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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人には本剤を1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。用量は、ルキソリチニブとして1回5mg~25mgの範囲とし、患者の状態により適宜増減する。
通常、成人にはルキソリチニブとして1回10mgを開始用量とし、1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態により適宜増減するが、1回25mg1日2回を超えないこと。
通常、成人及び12歳以上の小児にはルキソリチニブとして1回10mgを1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態により適宜減量する。通常、6歳以上12歳未満の小児にはルキソリチニブとして1回5mgを1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態により適宜減量する。
通常、6歳以上12歳未満の小児にはルキソリチニブとして1回5mgを1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態により適宜減量する。通常、6歳未満の小児にはルキソリチニブとして1回4mg/m2を1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態により適宜減量する。
血小板数注)
開始用量
20万/mm3超
1回20mg1日2回
10万/mm3以上20万/mm3以下
1回15mg1日2回
注)血小板数5万/mm3以上10万/mm3未満の患者に対する開始用量の情報は限られているため、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、本剤の投与の可否を慎重に検討すること。血小板数5万/mm3以上10万/mm3未満の患者に投与可能と判断する場合、1回5mg1日2回から投与を開始するとともに、観察を十分に行い、有害事象の発現に十分注意すること。血小板数5万/mm3未満の患者に対する投与は避けること。
血小板数
1回あたりの用量(1日2回)
25mg
20mg
15mg
10mg
5mg
10万/mm3以上12.5万/mm3未満
変更なし
7.5万/mm3以上10万/mm3未満
5万/mm3以上7.5万/mm3未満
5万/mm3未満
休薬
5万/mm3以上、10万/mm3未満
減量
ヘモグロビン
8g/dL以上、12g/dL未満
8g/dL未満
投与量
減量又は休薬
1回10mg1日2回
1回5mg1日2回
1回5mg1日1回
1回4mg/m21日2回
1回2mg/m21日2回
1.5万/mm3以上2万/mm3未満
1段階減量する。減量後7日以内に2万/mm3以上に回復した場合は、減量前の用量を再開してもよい。減量後7日を過ぎても2万/mm3以上に回復しない場合は、1段階減量を維持する。
1.5万/mm3未満
2万/mm3以上になるまで休薬し、休薬前の用量注)から1段階減量して投与を再開する。
好中球数
500/mm3以上750/mm3未満
1段階減量する。1,000/mm3超に回復した場合は、減量前の用量を再開する。
500/mm3未満
500/mm3を超えるまで休薬し、休薬前の用量注)から1段階減量して投与を再開する。1,000/mm3超に回復した場合は、休薬前の用量注)を再開してもよい。
総ビリルビン上昇:移植片対宿主病に伴う肝病変を有さない場合
3×ULN超、5×ULN以下
3×ULN以下になるまで、1段階減量する。
5×ULN超、10×ULN以下
3×ULN以下になるまで最長14日間休薬する。14日以内に3×ULN以下に回復した場合は、休薬前の用量注)で投与を再開してもよい。14日を過ぎても3×ULN以下に回復しない場合は、休薬前の用量注)から1段階減量して投与を再開する。
10×ULN超
3×ULN以下になるまで休薬し、休薬前の用量注)から1段階減量して投与を再開する。
総ビリルビン上昇:移植片対宿主病に伴う肝病変を有する場合
3×ULN超
3×ULN以下になるまで、1段階減量を継続する。
注)休薬前に当該事象により既に1段階減量している場合は、減量前の用量とする。ULN:基準値上限
結核を活動化させるおそれがある。,,
免疫抑制作用により病態を悪化させるおそれがある。,,
B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれるおそれがある。,,
より頻回に血球数を測定し、投与量を調節することが望ましい。
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。活性代謝物の血中濃度が上昇するとの報告がある。
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。未変化体の血中濃度が上昇するとの報告がある。
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)において、胚・胎児毒性(着床後死亡の増加、胎児重量の減少)が認められたとの報告がある。,
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において、本剤及び本剤の代謝物が乳汁中に移行し、母体血漿中濃度の13倍であったとの報告がある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
28日齢未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。また、2歳未満の患者に対する本剤の用法及び用量の適切性について、臨床試験で十分な検討は行われていない。
患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。臨床試験において、高齢者(65歳超)では、65歳以下の患者と比較して、血小板減少症、心不全等の発現が増加することが報告されている。
強力なCYP3A4阻害剤
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP3A4阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず強力なCYP3A4阻害剤と本剤を併用投与する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。
これらの薬剤の強力なCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
CYP3A4及びCYP2C9を阻害する薬剤
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
これらの薬剤の2つの代謝酵素(CYP3A4及びCYP2C9)の阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
CYP3A4阻害剤
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP3A4阻害剤と本剤を併用投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。
これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
CYP3A4誘導剤
本剤の血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱する可能性があるので、CYP3A4誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤のCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進されると考えられる。
血小板減少症(33.3%)、貧血(29.9%)、好中球減少症(10.7%)、汎血球減少症(0.9%)等があらわれることがある。
細菌、真菌、ウイルス又は原虫による重篤な感染症(帯状疱疹(1.7%)、尿路感染(2.6%)、結核(0.1%)等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり、死亡に至った症例が報告されている。本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察すること。,,,,,
本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を実施するとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳出血等の頭蓋内出血(0.1%)(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、胃腸出血(1.2%)、処置後出血(0.1%)、鼻出血(1.3%)、血尿(0.7%)等があらわれることがあり、死亡に至った症例が報告されている。
AST(3.2%)、ALT(4.9%)の上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあり、死亡に至った症例が報告されている。
5%以上
1~5%未満
1%未満
感染症
-
肺炎、敗血症、上咽頭炎
サイトメガロウイルス感染、BKウイルス感染
血液及びリンパ系障害
白血球数減少
代謝及び栄養障害
体重増加、高コレステロール血症
高トリグリセリド血症、体液貯留、低カルシウム血症、食欲減退
精神障害
不眠症
神経系障害
頭痛、浮動性めまい
末梢性ニューロパチー、錯感覚
心臓障害
動悸
血管障害
高血圧
呼吸器系障害
呼吸困難、咳嗽
ラ音
胃腸障害
下痢
悪心、腹痛、嘔吐、便秘、腹部膨満、口内炎、鼓腸、上腹部痛
口内乾燥、口腔内潰瘍形成、消化不良、リパーゼ上昇、アミラーゼ上昇
肝胆道系障害
γ-GTP増加、ALP増加、血中ビリルビン増加
皮膚及び皮下組織障害
挫傷
発疹、寝汗
筋骨格系障害
筋痙縮、四肢痛、筋肉痛、関節痛、血中CK上昇
骨痛、背部痛
腎及び尿路障害
血中尿素増加、血中クレアチニン上昇
全身障害
末梢性浮腫、無力症、発熱、疲労
臨床検査
APTT延長
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
体表面積あたりの用量で使用する際には巻末の投与液量一覧表を参考に調製すること。
健康被験者にルキソリチニブ10、25、50及び100mgを空腹時に単回経口投与したとき、未変化体の血漿中濃度は投与後0.5時間(Tmax中央値)でCmaxに達し、その後、2.5~3.4時間の半減期で消失した。Cmax及びAUCは投与量にほぼ比例した1)。注)本剤の承認された用法及び用量での1日最大用量は50mgである。
Cmax(nmol/L)
Tmax注)(h)
T1/2(h)
AUCinf(h・nmol/L)
CL/F(L/h)
10mg(n=8)
621±107(613)
0.5(0.25-1.5)
3.18±1.31(2.98)
2,290±914(2,160)
15.9±4.89(15.1)
25mg(n=8)
1,450±718(1,320)
2.51±0.638(2.44)
4,020±1,220(3,830)
22.6±9.09(21.3)
50mg(n=8)
2,380±495(2,330)
2.86±0.542(2.81)
8,650±2,230(8,430)
19.8±4.20(19.4)
100mg(n=8)
5,430±1,260(5,300)
3.40±0.907(3.28)
22,600±7,780(21,500)
15.9±4.94(15.2)
平均値±標準偏差(幾何平均値)、注)中央値(最小値-最大値)
健康被験者にルキソリチニブ10及び25mgを7日間1日2回反復経口投与したときAUCの累積比はそれぞれ1.12及び1.03で大きな累積は認められなかった1)。
反復投与
AUC0-12h(h・nmol/L)
AUC0-12h比(7日目/初日)
1日目
577±70.8(573)
0.375(0.25-1.0)
1,920±678(1,830)
7日目
587±187(562)
0.5(0.25-1.0)
2,180±949(2,040)
1.12±0.117(1.11)
1,200±357(1,160)
3,600±838(3,500)
1,290±271(1,260)
0.5(0.25-0.5)
3,720±864(3,620)
1.03±0.0568(1.03)
健康被験者(16例)に食後にルキソリチニブ20mgを単回経口投与したとき、空腹時に比べTmaxは0.5時間から1.75時間に延長し、Cmaxは42%低下した。AUCは6.4%低下したが比(食後/空腹)の90%信頼区間は0.80~1.25の範囲内であった2)。
ルキソリチニブのヒト血漿中及び血清中での非結合型分率は、3.2~4.8%であった3)(in vitro)。
ルキソリチニブは主としてCYP3A4で代謝され、またCYP3A4に比べて寄与率は小さいがCYP2C9によっても代謝されると考えられる4)(in vitro)。
健康被験者(6例)に14C標識したルキソリチニブ25mgを単回経口投与したとき放射能の総回収率は96%で、尿及び糞中にそれぞれ74%及び22%が回収された。尿及び糞中に回収された放射能に占める未変化体の割合は1%未満であった。放射能の70%以上が投与後24時間以内に回収された5)(外国人のデータ)。
健康被験者(クレアチニンクリアランス(CLcr)80mL/min超)、軽度腎機能障害患者(CLcr 50~80mL/min)、中等度腎機能障害患者(CLcr 30~49mL/min)、重度腎機能障害患者(CLcr 30mL/min未満)及び透析を受けている末期腎機能障害患者にルキソリチニブ25mgを単回経口投与したとき、未変化体の血漿中濃度は同様であった(各群8例)。8種類の活性代謝物のAUC(合計)は、未変化体のAUCに対して、健康被験者で61%、軽度、中等度及び重度腎機能障害患者で79%、117%及び173%、投与前及び投与後に透析を行った患者で346%及び297%で、腎機能障害の重症度の上昇により増加する傾向を示した6)(外国人のデータ)。
健康被験者、軽度肝機能障害患者(Child-Pugh分類 A)、中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類 B)及び重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類 C)にルキソリチニブ25mgを単回経口投与したとき、AUCは、健康被験者に比べて軽度、中等度及び重度障害患者でそれぞれ87%、28%及び65%高かったが、3つの患者群間で重症度とAUCの間に明確な関係は認められなかった(各群8例)。Cmaxは肝機能障害患者と健康被験者で差はなかった。半減期は、健康被験者(2.8時間)に比べて肝機能障害患者(各患者群で4.1~5.0時間)で延長した7)(外国人のデータ)。
造血幹細胞移植後の28日齢以上18歳未満の急性移植片対宿主病(GVHD)患者を対象とした非盲検単群試験において、2歳以上6歳未満、6歳以上12歳未満及び12歳以上18歳未満の患者にそれぞれ開始用量として内用液4mg/m2、錠剤5mg及び錠剤10mgを1日2回とし経口投与したとき初回投与後における未変化体の血漿中濃度は投与後1.0~1.5時間(Tmax中央値)でCmaxに達し、その後、1.36~2.05時間の半減期で消失した8)。
年齢[製剤]
Cmax(ng/mL)
T1/2 (h)
AUC0-12h(h・ng/mL)
2歳以上6歳未満[内用液]
4mg/m2(n=8)
77.6±52.1(66.5)
1.00(0.500-4.00)
2.05±1.19a)(1.78)
336±261a)(282)
6歳以上12歳未満[錠剤]
5mg(n=8)
124±74.4(105)
1.50(0.500-8.03)
1.68±0.294a)(1.66)
461±170a)(438)
12歳以上18歳未満[錠剤]
10mg(n=5)
96.3±68.5(66.1)
1.50(1.00-8.97)
1.36b)(1.07, 1.65)
248b)(128, 367)
平均値±標準偏差(幾何平均値)、注)中央値(最小値-最大値)、a)n=5、b)n=2の平均値(個別値)
健康被験者(16例)にケトコナゾール(200mg、1日2回4日間)反復投与時、ルキソリチニブ10mgを併用したときルキソリチニブ未変化体のCmax及びAUCはそれぞれ33%及び91%増加し、半減期は3.7時間から6.0時間に延長した9)(外国人のデータ)。
健康被験者(14例)にエリスロマイシン(500mg、1日2回4日間)反復投与時、ルキソリチニブ10mgを併用したとき、ルキソリチニブ未変化体のCmax及びAUCはそれぞれ8%及び27%増加したが、半減期に差はなかった9)(外国人のデータ)。
健康被験者(12例)にリファンピシン(600mg、1日1回11日間)反復投与時、ルキソリチニブ50mgを併用投与したとき、ルキソリチニブ未変化体のCmax及びAUCはそれぞれ52%及び71%低下し、半減期は3.3時間から1.7時間に短縮した。8種類の活性代謝物のAUC(合計)に大きな変化はなく、未変化体に対する代謝物の相対的な曝露量は2倍以上に増加した9)(外国人のデータ)。
健康被験者(23例)にルキソリチニブ25mg(1日2回1日間)を反復投与時、ミダゾラム経口液剤4mgを併用したとき、ルキソリチニブはミダゾラムの薬物動態に大きな影響を及ぼさなかった11)(外国人のデータ)。
健康被験者(24例)にルキソリチニブ25mg(1日2回10日間)を反復投与時、経口避妊薬(エチニルエストラジオール30μg及びレボノルゲストレル150μgを含有)を併用したとき、ルキソリチニブはエチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルの薬物動態に影響を及ぼさなかった12)(外国人のデータ)。
骨髄線維症患者※1を対象とした非盲検非対照試験において、ベースラインの血小板数に基づき本剤を経口投与した。本剤の開始用量は、ベースラインの血小板数が10万~20万/mm3の場合15mg1日2回、20万/mm3超の場合20mg1日2回とした。合計120例(日本人患者30例を含む)に本剤が投与された。骨髄線維症患者における合併症の主な要因13)である脾腫に関して、主要評価項目である24週時に脾臓容積がベースラインから35%以上縮小した被験者の割合は31.7%であった14)。副作用発現頻度は、本剤投与群で92.5%(111/120例(日本人30例を含む))であった。主な副作用は、貧血58.3%(70/120例)、血小板数減少28.3%(34/120例)、血小板減少症26.7%(32/120例)等であった。(2013年6月7日カットオフ)
骨髄線維症患者※1を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、ベースラインの血小板数に基づき本剤を経口投与した。本剤の開始用量は、ベースラインの血小板数が10万~20万/mm3の場合15mg1日2回、20万/mm3超の場合20mg1日2回とした。合計309例がルキソリチニブ群(155例)又はプラセボ群(154例)に無作為に割付けされた。主要評価項目である24週時に脾臓容積がベースラインから35%以上縮小した被験者の割合はルキソリチニブ群で41.9%、プラセボ群で0.7%であり、プラセボ群と比較してルキソリチニブ群で有意に高かった15)(Fisherの正確検定p<0.0001)。副作用発現頻度は、本剤投与群で76.1%(118/155例)であった。主な副作用は、本剤投与群では血小板減少症34.2%(53/155例)、貧血25.2% (39/155例)、疲労12.9%(20/155例)等であった。(2013年1月25日カットオフ)
骨髄線維症患者※1を対象とした非盲検無作為化比較試験において、ベースラインの血小板数に基づき本剤を経口投与した。本剤の開始用量は、ベースラインの血小板数が10万~20万/mm3の場合15mg1日2回、20万/mm3超の場合20mg1日2回とした。合計219例がルキソリチニブ群(146例)又はBest Available Therapy群(73例)に無作為に割付けされた。主要評価項目である48週時に脾臓容積がベースラインから35%以上縮小した被験者の割合はルキソリチニブ群で28.5%、Best Available Therapy群で0%であり、Best Available Therapy群と比較してルキソリチニブ群で有意に高かった16)(p<0.0001、Cochran-Mantel-Haenszelの正確検定)。副作用発現頻度は、本剤投与群で82.9%(121/146例)であった。主な副作用は、本剤投与群では血小板減少症43.8%(64/146例)、貧血32.9% (48/146例)、体重増加11.0%(16/146例)等であった。(2012年12月1日カットオフ)
真性多血症患者※2を対象とした非盲検無作為化比較試験において、開始用量10mg1日2回とし、被験者の状態により5mg1日1回から25mg1日2回の範囲で本剤を経口投与した。合計222例(日本人患者18例を含む)がルキソリチニブ群(110例)又はBest Available Therapy群(112例)に無作為に割付けされた。主要評価項目である32週時の奏効※3率はルキソリチニブ群で22.7%、Best Available Therapy群で0.9%であり、Best Available Therapy群と比較してルキソリチニブ群で有意に高かった20)(p<0.0001、層別Cochran-Mantel-Haenszel検定)。48週時点での副作用発現頻度は、本剤投与群で70.9%(78/110例(日本人6例を含む))であった。主な副作用は、貧血21.8%(24/110例)、血小板減少症10.9%(12/110例)、体重増加8.2%(9/110例)等であった。
造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病(GVHD)患者※4を対象とした非盲検無作為化比較試験において、開始用量10mg1日2回とし本剤を経口投与した。合計309例(日本人患者30例を含む)がルキソリチニブ群(154例)又はBest Available Therapy群(155例)に無作為に割付けされた。主要評価項目である投与28日時の奏効※5率はルキソリチニブ群で62.3%、Best Available Therapy群で39.4%であり、Best Available Therapy群と比較してルキソリチニブ群で有意に高かった22)(p<0.0001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)。副作用発現頻度は、本剤投与群で66.4%(101/152例(日本人9例を含む))であった。主な副作用は、血小板減少症23.0%(35/152例)、貧血16.4%(25/152例)、血小板数減少14.5%(22/152例)等であった。(2020年1月6日カットオフ)
造血幹細胞移植後の慢性GVHD患者※6を対象とした非盲検無作為化比較試験において、開始用量10mg1日2回とし本剤を経口投与した。合計329例(日本人患者37例を含む)がルキソリチニブ群(165例)又はBest Available Therapy群(164例)に無作為に割付けされた。中間解析を行い、主要評価項目及び2つの主な副次的評価項目のいずれかで統計学的有意差が認められなかった場合には試験を続行する計画であった。中間解析(2019年7月9日カットオフ)において、ルキソリチニブ群97例、Best Available Therapy群99例が評価され、主要評価項目である投与24週時の奏効※7率はルキソリチニブ群で50.5%、Best Available Therapy群で26.3%であり、Best Available Therapy群と比較してルキソリチニブ群で有意に高かった24)(p=0.0003、Cochran-Mantel-Haenszel検定、有意水準片側1.176%)。最終解析(2020年5月8日カットオフ)において、主要評価項目である投与24週時の奏効※7率はルキソリチニブ群で49.7%、Best Available Therapy群で25.6%であり、Best Available Therapy群と比較してルキソリチニブ群で高かった24)。副作用発現頻度は、本剤投与群で67.9%(112/165例(日本人22例を含む))であった。主な副作用は、貧血23.6%(39/165例)、好中球減少症10.9%(18/165例)、ALT増加10.3%(17/165例)等であった。
造血幹細胞移植後の小児急性GVHD患者※8を対象とした非盲検単群試験において、ルキソリチニブの錠剤、カプセル剤※9又は液剤を年齢グループ別の開始用量(12歳以上18歳未満では10mg、6歳以上12歳未満では5mg、2歳以上6歳未満では4mg/m2)で1日2回経口投与した。合計45例(日本人患者6例を含む)にルキソリチニブが投与された。主要評価項目である投与28日時の奏効※10率は84.4%(90%CI:72.8%, 92.5%)であった8)。なお、ステロイド抵抗性の患者の投与28日時の奏効率は90.6%(90%CI:77.5%, 97.4%)(29/32例)であった。副作用発現頻度は、51.1% (23/45例)であった。主な副作用は、貧血20.0%(9/45例)、好中球数減少17.8%(8/45例)、白血球数減少15.6% (7/45例)等であった。(2023年2月2日カットオフ)
造血幹細胞移植後の小児慢性GVHD患者※11を対象とした非盲検単群試験において、ルキソリチニブの錠剤又は液剤を年齢グループ別の開始用量(12歳以上18歳未満では10mg、6歳以上12歳未満では5mg、2歳以上6歳未満では4mg/m2)で1日2回経口投与した。合計45例(日本人患者7例を含む)にルキソリチニブが投与された。中間解析(2022年10月19日カットオフ)において、主要評価項目である投与24週時の奏効※12率は40.0%(90%CI:27.7%, 53.3%)であった26)。なお、ステロイド抵抗性の患者の投与24週時の奏効率は39.3%(90%CI:23.8%, 56.5%) (11/28例)であった。副作用発現頻度は、57.8% (26/45例)であった。主な副作用は、貧血15.6%(7/45例)、好中球減少症13.3%(6/45例)、好中球数減少11.1% (5/45例)、血小板数減少11.1%(5/45例)等であった。※11:28日齢以上18歳未満の未治療又はステロイド抵抗性慢性GVHD (中等症又は重症)の患者。なお、本剤の承認された効能又は効果は 「造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)」である。※12:追加の全身治療がなく、NIH基準25)で完全奏効又は部分奏効を得られた患者
ルキソリチニブは、JAK1及びJAK2を選択的に阻害し、STAT等を介したサイトカイン及び成長因子のシグナル伝達を抑制することで、造血及び免疫機能を制御する。
ルキソリチニブは、in vitroで野生型及び変異型(V617F)のJAK2活性を阻害し、そのシグナル伝達を抑制した27),28)。また、骨髄線維症における臨床症状の原因の一つと考えられているIL-6の細胞内シグナル伝達に関わるJAK1の活性を阻害した27)。
変異型JAK2(V617F)を発現させたマウス腫瘍細胞株を移植したマウスにおいて、ルキソリチニブは脾臓重量を減少させ、炎症性サイトカインであるIL-6及びTNF-αの血中濃度の上昇を抑制した29),30)。変異型JAK2(V617F)を発現するマウス由来骨髄細胞を移植し、赤血球数増加等の真性多血症様の症状を呈したマウスにおいて、ルキソリチニブは赤血球数、白血球数及び脾臓重量を減少させた31)。
ルキソリチニブは、急性GVHDマウスモデルにおいて、炎症性サイトカインIFNγ、IL-1β及びTNFαの抑制、STAT3/STAT5リン酸化の阻害、及び病変組織への免疫細胞浸潤の抑制に寄与した32)。さらに、慢性GVHDモデルにおいて、皮膚及び肺の炎症を減少させた33)。
ルキソリチニブリン酸塩(Ruxolitinib Phosphate)
(3R)-3-Cyclopentyl-3-[4-(7H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-4-yl)-1H-pyrazol-1-yl]propanenitrile monophosphate
C17H18N6・H3PO4
404.36
白色の粉末である。水にやや溶けやすく、エタノールにやや溶けにくく、アセトニトリルに極めて溶けにくい。
194~198℃
-0.057(1-オクタノール/pH1.0緩衝液)、2.562(1-オクタノール/pH4.3緩衝液)、2.814(1-オクタノール/pH7.4緩衝液)
開封後60日以内に使用すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
20錠 [10錠(PTP)×2]120錠 [10錠(PTP)×12]
20錠 [10錠(PTP)×2]
60mL[1瓶]
1) 社内資料:国内第Ⅰ相臨床試験(1101試験)(2014年7月4日承認、CTD2.7.2-2.2.1)[20142625]
2) 社内資料:国内第Ⅰ相臨床試験(1102試験)(2014年7月4日承認、CTD2.7.2-2.2.2)[20142624]
3) 社内資料:蛋白結合率(2014年7月4日承認、CTD2.7.2-2.1.1)[20142634]
4) 社内資料:CYP代謝酵素の同定(2014年7月4日承認、CTD2.7.2-2.1.2)[20142639]
5) Shilling,A.D.et al.:Drug Metab.Dispos. 2010; 38(11),2023-2031[20142299]
6) 社内資料:腎機能障害患者を対象とした試験(142試験)(2014年7月4日承認、CTD2.7.2-2.4.2)[20142631]
7) 社内資料:肝機能障害患者を対象とした試験(137試験)(2014年7月4日承認、CTD2.7.2-2.4.1)[20142632]
8) 社内資料:国際共同第Ⅰ/Ⅱ相試験(F12201試験)[20240165]
9) Shi.J.G., Chen.X., Emm.T.et al.: J. Clin. Pharmacol. 2012; 52(6),809-818[20142301]
10) 社内資料:膜透過性,薬物トランスポーター阻害及び腸でのCYP3A4,Pgp,BCRP阻害(2014年7月4日承認、CTD2.7.2-2.1.3)[20142641]
11) 社内資料:ミダゾラムとの薬物相互作用(2103試験)(2015年9月24日承認、CTD2.7.2-2.2)[20151293]
12) 社内資料:経口避妊薬(エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル)との薬物相互作用(2102試験)(2015年9月24日承認、CTD2.7.2-2.1)[20151292]
13) Mesa,R.A.:Blood 2009; 113(22),5394-5400[20142280]
14) 社内資料:骨髄線維症患者を対象としたアジア国際共同第Ⅱ相臨床試験(2202試験)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6-4.2.1)[20142622]
15) 社内資料:骨髄線維症患者を対象とした海外第Ⅲ相臨床試験(351試験)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6-4.1.1)[20142620]
16) 社内資料:骨髄線維症患者を対象とした海外第Ⅲ相臨床試験(2352試験)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6-4.1.2)[20142621]
17) Tefferi,A.and Vardiman,J.W.:Leukemia 2008; 22(1),14-22[20142281]
18) Barosi,G.et al.:Leukemia 2008; 22(2),437-438[20142282]
19) Cervantes,F.et al.:Blood 2009; 113(13),2895-2901[20142283]
20) 社内資料:真性多血症患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(2301試験)(2015年9月24日承認、CTD2.7.6-4.1.1)[20151295]
21) Barosi,G.et al.:Br.J.Haematol. 2010; 148(6),961-963[20155488]
22) 社内資料:急性移植片対宿主病を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(C2301試験)(2023年8月23日承認、CTD2.7.6-4.1.1)[20220004]
23) Harris AC, Young R, Devine S, et al.: Biol Blood Marrow Transplant 2016 ; 22(1):4-10[20220362]
24) 社内資料:慢性移植片対宿主病を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(D2301試験)(2023年8月23日承認、CTD2.7.6-4.1.2)[20220005]
25) Lee SJ, Wolff D, Kitko C, et al.: Biol Blood Marrow Transplant 2015; 21(6):984-999[20210063]
26) 社内資料:国際共同第Ⅱ相試験(G12201試験)[20240166]
27) 社内資料:In vitro酵素阻害作用(2014年7月4日承認、CTD2.6.2-2.1)[20142613]
28) 社内資料:In vitro腫瘍増殖抑制作用(2014年7月4日承認、CTD2.6.2-2.2)[20142614]
29) 社内資料:In vivo腫瘍増殖抑制作用(2014年7月4日承認、CTD2.6.2-2.3)[20142618]
30) 社内資料:In vivoサイトカイン産生抑制作用(2014年7月4日承認、CTD2.6.2-2.3)[20142616]
31) 社内資料:In vivo(変異型JAK)腫瘍増殖抑制作用(2015年9月24日承認、CTD2.6.2-2.2.1)[20151290]
32) 社内資料:In vivo急性GVHD抑制作用(2023年8月23日承認、CTD2.6.2-2.1)[20220001]
33) 社内資料:In vivo慢性GVHD抑制作用(2023年8月23日承認、CTD2.6.2-2.2)[20220002]
ノバルティスファーマ株式会社 ノバルティスダイレクト
〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1
ノバルティスファーマ株式会社
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6歳未満の小児患者に対する投与液量=用量レベル×患者の体表面積÷投与濃度
体表面積
ルキソリチニブ投与液量(1回あたり)
投与濃度
最小
最大
0.07m2
0.18m2
0.1mL
5mg/mL
0.19m2
0.31m2
0.2mL
0.32m2
0.43m2
0.3mL
0.44m2
0.56m2
0.4mL
0.57m2
0.68m2
0.5mL
0.69m2
0.81m2
0.6mL
0.82m2
0.93m2
0.7mL
0.94m2
1.06m2
0.8mL
1.07m2
1.18m2
0.9mL
1.19m2
1.31m2
1.0mL
1.32m2
1.43m2
1.1mL
1.44m2
1.56m2
1.2mL
1.57m2
1.68m2
1.3mL
1.69m2
1.81m2
1.4mL
1.82m2
1.93m2
1.5mL
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