響は検討されていない。
肝障害患者にラパチニブ100mg注)を単回経口投与したとき、健康成人に比し、ラパチニブの全身曝露量(AUC0-∞)は、中等度障害患者において56%、重度障害患者において85%増加し、重度障害患者における消失半減期は55%延長した19)(外国人のデータ)。注)本剤の承認された用法及び用量は、[通常、成人にはラパチニブとして、カペシタビンとの併用時には1250mg、アロマターゼ阻害剤との併用時には1500mgを1日1回、食事の1時間以上前又は食後1時間以降に経口投与する。]である。
癌患者にラパチニブ1250mgとカペシタビン2000mg/m2を併用投与したときの血漿中ラパチニブのAUC及びCmaxは単独投与時のそれぞれ1.20及び1.34倍に増加した。血漿中カペシタビンのAUC及びCmaxは単独投与時のそれぞれ0.96及び0.72倍であった20)。
癌患者にラパチニブ1500mgとレトロゾール2.5mgを併用投与したときの血漿中ラパチニブのAUC及びCmaxは単独投与時のそれぞれ0.84及び0.78倍であった。血漿中レトロゾールのAUC及びCmaxは単独投与時のそれぞれ0.94及び0.90倍であった21)。
アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤、タキサン系抗悪性腫瘍剤及びトラスツズマブによる前治療後のカペシタビンによる前治療歴のないHER2過剰発現を示す進行性又は転移性乳癌(n=51)を対象として、本剤とカペシタビン併用療法による非盲検非対照試験を実施した。ラパチニブは1日1回1250mgを朝食の前後1時間以内を避けて連日経口投与し、カペシタビンは1000mg/m2を1日2回14日間投与し7日間休薬するレジメンにより投与した。その結果、RECIST判定による抗腫瘍効果は、PRが12例、24週以上持続するSDが18例であり、主要評価項目である臨床効果(CR、PR及び24週間以上持続するSDの割合)は58.8%(95%信頼区間:44.2~72.4)であった22)。(試験終了時)副作用発現頻度は100%(51/51例)であった。主な副作用は、手掌・足底発赤知覚不全症候群76%(39/51例)、下痢65%(33/51例)、口内炎41%(21/51例)であった。(試験終了時)
アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤、タキサン系抗悪性腫瘍剤及びトラスツズマブによる前治療後のカペシタビンによる前治療歴のないHER2過剰発現を示す進行性又は転移性乳癌を対象として、カペシタビン単独療法を対照群(n=161)とし、本剤とカペシタビン併用療法(n=160)による無作為化非盲検並行群間比較試験を実施した。本剤とカペシタビン併用療法では、ラパチニブ1250mgを朝食の前後1時間を避けて連日経口投与し、カペシタビン1000mg/m2を1日2回14日間投与し7日間休薬するレジメンで併用した。カペシタビンの休薬・減量及び中止は下表を基準とし、1段階減量する際は750mg/m2を1日2回(25%減量)、2段階減量する際は500mg/m2を1日2回(50%減量)とする用量が用いられた23)。カペシタビン単独療法は、カペシタビン1250mg/m2を1日2回14日間投与し7日間休薬するレジメンであった。本剤とカペシタビン併用療法はカペシタビン単独療法に比べ、無増悪期間(Time to progression:TTP)を有意に延長させた。中央値は本剤とカペシタビン併用療法で36.9週間、カペシタビン単独療法で19.7週間であった。ハザード比は、カペシタビン単独療法に対して0.51(95%信頼区間:0.35~0.74、Log-rank検定p=0.00032)であった24)。(2005年11月時点の中間解析結果)副作用発現頻度は本剤とカペシタビン併用療法群で89%(187/210例)であった。主な副作用は、下痢64%(135/210例)、手掌・足底発赤知覚不全症候群57%(120/210例)、悪心42%(88/210例)であった。(試験終了時)
休薬(Grade 1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、1回目:減量せず又は1段階減量して再開2回目:1段階減量して再開3回目:2段階減量して再開4回目:中止
Grade 2、3
休薬(Grade 1以下に回復するまで最大14日間可能)した後、1回目:1段階減量して再開2回目:2段階減量して再開3回目:中止
注1)輸血時は輸血後の数値GradeはNCI CTCAE1)(ver3.0)による。ULN:施設基準値上限
海外において、進行性又は転移性病変に対して未治療のホルモン受容体陽性かつ閉経後のHER2過剰発現を示す進行性又は転移性乳癌を対象として、レトロゾール単独療法を対照群(n=108)とし、本剤とレトロゾール併用療法(n=111)による無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施した。本剤とレトロゾール併用療法では、ラパチニブ1500mgを朝食の前後1時間を避けて連日経口投与し、レトロゾール2.5mgと併用した。その結果、本剤とレトロゾール併用療法はレトロゾール単独療法に比べ、無増悪生存期間(Progression Free Survival:PFS)を有意に延長させた。中央値は、本剤とレトロゾール併用療法で8.2ヵ月、レトロゾール単独療法で3.0ヵ月であった。ハザード比は、レトロゾール単独療法に対して0.71(95%信頼区間:0.53~0.96、Log-rank検定p=0.019)であった25),26)。
全生存期間に関するpost-hoc解析の結果(2013年8月時点)、レトロゾール単独療法に対する本剤とレトロゾール併用療法のハザード比は0.97(95%信頼区間:0.7~1.3、Log-rank検定p=0.842)であった。副作用発現頻度は本剤とレトロゾール併用療法で84%(548/654例)であった。主な副作用は、下痢53%(348/654例)、発疹33%(214/654例)、悪心20%(129/654例)であった。(2008年6月中間解析時)
進行固形がん患者(n=37)にラパチニブ2000mg注)を12時間ごとに3回経口投与したとき、QTcF間隔のベースラインからの平均変化量のプラセボとの差は3回目投与の10時間後に最大となり、その平均値(90%信頼区間)は8.75(4.08、13.42)msecであった27)(外国人のデータ)。注)本剤の承認最大用量は、カペシタビンとの併用時は1250mg、アロマターゼ阻害剤との併用時は1500mgである。
EGFR及びHER2チロシン自己リン酸化を選択的かつ可逆的に阻害することにより、その結果としてアポトーシスを誘導し、腫瘍細胞の増殖を抑制する28)。
ラパチニブトシル酸塩水和物(Lapatinib Tosilate Hydrate)
N-{3-Chloro-4-[(3-fluorobenzyl)oxy]phenyl}-6-[5-({[2-(methylsulfonyl)ethyl]amino}methyl)furan-2-yl]quinazolin-4-amine bis(4-methylbenzenesulfonate)monohydrate
C29H26ClFN4O4S・2C7H8O3S・H2O
943.48
黄色の粉末である。
6.0(1-オクタノール/水)
100錠[10錠(両面アルミニウムPTP)×10]
1) Common Terminology Criteria for Adverse Events(National Cancer Institute, https://ctep.cancer.gov/protocolDevelopment/electronic_applications/ctc.htm)
2) Smith, D. A. et al. : Br. J. Clin. Pharmacol. 2009;67(4):421-426[20152946]
3) 社内資料:海外臨床薬理試験(EGF10015)[20155880]
4) 社内資料:海外臨床薬理試験(EGF10009)[20155881]
5) 社内資料:海外臨床試験(EGF30001)(2009年4月22日承認、CTD2.7.4.2.1.3)[20155907]
6) 社内資料:海外臨床薬理試験(EGF110557)[20155882]
7) de Jonge, M. J. A. et al. : Invest. New Drugs. 2013;31(3):751-759[20155115]
8) Midgley, R. S. et al. : Ann. Oncol. 2007;18(12):2025-2029[20152914]
9) 社内資料:海外臨床試験(EGF109275)[20155883]
10) 社内資料:海外臨床試験(EGF105485)(2009年4月22日承認、CTD2.7.4.2.1.4)[20155902]
11) The Allele Frequency(http://allelefrequencies.net/)
12) 社内資料:国内臨床試験(EGF10020)(2009年4月22日承認、CTD2.7.2.2.3.1)[20155884]
13) Koch, K. M. et al. : J.Clin. Oncol. 2009;27(8)1191-1196[20152930]
14) 社内資料:分布に関する試験(2009年4月22日承認、CTD2.7.2.3.3)[20155885]
15) Polli, J. W. et al. : Drug Metab. Dispos. 2008;36(4):695-701[20152934]
16) 社内資料:代謝に関する試験(1)(2009年4月22日承認、CTD2.6.4.5.2.1)[20155886]
17) 社内資料:代謝に関する試験(2)(2009年4月22日承認、CTD2.6.4.5.4.3)[20155887]
18) Castellino, S. et al. : Drug Metab. Dispos. 2012;40(1):139-150[20160032]
19) 社内資料:海外臨床薬理試験(EGF10014)(2009年4月22日承認、CTD2.7.2.2.5.2)[20155888]
20) Chu, Q. S. C. et al. : J.Clin. Oncol. 2007;25(24):3753-3758[20152754]
21) Chu, Q. S. C. et al. : Clin. Cancer Res. 2008;14(14):4484-4490[20152865]
22) 社内資料:国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(EGF109749)[20155906]
23) タイケルブ錠250mg適正使用ガイド
24) 社内資料:海外臨床試験(EGF100151)(2009年4月22日承認、CTD2.7.6.3.1.1)[20155903]
25) Johnston, S. et al. : J. Clin. Oncol. 2009;27(33):5538-5546[20153316]
26) 社内資料:海外臨床試験(EGF30008)[20155904]
27) 社内資料:海外臨床薬理試験(EGF114271)[20170446]
28) Rusnak, D. W. et al. : Mol. Cancer Ther. 2001;1(2):85-94[20152843]
29) 社内資料:薬効薬理試験(2009年4月22日承認、CTD2.6.2.2.1.14)[20155891]
ノバルティスファーマ株式会社 ノバルティスダイレクト
〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1
ノバルティスファーマ株式会社
東京都港区虎ノ門1-23-1
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.