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劇薬
処方箋医薬品注)
MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
通常、成人にはカプマチニブとして1回400mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
減量レベル
投与量
通常投与量
1回400mg(1日2回)
1段階減量
1回300mg(1日2回)
2段階減量
1回200mg(1日2回)
中止
1回200mg(1日2回)で忍容不能な場合、投与を中止する。
副作用
基準注1)
本剤の投与量調節
間質性肺疾患
Grade 1以上
投与を中止する。
AST又はALT増加かつ総ビリルビン増加注2)
AST又はALT増加>3.0×ULNかつ総ビリルビン増加>2.0×ULN
AST又はALT増加
Grade 3
Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。7日以内に回復した場合は、同一用量で投与を再開する。7日を過ぎてから回復した場合は、1段階減量して投与を再開する。
Grade 4
総ビリルビン増加
Grade 2
Grade1以下に回復するまで休薬する。7日以内に回復した場合は、同一用量で投与を再開する。7日を過ぎてから回復した場合は、1段階減量して投与を再開する。
Grade1以下に回復するまで休薬する。7日以内に回復した場合は、1段階減量して投与を再開する。7日以内に回復しない場合は、投与を中止する。
上記以外の副作用
管理困難で忍容不能な場合は、Grade1以下に回復するまで休薬する。休薬後に投与を再開する際には、1段階減量して投与を再開する。
Grade2以下に回復するまで休薬する。休薬後に投与を再開する際には、1段階減量して投与を再開する。
ULN:施設基準値上限
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。,,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ウサギ及びラットを用いた生殖発生毒性試験において、それぞれ臨床曝露量の0.01倍及び0.42倍で催奇形性が報告されている。,,
授乳しないことが望ましい。乳汁移行に関するデータはないが、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重大な副作用が発現するおそれがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
強力な又は中等度のCYP3A誘導剤
,
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又はCYP3A誘導作用の弱い薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
強力なCYP3A阻害剤
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が増加する可能性がある。
CYP1A2の基質となる薬剤
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
本剤がCYP1A2を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
P-gpの基質となる薬剤
本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
BCRPの基質となる薬剤
本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
胃内pHを上昇させる薬剤
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。
これらの薬剤が胃内pHを上昇させるため、本剤の吸収が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
間質性肺疾患(2.1%)、肺臓炎(4.1%)があらわれることがある。異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。,,,
末梢性浮腫(52.6%)、低アルブミン血症(7.2%)、胸水(頻度不明)、心嚢液貯留(1.0%)等の体液貯留があらわれることがある。急激な体重の増加、呼吸困難等の異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
AST増加(7.2%)、ALT増加(10.3%)等の肝機能障害があらわれることがある。,
血中クレアチニン増加(25.8%)、腎不全(頻度不明)、急性腎障害(頻度不明)等の腎機能障害があらわれることがある。,
10%以上
10%未満
頻度不明
感染症および寄生虫症
―
蜂巣炎
代謝および栄養障害
食欲減退
低リン酸血症
低ナトリウム血症
呼吸器、胸郭および縦隔障害
呼吸困難、咳嗽
胃腸障害
悪心(37.1%)、嘔吐、下痢、リパーゼ増加
便秘、アミラーゼ増加
急性膵炎
肝胆道系障害
血中ビリルビン増加
**皮膚および皮下組織障害
そう痒症、蕁麻疹、発疹
一般・全身障害および投与部位の状態
疲労
発熱、体重減少
背部痛、非心臓性胸痛
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人の進行固形癌患者にカプマチニブ200mg注3)又は400mgを空腹時に1日2回反復経口投与したときのカプマチニブのPKパラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった。カプマチニブ400mgを空腹時に1日2回反復経口投与したときの投与15日目におけるカプマチニブの蓄積率は1.99であった1)。
投与量(mg)
投与
Cmax(ng/mL)
Tmax※(h)
AUClast(ng・h/mL)
AUC0-12h(ng・h/mL)
200
1日目(n=3)
2190(118.0)
0.950(0.917-0.967)
8200(61.0)
8170(61.3)
15日目(n=3)
2850(59.6)
0.967(0.967-2.00)
11000(56.2)
400
1日目(n=12)
3230(80.8)
1.00(0.467-3.95)
12500(74.0)
12500(73.8)
15日目(n=9)
6450(67.0)
1.00(0.500-2.00)
26400(70.4)
26300(70.2)
幾何平均(幾何平均CV%) ※Tmaxは中央値(最小値-最大値)
また、国際共同第Ⅱ相試験で非小細胞肺癌患者に400mgを空腹時に1日2回反復経口投与してカプマチニブの薬物動態を評価した結果、累積率(1.39)から算出した有効半減期は6.54時間と推定され、反復投与後3日までに定常状態に達すると考えられる2)。
健康成人(24例)に本剤600mg注3)を単回経口投与したとき、空腹時投与に対する低脂肪食投与におけるカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.11及び1.20であった。また、空腹時投与に対する高脂肪食投与におけるカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.15及び1.46であった3)(外国人データ)。
カプマチニブのヒト血漿タンパク結合率は96%であった。血液/血漿濃度比は、濃度範囲10~1,000ng/mLで1.5、高濃度10,000ng/mLでは0.9であった4)(in vitro)。
カプマチニブは主にCYP3A4及びアルデヒドオキシダーゼによって代謝される(in vitro)。健康成人(6例)に[14C]カプマチニブ600mg注3)を単回経口投与したとき、投与12時間後までの血漿中に、主に未変化体及び薬理活性を示さない代謝物M16(酸化体)が検出された(血漿中総放射能のAUC12hに対する割合は、それぞれ42.9及び21.5%)5)(外国人データ)。
健康成人(6例)に[14C]カプマチニブ600mg注3)を単回経口投与したとき、投与168時間後までの尿及び糞中において、それぞれ投与放射能の21.8及び77.9%が排泄された。また、投与96時間までの尿中及び糞中において、それぞれ主にM16及び未変化体が検出された(投与放射能に対する割合は、それぞれ2.9及び42.1%)5)(外国人データ)。
カプマチニブ200mg注3)を単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(9例)に対する軽度(Child-Pugh分類A)の肝機能障害患者(6例)のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.724及び0.767であった。また、肝機能正常被験者(9例)に対する中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害患者(8例)のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.828及び0.914であった。肝機能正常被験者(9例)に対する重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者(6例)のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.02及び1.24であった6)(外国人データ)。
健康成人(25例)にリファンピシン(強力なCYP3A誘導剤)600mgを1日1回9日間反復経口投与し、カプマチニブ400mgを単回経口投与したとき、カプマチニブ単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.441及び0.335であった7)(外国人データ)。
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、カプマチニブ(400mgを単回投与)単独投与時に対するエファビレンツ(中等度のCYP3A誘導剤)(600mgを1日1回投与)併用投与時のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.683及び0.554であった8)。
健康成人(26例)にイトラコナゾール(強力なCYP3A阻害剤)200mgを1日1回10日間反復経口投与し、カプマチニブ200mg注3)を単回経口投与したとき、カプマチニブ単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.03及び1.42であった7)(外国人データ)。
MET遺伝子変異等を有する進行固形癌患者(30例)にカプマチニブ400mgを1日2回9日間反復経口投与し、カフェイン(CYP1A2の基質)100mgを単回経口投与したとき、カフェイン単独投与時に対するカプマチニブ併用投与時のカフェインのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.04及び2.34であった9)(外国人データ)。
MET遺伝子変異等を有する進行固形癌患者(25例)にカプマチニブ400mgを1日2回22日間反復経口投与し、ジゴキシン(P-gpの基質)0.25mgを単回経口投与したとき、ジゴキシン単独投与時に対するカプマチニブ併用投与時のジゴキシンのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.74及び1.47であった10)(外国人データ)。
MET遺伝子変異等を有する進行固形癌患者(24例)にカプマチニブ400mgを1日2回22日間反復経口投与し、ロスバスタチン(BCRPの基質)10mgを単回経口投与したとき、ロスバスタチン単独投与時に対するカプマチニブ併用投与時のロスバスタチンのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ3.04及び2.08であった10)(外国人データ)。
健康成人(20例)にラベプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)20mgを1日1回4日間反復経口投与し、カプマチニブ600mg注3)を単回経口投与したとき、カプマチニブ単独投与時に対するラベプラゾール併用投与時のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.625及び0.748であった11)(外国人データ)。
MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象としたコホートにおいて、①化学療法歴のない患者28例(日本人患者2例を含む)及び②化学療法歴のある患者69例(日本人患者11例を含む)に本剤1回400mgを1日2回経口投与した。主要評価項目である独立画像判定機関の評価による奏効率(RECIST ver 1.1基準に基づく)は、それぞれ①67.9%(95%信頼区間:47.6-84.1)及び②40.6%(95%信頼区間:28.9-53.1)であった2)。副作用は、97例中87例(89.7%)に認められ、主な副作用は、末梢性浮腫52.6%(51/97例)、悪心37.1%(36/97例)、血中クレアチニン増加25.8%(25/97例)、嘔吐18.6%(18/97例)、疲労16.5%(16/97例)、食欲減退15.5%(15/97例)、下痢11.3%(11/97例)、リパーゼ増加11.3%(11/97例)及びALT増加10.3%(10/97例)であった。
カプマチニブは、間葉上皮転換因子(MET)に対する阻害作用を有する低分子化合物であり、METのリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
カプマチニブは、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異を有する非小細胞肺癌患者由来腫瘍組織片を皮下移植した非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した13)(in vivo)。
カプマチニブ塩酸塩水和物(Capmatinib Hydrochloride Hydrate)
2-Fluoro-N-methyl-4-{7-[(quinolin-6-yl)methyl]imidazo[1,2-b][1,2,4]triazin-2-yl}benzamide dihydrochloride monohydrate
C23H17FN6O・2HCl・H2O
503.36
黄色の粉末である。
28錠[14錠(PTP)×2]
1) 社内資料:国内第Ⅰ相試験(X1101試験)(2020年6月29日承認、CTD2.7.2-2.3.1)[20200169]
2) 社内資料:国際共同第Ⅱ相試験(A2201試験)(2020年6月29日承認、CTD2.7.6-4.2.1)[20200170]
3) 社内資料:健康被験者での食事の影響に関する検討(X2107試験)(2020年6月29日承認、CTD2.7.1-2.1.2)[20200175]
4) 社内資料:血球分布と血漿タンパク結合率(2020年6月29日承認、CTD2.7.2-2.1.1)[20200178]
5) 社内資料:放射性標識体を用いたADME試験(2020年6月29日承認、CTD2.7.2-2.2.1)[20200179]
6) 社内資料:肝機能障害の影響(2020年6月29日承認、CTD2.7.2-2.3.8)[20200182]
7) 社内資料:リファンピシン及びイトラコナゾールとの薬物相互作用(2020年6月29日承認、CTD2.7.2-2.2.3)[20200184]
8) 社内資料:CYP3Aを介した薬物相互作用に関するシミュレーション(2020年6月29日承認、CTD2.7.2-3.3.1)[20200185]
9) 社内資料:ミダゾラム及びカフェインとの薬物相互作用(2020年6月29日承認、CTD2.7.2-2.3.6)[20200186]
10) 社内資料:ジゴキシン及びロスバスタチンとの薬物相互作用(2020年6月29日承認、CTD2.7.2-2.3.7)[20200187]
11) 社内資料:ラべプラゾールとの薬物相互作用(2020年6月29日承認、CTD2.7.2-2.2.2)[20200188]
12) 社内資料:代謝酵素及びトランスポーターに関する検討(2020年6月29日承認、CTD2.7.2-2.1)[20200181]
13) Baltschukat, S. et al.:Clin. Cancer Res. 2019;25(10):3164-3175[20200191]
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