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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
腎移植後の急性拒絶反応の抑制
**通常、幼児・小児にはバシリキシマブ(遺伝子組換え)として20mgを総用量とし、10mgずつ2回に分けて、静脈内に注射する。初回投与は移植術前2時間以内に、2回目の投与は移植術4日後に行う。静脈内注射に際しては、本剤1バイアルを日局注射用水2.5mLで溶解し、全量を投与する。
肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。免疫抑制剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。また、HBs抗原陰性の患者において、免疫抑制剤の投与開始後にB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎を発症した症例が報告されている。また、C型肝炎ウイルスキャリアの患者において、免疫抑制剤の投与開始後にC型肝炎の悪化がみられることがある。
本剤投与後に透析を行う場合は、ポリアクリロニトリル(PAN)膜及びポリエステルポリマーアロイ(PEPA)膜の使用を避けることが望ましい。in vitroでの透析膜への吸着試験において、PAN膜でバシリキシマブの濃度低下が認められ、PEPA膜で濃度低下の可能性が示唆された1)。
妊娠する可能性のある女性では本剤最終投与後4ヵ月間は、避妊すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。本剤はIgG抗体であることから胎盤を通過すると考えられる。また、妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした国内臨床試験は実施していない。また、国内外臨床試験に体重9Kg未満の小児等は含まれていない2),3),4)。なお、外国における使用経験については、16.1.2及び17.1.2を参照すること。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。
不活化ワクチン(不活化インフルエンザワクチン等)
ワクチンの効果が得られないおそれがある。
免疫抑制作用によって、ワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。
以下のようなアナフィラキシー症状を含む異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、その後の投与は行わないこと。
細菌、真菌あるいはウイルスによる重篤な感染症(肺炎、敗血症、尿路感染症、単純疱疹等)があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上
5%未満
頻度不明
精神神経系
頭痛
痙攣、第3脳神経麻痺
眼
眼の異常感、複視、眼痛、光視症
呼吸器
口腔咽頭痛、咳嗽、鼻漏、湿性咳嗽
痰貯留
鼻炎
循環器
高血圧・血圧上昇
血管
肺塞栓症、血管炎、静脈血栓症
血液
リンパ球数減少、白血球数増加、血小板数増加、白血球数減少
単球数減少、好中球数減少、好中球数増加
貧血
消化器
下痢
悪心
便秘
肝臓
血中LDH増加、AST増加、ALT増加、血中ALP増加、血中ビリルビン増加、γ-GTP増加
泌尿器
尿中蛋白陽性
血中クレアチニン増加、血中尿素増加
皮膚
そう痒症、発疹
術後創合併症、多毛症
その他
発熱、C-反応性蛋白増加、悪寒、胸痛、血中トリグリセリド増加
けん怠感、下垂体の良性腫瘍、関節痛、筋肉痛、血中リン減少、血中アルブミン減少、尿中ブドウ糖陽性、抗体検査陽性、末梢性浮腫
疼痛、体重増加、高カリウム血症、高コレステロール血症
国内で実施された臨床試験(シクロスポリン及び副腎皮質ホルモン剤を併用)における新規小児腎移植患者(総症例6例、年齢1~12歳、体重10.4~28.0kg)において、移植後26週間における急性拒絶反応が認められなかった患者の割合(無発現率)は以下のとおりであった(Kaplan-Meier(K-M)法)9)。
小児腎移植患者を対象とし、シクロスポリン、副腎皮質ホルモン剤を併用した試験(総症例41例)において、移植後12ヵ月までに急性拒絶反応(死亡、移植腎廃絶を含む)が認められなかった患者の割合(無発現率)は以下のとおりであった(K-M法)。コホート1:1~8歳の症例(18例)、コホート2:9~16歳の症例(23例)3),12)
国内で実施された2つの臨床試験(シクロスポリン及び副腎皮質ホルモン剤を併用)における新規腎移植患者(総症例31例)において、移植後6ヵ月までに急性拒絶反応が認められなかった患者の割合(無発現率)は以下のとおりであった(K-M法)8)。
拒絶反応所見を除いた有害事象※の発現率は、20mg製剤投与群、プラセボ投与群(P群)の両群とも99%で、ほぼ全例に有害事象の発現が認められた。最も多く認められた有害事象は便秘(20mg製剤投与群48%、P群49%)で、ついで尿路感染症(20mg製剤投与群46%、P群46%)、疼痛(20mg製剤投与群42%、P群39%)、嘔気(20mg製剤投与群34%、P群40%)等で、高頻度(発現率20%以上)で認められた有害事象において、20mg製剤投与群に特異的に認められた有害事象はなかった。(※薬剤との関連性の有無にかかわらず治験中に発現したもの)本試験終了後、4年間の追跡調査(総症例586例)を行った。本試験終了から移植後60ヵ月までのリンパ増殖性疾患及び悪性腫瘍の発現率は20mg製剤投与群、P群ともに7%であった。また移植後60ヵ月までに20mg製剤投与群とP群間の生着率に有意差はみられなかった。死亡率は20mg製剤投与群15%、P群11%であり有意差はみられなかった。主な死因は、両群ともに心疾患であった15)。
バシリキシマブは、ヒトIL-2受容体α鎖(CD25)に対するマウスモノクローナル抗体であるRFT-5を基に、ヒトにおける異種抗原に対する免疫原性を減弱させ、バシリキシマブの効力であるIL-2の受容体結合阻害作用時間の延長を目的として開発されたヒト/マウス キメラ型モノクローナル抗体である。バシリキシマブは、活性化T細胞表面に選択的に発現するIL-2受容体α鎖(CD25)に対して特異的な親和性を有し、IL-2の受容体への結合を阻害する。その結果、IL-2受容体を介したT細胞の活性化及び増殖を抑制し、腎移植後に発現する急性拒絶反応を抑制する。
バシリキシマブはヒト、アカゲザル及びカニクイザル由来の活性化T細胞において、細胞表面に選択的に発現するIL-2受容体α鎖(CD25)に対して特異的な親和性を有し、IL-2のIL-2受容体に対する結合を抑制した19)(in vitro)。
バシリキシマブは、ヒト末梢血由来T細胞の活性化及び混合リンパ球反応を抑制した19)(in vitro)。
バシリキシマブ(遺伝子組換え)(Basiliximab(genetical recombination))
約147,000
遺伝子組換えによるヒト/マウス キメラ型モノクローナル抗体(IgG1)で、1,316個のアミノ酸残基からなる糖蛋白質。無色で澄明又は混濁した液である。
**1バイアル
1) 社内資料:透析膜への吸着(in vitro)[20022360]
2) Sterkers,G.et al.:Transplant.Proc. 2000;32(8):2757-2759[20020378]
3) Physicians’Desk Reference. 2008; 62,2281-2283[20081123]
4) Offner,G.et al.:Transplantation. 2002; 74(7):961-966[20027706]
5) Kovarik,J.M.et al.:Transplantation.2002; 74(7):966-971[20027707]
6) 社内資料:外国成人腎移植患者における安全性及び耐容性の検討 (2002年1月17日承認(シムレクト20mg)、申請資料概要 ト-16)[20020858]
7) 社内資料:成人腎移植患者における外国第Ⅲ相臨床試験 (2002年1月17日承認(シムレクト20mg)、申請資料概要 ト-41、ト-57)[20020859]
8) 社内資料:成人腎移植患者における国内臨床試験 (2002年1月17日承認(シムレクト20mg)、申請資料概要 ト-73、ト-86)[20020860]
9) 社内資料:国内小児腎移植患者における国内臨床薬理試験 [20081121]
10) Haba,T.et al.:Transplant.Proc. 2001;33(7-8):3174-3175[20021187]
11) 社内資料:外国成人腎移植患者における薬物動態の検討 (2002年1月17日承認(シムレクト20mg)、申請資料概要 ト-30)[20020861]
12) 社内資料:外国新規小児腎移植患者における薬物動態・薬力学、安全性及び耐容性の検討 [20020857]
13) Nashan,B.et al.:Lancet.1997; 350(9086):1193-1198[20020376]
14) Kahan,B.D.et al.:Transplantation.1999; 67(2):276-284[20020377]
15) 社内資料:成人腎移植患者における外国第Ⅲ相臨床試験:期間延長非盲検試験の5年生存率[20035795]
16) Ponticelli,C.et al.:Transplantation.2001;72(7):1261-1267[20020379]
17) 社内資料:外国成人腎移植患者におけるアザチオプリンを含む3剤併用治療におけるプラセボとの二重盲検比較試験 (2002年1月17日承認(シムレクト20mg)、申請資料概要 ト-101)[20020862]
18) Lawen,J.G.et al.:Transplantation. 2003; 75(1):37-43[20031867]
19) 社内資料:T細胞、IL-2レセプターに対する薬理作用 (2002年1月17日承認(シムレクト20mg)、申請資料概要 ホ-5、ホ-6)[20020864]
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