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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはパゾパニブとして1日1回800mgを食事の1時間以上前又は食後2時間以降に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
肝機能検査値
処置
3.0×ULN≦ALT≦8.0×ULN
投与継続(Grade 1以下あるいは投与前値に回復するまで1週間毎に肝機能検査を実施)
ALT>8.0×ULN
Grade 1以下あるいは投与前値に回復するまで投与を中断し、投与を再開する場合は、400mgの投与とする。再開後、肝機能検査値異常(ALT>3.0×ULN)が再発した場合は、投与を中止する。
ALT>3.0×ULN、かつ総ビリルビン>2.0×ULN(直接ビリルビン>35%)
投与中止(Grade 1以下あるいは投与前値に回復するまで経過を観察)
GradeはNCI CTCAEによる。ULN:基準値上限
高血圧や心機能障害が悪化するおそれがある。,
症状が悪化するおそれがある。,
QT間隔延長や心室性不整脈をおこすおそれがある。,
血栓塞栓症が悪化又は再発するおそれがある。,
臨床試験において、転移部位からの出血が報告されている。
気胸が悪化又は発現するおそれがある。また、臨床試験において、転移部位からの出血が報告されている。
創傷治癒遅延があらわれることがある。,
臨床試験では除外されている。
本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。,,,
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験では、ラットで母体毒性及び催奇形性(心血管奇形及び骨化遅延)(3mg/kg/日以上)、胎児体重の低値及び胚致死作用(10mg/kg/日以上)、雌受胎率の低値(300mg/kg/日)、ウサギで母体毒性、流産(30mg/kg/日以上)及び胎児体重の低値(3mg/kg/日以上)が報告されている。,
授乳しないことが望ましい。ヒトで乳汁移行に関するデータはないが、BCRPの基質であるため、乳汁移行の可能性がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。本剤の作用機序より、出生後早期の発達において臓器の成長や成熟に重大な影響を与えるおそれがある。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
プロトンポンプ阻害剤
エソメプラゾールとの併用により、本剤のAUC及びCmaxがそれぞれ約40%及び42%低下したとの報告があるので、プロトンポンプ阻害剤との併用は可能な限り避けること。
プロトンポンプ阻害剤が胃内の酸分泌を抑制することで、本剤の溶解度が低下し吸収が低下する可能性がある。
CYP3A4阻害剤
ケトコナゾールとの併用により、本剤のAUC及びCmaxは、それぞれ約66%及び45%増加した。CYP3A4阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。併用が避けられない場合には、副作用の発現・増強に注意し、減量等を考慮すること。
これらの薬剤がCYP3A4活性を阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤投与時はグレープフルーツ(ジュース)を摂取しないよう注意すること。
CYP3A4誘導剤
カルバマゼピン、フェニトイン等との併用により、本剤のAUC及びCmaxは、それぞれ約54%及び35%低下した。CYP3A4誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。併用に際しては、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
これらの薬剤がCYP3A4活性を誘導することにより、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある。
パクリタキセル
本剤は血漿中パクリタキセルのAUC及びCmaxをそれぞれ約26%及び31%増加させた。
本剤がCYP3A4及びCYP2C8活性を阻害することにより、パクリタキセルの代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある。
ラパチニブ
ラパチニブとの併用により本剤のAUC及びCmaxは、それぞれ約59%及び51%増加した。
ラパチニブはCYP3A4、Pgp及びBCRPの基質であり阻害作用を有することによる。
シンバスタチン
併用によりALTが上昇するおそれがある。
機序は不明である。
抗不整脈薬
QT間隔を延長させる可能性のある薬剤
QT間隔延長や心室性不整脈をおこすおそれがある。
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあり、併用により作用が増強する可能性がある。
肝不全、AST、ALT、ビリルビン及びγ-GTP上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。,,
必要に応じて降圧剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと。管理できない重症の高血圧が認められた場合には休薬すること。,
うっ血性心不全及び左室駆出率低下等の心機能障害があらわれることがある。,
,
心筋梗塞、狭心症、虚血性脳卒中、一過性脳虚血発作、心筋虚血等の動脈血栓性事象があらわれることがある。
静脈血栓症及び肺塞栓症があらわれることがある。
大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある1)。
腫瘍関連出血を含む、脳出血(0.5%)、喀血(1.3%)、消化管出血(4.1%)、血尿(1.8%)、肺出血(0.1%)、鼻出血(4.9%)等の出血があらわれることがある。,
好中球減少の有無にかかわらず重篤な感染症があらわれることがある。
創傷が治癒するまで本剤の投与を中止すること。,
血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群等の血栓性微小血管症があらわれることがある。破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
可逆性後白質脳症症候群に一致する徴候や症状(高血圧(伴わない例もある)、頭痛、覚醒低下、精神機能変化、及び皮質盲を含めた視力消失など)が認められた場合は、本剤の投与を中止し、高血圧管理を含め、適切な処置を行うこと。
膵炎を示唆する症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
飛蚊症、光視症、視野欠損、視力低下等が認められた場合には、眼科検査を実施し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
30%以上
5~30%未満
5%未満
代謝
食欲減退
体重減少
高カリウム血症、高血糖
神経系
―
味覚異常、頭痛
浮動性めまい、末梢性ニューロパチー、不眠症、傾眠
循環器
徐脈(無症候性)
呼吸器
発声障害
呼吸困難、咳嗽、気胸
消化器
下痢、悪心
嘔吐、腹痛、消化不良、口内炎、便秘
口内乾燥、腹部膨満、口腔咽頭痛、胃炎、しゃっくり、痔核、嚥下障害、鼓腸
皮膚
毛髪変色
手掌・足底発赤知覚不全症候群、発疹、脱毛症、皮膚色素減少、皮膚乾燥
剥脱性発疹、そう痒症、皮膚障害、爪の障害、ざ瘡、皮膚潰瘍、毛髪成長異常
筋骨格
筋骨格痛
筋肉痛、関節痛、筋痙縮
血液
血小板減少症、好中球減少症、白血球減少症、貧血
リンパ球減少症、赤血球増加症
臨床検査
血中クレアチニン増加、リパーゼ増加、血中アルカリホスファターゼ増加、LDH異常、血中ナトリウム減少、血中カルシウム減少、血中マグネシウム減少、血中尿素増加、血中リン減少、血中ブドウ糖減少、血中アルブミン減少
その他
疲労
粘膜炎、無力症
末梢性浮腫、顔面浮腫、胸痛、霧視、ほてり、発熱、多汗症、脱水、腫瘍疼痛、浮腫、悪寒、挫傷、不規則月経
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤とペメトレキセド及びラパチニブを併用した固形癌患者を対象とした臨床試験において、毒性の増大、死亡率の増加が懸念されたため早期に中止されている。
固形癌患者13例に本剤を1日1回反復経口投与したときの薬物動態パラメータは下表のとおりであった。本剤の投与量と1日目のCmax及びAUC0-24との間に、用量比例性は認められなかった。また、本剤の血漿中からの消失は緩やかであり、反復投与で蓄積性を示すと考えられた2)。
パラメータ
400/800mg注1,注2)(N=3)
800mg(N=7)
1000mg注2)(N=3)
1日目
22日目
Cmax(μg/mL)
25.1(34.0%)
55.8(35.2%)
22.9(69.5%)
40.6(47.7%)
21.3(118.1%)
53.9(55.4%)
tmax(hr)
4.00(3.00-23.72)
2.50(2.00-3.00)
2.98(1.97-5.95)
2.52(1.92-3.97)
3.00(2.97-3.00)
4.00(3.00-4.05)
AUC0-24(μg・hr/mL)
402(17.7%)
962(46.3%)
325(76.7%)
677(45.5%)
305(128.6%)
759(63.8%)
t1/2(hr)
28.4(35.9%)
40.1(67.2%)
42.5(31.6%)
37.8(47.2%)
33.0(23.8%)
21.4(60.7%)
C24(μg/mL)
14.8(12.7%)
34.6(47.2%)
9.1(90.1%)
22.0(48.4%)
8.5(139.6%)
21.1(80.5%)
幾何平均値(CVb%)、tmax:中央値(範囲)注1)1日目に400mgを投与し、2日目以降は800mgを投与注2)本剤の承認された用法及び用量は、1日1回800mgである。
外国人固形癌患者3例に承認用法・用量(1日1回経口800mg)とは異なる5mgを静脈内投与後のクリアランスは0.206~0.347L/hr、Vssは9.2~13.1Lであった3)。
外国人固形癌患者35例を対象に本剤800mgを単回経口投与したときのAUC及びCmaxは絶食下に比べて、高脂肪食摂食後のAUCは絶食下の約2.3倍に、低脂肪食摂食後では約1.9倍に増加し、高脂肪食及び低脂肪食摂食後のCmaxはいずれも約2.1倍に増加した4)。
本剤(10~100μg/mL)のヒト血漿蛋白結合率はin vitroで99%超であった5)。また、本剤は主に血清アルブミン(99%超)及びα1-酸性糖蛋白質(96%超)に結合すると考えられた6)。外国人固形癌患者3例に14C-標識体400mgを単回経口投与したときの放射能の血液/血漿比は0.59~0.93と血球移行性は低かった3)。In vitro試験で、本剤はPgp及びBCRPの基質であった7),8)。
In vitro試験で、本剤の一部は酸化的に代謝され、この代謝には主にCYP3A4が、一部CYP1A2及び2C8が関与する9)。固形癌患者13例に本剤800mg並びに、承認用法・用量(1日1回800mg)とは異なる400及び1000mgを経口投与後の血漿中には、おもに未変化体が検出された。代謝物である脱メチル体及び一酸化体なども検出されたが、個体間のばらつきが大きく、未変化体に対する割合はいずれも5%未満であった2)。
外国人固形癌患者3例に14C-標識体を単回経口投与したときの放射能の主排泄経路は糞中であり、投与後168時間までの排泄率は糞で約82.2%、尿で約2.6%であった。糞中の主成分は未変化体であり、投与量の平均67%であった3)。
腎機能低下者における本剤の特別な薬物動態は検討していない。クレアチニンクリアランス30~150mL/minの外国人健康被験者及び癌患者408例で母集団薬物動態を解析した結果、腎機能による本剤のクリアランスに有意な影響はみられていない10)。
外国人肝機能障害患者98例(肝機能正常者23例、軽度肝機能低下者23例、中等度肝機能低下者20例、重度肝機能低下者32例)に本剤を1日1回反復経口投与したときの安全性及び薬物動態について評価した(薬物動態解析対象例69例)。軽度の肝機能低下患者12例に本剤800mgを1日1回反復経口投与したときのCmax及びAUC0-24は肝機能正常者18例と同程度であった。肝機能低下患者(中等度11例及び重度14例)に200mgを1日1回反復経口投与したときのCmax及びAUC0-24の中央値は、肝機能正常者に800mgを1日1回反復経口投与したときのCmax及びAUC0-24のそれぞれ約43%及び29%、約18%及び15%であった11)。,,,
群(N)
投与量(mg)
A(18)
800
52.0(17.1-85.7)
2.8(1.0-24.2)
29.8(10.3-750)
888.2(345.5-1482)
B(12)
33.5(11.3-104.2)
3.0(0.5-24.4)
24.0(8.3-74.6)
774.2(214.7-2034.4)
C(11)
200
22.2(4.2-32.9)
2.0(0.0-4.0)
16.2(3.1-24.2)
256.8(65.7-487.7)
D(14)
9.4(2.4-24.3)
3.0(1.0-8.0)
5.7(1.5-18.4)
130.6(46.9-473.2)
中央値(範囲)、A:肝機能正常者、B:軽度肝機能低下患者、C:中等度肝機能低下患者、D:重度肝機能低下患者上記とは異なる用量で投与された14例については記載を省略
In vitro試験で、本剤はCYP(1A2、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4)及びUGT1A1を阻害し、IC50はそれぞれ7.9~18μM(3.5~7.9μg/mL)及び1.2μM(0.5μg/mL)であった12)。外国人固形癌患者24例を対象に本剤がCYP代謝に及ぼす影響について、各種CYPプローブを用いて検討した結果、本剤800mgの1日1回投与ではカフェイン(CYP1A2の基質)、ワルファリン(CYP2C9の基質)及びオメプラゾール(CYP2C19の基質)の薬物動態に意義のある影響を及ぼさなかった。一方、本剤はミダゾラム(CYP3A4の基質)のAUC及びCmaxを約30%増加させ、デキストロメトルファン(CYP2D6の基質)を経口投与後の尿中のデキストロメトルファン/デキストルファン比を33~64%増加させた13)。また、in vitro試験で、本剤はOATP1B1を阻害し、IC50は0.79μM(0.3μg/mL)であった14)。
アントラサイクリン系薬剤を含む前治療に対して病勢進行が認められた転移病変を有する悪性軟部腫瘍患者を対象とした、二重盲検、プラセボ対照試験で、本剤800mgを1日1回経口投与した時の有効性及び安全性を評価した。本試験では、脂肪肉腫、横紋筋肉腫(多形型又は胞巣型を除く)、軟骨肉腫、骨肉腫、ユーイング腫瘍/未熟神経外胚葉性腫瘍、消化管間質腫瘍、隆起性皮膚線維肉腫、炎症性筋線維芽細胞肉腫、悪性中皮腫、子宮の中胚葉性混合腫瘍を組入れ対象から除外した。有効性解析対象例は369例(本剤群246例、プラセボ群123例)であり、このうち47例(本剤群31例、プラセボ群16例)が日本人であった。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は、本剤群で20.0週、プラセボ群で7.0週であり、本剤群のPFSはプラセボ群と比して有意に延長した(ハザード比:0.35、95%信頼区間:0.26~0.48、p<0.001、両側層別ログランク検定)。
副次的評価項目である全生存期間(OS)の中央値は、本剤群で12.6ヵ月、プラセボ群で10.7ヵ月であり、事前に規定した有意水準(p≤0.04434)には至らなかった(ハザード比:0.87、95.57%信頼区間:0.67~1.13、p=0.256、両側層別ログランク検定)15)。副作用は本剤を投与された240例中(日本人31例を含む)219例(91.3%)に認められた。主な副作用は下痢(130例、54.2%)、疲労(126例、52.5%)、悪心(116例、48.3%)、高血圧(94例、39.2%)、毛髪変色(93例、38.8%)、食欲減退(82例、34.2%)、体重減少(73例、30.4%)であった。
再発又は難治性の悪性軟部腫瘍患者を対象とした、非盲検、非対照試験で、本剤800mg(製造販売用製剤とは異なる製剤)を1日1回経口投与した時の有効性及び安全性について、腫瘍組織型別(脂肪肉腫、平滑筋肉腫、滑膜肉腫、その他)に評価した。本試験では、胎児型横紋筋肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、ユーイング腫瘍/未熟神経外胚葉性腫瘍、消化管間質腫瘍、隆起性皮膚線維肉腫、炎症性筋線維芽細胞肉腫、悪性中皮腫、子宮の中胚葉性混合腫瘍を組入れ対象から除外した。有効性解析対象例は138例であった。主要評価項目である投与12週時のprogression-free rate(PF率:その時点の評価がCR、PR又はSDであった被験者の割合)は以下のとおりであった16),17)。
脂肪肉腫(N=19)
平滑筋肉腫(N=41)
滑膜肉腫(N=37)
その他(N=41)
12週時評価
005
0116
0414
PF率(%)(90%信頼区間)
26(11.0, 47.6)
41(28.4, 55.5)
49(34.3, 63.2)
副作用は本剤を投与された142例中127例(89%)に認められた。主な副作用は高血圧(58例、41%)、皮膚色素減少(毛髪を含む)(53例、37%)、疲労(52例、37%)、悪心(51例、36%)、下痢(44例、31%)、嘔吐(35例、25%)であった。
全身治療による治療歴のない局所進行性又は転移性腎細胞癌患者に本剤800mgを1日1回経口投与した時の有効性及び安全性について、スニチニブ(50mgを1日1回4週間経口投与後に2週間休薬の6週間を1サイクルとして投与)を対照とした非盲検試験で評価した。有効性解析対象例は1110例注1)(本剤群557例、スニチニブ群553例)であり、このうち60例(本剤群29例、スニチニブ群31例)が日本人であった。組織学的分類では有効性解析対象1110例のうち1031例(92.9%)が淡明細胞型であった。主要評価項目であるPFSの中央値は、本剤群で8.4ヵ月、スニチニブ群で9.5ヵ月であり、事前に規定した本剤群のスニチニブ群に対する非劣性の判断基準(ハザード比の95%信頼区間の上限値が1.25を下回る)を満たした(ハザード比:1.0466、95%信頼区間:0.8982~1.2195)。
副次的評価項目であるOSの中間解析(2012年5月時点)では、OSの中央値は、本剤群で28.4ヵ月、スニチニブ群で29.3ヵ月であった(ハザード比:0.908、95%信頼区間:0.762~1.082、p=0.275、両側層別ログランク検定)18)。副作用は本剤を投与された554例中(日本人29例を含む)538例(97%)に認められた。主な副作用は下痢(321例、58%)、疲労(273例、49%)、高血圧(240例、43%)、悪心(223例、40%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(159例、29%)であった。注1)本試験に準じてアジア(中国、韓国及び台湾)で実施された第Ⅱ相臨床試験の被験者183例(本剤群93例、スニチニブ群90例)を含む。
局所進行性又は転移性腎細胞癌患者(未治療の患者又は1レジメンのサイトカイン治療歴のある患者)を対象とした、プラセボ対照、二重盲検試験で、本剤800mgを1日1回経口投与した時の有効性及び安全性を評価した。有効性解析対象例は435例(本剤群290例、プラセボ群145例)であり、組織学的分類ではこのうち434例(99.8%)が淡明細胞型であった。主要評価項目であるPFSの中央値は、本剤群で9.2ヵ月、プラセボ群で4.2ヵ月であり、本剤群のPFSはプラセボ群と比して有意に延長した(ハザード比:0.46、95%信頼区間:0.34~0.62、p<0.0000001、片側層別ログランク検定)。
副次的評価項目であるOSの中央値は、本剤群で22.9ヵ月、プラセボ群で20.5ヵ月であり、有意な差は認められなかった(ハザード比:0.91、95%信頼区間:0.71~1.16、p=0.224、片側層別ログランク検定)19)。副作用は本剤を投与された290例中257例(89%)に認められた。主な副作用は下痢(44%)、高血圧(37%)、毛髪変色(37%)であった。
外国人肝機能障害患者98例(肝機能正常者23例、軽度肝機能低下者23例、中等度肝機能低下者20例、重度肝機能低下者32例)に本剤を1日1回反復経口投与したときの安全性及び薬物動態について評価した(安全性解析対象例97例)。400mgコホートの中等度肝機能障害患者2/4例で用量制限毒性(Grade 4のAST増加1例、Grade 4のAST増加、Grade 4のALT増加及びGrade 3の高ビリルビン血症が1例)が認められ、中等度以上の肝機能障害患者での最大耐用量は200mgであった11)。,,,
肝機能
正常
軽度低下
中等度低下
重度低下
100
-
1/6例
1/12例
1/11例
400
2/4例
0/18例
1/13例
用量制限毒性が評価できなかった27例は記載を省略
パゾパニブは、ヒト腎細胞癌由来Caki-2細胞株、ACHN細胞株又はA498細胞株を皮下移植したマウスにおいて、腫瘍の増殖を抑制した23)(in vivo)。
パゾパニブ塩酸塩(Pazopanib Hydrochloride)
5-({4-[(2,3-ジメチル-2H-インダゾール-6-イル)(メチル)アミノ]ピリミジン-2-イル}アミノ)-2-メチルベンゼンスルホンアミド 一塩酸塩
C21H23N7O2S・HCl
473.98
パゾパニブ塩酸塩は白色~わずかに黄色の粉末である。pH1.0の緩衝液に溶けにくく、pH7.0の緩衝液にほとんど溶けない。また、メタノールに溶けにくく、水又はエタノールに極めて溶けにくい。
20錠[10錠(PTP)×2]
1) *NDBを用いた調査結果の概要(VEGF/VEGFR阻害作用を有する薬剤の動脈解離に関するリスク評価):https://www.pmda.go.jp/files/000266521.pdf
2) Inada-Inoue, M. et al.:Cancer Chemother. Pharmacol. 2014;73:673-683[20153683]
3) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(VEG10004) (2012年9月28日承認、CTD2.7.6 VEG10004試験)[20155743]
4) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(VEG10005) (2012年9月28日承認、CTD2.7.6 VEG10005試験)[20155740]
5) 社内資料:分布に関する試験(1) (2012年9月28日承認、CTD2.7.2.2.1.1)[20155741]
6) 社内資料:分布に関する試験(2) (2012年9月28日承認、CTD2.7.2.2.1.2)[20155742]
7) 社内資料:分布に関する試験(3) (2012年9月28日承認、CTD2.6.4.4.6)[20155744]
8) 社内資料:分布に関する試験(4) (2012年9月28日承認、CTD2.6.4.4.7)[20155745]
9) 社内資料:代謝に関する試験(1) (2012年9月28日承認、CTD2.7.2.2.1.4)[20155746]
10) 社内資料:海外第Ⅰ,Ⅱ及びⅢ相試験(母集団薬物動態) (2012年9月28日承認、CTD2.7.2.3.2)[20155832]
11) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(NCI-8063) (2012年9月28日承認、CTD2.7.6 NCI-8063試験)[20155747]
12) 社内資料:相互作用に関する試験(1) (2012年9月28日承認、CTD 2.6.4.5.5.1.1)[20155748]
13) 社内資料:海外第Ⅰ相試験(VEG10007) (2012年9月28日承認、CTD2.7.6 VEG10007試験)[20155749]
14) 社内資料:相互作用に関する試験(2) (2012年9月28日承認、CTD2.6.4.4.10)[20155750]
15) 社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(VEG110727) (2012年9月28日承認、CTD2.7.6 VEG110727試験)[20155751]
16) 社内資料:海外第Ⅱ相試験(VEG20002) (2012年9月28日承認、CTD2.7.6 VEG20002試験)[20155752]
17) van Glabbeke, M. et al.:Eur. J. Cancer. 2002;38:543-549 [20152755]
18) 社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(VEG108844) (2014年3月17日承認、CTD2.7.6 VEG108844試験)[20155753]
19) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(VEG105192) (2014年3月17日承認、CTD2.7.6 VEG105192試験)[20155754]
20) Kumar, R. et al.:Mol. Cancer Ther. 2007;6:2012-2021 [20153573]
21) Hosaka, S. et al.:J. Orthop. Res. 2012;30:1493-1498 [20153574]
22) 社内資料:薬効薬理試験(1) (2012年9月28日承認、CTD 2.6.2.2.2.3.1)[20155755]
23) 社内資料:薬効薬理試験(2) (2012年9月28日承認、CTD 2.6.2.2.2.3.2)[20155756]
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