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ランプレンカプセル50mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.2製造販売後調査等
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗菌作用
18.3抗炎症作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ランプレンカプセル50mg

添付文書番号

6239001M1022_4_01

企業コード

300242

作成又は改訂年月

2024年5月改訂(第2版)
2023年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

876239

薬効分類名

抗ハンセン病剤

承認等

ランプレンカプセル50mg

販売名コード

YJコード

6239001M1022

販売名英語表記

Lampren Capsules 50mg

販売名ひらがな

らんぷれんかぷせる50mg

承認番号等

承認番号

20800AMY10151000

販売開始年月

1996年12月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

クロファジミン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ランプレンカプセル50mg

有効成分1カプセル中クロファジミン   50mg
添加剤ナタネ油、ミツロウ、硬化油、大豆レシチン、ジブチルヒドロキシトルエン、無水クエン酸、プロピレングリコール
カプセル本体にゼラチン、グリセリン、三二酸化鉄、黒酸化鉄、パラオキシ安息香酸エチルナトリウム、パラオキシ安息香酸プロピルナトリウム、香料、エチルバニリン含有

3.2 製剤の性状

ランプレンカプセル50mg

外形
(球形)
大きさ直径約7mm
質量約228mg
性状褐色の不透明な球形の軟カプセル

4. 効能又は効果

  • 〈適応菌種〉

    本剤に感性のらい菌

  • 〈適応症〉

    ハンセン病

6. 用法及び用量

  • 〈ハンセン病(多菌型)〉

    通常成人には、クロファジミンとして50mgを1日1回または200mg~300mgを週2~3回に分割して、食直後に経口投与する。年齢・症状により適宜増減する。
    投与期間は最低2年とし、可能であれば皮膚塗抹陰性になるまで投与すること。
    原則として、他剤と併用して使用すること。

  • 〈ハンセン病(らい性結節性紅斑)〉

    通常成人には、クロファジミンとして100mgを1日1回、食直後に経口投与する。らい反応が安定した場合には100mgを週3回に減量する。
    投与期間は3ヵ月以内とする。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、「ハンセン病診断・治療指針」(厚生省・(財)藤楓協会発行)を参考に治療を行うことが望ましい。
  2. 8.2 ハンセン病の治療にあたっては、本剤による治療についての科学的データの蓄積が少ないことを含め、患者に十分な説明を行い、インフォームド・コンセントを得ること。
  3. 8.3 本剤を高用量で長期投与した場合、腸間膜リンパ節、脾臓等に蓄積し、沈殿する。空腸粘膜の固有層や腸間膜リンパ節に本剤の結晶が蓄積すると、腸疾患が発症する可能性があり、まれに腸閉塞、脾臓梗塞を起こすことが報告されている。胃腸症状(下痢・腹痛等)が発現した場合には、減量、休薬、投与間隔をあけるなどの処置を行うこと。,
  4. 8.4 本剤服用による皮膚の着色で、結果的に抑うつ症状を生じる可能性があるので、患者の精神状態に十分注意すること。また皮膚及び毛髪の着色は可逆的である。皮膚の着色は、本剤中止後、消失までに数ヵ月~数年かかることをあらかじめ患者に説明しておくこと。なお、皮膚の着色は日光曝露によって濃くなることが報告されている。
  5. 8.5 本剤投与中にめまい、視力低下、疲労、頭痛を訴える患者には、自動車の運転、機械の操作等危険を伴う作業に従事させないよう十分注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 胃腸障害(頻回の下痢・腹痛等)のある患者

    症状を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス・ラット)で着床数の減少、胎児体重の減少及び新生児死亡率の増加がみられている。また、マウスでは胎児死亡数及び胎児頭骨の化骨遅延の増加がみられている。
  2. 9.5.2 妊娠中に投与した場合、胎盤を通過し、出生児に皮膚着色がみられることがある。
  3. 9.5.3 本剤投与中に妊娠が確認された場合には、継続治療の必要性について検討すること。妊娠中はハンセン病の症状が悪化しやすい。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、母乳及び乳児の皮膚が着色することがある。

9.8 高齢者

減量するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 腸閉塞(頻度不明)

  2. 11.1.2 脾臓梗塞(頻度不明)

  3. 11.1.3 血栓塞栓症(頻度不明)

11.2 その他の副作用

頻度不明

皮膚

皮膚着色(皮膚病変及び皮膚が暗赤色~黒褐色に着色)、色素沈着障害、毛髪の着色、皮膚乾燥、光線過敏症、魚鱗癬、痤瘡様発疹、紅皮症、発疹、瘙痒、剥脱性皮膚炎

消化器

胃腸出血、好酸球性腸炎、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘、食欲不振、胃不快感

結膜・角膜・涙液の着色、黄斑部・角膜上皮下の色素沈着、眼の乾燥・刺激・灼熱感、視力低下

精神神経系

めまい、頭痛、嗜眠、神経痛、皮膚着色による抑うつ症状

肝臓

肝炎、黄疸、肝腫大、AST上昇、ビリルビン上昇

血液

貧血、好酸球増多

その他

汗・痰・尿・便・鼻汁・精液・母乳等の着色、リンパ節症、膀胱炎、骨痛、浮腫、疲労、発熱、血管痛、レイノー様現象、体重減少、味覚障害、モニリア口唇炎、低カリウム血症、血糖値上昇、血沈亢進、血清アルブミン増加

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

本剤はチョコレート様の外観でバニラのにおいがするので、小児の手の届かない所に保管するよう患者に説明すること。

14.2 薬剤服用時の注意

消化管からの吸収促進を図るため、食直後に服用又は食事・ミルク等とともに服用すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

高用量(300mg/日)の本剤とイソニアジド(300mg/日)の併用投与を受けている患者で、本剤の皮膚の濃度は低かったが、血漿中及び尿中濃度は上昇したとの報告がある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男子にクロファジミン200mgを食後に単回経口投与したとき、クロファジミンは投与4~8時間後に最高血漿中濃度(平均:408ng/g)に達し、その後半減期10.6日で消失した1) (外国人のデータ)。

クロファジミン200mg投与後の血漿中濃度推移

16.2 吸収

ハンセン病患者16例にクロファジミン100、300、400、及び600mgを空腹時に単回経口投与した時、消化管での分解、腸肝循環などを無視して、72時間にわたり採取された糞中薬物量と投与量の差を、胃腸管から吸収されたクロファジミン量と仮定した場合の吸収率はそれぞれ62.5%、48.7%、44.3%及び42.6%であった2)

16.3 分布

  1. 16.3.1 蛋白結合

    蛋白結合率は約25%であった3) (外国人のデータ)。

  2. 16.3.2 体液・組織内移行

    クロファジミンは主として脂肪組織中及び細網内皮系のマクロファージ中に蓄積し、皮下脂肪、腸間膜リンパ節、胆汁及び胆嚢、副腎、膵臓、脾臓、肝臓、肺、腎臓、心臓、皮膚、小腸、眼球、末梢神経等への移行が認められているが、脳中には検出されていない4),5) 。また、乳汁中への移行も認められている6) (外国人のデータ)。

16.4 代謝

尿中に検出される代謝物は、hydroxy clofazimine、hydroxy deschloroanilino clofazimine glucuronide及びhydrated clofazimine glucuronideであるが、いずれも微量である7),8) (外国人のデータ)。

16.5 排泄

健康成人にクロファジミン100~600mgを単回経口投与したとき、投与後24時間までのクロファジミンの尿中排泄率は投与量の0.03~0.41%であり、投与3日後までの糞中排泄率は投与量の9~74%である9) (外国人のデータ)。

17. 臨床成績

17.2 製造販売後調査等

ハンセン病患者を対象とした使用成績調査において、有効性評価対象症例96例における有効率は96.9%(93/96例)であった。また、多菌型に対する有効率は97.8%(90/92例)、WHOのMTDの有効率は94.9%(37/39例)であった。さらに、らい性結節性紅斑に対する有効率は100%(24/24例)であった。ハンセン病患者を対象にした使用成績調査において、97例中報告された副作用は38.1%(37例)に66件で、主な副作用は、色素沈着障害22件、胃不快感4件等であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

クロファジミンのらい菌(Mycobacterium leprae)に対する作用の詳細な機序は不明であるが、らい菌のDNAに直接結合することによるDNA複製阻害作用及びマクロファージのライソゾーム酵素を活性化することによる作用が寄与すると考えられる。

  1. 18.1.1 細菌DNAへの結合

    クロファジミンのDNA結合性を赤色波長の吸収変化を指標に、分光光度計により測定した結果、MycobacteriumのDNAに結合性を示した10)

  2. 18.1.2 ライソゾーム酵素の活性化

    クロファジミンを混和した餌を21日間連続摂餌投与したマウスの腹腔内マクロファージにおける、ライソゾーム酵素に対する影響を検討した結果、クロファジミン1及び10mg/kg/日投与群において、N-アセチル-β-グルコサミニダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、カテプシンCの活性がコントロール群に比較して有意に上昇した11)

18.2 抗菌作用

  1. 18.2.1 In vitroにおける作用

    クロファジミンのin vitroにおけるM.lepraeに対するMIC測定法は確立されていない。

  2. 18.2.2 In vivo感染モデルにおける作用

    ヌードマウスを用いたらい菌感染モデルにおいて、クロファジミンを0.003%含有混餌にて7週及び14週間連続投与した場合、薬物非投与群に比較して有意な増殖抑制作用を認めた12)
    マウスを用いたらい菌感染モデルにおいて、増殖初期から定常期まで(0~183日間)薬物投与を行った時、クロファジミンの0.01%混餌による連続投与群において、また対数増殖初期から定常期まで(76~167日間)薬物投与を行った時、クロファジミンの0.0001、0.001、0.01%混餌による連続投与群において、それぞれ薬物非投与群に比較して有意な増殖抑制作用を認めた13)

18.3 抗炎症作用

健康成人及びハンセン病患者から採取、精製した好中球を用い、エンドトキシン活性化血清刺激による好中球遊走に対するクロファジミンの作用を検討した結果、いずれの好中球に対しても、クロファジミンは1×10-3Mから1×10-5Mにおいて濃度依存的な遊走阻害作用を示した14)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

クロファジミン(Clofazimine)

化学名

3-(4-Chloroanilino)-10-(4-chlorophenyl)-2, 10-dihydro-2-isopropyliminophenazine

分子式

C27H22Cl2N4

分子量

473.40

性状

赤褐色の粉末である。
ジクロロメタンにやや溶けやすく、エタノール(96)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。

化学構造式

融点

約217℃(分解点)

20. 取扱い上の注意

過酷な温度条件で崩壊遅延を認める場合があるので、35℃以上で保存しないこと。

22. 包装

100カプセル[瓶]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

*ノバルティスファーマ株式会社 ノバルティスダイレクト

*〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売

*ノバルティスファーマ株式会社

*東京都港区虎ノ門1-23-1

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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