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日本薬局方
ナブメトン錠
下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎
通常、成人にはナブメトンとして800mgを1日1回食後に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
消化性潰瘍を再発させるおそれがある。
本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある。
血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。
プロスタグランジン生合成抑制作用により、浮腫、循環体液量の増加が起こり、心臓の仕事量が増加するため、症状を悪化させるおそれがある。
プロスタグランジン生合成抑制作用により、浮腫、循環体液量の増加が起こり、血圧を上昇させるおそれがある。
喘息発作を悪化させるおそれがある。
症状を悪化させるおそれがある。
必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。
投与しないこと。プロスタグランジン生合成抑制作用による腎血流量の低下等により、腎障害を悪化させるおそれがある。
腎障害を悪化又は再発させることがある。
投与しないこと。副作用として肝障害が報告されており、肝障害を更に悪化させるおそれがある。
肝障害を悪化又は再発させるおそれがある。
投与しないこと。動物実験(ラット)で分娩遅延が報告されている。また、妊娠末期のラットに投与した実験で、胎児の動脈管収縮が報告されている。
*治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する際には、必要最小限にとどめ、羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児の動脈管収縮が起きたとの報告がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
副作用の発現に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
クマリン系抗凝血剤
抗凝血作用を増強することがあるので、用量を調節するなど注意すること。
本剤の蛋白結合率は高いので、これらの薬剤の血漿蛋白結合と競合し、それらの遊離型の血中濃度を増加し、作用が増強されるためと考えられている。
スルホニル尿素系血糖降下剤
血糖降下作用を増強することがあるので、用量を調節するなど注意すること。
チアジド系利尿剤
ループ利尿剤
利尿作用を減弱するおそれがある。
本剤のプロスタグランジン生合成抑制作用により、水、ナトリウムの腎排泄を減少させるためと考えられる。
メトトレキサート
血中メトトレキサート濃度を上昇させ、作用を増強するおそれがあるので血中メトトレキサート濃度に注意し、必要があれば、用量を調節すること。
本剤のプロスタグランジン生合成抑制作用により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる。
リチウム製剤
血中リチウム濃度を上昇させ、リチウム中毒を起こすおそれがあるので血中リチウム濃度に注意し、必要があれば、用量を調節すること。
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、蕁麻疹、顔面浮腫等)があらわれることがある。
発熱、咳嗽、労作時息切れ等の呼吸器症状があらわれた場合には、速やかに胸部X線、血液ガス分析等の検査を実施し、間質性肺炎が疑われる場合には直ちに投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
AST、ALT、Al-Pの上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
皮膚の露光部に発赤、水疱等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
*心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある1) 。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒感
消化器
胃部不快感、胃痛、嘔気、下痢、食欲不振、腹痛、心窩部痛、消化不良、口渇、便秘、口内炎、心窩部不快感、胃重感
嘔吐
消化性潰瘍、胃腸出血
精神神経系
めまい、頭痛
眠気
血液
好酸球増多
白血球減少
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
腎臓
BUN上昇
血清クレアチニン上昇
蛋白尿
その他
浮腫
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
健康成人男性(6例)にナブメトン800mgを食後単回経口投与したところ速やかに吸収され、血中には大部分が活性代謝物6-メトキシ-2-ナフチル酢酸の形で存在し、未変化体はほとんど検出されなかった。6-メトキシ-2-ナフチル酢酸は約4時間で最高血中濃度に達し、約21時間の半減期で減少した2)。
tmax
4.0±1.8時間
Cmax
36.7±8.5μg/mL
t1/2
20.5±2.2時間
Mean±S.D., n=6
健康成人男性6例にナブメトン800mgを食後に経口投与した場合の血清中活性代謝物濃度
健康成人男性(6例)にナブメトン800mgを1日1回7日間反復経口投与したとき、6-メトキシ-2-ナフチル酢酸の血中濃度は投与後4日目で定常状態に達した。7日目投与後の半減期は約19時間と単回投与時のそれと大きな差はなかった2)。また、関節リウマチ患者(7例)にナブメトン800mgを1日1回42日間反復経口投与し、血清中6-メトキシ-2-ナフチル酢酸濃度を測定した。3日目の投与直前値は28.7μg/mL、42日目では31.8μg/mL、3日目の投与後4時間値は54.1μg/mL、42日目では57.6μg/mLであり、血清中濃度は3日目で定常状態となっていた3)。これらの値は健康成人男性にナブメトン800mgを1日1回7日間反復経口投与したときの4日目及び7日目の投与直前値と比べ1.2~1.4倍高かった。
関節リウマチ患者(16例)にナブメトン800mgを1日1回42日間反復経口投与し、血清中の蛋白結合率を測定したところ、投与後1日目から42日目まで成人及び高齢患者とも99%以上であった3)。
健康成人男性(6例)にナブメトン800mgを単回経口投与した後の尿中排泄は6-メトキシ-2-ナフチル酢酸が抱合体として25.6%排泄されたが、未変化体は検出されなかった2)。また、本剤の主要排泄経路は腎であった4)。
高齢(69~75歳)の関節リウマチ患者(9例)にナブメトン800mgを1日1回42日間反復経口投与し血清中6-メトキシ-2-ナフチル酢酸濃度を測定した。高齢患者群の血清中濃度は成人患者群とほぼ同じであり、両群間に有意差はなかった3)。
二重盲検比較試験を含む1,001例の臨床試験成績において、改善率は以下のとおりであった。なお、臨床試験の多くは夕食後投与で行われたが、変形性関節症に対しては朝食後投与で本剤の有用性が明らかになった3),5),6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18)。
疾患名
例数
改善率(%)
中等度改善以上
軽度改善以上
関節リウマチ
308
18.2
46.1
変形性関節症
318
61.6
85.8
腰痛症
176
68.8
79.5
頸肩腕症候群
100
55.0
78.0
肩関節周囲炎
99
58.6
79.8
ナブメトンは経口投与されたとき未変化体のまま吸収され、体内で速やかに活性代謝物に変換される。この活性代謝物6-メトキシ-2-ナフチル酢酸はシクロオキシゲナーゼ活性抑制作用を有し、プロスタグランジン生合成を阻害することによって、抗炎症、鎮痛作用を発揮する19),20)。
ラットのカラゲニン足浮腫、モルモットの紫外線紅斑及びラットのアジュバント関節炎における抗炎症作用はアスピリンの約2.5~6倍であった19),20)。
ラットの炎症性疼痛(Randall-Selitto法)及びマウスの化学物質(酢酸Writhing法)に対する鎮痛作用はアスピリンの約2倍であった19)。
ナブメトン(Nabumetone)
4-(6-Methoxynaphthalen-2-yl)butan-2-one
C15H16O2
228.29
本品は白色~帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品はアセトニトリルにやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
79~84℃
100錠(PTP10錠×10)、500錠(PTP10錠×50)、1,000錠(PTP10錠×100)
1) *データベース調査結果の概要(NDBを用いた非ステロイド性抗炎症薬による心血管系イベント発現のリスク評価):https://www.pmda.go.jp/files/000270714.pdf
2) 寺川雅人 他:薬物動態誌. 1988;3(4):407-416
3) 高杉 潔 他:炎症. 1988;8(4):359-365
4) Haddock RE, et al.:Xenobiotica. 1984;14(4):327-337
5) 小松原良雄 他:薬理と治療. 1987;15(7):3115-3128
6) 小松原良雄 他:リウマチ. 1987;27(4):323-334
7) 青木虎吉 他:新薬と臨牀. 1988;37(6):976-995
8) 長屋郁郎 他:薬理と治療. 1988;16(5):2323-2339
9) 延永 正 他:基礎と臨床. 1988;22(8):2357-2371
10) 青木虎吉 他:薬理と治療. 1987;15(5):2225-2235
11) 柘植和郎 他:臨床医薬. 1988;4(8):1465-1475
12) 鐙 邦芳 他:新薬と臨牀. 1988;37(5):713-721
13) 勝呂 徹 他:基礎と臨床. 1988;22(8):2332-2341
14) 小松原良雄:基礎と臨床. 1988;22(8):2343-2356
15) 廣畑和志 他:薬理と治療. 1987;15(7):3129-3138
16) 松本忠美 他:薬理と治療. 1988;16(5):2341-2349
17) 五十嵐三都男 他:薬理と治療. 1988;16(5):2309-2321
18) 青木虎吉 他:新薬と臨牀. 1991;40(11):2422-2439
19) 藤津 隆 他:基礎と臨床. 1990;24(10):5187-5210
20) Boyle EA, et al.:J Pharm Pharmacol. 1982;34(9):562-569
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